2008年07月09日

Marcos Valle『Vontade De Rever Voce』

Leon Ware、Chicagoが参加した魅惑のブラジリアン・メロウ☆Marcos Valle『Vontade De Rever Voce』
ヴォンタージ・ジ・レヴェール・ヴォセ
発表年:1981年
ez的ジャンル:メロウMPB
気分は... :デレデレ...

今日はブラジルを代表するシンガーソングライターの一人Marcos Valleのアルバム『Vontade De Rever Voce』(1981年)です。

Marcos Valleは1943年リオ生まれのシンガーソングライター。

1964年にデビュー・アルバム『Samba Demais』をリリース。1966年にMarcosの永遠の名曲「Samba do Verao(邦題:サマー・サンバ)」をオルガン奏者Walter Wanderleyがカヴァー・ヒットさせ、全米Top40入りを果たしました。それ以降もMarcosはボサノヴァ・スタンダードと呼べる数多くの名曲を生み出しています。

Marcosの兄Paulo Sergio Valleは弟の曲に誌を提供し、Eumir DeodatoはMarcosのアルバムのアレンジを数多く担当していました。

ジャケだけ見ていると、60年代のMarcos Valleってまじめな好青年風だったのに、70年代に入るとだんだん軟派なカンジになり、80年代に入った本作ではこのデレデレ顔ですからね(笑)

本作『Vontade De Rever Voce』(1981年)は、ブラジル音楽ファンよりもAORファンやメロウ・チューン好きに人気の高い作品かもしれませんね。

その理由は、本作にLeon WareChicagoというアメリカ人ミュージシャンが参加しているためです。

"メロウ大王"Leon Wareは4曲で曲作りに参加し、コーラスでも1曲参加しています。ChicagoもPeter Cetera、Robert Lamm、James Pankow、Danny Seraphine、Laudir De Oliveira、Chris Pinnick、Walter Parazaider、Lee Loughnaneといったメンバーがアレンジ&演奏で参加しています。この時期のChicagoは「Hard To Say I'm Sorry」で復活する前の時期でした。

MarcosのMPBらしいポップ・センスとLeon WareChicagoのアメリカ人らしいメロウ感覚がうまく融合し、魅惑のメロウ・アルバムに仕上がっていると思いマス。

全曲紹介しときヤス。

「Paraiba Nao E Chicago」
オープニングはChicago、Leon Ware参加曲(LA録音)。Marcos、Leon Ware、Peter Ceteraらが曲作りに参加したLeon Ware「Baby Don't Stop Me」(アルバム『Rockin' You Eternally』収録)にPaulo Sergio Valleがポルトガル語歌詞をつけたものです。AORとメロウ・ファンクとブラジル伝統音楽(バイアォン)が合体した独特の雰囲気を持ったファンキー・チューン。Airto Moreira(per)、Sivuca(accordion)のサポートもグッド!

「Bicho No Cio」
Marcos Valle/Paulo Sergio ValleとLeon Wareの共作。「さかりのついた動物」という邦題がすごいですね(笑)淡々としたクールな仕上がりです。Azymuthのキーボード奏者Jose Roberto Bertramiも参加しています。Leon Wareも「Got To Be Loved」のタイトルで自身のヴァージョンをリリースしています(アルバム『Rockin' You Eternally』収録)。

「Velhos Surfistas Querendo Voar」
Marcos Valle/Paulo Sergio ValleとLeon Wareの共作。アップテンポのブラジリアン・メロウ・グルーヴに仕上がっています。ブラジリアン・シティ・ポップスって趣ですな。Leon Wareも「Rockin' You Eternally」のタイトルで自身のヴァージョンをリリースしています(アルバム『Rockin' You Eternally』収録)。

「Campina Grande」
MPBらしいメロディが印象的なインスト・ナンバー。

「Sei La」
この曲もChicago参加曲(LA録音)。Peter Ceteraは曲作りにも参加しています。AORファン好みのメロウ・チューンに仕上がっています。僕の場合、Chicagoは『Hot Streets』、『Chicago 13』あたりが好き!という変わり者なのですが、そんな僕の好みにぴったりハマる1曲です。

「Pecados De Amor」
ライナーノーツにも書いてあるとおり、O'Jays「I Love Music」ライクな仕上がり。「I Love Music」を爽快なブラジリアン・グルーヴにしたって感じです。「I Love Music」も大好きな僕としてはウェルカムな出来栄え!

「Garimpando」
Marcosらしいポップセンスを堪能できる1曲。

「Nao Pode Ser Cualquer Mulher」
Marcos Valle/Paulo Sergio ValleとLeon Wareの共作。Leon Wareファンの方お待たせしました!メロウ大王の本領発揮のミディアム・チューンです。Leon Wareのメロウな魅力とMarcosのサウダージな魅力がうまくケミストリーを起こしたって感じですね。

本作のメロウ路線がお好きな方は『Marcos Valle』(1983年)もセットでどうぞ!

よりMarcos Valleらしいアルバムは60年代、70年代の作品だと思います。それは改めて紹介しますね。
posted by ez at 00:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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