発表年:2004年
ez的ジャンル:ソウルフル&メロウHip-Hopバンド
気分は... :Hip-Hop界のCCR!
今日はメロウな生音Hip-Hopが聴きたい気分です!
Hip-Hopバンドと聞いて、真っ先の思い出すグループはThe Rootsです。
そのThe Rootsの新作『Rising Down』を昨日購入。前作『Game Theory』(2006年)同様、ダークなアルバムに仕上がっていました。これはこれで刺激的なのですが、『Do You Want More?!!!??!』の頃のRootsが懐かしい...
そんな思いを抱きながら、CD棚から手に取った1枚が今日紹介するCrown City Rockers『Earthtones』(2004年)です。ジャジーなアングラHip-Hop好きの方にはお馴染みの1枚ですね。
Crown City Rockersは、カリフォルニア州オークランドを拠点とするHip-Hopバンド(元々はボストンが活動拠点)。メンバーは、Raashan Ahmad(MC)、Kat Ouano(key)、Headnodic(b)、Max MacVeety(ds)、Woodstock(beats)の5人。
以前はMissionというグループ名でしたが、MCのMoe Popeがグループを脱退したタイミングで改名しました。UKのロック・グループMissionとの区別という意味合いもあったみたいです。
今回紹介する『Earthtones』(2004年)は、Mission時代にリリースした『One』に続く2ndアルバムです。その間に日本独自企画アルバム『Crown City Rockers』(2004年)もリリースしています。
今年に入ってグループのリーダーRaashan Ahmadの活動が目立っていますよね。本ブログでも紹介したJazz Liberatorz『Clin d'oeil』での客演、初のソロ・アルバム『Push』のリリースと、USアングラHip-Hopを代表するMCとしてシーンを牽引しています。
『Push』は、Kero One、Jazz Liberatorz等がプロデュースで参加しているオススメ作です。
ザ・プッシュ
でも、個人的には今日紹介する『Earthtones』がサイコーだと思っています。
Hip-Hopバンドならではのドライブ感とメロウな味わいが堪能できる1枚に仕上がっています。
リーダー兼MCのRaashan Ahmadのみならず、プロデューサーとしても手腕を発揮するHeadnodicとWoodstock、サウンド面の要となるKat Ouanoのキーボード、Hip-Hopバンドらしさを感じさせるMax MacVeetyのドラム、といった各メンバーの個性が存分に発揮されたアルバムだと思います。特に、メロウ好きの僕としてはKat Ouanのフェンダー・ローズにヤラれっぱなしです。
かつて本ブログで紹介したOthello & The Hipknotics『Classics』、Othello『Alive At The Assembly Line』あたりがお好きな方は、必ず気に入る1枚だと思います。
Crown City Rockersを略して"CCR"と表記されることも多いですが、本家CCR(Creedence Clearwater Revival)とお間違えのないように。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Another Day」
アルバムからの先行シングルにもなりました。ブルージーかつズッシリ重いトラックが印象的ですね。Hip-Hopバンドならではのドラムのビート感がいいですね。
「Balance」
Living LegendsのScarubをフィーチャー。フェンダー・ローズがメロウに響き渡る浮遊感たっぷりのトラックがグッドです。
「Sidestep」
僕の一番のお気に入り曲。CCRと親交の深いオーガニック・ラテン・ソウル・ユニットO-Mayaの女性ヴォーカリストDestani Wolfをフィーチャーした極上メロウ・グルーヴ。ソウルフルなDestani Wolfのヴォーカル、Deodato「Speak Low」ネタのメロウ・トラック共にサイコーですな。
「B-Boy」
5th Dimension「Dimension Five」ネタのコーラスが印象的ですね。♪パッパッパァー♪パッパッパァー♪
「Fortitude」
BlackaliciousのThe Gift Of Gabをフィーチャー。ダークに鳴り響くピアノ・ループが印象的ですね。
「D minor nine」
心地良さ倍増のフェンダー・ローズ&サックスがいい感じのメロウ・チューン。70年代クロスオーヴァー/フュージョン好きの人は気に入ると思います。
「Heat」
重心の低いへヴィーなビートがグングン迫ってくるCCRの真骨頂といった感じの1曲。Hip-Hopバンドの魅力に溢れています。Curtis Mayfield「Right On For The Darkness」ネタ。
「Earthtones」
タイトル曲は小品ですが侮れません。粋なリズム、エレガントなフェンダー・ローズ、Raashan Ahmadの達者なフロウが三位一体となったセンスの良さに脱帽です。
「Without Love」
Zion IのZionをフィーチャー。哀愁メロウなトラックが好きですね。女性コーラスの絡みもいい感じ。
「Blind」
「Sidestep」と並ぶお気に入り曲。メロウな疾走感がたまらないライト・ファンク。
「10:53」
ジャジーなアングラHip-Hopが好きな人ならば気に入るであろうメロウ・チューン。クールな雰囲気がグッドです。
「No Sense」
フェンダー・ローズのループが忘れられなくなりますね。Ramsey Lewis「Hummingbird」ネタ。
「Proteus」
日本盤ボーナストラック。Hip-Hopバンドなんて意識しなくとも、クロスオーヴァー系のインストとして魅力的に仕上がっています。
冒頭に触れたThe Roots『Rising Down』は、改めて紹介しますね。