2008年06月23日

Cherish『The Truth』

"アトランタのデスチャ"の2ndアルバム☆Cherish『The Truth』
The Truth
発表年:2008年
ez的ジャンル:次世代デスチャ系女性R&Bグループ
気分は... :あなたと私は♪ 夢の国♪ 森の小さな教会で〜♪

本ブログで重視しているのがトップページに表示される10作品のバランスです。

"年代、ジャンルを問わない"というブログのコンセプトは勿論のこと、ベタなヒット作とややマイナーな作品のバランスあたりも、僕なりに考えています。

そんな中で結構心掛けているのが女性アーティストの紹介です。
ある時バランスへの配慮が疎かになってトップの10作品が男性アーティストだらけになってしまったのですが、自分で眺めていてむさ苦しい印象を受けました。

やっぱり女性アーティストのジャケがあると華がありますよね。
特に90年代、2000年代カテゴリーの女性アーティストは紹介記事を書いているだけで気持ちがウキウキしてきます(笑)

ということで今時のガールズグループCherish『The Truth』の紹介です。

チェリッシュは、まっちゃんとえっちゃんのデュオ。1973年に「てんとう虫のサンバ」が大ヒットし...って、そのチェリッシュかよ〜!

軽くノリつっこみしてみました(笑)年齢がバレてしまいますな。
ちなみにチェリッシュのグループ名って、The Associationのあの大ヒット曲に由来していたんですね。今日初めて知りました。 

Cherishはアトランタ出身のFarrah、Neosh、Felisha、FallonのKing4姉妹が2003年に結成したR&Bグループです。

2003年にJermaine Dupriがプロデュースし、Da Bratをフィーチャーしたシングル「Miss P.」でデビューしています。同年にリリースされたDa Bratのシングル「In Love wit Chu」にもフックアップされています。

2006年にJazze PhaのレーベルSho'nuff Recordsよりデビューアルバム『Unappreciated』をリリース。全米アルバム・チャート、R&Bアルバム・チャート共に第4位となるヒットを収めました。

本作『The Truth』『Unappreciated』に続く2ndアルバム。
1st同様Sho'nuffからのリリースです。

"次世代のデスチャ"、"アトランタのデスチャ"といった評判もあるようですね。
Destiny's Childを引き合いに出すには、まだまだ実力不足だし、それ以前にルックス不足かも?

でもその発展途上のひたむきな感じが良かったりします。
正直パンチのあるキラー・チューンはありませんが、全体の雰囲気は悪くないです。メンバーの年齢が20〜24歳となり、大人のグループへの脱皮を図ろうとしていますが、脱皮しきれないあどけなさ、初々しさが残っており、それが逆に魅力となっています。
個人的にはミディアム〜スロウ系の楽曲が好きですね。

プロデュースはJazze Phaをはじめ、Don Vito、C.Tricky Stewart、Eric Hudson、Bryan Michael Cox等が担当しています。

あなたと私は♪ 夢の国♪ 森の小さな教会で〜♪

全曲紹介しておきマス。

「Killa」
このオープニング曲は2007年にシングル・カットされています。Yung Jocをフィーチャーしたアップ・チューン。「キラ★キラ★トゥナイト」という邦題が軽いノリで好きです(笑)Don Vitoプロデュース。

本曲は青春ダンス映画『Step Up: 2 The Streets』(2008年)のサントラにも収録されています。同サントラにはFlo Rida『Low』やMissy Elliott、T-Pain等の楽曲も収録されており、なかなか勢いのあるサントラに仕上がっているようです。

「I Ain't Trippin'」
C.Tricky Stewartプロデュース。ソングライティングにはThe-Dreamの名もあります。この強力コンビの割には弱い気もしますが、個人的にこのあっさり感は嫌いじゃありません。

「Amnesia」
アルバムからの2ndシングルは哀愁モードのスロウ。この曲を聴いていると"アトランタのデスチャ"って書きたくなる気持ちがわかりますね(笑)

「Notice」
キュートなトラックが僕好みのミディアム・スロウ。Don Vitoプロデュース。

「Framed Out」
「I Ain't Trippin'」に続き、C.Tricky Stewartプロデュース。この曲のソングライティングにもThe-Dreamが参加しています。もっとアクの強い仕上がりが好みの人もいるかもそれませんが、僕は初々しさが残るこのくらいで十分です。

「Before You Were My Man」
イントロのピコピコがたまりません!初々しくキュートなミディアム・スロウは、かなりのお気に入り曲です。Omarion作品等でも活躍する期待の若手Eric Hudsonプロデュース。

「Superstar」
僕の一番のお気に入り曲。Jazze Phaプロデュースによる哀愁の美メロ・チューンです。切ない乙女心が伝わってくる感じがグッド!

「Only One」
僕にとっては、「Before You Were My Man」〜「Superstar」〜「Only One」という流れが本作のハイライト。Bryan Michael Coxプロデュース。この曲も切ないモードのミディアム・スロウです。彼女達には、こうした切ないミディアム〜スロウ系の楽曲が合っている気がします。

「Love Sick」
哀愁エレクトロ・サウンドが印象的ですね。Marlena Shaw「It Was A Very Good Year」ネタ。

「Damages」
近未来感のあるトラックが印象的ですね。この曲に限ってはもっとクセを強調しても良かったかなぁ?Ron "Neff-U" Feemsterプロデュース。

「Like a Drum」
Jazze Phaプロデュース。デスチャの影がチラつく仕上がりですが、でも個人的には好きなタイプの曲です。

Euro2008はベスト4が出揃いましたね。

今朝は「イタリア対スペイン」という決勝でもおかしくない好カードでしたが、それまでの3試合が好試合続きだったせいか、いまいち面白みに欠ける試合でしたね。

これで準決勝は「ドイツ対トルコ」、「ロシア対スペイン」の組み合わせ。
結果として、決勝トーナメント1回戦の僕の予想は4戦全敗でした(笑)

ここまで来たらロシアに優勝して欲しいですね。
グループリーグで大敗したスペインにリベンジなるか楽しみです。
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2008年06月22日

Joni Mitchell『Don Juan's Reckless Daughter』

Jacoとのコラボ作と呼びたくなるほどJacoがスゴイ!☆Joni Mitchell『Don Juan's Reckless Daughter』
ドンファンのじゃじゃ馬娘
発表年:1977年
ez的ジャンル:クロスオーバー系SSW
気分は... :Jacoがシ・ゲ・キ・テ・キ!

Joni Mitchellの4回目の登場っす。

これまで紹介してきたJoni作品は以下の3枚。

 『Court and Spark』(1974年)
 『Hejira』(1976年)
 『Blue』(1971年)

4枚目は、これからの季節に相応しい『The Hissing of Summer Lawns』(1975年)あたりも考えたのですが、現在の僕が最も好きなJoniのアルバム『Don Juan's Reckless Daughter』(1977年)にしました。

一般的なJoni Mitchellの代表作と言えば、『Blue』(1971年)もしくは『Court and Spark』(1974年)ですよね。

僕もそうした意見に異論はありません。特に『Blue』は、僕が女性SSWのアルバム・ベスト3を選ぶとすれば、必ずセレクトするに違いありません。

でも、僕が最も好きなJoni作品は『Don Juan's Reckless Daughter』(1977年)なんですよね。次点が『Hejira』(1976年)といったところでしょうか。

これらの作品は、『Mingus』(1979年)、『Shadows and Light』(1980年)も含めてジャズ/フュージョン系のミュージシャンと交流したクロスオーバー的な作品です。

現在の僕はシンガーソングライターJoni Mitchellよりも、トータルなサウンド・クリエイターJoni Mitchellに惹かれます。その意味でJoniの創り出すサウンドが最も刺激的なアルバムが『Don Juan's Reckless Daughter』だと思います。

Joniのジャズ/クロスオーバー路線時代に欠かせない存在が、不世出の天才べーシスト故Jaco Pastoriusです。

Jacoが参加したJoniのアルバムは『Hejira』『Don Juan's Reckless Daughter』『Mingus』『Shadows and Light』の4枚。

その中でも『Don Juan's Reckless Daughter』は、Jaco Pastoriusとのコラボ作と呼びたくなるほどJacoの存在が大きなウエイトを占めています。

Joni MitchellとJaco Pastorius以外は、Larry Carlton(g)、Michel Colombier(p)、John Guerin(ds)、Alejandro Acuna(per)、Airto Moreira(per)、Manolo Badrena(per、vo)、Don Alias(per)、 Michael Gibbs(och)、Wayne Shorter(ss)、Glenn Frey(vo)、J.D. Souther(vo)、Chaka Khan(vo)等のメンバーがバックを務めています。

JacoがJoniに与えた刺激は相当大きかったようですね。
ジャズ/フュージョン・ファン以外の方がJacoの凄さを知るには絶好の作品だと思いマス。

全曲紹介しておきマス。

「Overture/Cotton Avenue」
Joniのギター&ヴォーカルによる「Overture」に続き、JacoのベースとJohn Guerinのドラムが加わったジャジーな「Cotton Avenue」へと突入。シンプルな編成だけにJacoのベースの存在感が際立ちます。

「Talk to Me」
この曲もJoniのギター&ヴォーカルとJacoのベースのみ。曲自体は昔ながらのSSWらしい作風なので、逆にJacoとのコラボ効果を実感しやすいかもしれませんね。2人だけでこんなグルーヴを生み出すことができるなんて驚きです。2人の相性はよほど良いのでしょうね。

「Jericho」
この曲はシングルにもなりました。何よりJoniらしさが溢れた楽曲が素晴らしいですね。そこにJacoのベースやWayne Shorterのソプラノ・サックスが加わることで幻想的な魅力が加わります。Joni meets Weather Reportといったカンジでしょうか。K.D.Langがカヴァーしていますね。ここまでがオリジナルLPのA面です。

「Paprika Plains」
オリジナルLPのB面を占めた16分強の大作です。Michael Gibbs指揮のオーケストラとの共演です。持久性のない僕にはこのタイプの曲で16分はいささかキツいですが(笑)Wayne Shorterのソプラノ・ソロなど聴き所もきちんとあります。

「Otis and Marlena」
この曲ではJacoの代わりにLarry Carlton(g)がJoniのパートナーを務めます。アルバム全体の中ではやや地味な存在。

「The Tenth World」
「Otis and Marlena」からシームレスに続くこの曲は大パーカッション大会!Don Alias、Manolo Badrena、Alejandro Acuna、Airto Moreiraといった名うてパーカッション奏者に加え、Jacoもボンゴで参加!ヴォーカル陣にはChaka Khanも加わっています。パーカッション好きの僕にとっては、なかなか楽しめる演奏です。

「Dreamland」
この曲も「The Tenth World」の5名のパーカッションが参加しているヴォーカル&パーカッションのみの演奏です。Joniがリード・ヴォーカルなのでコチラの方がJoniらしいかも?Chaka Khanのコーラスがいい感じです。

昨年発売されたJoniへのトリビュート・アルバム『A Tribute to Joni Mitchell』の中でCaetano Velosoがカヴァーしています。やはりこの曲のカヴァーはブラジル人シンガーがいいですね。ここまでがオリジナルLPのC面です。

「Don Juan's Reckless Daughter」
ここからがオリジナルLPのD面。タイトル曲は、SSW的なJoniとジャズに魅せられたJoniがうまくバランスしていると思います。この曲もパーカッションが賑やかなのがいいですね。そんな中でも最も目立つのはJacoのベースというあたりがスゴイですな。

「Off Night Back Street」
この曲にはGlenn Frey、J.D. Southerといったロック人脈のメンバーがバック・コーラスを務めています。典型的なSSW系の楽曲なのですが、Jacoのベースが加わるだけで表情が全く変わってしまいます。やっぱりJaco凄すぎですな。Michael Gibbsによるストリングスもミステリアスな雰囲気を高めてくれます。

「Silky Veils of Ardor」
最後はJoniによるギター&ヴォーカル。正直、Jacoの印象が強烈な「Off Night Back Street」とのギャップを感じてしまいます(笑)

今日のEuro2008は「オランダ対ロシア」!

オランダ優位は変わらないと思いますが、決勝トーナメントのこれまでの2試合がいずれもアップセットなのに加え、対スウェーデン戦でのロシアの素晴らしいパフォーマンスを考慮すると侮れません。アルシャービンあたりが奇跡を起こすかも?
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2008年06月21日

Toninho Horta『Moonstone』

Pat Metheny好きの人は絶対気に入るはず!☆Toninho Horta『Moonstone』
ムーンストーン
発表年:1989年
ez的ジャンル:MPB系コンテンポラリー・ギタリスト
気分は... :ピュアな感動に溢れている...

僕の場合、月に1、2回渋谷タワーで集中的に新譜や再発モノのチェックをしています。サラリーマンではないメリットを利用して、平日の午後にたっぷり数時間かけてチェックするパターンです。

ちょっと前までは4FのR&B/Hip-Hopフロアに居る時間が長かったのですが、最近は5FのJazz/ワールドのフロアに居る時間がダントツで長いですね。特に、クラブ・ジャズ、ラテン、ブラジルのコーナーをウロウロしまくっています。

単純に僕がこの分野に関して勉強不足だと思うのですが、とにかくこのフロアで試聴する作品には新鮮な印象を受けるものが多いですね。

その中でもブラジルものは新譜、旧譜に関わらず、音楽の持つ根源的な楽しさ、喜び、愁いのようなものに触れることができる気がします。今日紹介するToninho Horta『Moonstone』もそんな1枚です。

Toninho Hortaは1948年ブラジルのミナス・ジェライス州生まれのギタリスト。1960年代後半から現在まで多方面でコンスタントに活躍しているようです。

正直、Toninho Hortaの詳しいキャリアは知りません。僕の興味の対象は、記念すべき1stアルバム(1979年)、Pat Metheny参加の『Toninho Horta』(1980年)、JoyceWayne Shorterらが参加した『Diamond Land』(1988年)、本作『Moonstone』(1989年)、スタンダード・ジャズ・アルバム『Once I Loved』(1992年)、Joyceとのコラボ作『Sem Voce』(1995年)あたりの作品ですかね。

本ブログで紹介した作品で言えば、George Duke『A Brazilian Love Affair』でToninho Hortaの名を確認できます。

僕がToninho Hortaに惹かれるのは、大好きなPat Methenyが影響を受けたギタリストであるという点です。

そういった側面が最も感じられる作品が今日紹介する『Moonstone』(1989年)だと思います。Pat Metheny自身もタイトル曲で参加していますし、Steve Rodby(b)、Mark Egan(b)、Danny Gottlieb(ds)、Nana Vasconcelos(per)といったPat Metheny Groupでお馴染みのメンバーが名を連ねています。

Pat Methenyの諸作に通じるピュアな感動に溢れたアルバムです。なので、Pat Metheny好きの方は、お聴き逃しなく!

ブラジル・コーナーの滞在時間がますます長くなりそう...

全曲紹介しときヤス。

「Bicycle Ride」
ブラジルらしい郷愁感に満ちたジャズ・チューン。N.Y.在住のブラジル人ピアニストEliane Eliasが参加しています。

「Eternal Youth」
僕のお気に入りの1曲。このアルバムを購入したのは、こういったピュアな音楽が聴きたかったから。この曲を聴けばPat MethenyがToninhoに惚れこんだのがわかります。Pat Metheny好きの人は気に入るであろう絶品の仕上がりです。

原題は「Maoel, O Audaz」。Toninhoの息子Manoelに捧げた1曲。1980年のアルバム『Toninho Horta』収録曲の再演です。バックには、Mark Egan、Danny Gottlieb、Nana VasconcelosといったPMG勢がサポートしています。

「Gershwin」
タイトルは有名な作曲家George Gershwinのことなのでしょうね。スキャットに、ガット・ギターに、エレクトリック・ギターとToninhoの独り舞台に大満足です。暑い日に打ち水で涼むような気持ちの良さがありますな。.

「Moonstone」
タイトル曲はPat Methenyとのデュオ。ライナーノーツによれば、俳優のRobert Duvallの結婚式でToninhoとMethenyの2人がこの曲を演奏したところ、新郎新婦が感動のあまり泣き出してしまったのだとか。そんな2人の素晴らしい演奏に耳を傾けましょう。

「Liana」
「Eternal Youth」、「Yarabela」と並ぶお気に入り曲。何も言うことはない、ただただ素晴らしく感動的な演奏。大好きなPat Methenyの諸作と同じ感動が湧き立ってきます。ヴァイオリンのRudi Bergerによる好サポートも聴き逃すことができません。 

「Yarabela」
この曲も大のお気に入り。明るく爽やかで涼しげなサンバ・グルーヴ。ブラジルの4人組男性コーラスグループBoca Livreのバック・コーラスがいいですね。また、Randy Breckerがトランペット・ソロを聴かせてくれます。

「Francisca」
Toninho(g)とBilly Drewes(ss)、Danny Gottlieb(ds)のトリオ演奏。

「Sun Song」
原題「Saguin」。この曲も『Toninho Horta』(1980年)収録曲の再演です。サウダージ感覚に溢れています。やっぱりブラジル音楽を聴く時には、こういった郷愁ものは必ず聴きたいですね。

「I'll Never Forget」
フュージョン・テイストの仕上がり。ヴァイオリンのRudi Bergerが素晴らしい演奏を聴かせてくれます。

「Spirit Land」
Toninhoの義弟Yuri Popoff作品。ブラジルらしい大地の息吹きが音になったような仕上がりです。

Euro2008はトルコが予想外(?)のベスト4進出!
準決勝でドイツと対戦することになりました。

クロアチアが決勝進出する!と密かに思っていたのですが、またもや大ハズレ。

明日の「オランダ対ロシア」も順当にいけばオランダのはずですが、大会の流れを考えるとロシアにも勝機があるかもしれませんね。
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2008年06月20日

Alison Limerick『With A Twist』

UKハウス/クラブ・ミュージック好きにはたまらない女性シンガーの2nd☆Alison Limerick『With A Twist』
With a Twist
発表年:1994年
ez的ジャンル:UKハウス/クラブ・ミュージック
気分は... :この2ndもいいですよ!

UKハウス/クラブ・ミュージック好きには忘れられないシンガーAlison Limerickの2ndアルバム『With A Twist』(1994年)です。

Alison Limerickは1stアルバム『And Still I Rise』に続き、2枚目の紹介となります。

以前にも書きましたが、90年代前半のUKソウル/ハウス/クラブミュージックには、特別な思い入れがあります。

本ブログでも紹介したMica Paris『Contribution』Sade『Love Deluxe』
いずれは紹介しようと思っているTitiyo『This is Titiyo』(1993年)、Soul II Soulでもお馴染みCaron Wheeler『UK Blak』(1990年)、『Beach of the War Goddess』(1992年)といった今でもお気に入りの作品がズラリと並びます。

Alison Limerickについては、名曲「Make It On My Own」をはじめ、「Gettin It Right」「Where Love Lives (Come On In)」といったクラブ・ヒットを含む『And Still I Rise』は今でも人気のアルバムですね。それに比べて、この2ndアルバム『With A Twist』は殆ど忘れ去られた作品になっているかもしれません。

でも、『And Still I Rise』が好きな人であれば、『With A Twist』も気に入ると思います。1st同様Frankie Knuckles、David Moralesらがプロデュースを務めています。

UKソウル、グラウンド・ビートの楽曲もあり、ハウスに止まらない幅の広さを持ったアルバムに仕上がっています。ハウスのアルバムにありがちな単調さが無いのが魅力でしょうね。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Time of Our Lives」
オープニングはDavid Moralesプロデュース。シングルにもなりました。Ce Ce Peniston「We Got a Love Thang」あたりに通じる、親しみやすさを持ったアップ・チューン。アルバムで一番好きです。

「Love Come Down」
The BelovedプロデュースによるUKらしいエレクトリック・ダンス・チューン。この曲もシングルになりました。

「Twisted」
Frankie Knucklesプロデュース。グラウンド・ビート風の仕上がりです。この時期のUKクラブ・ミュージックらしいですね。

「No Way Out」
このミッド・グルーヴも大好き!ハウスというよりUKソウルっぽいですね。John Waddell/Tim Branプロデュース。

「Crime to Be That Cool」
Frankie Knucklesプロデュースにも関わらず、UKクラブミューシックらしい仕上がりです。今回久しぶりに聴いたら、やたら良く聴こえたのがコノ曲でした。Alison Limerickのヴォーカルもパワフルで存在感があります。

「So Long」
UKソウル好き向けの甘く妖しい仕上がり。John Waddell/Tim Branプロデュース。

「Sentimental」
Frankie Knucklesプロデュース。アルバムの中でも最もメロディアスな曲だと思います。本作におけるFrankie Knucklesプロデュース曲は、ハウスっぽい曲が少ないのが面白いですね。

「Buck the System」
Caron Wheeler『UK Blak』が好きな人は気に入るスタイリッシュなビートが好いですね。John Waddell/Tim Branプロデュース。

「Take It Back」
この曲も大好き。この時期のクラブミュージックらしいスマート&スタイリッシュな雰囲気がたまりません。Frankie Knucklesプロデュース。

「Let's Just Pretend」
やっとFrankie Knucklesプロデュースらしいハウス・チューンです。やっぱりこういった仕上がりのものも1曲くらいないとね。

「Build Your Love」
「Time of Our Lives」と並ぶ僕のお気に入り曲。UKジャズ・シーンで活躍するVibe奏者Roger Beaujolaisがプロデュース。Tony Remyがギターで参加しています。Alison Limerickの低音ヴォーカルの魅力がうまく引き出されています。「Make It On My Own」が好きな人は気に入るのでは?

「Come Home」
ラストはFrankie Knucklesプロデュースによる哀愁スロウです。

サッカーEuro2008はいよいよ決勝トーナメントに突入しましたね。

僕のイチオシ優勝候補ポルトガルが、グループリーグ不調だったドイツに敗れてしまいました。バラックの決勝点はファウルだと思いますが....これもサッカーですからね。それよりも自信を失いかけていたドイツ・イレブンに早い時間の先制点で勢いを与えてしまったのがポルトガルの敗因でしょうね。

これでドイツは優勝候補に再浮上したのでは?

一昨日の「スウェーデン対ロシア」もそうでしたが、ゲームへの入り方がサッカーにおいていかに重要であるかを思い知りました。

スウェーデン、ポルトガルと僕のイチオシが続々と大会を去っていきました。あとはオランダに期待するのみデス。
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2008年06月18日

Ronnie Mcneir『Ronnie McNeir』

意外と間口の広いソウル・アルバム☆Ronnie Mcneir『Ronnie McNeir』
ロニー・マクネア
発表年:1975年
ez的ジャンル:ノーザン・ソウル系メロウ・グルーヴ
気分は... :コレはいろんな聴き方ができますな...

今日はRonnie Mcneirの2ndアルバム『Ronnie McNeir』(1975年)です。
Motown傘下のProdigalからリリースされた作品です。

Ronnie Mcneirは1951年アラバマ生まれ。1971年にMarvin Gayeのデュエット・パートナーも務めたKim Westonの音楽ディレクターに抜擢され、それがきっかけでデビュー・アルバム『Ronnie McNeir』(1972年)制作のチャンスをつかんだようです。

その後、今日紹介する『Ronnie McNeir』(1975年)をはじめ、『Love's Comin' Down』(1976年)、『The Ronnie McNeir Experience』(1984年)等の作品をリリースしています。さらに現在では有名なFour Topsのメンバーとして活動しています。元メンバーの故Renaldo "Obie" Bensonと旧知の仲だったようですね。それ以外にも様々な人脈のつながりがあるようですが、そのあたりは詳しくないし、興味がないのでこの程度で。

Ronnie Mcneirに関して、ニューソウル系の人、優れたサウンド・クリエイター程度のイメージしかないままおよび本作『Ronnie McNeir』を購入してしまいました。個人的にはMarvin GayeLeroy HutsonLeon Wareあたりとの類似性を予想していたのですが、僕の想像とは違っていましたね。

前述のアーティスト達とメロウ・グルーヴという点は共通しているかもしれませんが、(良い意味で)黒すぎず、深すぎないソウル・アルバムという印象を受けました。

Ronnie Mcneirの存在って、いかにもソウル通が好きなカンジですが、サウンドはソウル好き以外もすんなり聴ける間口の広さがあると思います。聴く人の嗜好でいろんな楽しみ方ができるアルバムという気がします。フリーソウル/レア・グルーヴ好きの人が一番ハマるのでは?

どこかのCDショップ・サイトで"Style Councilの先駆け的作品"と説明されていましたが、個人的にはかなり納得してしまいました。

この盤を聴いていると、70年代の作品でありながら90年代の感性で作っているんじゃないかと錯覚する箇所がいくつかあります。そのあたりが本作の魅力であり、今でも鮮度が落ちない要因だと思います。

暑苦しくない、涼しげなソウル・アルバムという意味では、これからの季節にピッタリなのでは?

全曲紹介しときヤス。

「For You Love」
McneirとObieとの共作。軽くSly & The Family Stoneが入ったカンジのファンキーソウル。ライトなグルーヴ感とMcneirの下手くそヴォーカルが実にマッチしていますな。

「Since I Don’t Have Your Love」
Mcneirの曲作りの確かさを実感できるバラード。曲が絶品なだけに上手なヴォーカルで聴きたかったかなぁと思ってしまいマス。

「Now She's Gone」
McneirとKim Westonとの共作。Style Councilが好きな人は絶対このライト・グルーヴに歓喜するでしょうからね。僕の一番のお気に入りもコレ。

「I'm Your Lover」
ソウル・ファンの方は、このステッパーズ系のメロウ・ソウルあたりがお気に入りなのでは?

「Baby Come Back Home」
リズムボックスを使ったミッド・グルーヴ。そのせいか少しマイアミ・ソウルっぽいかも?バックコーラスはKim Westonです。

「Saggitarian Affair」
「Now She's Gone」と並ぶ僕のお気に入り。リズムボックスを使ったチープなグルーヴ感が逆にグッときます。レア・グルーヴ系がお好きな人は気に入る1曲だと思いマス。

「You Are Everything」
このヤング・ソウルはフリーソウル好きは気に入る1曲ですね。黒くなりすぎないサジ加減が絶妙ですね。

「Spirit Of Love」
Kim Westonとのデュエット。スロウではこの曲が一番のお気に入り。個人的にはかなりグッときました。別に歌は上手くないのに不思議ですなぁ...

「Nothing But A Heartache」
一般的にはこの曲が本作のハイライトなのでは?ステッパーズ好き、フリーソウル好き等々みんなで盛り上がることができる1曲だと思いマス。ノスタルジックだけど今でも通じる特別な魅力を持った曲ですね。

「Wendy Is Gone」
この曲はシングルとしてR&Bチャート第51位を記録しました。軽やかなグルーヴ感が涼しげでいいですね。

「Give Me A Sign」
ラストは感動的なスロウ。ライナーノーツにKeith Sweatっぽいって書いてあるけど確かにそうですな。

本作しか持っていませんが、『Ronnie McNeir』(1972年)、『Love's Comin' Down』(1976年)、『The Ronnie McNeir Experience』(1984年)あたりは、きちんと聴いてみたいですね。

さて今日のEuro2008は、生き残りを賭けた「フランス対イタリア」の大一番ですね。

この勝者がC組2位となり、おそらくD組1位となるであろうスペインと決勝トーナメント1回戦で対戦することになります。個人的には「イタリア対スペイン」が観たいのでイタリアを応援します。なんて書くと、ルーマニアが奇跡のベスト8入りをしたりして!
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