発表年:1981年
ez的ジャンル:CTI系ラテン/クロスオーヴァー
気分は... :異色作ですがイケまっせ!
ラテン・グルーヴの帝王"ハード・ハンズ"Ray Barrettoの2回目の登場です。
前回はブーガルーの名盤『Acid』でしたが、今回はクラブ・シーンで絶大な人気を誇るクロスオーヴァー系作品『La Cuna』(1981年)です。
(本作は1979年録音、1981年リリースと認識しています。1979年リリースと説明している情報源もあるので、間違っていたらゴメンナサイ!)
本作『La Cuna』はCTIからのリリースです(Creed Taylorプロデュース)。
メンバーは、Ray Barretto(conga、per)をはじめCharlie Palmieri(p、per)、Tito Puente(timbales)、Joe Farrell(ts、ss、fl)、John Tropea(g)、Steve Gadd(ds)等ラテン&フュージョン系ミュージシャンの混合編成です。
CTI作品、Creed Taylorプロデュース、フュージョン系ミュージシャンの顔ぶれが上記のとおりとくればお察しの通り、本作はRay Barretto本来の熱いラテン・グルーヴが炸裂するサルサ作品とはいささか趣が異なる仕上がりです。ラテンとフュージョンが融合したまさにクロスオーヴァーな作品ですね。
良い意味でも悪い意味でもとても聴き易いライトなアルバムです。その意味ではラテン音楽愛好家の方にとってはやや物足りない作品かもしれません。逆にラテン音楽を普段あまり聴かない人にとっては、とても入りやすい作品です。
むしろ本作の評価が最も高いのはクラブ系リスナーですね。特にStevie Wonderの名曲「Pastime Paradise」のカヴァーは、クラブ・クラシックとして人気が高い作品です。DJ Spinna& Bobbito監修のコンピ・アルバム『The Wonder Of Stevie』にも収録されています。
本作のタイトル"La Cuna"は"ゆりかご"を意味します。
ラテン・フュージョンを子守唄に聴きながら育った子供は、どんな子になるのでしょうね?
全曲紹介しときヤス。
「La Cuna」
ライトタッチですがタイトル曲が本作で唯一サルサしていますね。Charlie PalmieriのラテンなピアノとJoe Farrellの涼しげなフルートが同居している、本作らしい仕上がりです。みんなゆりかご気分でユラユラしましょう!Howard Schneider作品
「Doloroso」
本作のアレンジを担当しているJeremy Wallの作品。CTI作品ならではの仕上がりです。全然Ray Barrettoらしくないですが、なかなか味わいのある演奏です。John Tropeaのギターが印象深いですね。
「Mambotango」
「Pastime Paradise」に次ぐ僕のお気に入り曲。。レア・グルーヴ・ファンに人気のアルバム『Grafitti』 でお馴染みのアルゼンチン人ピアニストCarlos Franzettiの作品です。「Mambo + Tango」を意味するタイトルなのでしょうが、正直ラテン色はかなり薄いです。むしろ ソフィスティケイトされたメロウ・フュージョンとして聴いた方が楽しめます。僕のような軟弱音楽が好きな人はハマると思います(笑)
「The Old Castle」
ELP(Emerson, Lake & Palmer)でお馴染みMoussorgsky『Pictures at an Exhibition(展覧会の絵)』の中の1曲。Joe Farrellの豪快なブロウが目立つ疾走感溢れたラテン・フュージョンに仕上がっています。
「Pastime Paradise」
前述のように本作のハイライトとなるStevie Wonderの名曲カヴァー(『Songs In The Key Of Life』収録)。
Stevieの哀愁の名曲を、ラテンとフュージョンが見事に融合したフロアキラーなラテン・グルーヴに変貌させてくれます。Willie Torresによるラテン訛りの英語ヴォーカルも味があっていいですね!
本作でも紹介した『Kero One Presents:Plug Label』収録のYosaku「Future Pradise」は本カヴァーが元ネタになっています。
サッカーW杯アジア最終予選の組み合わせが決まりましたね。
日本は、オーストラリア、バーレーン、ウズベキスタン、カタールがいるA組となりました。個人的には悪くない組だと思います。順当に行けばオーストラリアと日本で決まりなのでは?そんなに甘くはないと思いますが...
韓国、イラン、サウジアラビア、北朝鮮、UAEがいるB組の方が厳しい気がします。韓国、イラン、サウジアラビアの争いが見ものですね。