発表年:1981年
ez的ジャンル:ディスコ系男性R&B
気分は... :背の高いヤツはジャマ?
サッカー日本代表はもたついていますな...
今回はCarl Carltonの1981年作品『Carl Carlton』です。
Carl Carltonは1953年デトロイト生まれの男性R&Bシンガー。十代前半から"Little"Carl Carltonとして注目されていたようです。
4thアルバムとなる本作『Carl Carlton』以前に、『Can't Stop A Man In Love』(1973年)、『Everlasting Love』(1974年)、『I Wanna Be With You』(1975年)という3枚のアルバムを発表しています。このうち、『Everlasting Love』からはタイトル曲(Robert Knightのカヴァー)が全米ポップ・チャート第6位、R&Bチャート第11位のヒットとなりました。
そんなCarl Carltonのキャリアを代表する楽曲が「She's A Bad Mama Jama(She's Built,She's Stacked)」であり、それを含むアルバムが本作『Carl Carlton』(1981年)です。
本作を語るうえで欠かせないのが本作のプロデューサーLeon Haywoodの存在です。Leon Haywoodは、70年代〜80年代初めに西海岸で活躍したR&Bシンガー/ソングライターです。ソウル・ファンの方にはお馴染みの人ですね。若いリスナーの方には、Dr. Dre「Nuthin' But A G Thang」の元ネタである「I Want'a Do Something Freaky To You」でご存知なのでは?
そのLeon HaywoodがCarl Carltonのために書いたダンス・クラシックが「She's A Bad Mama Jama(She's Built,She's Stacked)」です。この全米R&Bチャート第2位に8週間君臨したダンス・クラシックのおかげで、Carl Carltonの名が多くの音楽ファンに知られるようになりました。
僕の場合、リアルタイムでも聴けることができたはずですが、当時はポップ・チャート中心の音楽ライフだったので殆ど印象はありません。なので、完全に後追いで聴きました。
どうしても「She's A Bad Mama Jama(She's Built,She's Stacked)」が注目されがちですが、他の曲もなかなか充実しています。どっかで聴いたことがあるような曲が多く、それが気にならなければ、ご機嫌なダンス・チューン満載の楽しめるアルバムです。逆に●●似の楽曲を楽しむと魅力が倍増すると思いマス。
Leon Haywood以外にもJames Ingram(back vo)、George Duke(key)、James Gadson(ds)、Tom Tom 84(horn arr)等のメンバーがCarlをサポートしています。
唯一の欠点は、意味もなく自慢の肉体を見せる、ドン引きジャケですかね(笑)
全曲紹介しときヤス。
「Sexy Lady」
ライナーノーツに"McFadden & Whitehead「Ain't No Stopping Us Now」とThe Whispers「The beat goes on」を足して2で割ったよう"と書いてありますが、ホントそんな感じです(笑)そんな事関係なく、この手のディスコ・チューンがお好きな方は間違いなく楽しめると思いマス。シングルにもなりました。
「Let Me Love You 'Til The Morning Comes」
どうしてもダンス系の楽曲が目立つアルバムですが、スロウ系もメロウネス十分でなかなかいけます。本曲もサビの♪ラブ・ユー♪ラブ・ユー〜♪の部分はグッときます。
「Don't You Wanna Make Love」
僕の一番のお気に入り曲。Cheryl Lynn「Got To Be Real」、Alton Mcclain & Destiny「It Must Be Love」、Rick James「You and I」がお好きな方は絶対に気に入るであろうダンス・チューンです。
「This Feeling's Rated X-Tra」
前述のようにLeon Haywoodと組んで最初に制作した曲です。と言っても、まんまTyrone Davis「In the Mood」ですよねコレ。しかもアレンジも「In the Mood」と同じTom Tom 84...これでLeon Haywood作品って言っていいのかな?
「She's A Bad Mama Jama(She's Built,She's Stacked)」
前述のダンス・クラシック(邦題「バッドママジャマ」)。ダンスマン「背の高いヤツはジャマ」として聴いている方も多いのでは(笑)プロデューサーLeon Haywoodの自身のヒット曲「Don't Push It Don't Force It」がベースになっています。お好きな方は2曲セットで聴くといいでしょう。個人的にはJunior「Mama Used To Say」あたりと一緒に聴くのも好きです。
ダンスマン・ネタになっている点からも、この曲がディスコ・クラシックであることがおわかりいただけると思います。♪背の高いヤツはジャマ〜♪前の前のヤツがジャマ〜♪ピタッとハマっています(笑)
Foxy BrownがDru Hillをフィーチャーした本曲のHip-Hopリメイク「Big Bad Mama」をリリースしていましたね。
「I've Got That Boogie Fever」
ご機嫌なダンス・チューン。Earth,Wind & Fire「Getaway」風のホーン・セクションが印象的ですね。
「I Think It's Gonna Be Alright」
「Fighting In Name Of Love」
ライト&メロウ好きの方向けの2曲。「I Think It's Gonna Be Alright」はコーラスの絡みもグッドなスロウ。「Fighting In Name Of Love」はAOR系の涼しげなライト・グルーヴ。Leon HaywoodとJames Ingramの共作です。
この後、Narada Michael Waldenプロデュースの『The Bad C.C.』(1982年)、Allen Jones(Bar-Kays作品でお馴染み)プロデュースの『Private Property』(1986年)と2枚のアルバムをリリースしています。また、1994年には再びLeon Haywoodと組んでシングルをリリースしますが、いずれも大きな成功を収めることはありませんでした。