2008年05月26日

Meta Roos & Nippe Sylwens Band『Meta Roos & Nippe Sylwens Band('78)』

至極の北欧ボッサ・ジャズ/ポップス☆Meta Roos & Nippe Sylwens Band『Meta Roos & Nippe Sylwens Band('78)』
メタ・ルース・アンド・ニッピ・シルヴェンス・バンド(1978)
発表年:1978年
ez的ジャンル:北欧系ボッサ・ジャズ/ポップス
気分は... :これを聴かなきゃ一生後悔する.....

以前にRoman Andren『Juanita』(2007年)のエントリー時に書いた超オススメ・アルバム『Meta Roos & Nippe Sylwens Band('78)』のアルバム・ジャケがAmazonにやっとアップされたので、紹介したいと思いマ〜ス!

昔と違って、最近は自分の大好きなアルバムを人に無理矢理を聴かせることに抵抗感を覚えるのですが、このアルバムに限っては無理矢理聴かせたいたいですね。"これを聴かなきゃ一生後悔する"くらい言っておきますね(笑)

Meta Roos(Margareta Viveca Roos)は1954年スウェーデンのバーダ生まれの女性シンガー。1975年にレコード・デビューし、ストックホルム等でライブ活動をスタート。そして、1978年と1980年にNippe Sylwens Band共に『Meta Roos & Nippe Sylwens Band('78)』『Meta Roos & Nippe Sylwens Band('80)』という2枚のアルバムを制作しています。

未聴の方は騙されたと思って、とにかく聴いてみて下さい。こんな素晴らしいアルバムには滅多にお目にかかれません。

基本的にはジャズorポップス系シンガーだと思いますが、クラブジャズ好き、イージーリスニング好き、ポップス好き、フリーソウル好き、ブラジル音楽好き、AOR好き等々幅広い層を魅了する懐の深さを持ったアルバムだと思いマス。

僕がMeta Roosを知ったのは、多くの方がそうであるように、サバービア系コンピ『Cafe Apres Midi - Vert』が最初でした。そこに収録された「Just the Way You Are」(ご存知Billy Joelの大名曲カヴァー)、「Zazueira」(Jorge Benの名曲カヴァー)、「The Real Thing」(Sergio Mendesでお馴染みのStevie Wonder作品)というブラジリアン・テイストのカヴァー3曲に完璧ハマりました。

まだ、"北欧ボッサ"なんて認識は全く無かったので、最初はブラジル人シンガーだとばかり思っていました。なので後日Meta Roosが北欧スウェーデンのシンガーだと知ってびっくりしましたね。

同時に本作のジャケを知り、昔のアイドル歌手のような容姿とその至極のヴォーカル&サウンドとのギャップに、僕のMeta Roosに対する興味は益々深まるのでした.....

そしてようやく入手した本作『Meta Roos & Nippe Sylwens Band('78)』および『Meta Roos & Nippe Sylwens Band('80)』です。本作に関しては、前述の「Just the Way You Are」「Zazueira」の2曲以外は最悪捨て曲でもいいや!くらいの思いで購入したのですが、そんなの大間違い!捨て曲なんていうマイナス要素は一切ありません。

全曲カヴァー作品ですが、Billy Joel、Jorge Ben、Roberta FlackMarlena ShawAlessiDinah Washington、Neil Sedaka、Fairport Convention、Carole Kingといったセレクションのセンスが素晴らしいの一言です。

そして、Meta Roosのやや低いトーンの大人のヴォーカルとボッサ&ジャジーなNippe Sylwens Bandのサウンドは、長年待ち焦がれた憧れの人に出会ったくらい感動的です。

幅広い年齢層の方が楽しめる作品ですが、特に70年代大好きのオールド・ファンの方がハマるのではないかと思いマス。

全曲紹介しときヤス。

「Just the Way You Are」
前述のBilly Joelの大名曲カヴァーであり、僕の一番のお気に入り曲です。昔からオリジナルが大好きな僕ですが、本カヴァーはそれに迫る秀逸な出来だと思います。オリジナルのメロウネスそのままにボッサ・テイストが強調された仕上がりです。本カヴァーを聴いて、オリジナルもボッサな魅力を持っていたことを再発見できました。オリジナルを好きな人ならば、間違いなく気に入ると思いマス。

「Zazueira」
Jorge Benの名曲カヴァー。以前にElis Reginaのカヴァーも紹介しましたね。クラブ・ジャズ・ファンにが喜ぶブラジリアン・ジャズ・グルーヴに仕上げています。

「Feel Like Making Love」
Roberta Flackによる大ヒットで有名なEugene McDaniels作品のカヴァー。個人的にはRoberta FlackによるオリジナルとMarlena ShawGeorge Bensonのカヴァーが本曲のお気に入りヴァージョンだったのですが、それに迫る出来です。Roberta FlackMarlena Shawのヴァージョンがお好きな方は気に入るメロウな仕上がりです。

「Rosie」
UKフォークを代表するグループFairport Conventionの1973年作品のカヴァー(オリジナルはアルバム『Rosie』収録)。ジャズ・フィーリングたっぷりの仕上がりです。こうしたジャズ・ヴォール色の強い楽曲が本来のMeta Roosの姿なのだと思います。

「Street Walking Women」
本ブログでも紹介したMarlena Shawの人気曲のカヴァー(オリジナルは『Who Is This Bitch, Anyway?』収録)。オリジナルの持つスリリングな展開を残しつつ、ジャズ・ヴォーカルらしい小気味良い雰囲気を堪能できます。

「For Peace and Love」
Neil Sedakaのカヴァー1曲目。オリジナルは『The Tra La Days Are Over』(1973年)に収録されています。ボッサ・テイストのポップな仕上がりです。フェンダー・ローズとフルートの音色がメロウネスを高めてくれます。

「Oh Lori」
Alessiのカヴァー(オリジナルは『Alessi』収録)。オリジナルも好きでよく聴いていましたが、元々ジャズ・カヴァーがハマる曲だと思っていたので、ジャスト・フィットしています。

「Here We Are Falling in Love」
Neil Sedakaのカヴァー2曲目。オリジナルは『Steppin' Out』(1976年)に収録されています。クラブ・ジャズ好き向けのカッチョ良いブラジリアン・ジャズ・グルーヴに仕上がっています。今聴いても全く古さを感じない演奏に脱帽ですね。

「What a Difference a Day Made」
Dinah Washingtonなどのヒットで知られるMaria Grever作品のカヴァー。いい感じオルガンをバックに、ジャズ・ヴォーカリストらしい歌い回しで小粋に聴かせてくれます。

「You've Got a Friend」
説明不要のCarole Kingの大名曲カヴァー。この曲もいろんなアーティストのカヴァーを数多聴いてきましたが、僕的にはDonny Hathawayの名カヴァーに迫る出来だと思っています。軽いボッサ・テイストの演奏をバックにMeta Roosとバックのコーラスが抜群のヴォーカルを聴かせてくれます。

『Meta Roos & Nippe Sylwens Band('80)』もセットでどうぞ!
先日『Sergio Mendes & The New Brasil '77』でも紹介したStevie Wonder作のクラブ・クラシック「The Real Thing」が収録されています。
posted by ez at 06:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする