2008年06月17日

Lee Morgan『Charisma』

ジャケはワースト、中身はカリスマ!☆Lee Morgan『Charisma』
Charisma
録音年:1966年
ez的ジャンル:キザ男系天才肌Jazz
気分は... :キマりすぎじゃない!

ゴルフの全米オープン最終日、Tiger Woodsが最終18番で首位に並ぶ執念のバーディー・パットを決めましたね。

そんなTigerの勇姿を見ていたらLee Morganの顔が思い浮かびました...TigerとMorganの顔が似ていると思うのは僕だけでしょうか?

ということで、天才ジャズ・トランペッターLee Morgan(1938-1972年)の4回目の登場です。

本ブログでは、これまで以下の3枚のリーダー作を紹介してきました。

 『Lee Morgan Vol.3』(1957年)
 『Candy』(1958年)
 『The Rumproller』(1965年)
4枚目の作品としてセレクトしたのは『Charisma』(1966年)です。

『The Rumproller』のエントリーの時にも書いたとおり、『Charisma』はMorgan作品のワースト・ジャケ第1位だと思いマス。

キザでちょい悪でカッチョ良いMorganのイメージを著しく損なうジャケだと思いませんか(笑)
このジャケからは、カリスマのような存在感が感じられません!

でも中身はカリスマのタイトルに相応しい内容です!
60年代中期のMorgan作品の中でもピカイチだと思います。
全6曲、捨て曲ナシの充実ぶり。
特にクラブ・ジャズ好きの方にはオススメですよ!

メンバーは、Lee Morgan(tp)、Jackie McLean(as)、Hank Mobley(ts)、Cedar Walton(p)、Paul Chambers(b)、Billy Higgins(ds)の6人。Morgan、McLean、Mobleyの三菅が聴きモノなのですが、このアルバムをカッチョ良さに大きく貢献しているのがBilly Higginsのドラムのような気がします。

「Rainy Night」「Sweet Honey Bee」以外はMorganのオリジナルです。

全曲紹介しときヤス。

「Hey Chico」
タイトルから想像できる通り、ラテン・タッチのジャズ・ロックです暑い日にはこういった曲がよく似合いますな。思わず枝豆が食べたくなる1曲デス(笑)小粋なWaltonのピアノも好き!

「Somethin' Cute」
個人的なハイライト曲はコレ。クラブ・ジャズ好きの方は気に入るアッパー・チューン。Billy Higginsのハードなドラムにナビゲートされて、Morgan、McLean、Mobleyの三菅が三者三様に見事なソロを聴かせてくれます。またWaltonのピアノが何気にオシャレ!とにかくカッチョ良すぎる1曲です。この1曲だけで十分元が取れるはず!!!

「Rainy Night」
Cedar Walton作のバラード。アッパーな曲でキザにキメてくれるMorganも好きですが、バラードでロマンティックに酔わせてくれるMorganも大好きです。

「Sweet Honey Bee」
クラブ・ジャズ好きの人にはお馴染みのDuke Pearson作品ですね。Pearson自身のヴァージョンも大好きですが、本作ヴァージョンもグッド!ファンキーな演奏で甘い蜜を吸い取ってしまいマス!『Sweet Honey Bee』(1966年)収録のPearsonヴァージョンも近々紹介しますね。

「Murphy Man」
「Somethin' Cute」と並ぶお気に入り曲。三菅のアンサンブルのカッチョ良さを堪能できます。このハードでスウィンギンな雰囲気がたまりません!

「The Double Up」
最後はブルージーに!全体的にハイテンションなアルバムのエンディングを、こういった落ち着いた演奏で締めくくるあたりが心憎いですな。

サッカーEuro2008はグループリーグ3戦目に突入し、ベスト8が決まっていきますね。

昨日の「チェコ対トルコ」は衝撃でした!まさかチェコが逆転負けするとは...世界最高のGKチェフのキャッチミスで同点にされた後、あっという間に逆転されてしまいましたね。サッカーの怖さを思い知りました。

昨日は早朝から昼まで、サッカー(Euro2008)〜ゴルフ(全米オープン)〜バスケ(NBA)と興奮しっぱなしでした。危うく午後一の打ち合わせに遅れるところでした(笑)

今夜も全米オープン〜サッカーEuro2008のハシゴ・パターンになりそうです。
Tiger Woodsのトリプル・グランドスラム達成を楽しみしています。
サッカーは、ドイツが決勝進出を決められるかが見所ですな。多分、大丈夫でしょう。
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2008年06月15日

Walter Becker『11 Tracks Of Whack』

BeckerあってのSteely Danだったことを思い知った1stソロ☆Walter Becker『11 Tracks Of Whack』
11 Tracks of Whack
発表年:1994年
ez的ジャンル:裏Steely Dan
気分は... :力の抜け具合がいいね♪

先ほどTVで『CSI(科学捜査班)』を観ていたら、The WhoのヴォーカリストRoger Daltreyがマフィアの大物ボス役で出演していました。

プロデューサーのJerry BruckheimerがThe Whoの大ファンであるため、当シリーズ3作(『CSI』、『CSIマイアミ』、『CSIニューヨーク』)の主題歌は全てThe Whoですが、それだけでは飽き足らずついにRogerを引っ張り出してきたようです。なかなかの好演で楽しめました。

話変わって、先日なんと14年ぶりの新作『Circus Money』をリリースしたSteely Danの片割れWalter Becker

Circus Money
Circus Money

そんな関係で久々に14年前の1stソロ・アルバム『11 Tracks Of Whack』を久々に聴いてみたところ、今の気分にピッタリとハマったので取り上げることに...

もう1人のSteely Dan、Donald Fagenが前年にリリースした『Kamakiriad』(1993年)の姉妹アルバムと言えますね。『Kamakiriad』はBeckerがプロデュースし、本作『11 Tracks Of Whack』はBeckerとFagenの共同プロデュースです。こうした交流がSteely Danでの活動再開へと発展し、ライブツアーさらにはライブ・アルバム『Alive in America』(1995年)へとつながります。

僕の場合、大物アーティストの"●●年ぶりの再結成"、"●●年ぶりの新作"といったものは基本的に大嫌いです。その意味でSteely Dan『Gaucho』(1980年)、Fagenの1stソロ『The Nightfly』(1982年)までだと思っていマス。

一応、それ以降のメンバーのソロ、再結成後のSteely Danもアルバムも持っていますが、正直あまり気のりせず殆ど聴いていません。そんな中唯一好んで聴く作品が今日紹介するBeckerの1stソロ『11 Tracks Of Whack』です。

長い間、僕の中でSteely Danと言えば、Donald Fagenのグループでした。なので、Steely Danが解散してもDonald Fagenがソロ作品をコンスタントにリリースしてくれれば...なんて思っていました。

しかしながら、本作『11 Tracks Of Whack』を聴いて、Steely DanSteely Danらしくあるためには、Walter Beckerの存在が不可欠であったと気付きました。特に、Steely Danならではのアクの強さを出すうえで、Beckerの貢献は大きかったようですね。

Steely Dan解散後はハワイに移住し、のんびり隠遁生活を過ごしていたBeckerですが、本作にもそうしたリラックス・ムードが流れています。また、Steely Dan時代には聴けなかったBeckerのヴォーカルも楽しめます(全曲リード・ヴォーカル)。

"●●年ぶりの新作"にありがちな、商売根性剥き出しになっていないのもグッドですね。

"11 Tracks"と題しておきながら、12曲構成なのがBeckerらしいですな。

全曲紹介しときやす。

「Down in the Bottom」
音がカッチリしすぎる点が好きではありませんが、Steely Danらしいアルバムであることを予感させる仕上がりです。

「Junkie Girl」
リラックス・ムードがいいカンジのミッド・チューン。曲調が初期Steely Danっぽくて好きです。Beckerのギター・ソロもグッド!

「Surf and/Or Die」
どこかミステリアスな香りがする仕上がりですね。お経まで聞こえてきマス。

「Book of Liars」
クレジット上はBeckerのみですが、70年代にFagenと書いた曲です。前述のライブ・アルバム『Alive in America』にも収録されています。スカスカかつジャジーな音づくりがいいですね。

「Lucky Henry」
Steely Dan好きにはたまらない、クロスオーヴァーな仕上がりですね。この曲を聴いていると、BeckerがSteely Danらしさを支えていたことがよくわかります。

「Hard Up Case」
曲のヒネリ具合がSteely Danっぽいですね。Beckerのヴォーカルも悪くはないですが、 Fagenが歌うとかなりハマる気がします。

「Cringemaker」
僕の一番のお気に入り曲は、スタイリッシュなSteely Danを期待する人にオススメ。ソウルフルな仕上がりが僕好みです。アーバンなサウンドとソウルフルな女性コーラスで盛り上げてくれます。

「Girlfriend」
「Cringemaker」と並ぶ僕のお気に入り。何より曲がいいですね。素直にメロウな作りにせず、少しヒネリが入っているのがBeckerらしい。サウンドも実に小粋でグッド!

「My Waterloo」
フツーにレゲエしてます。チープで安易なカンジはBeckerのねらいなのでしょうか(笑)

「This Moody Bastard」
この曲を聴いていたら、「Babylon Sisters」を思い出しました。こっちの方がもっとダークな雰囲気ですが。

「Hat Too Flat」
最初、ダビーかつエスニックな実験色の強い曲ですが、サビでSteely Danらしくなるのが好きです。

「Little Kawai」
詳しく知りませんが、KawaiとはBeckerの息子のことなのだとか。"川合さん"ではないようです。ハワイに移住したBeckerらしいハワイ・モードの仕上がりです。

今日のEuroネタですが、やはり「フランス対オランダ」ですね。
イタリア戦の3得点に続き、オランダがフランス相手に4得点を挙げ、圧勝しました。

ファン・ニステルローイ、カイト、ファン・デル・ファールト、スナイデルに加えて、ロッペン、ファン・ペルシが復帰した攻撃陣は、間違いなく大会No.1でしょう。僕のイチオシ優勝候補はポルトガルですが、勢いでいけばオランダかもしれません。

逆にフランス、イタリアは追い込まれましたね。ルーマニア戦でのイタリアは、かなりいいカンジで攻撃していましたが、ゴールの女神に見放されていましたね。

一方のフランスは精彩を欠いていますね。個人的には、監督がドメネクである限り、フランスは魅力的なサッカーをできないと思っているので、この結果はある程度予想していましたが、それでも強豪国だけに寂しいですね。

今夜のメインは「スウェーデン対スペイン」
スペインの実力を知るには絶好の相手ですね。
大胆予想をすれば、スウェーデンが勝つ!と予想します。
スウェーデンはクロアチアと並び、ダークホース的な存在になると思いマス。
※6/16追記
僕の予想は見事大ハズレ、スウェーデンはビジャの一発に沈んでしまいました。
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2008年06月14日

Esperanza Spalding『Esperanza』

小粋なジャズ・アルバムで過ごす夏はいかが?☆Esperanza Spalding『Esperanza』
Esperanza
発表年:2008年
ez的ジャンル:才女系ジャズ・べーシスト/ヴォーカリスト
気分は... :夏の僕のヘビロテになりそうな1枚☆

今日紹介するのは最近購入したお気に入りの1枚♪
Esperanza Spalding『Esperanza』です。

名前やジャケ写真からは、70〜80年代のラテン/ブラジル女性ヴォーカルものを想像するかもしれませんね。でも、ジャズ・べーシストが今年今年リリースした新作です。ジャケをよく見ると、ベースを抱えているのを確認できますよね。

Esperanza Spaldingは1984年生まれ。多分ポートランド出身だと思います。バークリー音楽大学に学び、現在は同校の講師を務めているようです。キホンはべーシストですがヴォーカル、作曲もこなし、3ヶ国語を話すという才女のようです。Stanley Clarke、Pat Metheny等との共演もしているみたいですね。

本作『Esperanza』はEsperanzaにとっては2枚目のアルバムとなります。ただし、2006年にリリースした1枚目のアルバム『Junjo』は、スペインのマイナー・レーベルAyvaからのリリースだったので、Heads Upからリリースの本作を実質的な1stと位置付けていいかもしれません。

彼女について全く知らなかったのですが、CDショップの試聴コーナーで気に入り衝動買いしました。ブラジル系の掘り出しものはないかとショップを物色していたのですが、そんな中で見つけたのが本作です。

ということで、ブラジリアン・フレイヴァーが楽しめるジャズ・アルバムです。今年の夏はラテン/ブラジルもの中心の音楽ライフにしようと思っており、本作もそんな夏モードにピッタリの1枚です。

ただし、キホンはべーシストなのでメイン・ストリーム系の演奏もしっかり聴かせてくれます。決して軽い作りのアルバムではないので、そのあたりは誤解のないように。

僕が最も気に入ったのは、Esperanzaのキュート&ラブリーなヴォーカルです。涼しげで、爽やかで、可愛くて...サイコーです。また、ジャズ・べーシストのアルバムとしても充分に楽しめると思いマス。

ジャケのEsperanzaの眼差しにグッときた人は、迷わずゲットしちゃいましょう(笑)
期待を裏切らない内容ですよっ!

Milton Nascimento、Baden Powellといったブラジル人アーティストのカヴァー、スタンダード「Body & Soul」以外はEsperanzaのオリジナルです。

全曲紹介しときヤス。

「Ponta De Areia」
Milton Nascimentoのカヴァー。CDショップでこのオープニング曲を聴いて即購入を決定しました。心が癒されるブラジリアン・メロウ・チューンです。ピュアな雰囲気が漂うコーラスがサイコーですね。 この曲を聴いた限り、僕はてっきりブラジル人シンガーのアルバムだと思っていたのですが(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=e9sN3ySkkz0

「I Know You Know」
この曲を聴くと、ジャズ・べーシストのアルバムだと実感できますね。シンプルなピアノ・トリオでの演奏にEsperanzaのヴォーカルが加わる小粋な仕上がりです。

「Fall In」
メロウ&ジャジーのバランスが絶妙の仕上がり。キュート&ラブリーな声質のEsperanzaのヴォーカルの魅力が存分に堪能できるマス。

「I Adore You」
「Ponta De Areia」と並ぶ僕のお気に入り。クラブ・ジャズ好き/ブラジル音楽好きにはツボの仕上がりです。Esperanzaを中心に絶妙なアンサンブルを聴かせてくれます。この夏は何回も繰り返しこの曲を聴きそうですな!

「Cuerpo Y Alma」
タイトルからはわかりすらいですが、お馴染みのスタンダード「Body & Soul」です。歌詞がポルトガル語ということもあり、聴き慣れたスタンダードがかなり新鮮に聴こえます。

「She Got To You」
ストレートかつスタイリッシュなジャズを聴かせてくれる1曲。僕のようにジャズの新譜といえばクラブ・ジャズ系ばかり聴いている人間にとって、たまにメイン・ストリーム系の音を聴くとエラく新鮮ですね。実に雰囲気のある演奏です。

「Precious」
Esperanzaのラブリー・ヴォーカルを楽しみましょう。ハッピー&ラブリー・モードになりたい時にピッタリな1曲。

「Mela」
Ambrose Akinmusireのトランペットも加わったエキサイティングな仕上がり。Esperanzaのベース・プレイを楽しみましょう。

「Love In Time」
ロマンティックなバラード。アルバムの中で一番ジャズ・ヴォーカルものらしい仕上がりかもしれませんね。

「Espera」
MPBテイストの仕上がりですね。ミステリアスな雰囲気が魅力です。

「If That's True」
小粋なメイン・ストリーム・ジャズ。本来はこうした演奏がべーシストEsperanza Spaldingの姿なのかもしれませんね。

「Samba Em Preludio」
ラストはBaden Powell作品のカヴァー。 サウダージ気分にピッタリな哀愁モードの仕上がりです。

さぁ、今夜は気合いを入れてEuro2008を観戦します。
WOWOWだけではなく、地上波でも生中継するので皆さんお見逃しなく!
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2008年06月13日

Maxi Priest『Intentions』

「Love Somebody」のイメージは捨てましょう☆Maxi Priest『Intentions』
Intentions
発表年:1986年
ez的ジャンル:UKレゲエ
気分は... :先入観を捨てましょう!

天気もいいし、のんびりレゲエでも聴きたい気分!
ということでUKレゲエを代表する男性シンガーMaxi Priest『Intentions』(1986年)です。

日本では織田裕二とのデュエット「Love Somebody」(1997年)を歌ってしまったせいで相当誤解されたイメージがあると思いますが、80年代後半から90年代前半はかなりイケてたUKのレゲエ・アーティストです。

Maxi Priest(本名:Max Alfred Elliott)は1961年ロンドン生まれ。

1985年にデビュー・アルバム『You're Safe』(1985年)をリリース。2ndアルバム『Intentions』(1986年)、3rdアルバム『Maxi』(1988年)でレゲエ・ファンのハートをガッチリ掴みます。特にCat Stevensのカヴァー「Wild World」はUKシングル・チャート第5位のヒットとなりました(『Maxi』収録)。

さらに4thアルバム『Bonafide』(1990年)では、Jazzie B、Nellee Hooperらを迎えて当時流行のグラウンド・ビートへアプローチし、シングル「Close To You」はUKチャートのみならず、USチャートでも大ヒット(ポップ・チャート第1位、R&Bチャート第2位)を記録しました。こうしてMaxi Priestの名は、レゲエ・ファンのみならず多くの音楽ファンにその名を知られるようになります。この頃は「Love Somebody」を歌ってしまうことになるなんて夢にも思わなかった...(笑)

僕が最も頻繁にレゲエを聴いていたのは80年代後半から90年代前半の時期です。特にUKレゲエが好きで、特にAswadMaxi Priest、それにAriwa(Mad Professorのレーベル)の歌姫もの(KofiSandra CrossCarroll Thompson等)がお気に入りでした。

Maxi Priestについては、『Intentions』(1986年)、『Maxi』(1988年)、『Bonafide』(1990年)、『Fe Real』(1992年)あたりをよく聴きました。ただし、『Bonafide』『Fe Real』の2枚は、純粋にレゲエ・アルバムと呼ぶにはビミョーなので、レゲエを満喫したいのであれば『Intentions』『Maxi Priest』あたりがオススメです。

『Intentions』はMaxiの2ndアルバム。
AswadDrummie Zebが半数以上の曲をプロデュースしています。

僕の好みは基本的にはラヴァーズものであり、本作もそうした楽曲が充実しているアルバムです。レゲエ好き以外の人が聴いても飽きない、スマートさやポップ感覚があるのがいいですね。ただし、全編甘ったるいわけではなく、ピリ辛味の楽曲も含まれているあたりが絶妙だと思いマス。

日本では色メガネで見られている可能性がある人ですが、先入観ナシに聴けばグッとくるはずですよ!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Love Train」
汽笛と共に恋の列車が発車しまぁ〜す!ラヴァーズ好きの人にはたまらない1曲。僕の一番のお気に入り曲でもあります。「Love Somebody」の1万倍は良いと思いマス。

「Woman in You」
程好い甘さのメロウ・チューン。ソウル/R&Bファンあたりにもアピールできるメロディアスな展開がいいですね。

「Crazy Love」
ご存知Van Morrisonの名曲カヴァー。激シブのオリジナルから一転して、メロウネスたっぷりの極上ラヴァーズに仕上がっていマス。数ある本曲のカヴァーの中でも、本ブログでも紹介したJesse Davisヴァージョンと並ぶ秀逸の出来栄えだと思いマス。レゲエ・ファンのみならずソウル・ファンもグッとくるのでは?Drummie Zebプロデュース。

「Jehovah」
この曲はDrummie Zebプロデュースらしい仕上がりですね。この頃はMaxiもAswadもこんなカンジだった?

「Cry Me a River」
哀愁モードのラヴァーズ。ヴォコーダーのコーラスがいいカンジですな。

「Strollin' On」
レゲエならではのノリが満喫できるこの曲はシングルにもなりました。早くも夏モード!ってカンジでしょうか。

「Pretty Little Girl」
「Love Train」と並ぶ僕のお気に入り。ラブリー・モードのラヴァーズです。プリティ・ガールと週末にマッタリ過ごしたくなる1曲ですな。

「Let Me Know」
この曲もシングルになりました。こうした小気味良いミッド・チューンもMaxiの魅力ですね。この洗練されたカンジは本場ジャマイカには無い、UKレゲエならではのものですね。

「Festival Time」
この曲もDrummie Zebプロデュースらしい仕上がりですね。ただし、「Love Somebody」の臭いが少しするのが気になりますが(笑)

「Bubble (We All Go Bubble)」
「The Ready Posse Sing Revival Selection」
この2曲は最近のアルバムに未収録みたいですね。なかなか聴きモノの2曲だと思うのですが。特に「The Ready Posse Sing Revival Selection」は、「Dancing Mood」「Simmer Down」「Time Is The Master」「Love Is A Treasure」「Woman Feel The Feeling」というスカ/ロックステディ/レゲエの名曲メドレーでかなり楽しめます。「Simmer Down」はBob Marley(The Wailers)の出世作となった1963年のヒット曲です。

今日のEuro2008ネタは、やはり「ドイツ対クロアチア」戦ですね。

前評判が高かった優勝候補ドイツがクロアチアに敗れましたが、クロアチア・イレブンのスピリットは素晴らしかったですね。試合終了後の歓喜の様子は感動的でした。

一方のドイツですが、個人的には"こんなものじゃないの"といった印象です。周囲が言うほど強いとは思っていないので...

さて、今夜は注目Cグループ「イタリア対ルーマニア」、「オランダ対フランス」です。イタリア、フランスの巻き返しなるかが注目ですね。
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2008年06月12日

Real Thing『Step Into Our World』

人気曲「Rainin' Through My Sunshine」収録☆Real Thing『Step Into Our World』
ステップ・イントゥ・アワ・ワールド
発表年:1978年
ez的ジャンル:UKメロウ・ソウル
気分は... :お気に入りのレイン・ソングは?

今日の東京は雨模様...

"雨"というお題は歌の定番であり、皆さんもお気に入りのレイン・ソングがあるのではないかと思いマス。

僕のお気に入りはReal Thing「Rainin' Through My Sunshine」
ということで、今日はReal Thing『Step Into Our World』(1978年)です。

Real Thingは1970年代前半にイギリスのリヴァプールで結成されたソウル・グループ。メンバーはEddie Amoo、Chris Amoo、Ray Lake、Dave Smithを加えた4人。曲作りも手掛けたEddietoとChrisのAmoo兄弟がグループの中心でした。

1976年にリリースしたシングル「You to me are Everything」がUKシングル・チャートで第1位、続く「Can't Get By Without You」も同第2位のヒットとなりました。この2曲はAmoo兄弟ではなく、Ken Gold/Mickey Denneによる作品です。

これらのヒットを受けて、1976年にデビュー・アルバム『The Real Thing』をリリース。その後、2nd『4 From 8』(1977年)、3rd『Step Into Our World』(1978年)、『....Saints Or Sinners?』(1980年)といったアルバムをリリースしています。また、1979年に『Can You Feel The Force』というアルバムがリリースされていますが、コレは『Step Into Our World』をタイトルとジャケを差し換えて再発したものです。

日本でReal Thingの名が知れ渡るようになったのは、前述の「Rainin' Through My Sunshine」です。「Rainin' Through My Sunshine」は1978年にシングルとしてリリースされましたが、UKシングル・チャート第40位とヒットには至りませんでした。それが90年代に入りフリーソウル人気曲となり、一気にReal Thingの再評価が高まりました。フリーソウルのコンピで言えば『Free Soul Wind』に収録されています。

その「Rainin' Through My Sunshine」が収録されているアルバムが今日紹介する3rdアルバム『Step Into Our World』(1978年)です。

僕もフリーソウルで「Rainin' Through My Sunshine」が好きになり、このオリジナルにも手を伸ばしたパターンでした。最悪「Rainin' Through My Sunshine」以外ハズレでもいいや!くらいの気持ちで購入したのですが、他にも良い曲揃いですっかり気に入ってしまったアルバムです。

Amoo兄弟の曲作りがサイコーなのと、哀愁リード・ヴォーカルとファルセット・コーラスの絡みが好きですねぇ。

それにしてもBeatlesの街という印象が強いリヴァプールで、こうしたソウル・グループで生まれてくるというのは面白いですね。

全曲紹介しときヤス。

「Whatcha Say, Whatcha Do」
オープニングはホーンが鳴り響き、ヴォコーダーまで登場するディスコ・チューン。悪くはないですが、Real Thingらしいとは言えないかもしれません。

「Lady, I Love You All The Time」
「Rainin' Through My Sunshine」、「Wan't You Step Into My World? 」に次ぐお気に入り曲です。ラブリーなメロウ・ソウルはまさに僕好み!イントロはどこかで聴いたことがあるカンジですが...そんな事は気にしません(笑)

「Rainin' Through My Sunshine」
前述の本作の目玉となるフリーソウル人気曲。個人的にも数あるフリーソウル・クラシックの中で1、2を争うお気に入りです。まさに雨の日にピッタリの込み上げ系哀愁ソウルに仕上がっています。

この曲が注目されるきっかけとなったのは、山下達郎のスタジオ・ライブにおける本曲のカヴァーでした。シングル・ヒットしていないUKソウルを取り上げるあたりはさすが達郎氏ですね。"雨"つながりということなのか、達郎氏「RAINY WALK」には本曲のテイストが感じられますね。

「Can You Feel The Force?」
アルバムからシングル・カットされ、UKシングル・チャート第5位となったファンク・チューン。フリーソウルの文脈を除外すると、本来この曲がアルバムのハイライトなのでしょうね。このノリノリのファンク・チューンのヒットを契機に、グループはファンク路線を強めていくことになります。

「Give Me The Chance」
ソウル・マナーの佳作ですね。ツボを押さえたそつの無いつくりに感心します。

「(We Gotta Take It To The) Second Stege」
ベースラインがゴリゴリ響くミッド・ファンク。個人的には「Can You Feel The Force?」よりもこの曲の方が好きですね。

「Wan't You Step Into My World? 」
「Rainin' Through My Sunshine」に次ぐ僕のお気に入り曲。ファルセット・ヴォーカルが心地好いメロウ・チューンに仕上がっています。Earth,Wind & Fire「That's the Way of the World」がお好きな方は絶対気に入ると思いますよ!

「Whenever You Want My Love」
アルバムからの1stシングルとしてUKシングル・チャート第18位のヒットとなりました。ソウルマナーのミッド・チューン。

「You Gotta Keep Holding On」
フリーソウル好きの人は気に入るであろう、ヤングソウル・テイストの仕上がりです。Chris Amooのヴォーカルは、こういった曲がマッチしますね。

「Love Me Right」
メロウ&スウィートな仕上がりです。サビの部分を聴いているとRick Astley「Never Gonna Give You Up」を思い出してしまいます。コチラの方が100倍くらい良い出来ですが(笑)

フリーソウル絡みで言えば、「Can't Get By Without You」もフリーソウル人気曲です。

Euro2008の好カード「ポルトガル対チェコ」は、ポルトガルが最初の難関を突破しました。このまま突き進んで欲しいものです。

今夜は「ドイツ対クロアチア」!これも楽しみな一戦です。
posted by ez at 10:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする