発表年:1993年
ez的ジャンル:フォーキー&骨太UKロック
気分は... :自然なテイストがいいですな!
Paul Weller好きの僕ですが、ふと本ブログの過去エントリーを眺めると約2年近くソロ作品を取り上げていないことに気づきました。ちなみに前回は『Illumination』(2002年)でした。
The Jam、Style Councilに関しては、これまで以下の5枚を紹介しています。
The Jam:
『Setting Sons』(1979年)
『All Mod Cons』(1978年)
『The Gift』(1982年)
Style Council:
『Our Favorite Shop』(1985年)
『Cafe Bleu』(1984年)
今回はPaul Wellerの2ndソロ・アルバム『Wild Wood』(1993年)をセレクト。
The JamやStyle Councilには相当熱狂した僕でしたが、ソロになってからのPaul兄貴は音楽の中身云々というより、それまでの信頼で聴いていた気がします。なので正直言うと、それ程思い入れ強く聴きこんだアルバムって無いんですよね。どの作品も一定レベル以上の内容はキープしているので満足していますが...
前回紹介した『Illumination』以外で比較的聴く頻度の高いアルバムが『Wild Wood』(1993年)、『studio 150』(2004年)の2枚です。
特に今日はフォーキーな音楽が聴きたい気分なので『Wild Wood』をセレクトしました。と言いつつ、実際には骨太ロックとフォーキー・チューンが半々くらいで構成されています。
一般には次作『Stanley Road』の評価が高く、ソロの最初のピークのように言われますが、個人的には『Stanley Road』よりも『Wild Wood』の方が好きですね。
初ソロ・アルバム『Paul Weller』(1992年)で後期スタカンの消化不良状態からのリハビリを完了した兄貴が、リラックスして力まず自然体で制作したアルバムが『Wild Wood』という印象を受けます。
バックには元Young DisciplesのMarco(b)、Style CouncilファミリーSteve White(ds)を中心に、奥方だったDee C. Lee、盟友Mick Talbot、元Blow MonkeysのRobert Howard(Dr.Robert)、Ocean Colour SceneのSteve Cradock、Simon Fowler等が参加しています。
本作に限らずPaul兄貴のソロ作品って、60年代〜70年代UKロックの正当な継承者という印象を受けます。その意味ではThe Jam、Style Councilファン以上に、60年代〜70年代UKロック好きの方の嗜好に合っているのでは?
オススメ曲を紹介しときやす。
「Sunflower」
アルバムからの1stシングル。無骨な雰囲気がいい感じのロック・チューン。スタカンのオシャレなPaul兄貴も悪くはないけど、やっぱりギターかき鳴らしている方が似合っていますな。
「Can You Heal Us (Holy Man) 」
大人の渋みを感じるロック・チューン。いやぁ、この曲の枯れ具合いはいいですねぇ。バックの音も渋いですがなかなか小粋です。
「Wild Wood」
アルバムからの2ndシングル。本作のフォーキーな側面を象徴する曲ですね。僕が本作を聴きたくなったのも、このタイプの曲を聴きたかったからです。こうした何気ないシンプルな曲をシングルとしてリリースするようになったあたりに兄貴の熟成ぶりを感じます。
「All The Pictures On The Wall」
アルバムで一番好きな曲がコレ。3+3時代に突入する前のIsley BrothersのようなR&Bテイストのフォーキー・チューンに仕上がっています。スタカン時代に築いたものをソロになってからのスタンスでうまく消化している感じがします。
「Has My Fire Really Gone Out?」
再び骨太ロック。リラックスした中での緊張感といった趣のミドル・テンポの演奏が好きですね。
「5th Season」
この曲も大好き!Mick Talbotも参加しているR&Bテイストの仕上がりです。僕は基本的に兄貴にこの手のR&B路線を期待しているのかもしれません。Mickのハモンドがいい感じです。スタカンでこういった曲をやって欲しかった(笑)
「The Weaver」
アルバムからの3rdシングル(本作にはアルバム・ヴァージョン収録)。ソロになってからの兄貴のカッチョ良さが凝縮された完成度の高い1曲。兄貴ならではの爽やかに枯れた感じが好きですね。Ocean Colour SceneのSteve Cradock、Simon Fowlerの二人も参加し、好サポートしています。
「Shadow Of The Sun」
7分を超える大作。兄貴の強い決意が感じられる1曲。
「Moon On Your Pyjamas」
Dee C. Leeとの間に生まれた二人の子供NathanielとLeahのために書かれた曲。兄貴の父親としての顔が窺える優しい仕上がりでです。
「Hung Up」
この曲もシングルになりました。UKロックの伝統を受け継いでいる力強い演奏を堪能できます。
最近の2枚組デラックス・エディションにはThe Who「Magic Bus」やTim Hardin「Black Sheep Boy」等のボーナス・トラックや別ヴァージョン、デモ・ヴァージョン、ライブ音源も収録されています。
本作リリース後にライブを収録したライブ・アルバム『Live Wood』(1994年)もセットでどうぞ!
Live Wood