2008年07月20日

Incognito『Tribes, Vibes And Scribes』

Maysa Leakがヴォーカルで参加したAcid Jazzブームを代表する1枚☆Incognito『Tribes, Vibes And Scribes』
Tribes Vibes + Scribes
発表年:1992年
ez的ジャンル:バカンス系Acid Jazz
気分は... :梅雨明けですな...

全国的に梅雨明けとなり、いよいよ本格的に夏突入ですね。

今日は爽快なジャズ・ファンク/フュージョンが聴きたい気分!
そんな中でセレクトしたのは爽快なアシッド・ジャズ作品Incognito『Tribes, Vibes And Scribes』(1992年)です。

IncognitoはAcid Jazzブームを代表するグループ。僕の中では、The Brand New HeaviesD-Influenceあたりと同じ位置づけですね。

Incognitoは、のギタリスト/マルチプレイヤー/プロデューサーであるJean-Paul 'Bluey' Maunick(1957年モーリシャス生まれのイギリス人)を中心としたジャズ・ファンク・グループ。

1980年にアルバム『Jazz Funk』でデビュー。UKのアルバム・チャート第28位とまずまずの成功を収めますが、売れ筋アルバムの制作をレコード会社から強要されたBlueyはIncognitoとしての活動を一時締結します。

その間プロデューサー/コンポーザー/アレンジャーとして、George Duke、Marcus Miller、Total Contrast(UKのソウル・デュオ)らとの仕事を重ねました。そんなBlueyでしたが、1991年にAcid Jazzブームの火付け役となったTalkin' Loudレーベルの契約に成功し、Incognitoとしての活動を再開します。

活動を再開したIncognitoは1991年に2ndアルバム『Inside Life』をリリース。ゲスト・ヴォーカリストにJocelyn Brownを迎えたシングル「Always There」がUKシングル・チャートの第6位となり、見事シーンに復活すると同時にAcid Jazzブームを代表するグループとして注目されるようになりました。

続く3rdアルバム『Tribes, Vibes and Scribes』(1992年)、4thアルバム『Positivity』(1993年)といったアルバムも高い支持を得ました。その後もコンスタントにアルバムをリリースし、今日に至っています。

そんなIncognitoの作品の中で、僕の最もお気に入りのアルバムが今日紹介する3rd『Tribes, Vibes and Scribes』(1992年)です。

4th『Positivity』(1993年)も悪くはありませんが、やはりAcid Jazzのアルバムはブームのピークである1991〜1992年頃の作品が最も魅力的であると思います。これはIncognitoに限ったことではありませんが...

前作『Inside Life』ではパーマネントなヴォーカリストを置かず、Bluey本人がヴォーカルを努めたり、ゲスト・ヴォーカリストを迎えていましたが、本作『Tribes, Vibes and Scribes』からはソウルフルな女性ヴォーカリストMaysa Leakをメンバーに迎えています。

ファンの中には"Maysa Leakが居てこそのIncognito"という方も多いのでは?
きっとMaysa Leak好きの方は本作よりも『Positivity』を支持するのでしょうが...

その意味では、インスト・ナンバーの比重が高い本作に物足りなさを感じる方もいるのかもしれません。ただし、Incognitoの本質はジャズ・ファンク・グループであり、そういった魅力を堪能できるアルバムが『Tribes, Vibes and Scribes』だと思います。

バカンス気分にピッタリのAcid Jazzですよ!

全曲紹介しときヤス。

「Colibri」
僕の一番のお気に入り曲!真夏のバカンス気分にさせてくれる、梅雨明けにピッタリのサマー・グルーヴです。しっかりジャズ・ファンクしているけれども、爽快で、軽くラテンタッチというIncognitoらしい仕上がりだと思います。Maysa Leakのスキャットもいい感じ...

「Change」
Maysa Leakのヴォーカルを全面に押し出したR&Bテイストのミッド・グルーヴ。Incognitoらしく爽快かつメロウに仕上げているのがいいですね。

「River in My Dreams」
続く「Don't You Worry 'Bout a Thing」へに向けてのインタールード的な小曲。

「Don't You Worry 'Bout a Thing」
ご存知Stevie Wonderのヒット曲カヴァー(アルバム『Innervisions』収録)。本カヴァーもシングル・カットされ、UKシングル・チャート第19位のヒットとなっています。Stevieのオリジナルはサルサ・テイストのラテン・チューンでしたが、ここではラテン色は控えめにに、Maysa Leakのヴォーカルが引き立つマイルドな仕上がりになっています。そう言えば、Maysa LeakはStevieのバック・ヴォーカルを務めたこともあるんですよね。

「Magnetic Ocean」
ジャズ・ファンクのグループらしいインスト。Jaco Pastorius在籍時のWeather Reportが好きな人は気に入るであろう1曲。

「I Love What You Do for Me」
Maysa Leakのヴォーカルによる哀愁モードのミッド・チューン。ヒンヤリ感がいいですな。

「Closer to the Feeling」
「Colibri」、「Need to Know」と並ぶ僕のお気に入り。Maysa Leakの歌モノもいいけど、ジャズ・ファンク・グループとしての堪能できるインストものにIncognitoの魅力を感じてしまいますね。本曲も真夏のジャズ・ファンクといった趣がグッドです。

「Arc en Ciel de Miles」
リラックス・モードのミッド・グルーヴ。ミュート・トランペットの響きが真夏の夜には似合いますな。

「Need to Know」
この曲も大好き!爽快な疾走感がたまりません。いかにも当時のAcid Jazzらしい音ですよね。

「Pyramids」
Blueyらしいスタイリッシュなセンスに溢れた1曲。この曲聴いていたら、昔のShakatakとか聴きたくなってきました。

「Tribal Vibes」
70年代フュージョンと90年代当時のスタイリッシュ感がうまくミックスしている感じのインスト。

僕が持っている国内盤には以下の3曲のボーナス・トラックが追加収録されています。

「Celebrate Your Life」
Maysa Leakのヴォーカルものがお好きな方向けの1曲。正直、ヴォーカルもので一番良い出来だと思います。

「Keep The Promise」
こちらもヴォーカルもの。Maysa Leakのデュエットのお相手は元Average White BandHamish Stewartというオマケつき!この曲もかなり良い出来です。

「Bata Rumba」
アフリカン・パーカッション炸裂の1曲。アルバム・タイトルからすれば、こういった曲があっても良い気がします。

なかなか充実の3曲なので、ゲットするばらばこの国内盤をオススメします。
posted by ez at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月19日

Fania All-Stars『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』

70年代サルサの熱狂ぶりを収めた伝説のライブ・アルバム☆Fania All-Stars『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』
Live at the Cheetah, Vol. 1 Live at the Cheetah, Vol. 2
発表年:1972年
ez的ジャンル:サルサ絶頂期オールスター・ライブ
気分は... :サルサと言えばコレですな!

今日はサルサ超オススメの1枚、Eddie Palmieri『Sentido』(1973年)を紹介したかったのですが、Amazonに画像がないので断念しました。

代わりにセレクトしたのは同じサルサのアルバムFania All-Stars『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』です。まぁ、サルサの歴史を語るうえで欠かすことのできない伝説のライブ・アルバムですね。

Fania All-Starsは、N.Y.サルサを代表するレーベルFniaのオールスター・グループ。レーベルの創設者Johnny Pachecoを中心にFaniaの看板アーティストが大挙参加しています。

『Live At The Red Garter』(1968年)、『Latin-Soul-Rock』(1974年)、『Live At Yankee Stadium』(1975年)といった名ライブ・アルバムをリリースしていますが、代表作ということであれば、やはり『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』ということになると思います。

本作は1971年8月26日にN.Y.のクラブEl Cheetahで行われたライブを収録したものです。

ちょうどこのライブが行われた時期は、新しいラテン音楽としてのサルサがN.Y.のラテン・コミュニティで熱狂的に受け入れられた時期とリンクするものです。僕の曖昧な知識ですが、新しいN.Y.のラテン音楽に"サルサ"と命名したのは本作の「Introduction Theme」でもMCを努めた雑誌『Latin N.Y.』の編集長Dizzy Izzy Sanabriaだったと記憶しています。

本作におけるメンバーは、Johnny Pacheco(fl)、Ray Barretto(per)、Larry Harlow(p)、Willie Colon(tb)、Roberto Roena(per)、Bobby Valentin(b)というFaniaを代表する名プレイヤーに、Santos Colon、Hector LavoeIsmael Miranda、Pete "El Conde" Rodriguez、Adalberto Santiagoという多彩なボーカル陣が名を連ねます。

さらにゲスト&フィーチャリング・プレイヤーとして、Jose "Cheo" Feliciano (vo)、Ricardo Ray(p)、Bobby Cruz (vo) 、Roberto Rodriguez(tp)、Reinaldo Jorge(tb)、Barry Rogers(tb) 、Larry Spencer(tp)、Yomo Toro(tres)、Orestes Vilato(per)、Hector Zarzuela(tp)らが参加しています。

正直、若い音楽ファンが聴くのであれば、クラブDJにも人気の高い『Latin-Soul-Rock』あたりの方がピンと来るかもしれません。それでも、サルサ創成期の熱狂ぶりを伝えるドキュメントという点で、『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』は歴史的価値を持つアルバムであり、ラテン音楽のマスト・アイテムとしてぜひ聴いて欲しいですね。

Vol.1とVol.2に分かれていますが、ゲットするならば絶対2枚1セットでどうぞ!

全曲を紹介しときやす。

「Introduction Theme」
単なるメンバー紹介なのですが、当時のサルサの熱気が伝わってきます。まず、雑誌『Latin N.Y.』の編集長Dizzy Izzy SanabriaがNYの有名なDJである故Symphony Sidを紹介します。そして、そのSidがグループのリーダーJohnny Pachecoを紹介し、Pachecoがグループのメンバーをスパニッシュ&英語で紹介していきます。

「Descarga Fania」
Ray Barretto作品。Vol.1で一番好きな演奏。Descargaとはサルサにおけるジャム・セッションのことであり、各プレイヤーのソロを堪能できます。クラーべのリズムに合わせた手拍子で観客もヒートアップ。相当テンション高いのがビンビン伝わってきますな。リード・ヴォーカルはAdalberto Santiago。

「Anacaona」
C.Curet Alonso作品。Jose "Cheo" Felicianoがリード・ヴォーカル。絞首刑となったカリブ海の女王アナカオーナの悲劇を歌ったこの曲は、サルサらしい哀愁のメロディを堪能できます。

「Quitate Tu」
Johnny Pacheco/Bobby Valentin作品。16分を超える長尺ですがリラックス・ムードの中でHector Lavoe、Pete "El Conde" Rodriguez、Ismael Miranda、Jose "Cheo" Feliciano、Adalberto Santiago、Johnny Pacheco、Santos Colonという多彩なヴォーカリストの歌を堪能できます。Yomo Toroによるトレス(ギターよりやや小さいキューバの弦楽器)・ソロで大いに盛り上がります。

ここまでがVol.1です。

「Ahora Venga Yo」
ここからがVol.2です。この曲はJohnny Pacheco作品。Bobby CruzのヴォーカルとRicardo Rayのピアノが大きくフィーチャーされています。個人的には「Ponte Duro」と並ぶVol.2のお気に入り。サルサならではの粋な感じが一番伝わってくる気がします。Ricardo Rayのピアノがサイコーにキマっています!

「Estrellas de Fania」
C.Curet Alonso/Johnny Pacheco作品。「Quitate Tu」同様、Adalberto Santiago→Hector Lavoe→Ismael Miranda→Pete "El Conde" Rodriguez→Santos Colon」とヴォーカリストのオンパレードです。僕はどうしてもHector Lavoe、Ismael Mirandaあたりが気になるのですが。

「Que Barbaridad」
Ismael Miranda作品。もちろんリード・ヴォーカルはIsmael Mirandaですが、途中からHector Lavoeも加わりと...サルサ・ファンの人気を二分する看板ヴォーカリスト2人の共演はたまりませんね。

「Ponte Duro」
Johnny Pacheco作品。Vol.2で一番お気に入りの演奏です。サルサらしくトロンボーン、トランペットといった管楽器とパーカッション系打楽器のエキサイティングな演奏を堪能できます。

「Macho Cimarron」
Johnny Pacheco作品。リード・ヴォーカルはPete "El Conde" Rodriguez。Johnny Pacheco(fl)、Larry Harlow(p)、Ray Barretto(per)、Willie Colon(tb)というグループの看板プレイヤー4人のソロを聴けるのがグッドです!

「Closing Theme」
伝説のライブの中締め(?)としてリーダーJohnny Pachecoのご挨拶でございます...

このライブの映像を収録した『Our Latin Thing』もあります!

Our Latin Thing / Nuestra Cosa
Our Latin Thing / Nuestra Cosa
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2008年07月18日

Bow Wow『Wanted』

人気アイドルから大人のアーティストへ成長中!☆Bow Wow『Wanted』
Wanted
発表年:2005年
ez的ジャンル:イケ面系若手人気ラッパー
気分は... :♪Let Me 〜Hold You♪

ここ数日はややこしい事続きで何かモヤモヤ気分...

そんな中で聴きたくなったのが若手人気ラッパーBow Wowの大ヒット曲「Let Me Hold You」♪この哀愁メロディを聴き、とりあえず心がリセットされました。

ということで、今日は「Let Me Hold You」が収録されたBow Wowの4thアルバム『Wanted』(2005年)です。

Bow Wowについては、これまでOmarionとのコラボ・アルバム『Face Off』(2007年)を紹介したことがありますが、単独アルバムの紹介は初めてとなります。

Bow Wow(本名Shad Gregory Moss)は1987年オハイオ州コロンバス生まれの男性ラッパー。

6歳の時にSnoop Doggとステージで共演し、それがきっかけでSnoopのデビュー・アルバム『Doggystyle』(1993年)のskitに参加。ちなみにBow Wowの名付け親もSnoopです。

弱冠13歳にしてXscapeをフィーチャーしたデビュー・シングル「Bounce with Me」をリリース。見事全米R&BチャートNo.1に輝きました。同じ2000年にデビュー・アルバム『Beware of Dog』をリリース。Snoop Doggをフィーチャーした2ndシングル「Bow Wow (That's My Name)」もR&Bチャート第4位となり、華々しいデビューとなりました。

その後、2nd『Doggy Bag』(2001年)、3rd『Unleashed』(2003年)、4th『Wanted』(2005年)、5th『The Price of Fame』(2006年)とコンスタントにアルバムをリリースし、若手人気ラッパーとして絶大な人気を誇っています。

また、映画俳優としても活躍し、『Like Mike(邦題:ロスト・キッズ)』(2002年)、『Roll Bounce』(2005年)、『The Fast and the Furious: Tokyo Drift(邦題:ワイルドスピードX3)』(2006年)等の作品に出演しています。

今日紹介する『Wanted』(2005年)は4thアルバム。
年齢も18歳となり、人気アイドルから大人のアーティストへ成長中!といった雰囲気のアルバムですね。

プロデュースはJermaine Dupriが全面指揮しており、サウンド的には彼の手腕に拠るところが大となっています。ゲストにはOmarionCiaraSnoop Dogg、J-Kwon等が名を連ねます。

これまでR&Bチャートでヒットするものの、ポップ・チャートでは目立ったチャート・アクションがないBow Wowでしたが、本作からは「Let Me Hold You」「Like You」の2曲が全米ポップ・チャートTop5に入る大ヒットとなっています。

正直、曲の出来/不出来にムラのあるアルバムですが、それでもなかなか楽しめる出来だと思います。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Do You」
女の子達の♪Bow〜 Wow〜♪の大歓声で始まるオープニング!さすが人気アイドルですな!派手なギター・サウンドが印象的です。

「Big Dreams」
Jermaine Dupriの音作りの上手さ目立ちますね。ダークな中にもポップな味付けがなされているあたりが好きです。

「Let Me Hold You」
Omarionをフィーチャーした前述の大ヒット曲(全米ポップチャート第4位、同R&Bチャート第2位)。Luther Vandross「If Only For One Night」ネタの哀愁サウンドが胸にグッとくる名スロウですね。しかも、 Bow Wowに負けない人気を誇るOmarionとの共演となれば、女性ファンは狂喜乱舞したのでは?

「Fresh Azimiz」
J-Kwon、Jermaine Dupriをフィーチャーしたフロア対応のサウス・チューン。今時のHip-Hop好きの方はハマる仕上がりだと思います。

「Caviar」
Bow Wowがこの世界に入るきっかけを作ってくれた恩人Snoop Doggをフィーチャー。Bow Wow君の成長ぶりを見守るかのように、Snoopは余裕のラップを聴かせてくれます。

「Like You」
当時交際が噂されていたCiaraをフィーチャーした大ヒット・シングル(全米ポップチャート第3位、同R&Bチャート第1位)。Bryan Michael Coxが共同プロデュースで参加。Ciaraのヴォーカルが華やかなメロディアスでキャッチーな仕上がりです。New Edition「I'm Leaving You Again」ネタ。やはり、歌モノ好きの僕としては「Let Me Hold You」と「Like You」の2曲の出来の良さが際立っている気がします。

「Go」
Jermaine Dupriをフィーチャー。この曲もBryan Michael Coxが共同プロデュースで参加。キャッチーでわかりやすい作りなので結構好きです!

「Is That You (P.Y.T.) 」
オリエンタル&ミステリアス・モードのミッド・チューン。怪しげな雰囲気が印象的です。Michael Jackson「P.Y.T (Pretty Young Thang)」ネタ。

「Mo Money」
T. Watersをフィーチャー。サビの♪モ・マニー♪モ・マニー♪の部分は思わず口ずさんでしまいますね。

いまだに曲名を知らないのですが「Mo Money」の後にシークレット・トラックが1曲収録されています。
posted by ez at 15:09| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月17日

Niteflyte『Niteflyte II』

日本人好みのマイアミ系アーバン・ソウル/AOR☆Niteflyte『Niteflyte II』
ナイトフライトII(紙ジャケット仕様)
発表年:1981年
ez的ジャンル:マイアミ系アーバン・ソウル/AOR
気分は... :ややこしい...

世の中にはややこしい事が多いですね。
そんな事だらけで今日はかなり疲れ気味...
夏なんだから、もっと開放的に楽しまないといけませんなぁ...

今日はいかにも夏の定番アルバムが聴きたい気分!
ということで、Niteflyte『Niteflyte II』(1981年)をセレクト。

Niteflyteは、白人ギタリストSandy Toranoと黒人シンガーHoward Johnsonの2人がマイアミで結成したユニット。『Niteflyte』(1979年)、『Niteflyte II』(1981年)という2枚のアルバムをリリースしています。

Sandy Toranoのソングライティング&ギターとHoward Johnsonのヴォーカルが実にマッチしたアーバンソウル&AOR&フュージョン・サウンドは、いかにも日本人好みのサウンドです。特に昔のシティ・ポップス派の方はハマる音ですねぇ!

僕より少し上の世代の方は、リアルタイムでこんなオシャレな音を楽しんでいたんですねぇ。
当時中学〜高校生であった僕は、残念ながらクリスタルな音楽(?)にそれほど敏感では無かったので、見事にスルーしてしまいました(泣)

ようやくNiteflyteに出会えたのは、多くの方と同様にフリーソウルのコンピで「If You Want It」「You Are」の2曲を聴いたのが最初です。

特に「If You Want It」は、一発で好きになりましたね。最初聴いて直ぐに思ったのは"これって角松敏生じゃん!"...学生時代は角松敏生ファンだったもので。実際、角松氏はNiteflyteを愛聴していたようですね。

その意味では「If You Want It」が収録されている『Niteflyte』(1979年)も捨て難いのですが、アルバム全体の完成度という点では、今日紹介する『Niteflyte II』(1981年)の方が楽しめると思います。

マイアミの白人&黒人の名コンビと言えば、Don JohnsonとPhilip Michael Thomasによる刑事ドラマ『Miami Vice(マイアミ・バイス)』を思い出してしまいますね。

NFLマイアミ・ドルフィンズのファン歴30年以上の僕は、マイアミのグループというだけで意味も無く惹かれてしまうのですが(笑)

とにかく夏の定番アルバムとして長く聴き続けることができる、日本人好みの1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「You Are」
「If You Want It」と並ぶフリーソウル・クラシック。シングル・カットもされました。この爽快なメロウ・グルーヴに、アーバン・ソウルでAORでフュージョンというNiteflyteの魅力が凝縮されていますね。さすがにSMAP「がんばりましょう」云々の話はもういいですよね(笑)

「You're Breaking My Heart」
AORファンが喜ぶ哀愁スロウ。アーバン・メロウな雰囲気、感動的なメロディ、込み上げ系のヴォーカルとAOR勝利の方程式のような仕上がりですね。

「Shoot From The Hip」
レゲエ調のトロピカル・チューン。この開放的で少しユル〜い感じはマイアミのグループらしいですね。

「Anyway You Want」
シティ・ポップス好きはイントロのSandy Toranoのギター・カッティングで即KOなのでは(笑)僕もアルバムで一番のお気に入り曲です。Norman Connorsがカヴァーしています(アルバム『Mr.C』収録)。

「Sexy Dancer」
マイアミらしい開放的なディスコ・チューン。英語版WikipediaではNiteflyteのことを"disco group"と説明しています。Sandy Toranoのギターを堪能できる仕上がりです。

「On Your Own」
密かに人気の曲なのでは?小気味良いグルーヴ感がいいですね。僕の場合、フリーソウルの影響でNiteflyteを聴いていると、一緒にBreakwaterが聴きたくなる習性があります。この曲なんかまさにそうですね。

「Alicia's Song」
哀愁ラテン・モードのインスト・チューン。フュージョン好きの方向けですな。

「I Knew It Couldn't Happen」
スロウでは「You're Breaking My Heart」の人気が高いですが、この曲もなかなかグッとくるスロウに仕上がっています。

グループ解散後、Howard Johnsonはソロ・シンガーとして活躍し、『Keepin' Love New』(1982年)、『Doin' it My Way 』(1983年)、『The Vision』(1985年) といったアルバムをリリースしています。
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2008年07月16日

D'Angelo『Live At The Jazz Cafe, London』

D'Angeloの魅力を満喫できる充実のライブ・アルバム☆D'Angelo『Live At The Jazz Cafe, London』
LIVE
発表年:1996年
ez的ジャンル:新グルーヴ系R&Bライヴ
気分は... :このライブ盤でこそD'Angeloの新しさを実感できる!

R&B界のカリスマD'Angeloの久々の登場です。

前回は2ndスタジオ作『Voodoo』(2000年)でしたが、今回はライブ・アルバム『Live At The Jazz Cafe, London』(1996年)です。

デビューアルバム『Brown Sugar』(1995年)、2ndスタジオ作『Voodoo』(2000年)というたった2枚のアルバムで、R&B界のカリスマ的存在となったD'Angelo。その後長い沈黙を保ったままですが、多くのR&Bファンが彼の復活を望んでいるはず...

今回紹介する『Live At The Jazz Cafe, London』は、ロンドンのThe Jazz Cafeで1995年9月14日に行われたライブを収録したものであり、当初は日本独自企画のライブアルバムとしてリリースされていました。

バック・バンドはMike Campbell(g)、Jerry Brooks(b)、Abe Fogle(ds)、Norman "keys" Hurt(key)、Angie Stone(vo)、Debbie Cole(vo)、Karen Bernod(vo)というメンバーです。何と言ってもソロ・デビュー前のAngie Stoneの参加が目立ちますね。

「Brown Sugar」「Cruisin'」「Lady」「Me and Those Dreamin' Eyes of Mine」という『Brown Sugar』からのシングル・ヒット曲やEarth Wind & Fireのカヴァーも聴かせてくれます。

個人的には名盤の誉れ高い衝撃のデビュー・アルバム『Brown Sugar』(1995年)以上にD'Angeloの魅力や新しいグルーヴ感を実感できるアルバムだという気がします。

会場の雰囲気やライブならではの臨場感もグッド!
Curtis Mayfield『Curtis/Live!』Donny Hathaway『Live』といった名作ライブに引けをとらない充実のライブ・アルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Me and Those Dreamin' Eyes of Mine」
『Brown Sugar』からの4thシングルとなったミッド・グルーヴ。このオープニングを聴いた瞬間に、このライブ盤は間違いないと確信しましたね。ライブ盤らしい臨場感、スタジオ盤とは一味違うグルーヴ感がサイコーですね。

「Can't Hide Love」
Earth Wind & Fireのカヴァー(Skip Scarborough作品、オリジナルはCreative Source)。EW&Fのヴァージョンは先日紹介した『Gratitude』に収録されています。自身のお気に入りアルバムの1枚として『Gratitude』を挙げるほど、D'AngeloはEW&Fにご執心だったようですね。ここでは、かなり落ち着いた大人のミディアム・スロウといった仕上がりでジワジワ迫ってきます!

「Cruisin'」
『Brown Sugar』からの2ndシングル(全米R&Bチャート第10位)。オリジナルはSmokey Robinsonの1979年の大ヒット曲ですね(アルバム『Where There's Smoke...』収録)。D'Angeloならではのオーガニック感覚の新しいグルーヴ感でクルージング気分を満喫できます。

「Sh*t, Damn, Motherf*cker」
『Brown Sugar』収録曲の中でもかなりキワどく、ディープな内容の1曲ですね。ライブでこの曲を演奏するのはどうなのかなぁ?という気もしますが、ライブの定番曲だったようですね。まぁ、このあたりもカリスマD'Angeloらしいのかもしれませんね。

「Lady」
『Brown Sugar』からの3rdシングル(全米ポップ・チャート第10位、全米R&Bチャート第2位)。D'AngeloとRaphael Saadiqの共作による極上のオーガニック・メロウ・グルーヴ。大ヒット曲だけに歓声も大きいですね!スタジオ・ヴァージョンも大名曲だと思いまずが、ライブ・ヴァージョンはさらに魅力的だと思います。

「Brown Sugar」
『Brown Sugar』からの1stシングル(全米ポップ・チャート第27位、全米R&Bチャート第5位)であり、D'Angeloを"R&B界の救世主"にした名曲ですね。Ali Shaheed Muhammad(ATCQ)との共作曲。ここでは10分以上の長尺ヴァージョンで名曲を堪能できます。ライブ・ヴァージョンの方がD'Angeloの持つ新しい感覚のオーガニック・グルーヴを実感しやすい気がします。

現在発売されている盤には、映画『Down In The Delta』(1999年)のサントラに収録されていたOhio Playersのカヴァー「Heaven Must Be Like This」がボーナス・トラックとして収録されています。
posted by ez at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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