発表年:1982年
ez的ジャンル:ミスターAOR
気分は... :チェルシー頑張れ!
いよいよ数時間後にサッカーUEFAチャンピオンズ・リーグ決勝「マンチェスターU対チェルシー」がキック・オフですね。
注目のイングランド対決ですが、個人的にはチェルシーを応援したいですね。お気に入りプレーヤーであるドログバ、エッシェンの活躍が観たいですね。僕の無責任な予想ではバラックが試合のキーマンとなる気がします。
今日はチャンピオンズ・リーグに因んでUKものにしようと思ったのですが、最近ロックはUKものしか紹介していないので、USものにしました。
ということで"ミスターAOR"Bobby Caldwellの2回目の登場です。
本ブログの記念すべき最初のエントリーはBobbyの1stアルバム『What You Won't Do For Love』(オリジナル・タイトル『Bobby Caldwell』)(1978年)でした。今読むとかなりトホホな内容ですが(泣)
何故このアルバムをセレクトしたのか記憶が定かではありませんが、ブログのコンセプトに最も合致していた作品だったのだと思います。
AORの名盤として名高い『What You Won't Do For Love』ですが、タイトル曲「What You Won't Do For Love」が数多くのR&B/Hip-Hopアーティストにサンプリングされ、AORとは全く無縁の若い音楽ファンからも間接的に支持されるていると思います。こうしたジャンルや年代を越えた訴求力が、本ブログの「ジャンル、年代を問わず」というコンセプトと合致すると考えたのかもしれません...よく憶えていないけど(笑)
今日紹介する『Carry On』(1982年)は、『What You Won't Do For Love』(1978年)、『Cat In The Hat』(1980年)に続く3rdアルバムです。この3枚こそが"ミスターAOR"としてのBobby Caldwellを堪能できる作品だと思います。
さて『Carry On』ですが、まずはジャケがいいですよね。デビュー・アルバム同様Tim Altによるイラストが印象的です。やっぱり、Bobby Caldwellのアルバムはこうでなければ!
所属のT.K.レコードが倒産したためポリドールへと移籍し、マイアミではなくLAでレコーディングされました。その関係でSteve Lukather、David Paich、Jeff Porcaro、Steve PorcaroといったToto勢、Greg Adams、Mic Gillette、Emilio Castillo、Marc RussoのTower of Power勢、George"Chocolate"Perry、Neil Stubenhaus、Jimmy Haslip、James Newton Howard、Jerry Hey等多数のミュージシャンが参加しています。
それでもBobby自身がプロデュースを行ったせいか、基本部分はBobby自身が演奏している曲が多く、Bobby Caldwellらしさは失われていません。例えば、TotoとBobbyって音的にあまり合う気がしないので、変にそちらの色が出すぎずホッとしています(笑)。それよりも数曲でSteely Dan的なテイストを感じるのが興味深いです。
AORのアルバムって、AORフリーク以外の人が聴くと"既に賞味期限切れじゃない"と思う作品も多いのですが、『What You Won't Do For Love』や本作『Carry On』は、今でも鮮度を充分に保っていると思います。
全曲紹介しときヤス。
「All of My Love」
AORファンが喜ぶシティ・ポップス風の仕上がりですね。イントロのピアノに続き、Bobbyの憂いを帯びたヴォーカルが聴こえてきた瞬間、ゾクッときますね!シングル・カットもされました(全米ポップ・チャート77位)。
「Sunny Hills」
僕が一番好きな名曲「My Flame」を彷彿させるテイストですね。しかし、この雰囲気は故郷マイアミで暮らす老人の寂しさを歌ったものです。歌&サウンドはグッドなだけに歌詞を気にせずに聴いた方がいいかも?
「Loving You」
レゲエ・テイストの落ち着いたミディアム・チューン。同じく1982年にリリースされたDonald Fagen「I.G.Y.」をもっとAORっぽくした仕上がりですね。AORファンはご存知のStevie Woodsが1983年にカヴァーしています。
「Words」
個人的にはこの曲が一番好きですね。Bobbyらしいメロウネスに溢れている名曲だと思いマス。歌詞&メロディ、ファルセットを交えたヴォーカル、アレンジ(特にホーン・アレンジ)全てがサイコーだと思います。
「All of My Love」から「Words」までの冒頭4曲が本作のハイライトだと思います。
「Catwalk」
アルバムの中では一番地味な曲ですね。Steely Danっぽい雰囲気がありますが、アレンジが僕の好みではありませんね。
「Jamaica」
亡きBob Marleyについて歌ったナンバー。当時のガールフレンドJoがマイアミでDJをしていた頃、Bob Marleyにインタビューした事があり、そんな経緯からBob Marleyという人の存在を身近に感じていたのかもしれませんね。
フツーこのタイトルとBob Marleyへのトリビュートと聞けばレゲエだと思いますが、カリプソというあたりがBobbyらしいですね。その意味では原題よりも、「ジャマイカ・センチメンタル」という邦題の方がしっくりきますね。
この曲を本作のハイライトに挙げる人が多いみたいですが、正直そこまでだとは思いません(良い曲だとは思いますが)。また、Toto「Africa」に似ている云々の話がありますが、前述の「Loving You」と「I.G.Y.」の類似度に比べればそれ程でもないと思います。個人的には「Africa」よりはコチラの方が断然好きですね。
シングル・カットされましたが全米ポップ・チャート第105位とチャート・アクション的には振るいませんでした。
「You Belong To Me」
DoobiesやCarly Simonで有名なアノ曲とは同名異曲です。Bobbyらしいアーバン・チューンに仕上がっています。マリンバの音色が聴けるのもいいですね。
「Carry On」
名曲の風格漂うロマンティックなバラード。緩急織り交ぜたCaldwell節を存分に堪能できます。Hip-Hopファンの方はMED「Can't Hold On」での早回し使いでお聴きになっているのでは?
さぁ、気合い入れて「マンチェスターU対チェルシー」を観ようっと!