2008年06月01日

Ginuwine『Ginuwine... The Bachelor』

Timbalandのチキチキ・ビートを知らしめたセンセーショナルなデビュー作☆Ginuwine『Ginuwine... The Bachelor』
Ginuwine... The Bachelor
発表年:1996年
ez的ジャンル:チキチキ・ビート系セクシー男性R&B
気分は... :チキチキ・ビートR&B席巻の始まり!

今回はTimbalandプロデュースのもと、華々しいデビューを飾ったGinuwineの1stアルバム『Ginuwine... The Bachelor』(1996年)です。

Ginuwine(本名:Elgin Baylor Lumpkin)は1975年Washington DC生まれの男性R&Bシンガー。JodeciDevante Swingに見出されたた後、TimbalandMissy Elliottと出会います。そして、Timbalandプロデュースのデビュー・アルバム『Ginuwine…The Bachelor』をリリース。1stシングル「Pony」が見事全米R&BチャートNo.1に輝き、セクシーなヴォーカル&ダンスも手伝って一躍注目の男性R&Bシンガーとなります。

その後の2ndアルバム『100% Ginuwine』(2000年)、3rdアルバム『The Life RIAA Certified』(2003年)も成功を収めますが、Timbaland一派からは少し距離を置くようになりました。近年もコンスタントにアルバムをリリースしていますが、5thアルバム『Back II Da Basics』(2005年)以降はかなり苦戦している模様です。

やはり、Ginuwineは1stから3rdあたりまでの印象が強いですね。
特にインパクトという面では今回紹介するデビュー作『Ginuwine... The Bachelor』で決まりという気がします。

『Ginuwine... The Bachelor』Ginuwineのみならず、当時まだ無名に近かったTimbalandのチキチキ・ビートを世に知らしめた1枚としても重要ですね。同じく1996年にリリースされたAaliyah『One in a Million』と本作の2枚が大物プロデューサーTimbalandを誕生させたと言えるでしょうね。

僕の場合、AaliyahはR.Kellyプロデュースの1st『Age Ain't Nothing But a Number』(1994年)が超お気に入りだったので、Timbalandプロデュースによる『One in a Million』のチキチキ・ビートには当時戸惑った記憶があります。

その意味では、そういったイメージがない分、GinuwineTimbalandの組み合わせの方が違和感なく聴けたかもしれません。

当時はこのサウンド&ビートにかなり毒っ気を感じたのですが、今回久々に聴いてみて"こんなにマイルドだったっけ"という印象を受けました。Timbalandサウンドに慣れたのでしょうね。それだけ彼やMissy Elliottが創り出したサウンドがR&B/Hip-Hopシーンに浸透した証だと思います。

TimbalandMissy ElliottMagoo、Nikki、Virginia Slimといったメンバーがバック・ヴォーカル&ラップで参加しています。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Intro」
映画『The Usual Suspects』ネタのプロローグ。『The Usual Suspects』は以前に本ブログでも紹介したことがある傑作サスペンスです。"カイザー・ソゼ"の名もしっかり引用されています。確かに『The Usual Suspects』の持つ不気味な雰囲気と、本作の持つダークな雰囲気は共通しているかもしれませんね。

「Pony」
Ginuwineと共にプロデューサーTimbalandの名を全米中に轟かせたデビュー・シングル。全米R&Bチャート第1位、同ポップ・チャート第6位に輝きました。今ではTimbalandの代名詞チキチキ・ビートも聴き慣れましたが、当時はこの妖しげなトラックはインパクト大でしたね。「僕のわんぱくポニー」という大爆笑の邦題とのギャップがありすぎです(笑)Magoo & Nikkiがフィーチャーされています。

話が逸れますが、Ginuwine、Timbalandと共に本曲のソングライティングを手掛けたSteve "Static" Garrettが今年の2月に亡くなりましたね。その後彼がフィーチャーされたLil Wayne「Lollipop」が全米ポップ・チャート、R&Bチャート共にNo.1になったというのが複雑な思いがします。Aaliyah、Ginuwine、Brandy等への楽曲提供で知られていますが、近年で言えばPretty Ricky「On The Hotline」(2007年)が印象的でしたね。ご冥福をお祈りします。

「Tell Me Do U Wanna」
この曲もダークに迫ってきます。でも今聴くと案外マイルドな印象を受けますね。粘りのあるGinuwineのヴォーカルがサウンドとマッチしていますね。PVがなかなかキマっていますね。

「Holler」
Nikkiのラップをフィーチャー。個人的にはこのミッド・グルーヴが一番お気に入り。タメのあるグルーヴ感が好きですね。

「Lonely Daze」
GinuwineのセクシーなヴォーカルとTimbalandサウンドがうまく融合した哀愁スロウ・チューン。

「Ginuwine 4 Ur Mind」
このアルバムらしいダークな魅力に充ちた妖しげなミッド・グルーヴ。昔はこのダークさが苦手だったのに、今は心地良く聴こえるのが不思議です(笑)

「Only When Ur Lonely」
シングルにもなったスロウ・チューン。Timbalandサウンドが話題になる本作ですが、シンガーGinuwineの魅力も忘れてはいけません。その意味では Ginuwineのセクシー・ヴォーカルが最も堪能できる曲だと思いマス。

「I'll Do Anything/I'm Sorry」
シングルとして全米R&Bチャート第16位となりました。Missy Elliottがフィーチャーされています。Stevie Wonder「Visions」ネタのトラックが印象的ですね。

「World Is So Cold」
地を這うようなトラックとメロウなGinuwineのギャップが魅力ですね。

「When Doves Cry」
ご存知Prince殿下の大ヒット曲のカヴァー。Ginuwine自身が殿下の大ファンということらしいですが、なんか納得できますよね。Timbalandサウンドと殿下の楽曲って"変態チック"つながりでマッチしないはずがありません。

「G. Thang」
Magoo & Missy Elliottをフィーチャー。 ダークな雰囲気ですがなかなか完成度が高く聴き応えのあるミッド・グルーヴに仕上がっています。LL Cool J「The Boomin' System」 、Portishead「Numb」ネタ。Portisheadサンプリングする時点でかなりダークですよね(笑)

「550 What?」
最後はみんな盛り上がろうぜ!といった趣きのチキチキ・ビート全開の1曲。今時Hip-Hopのプロトタイプ的な雰囲気が漂う1曲。今から10年以上前にこのビートだったというのがスゴイですな。僕は少し苦手なタイプですが(笑)

当時はPVなんて熱心に観ていなかったのでジャケのダークな印象が強く、"歌って踊れるセックス・シンボル"というイメージがあまり湧きませんでした。なので、本作以降にPVを観て驚いた記憶があります。

Timbalandで思い出しましたが、彼も参加したMadonna「4 Minutes」はいいですね。50歳間近になっても体を体を張って頑張るMadonnaのプロ根性とセンスに4 Minutesならぬ4SecondsでK.O.されました。

Justin TimberlakeTimbalandということは、Madonnaは"Timb"つながりを重視したのでしょうか(笑)
posted by ez at 07:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする