2008年07月31日

Freddie Joachim『In With Time』

アーバン&ライト&メロウなトラック満載☆Freddie Joachim『In With Time』
イン・ウィズ・タイム
発表年:2008年
ez的ジャンル:メロウ&ジャジー系アングラHip-Hop
気分は... :これぞ大人のHip-Hop!

たまに同世代の人から、"いい歳とって、よくHip-Hop聴けるね!"と言われることがあります。そこには多分にネガティブな意味も込められているのでしょうが...

いまだに「Hip-Hop=若者向けの音楽」と決めつけている人も多いようですね。でも、かつてロックにAORというジャンルが存在したのと同様に、Hip-Hopにもアダルトで、アーバンで、ライト&メロウな作品が数多く存在します。

Hip-Hopに嫌悪感を抱く人には、そういった作品をぜひ聴いてほしいですね。

ということで、今回はそんな大人のためのアーバンなHip-HopアルバムFreddie Joachim『In With Time』をセレクト♪最近イチオシの西海岸アングラHip-Hopアルバムです。

Freddie Joachimは、Sound ProvidersのMCだったProfile、MC Price、DJ Iron Mikeの3人から成るユニット The Up Starts のデビュー・アルバム 『The Know How』 (2007年)のメイン・プロデューサーとして注目を浴びましたね。それ以外にもL.A.を活動拠点にSurreal、Braille(Lightheaded)らに楽曲を提供してきたようです。

ザ・ノウ・ハウ
ザ・ノウ・ハウ

そんなFreddie Joachimのフル・アルバムが『In With Time』♪メロウでジャジーでソウルフルで...と僕のアングラHip-Hopニーズをかなり満たしてくれるトラック満載の充実作ですねぇ。

ゲスト陣の中にはOthello、Aloe Blacc、Choice37、Lauren Santiago、Bluと本ブログでも紹介したアングラHip-Hop諸作でお馴染みの名前も多数あります。

特にChoice37『Diligence』がお好きな方ならば、かなりハマる1枚だと思います。

ジャケには不穏な空気が漂っていますが、中身は極上メロウ&ジャジーですよ。
例えるならば、品のある大人のリキュールクレープを食した感じかなぁ。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Wake Up」
僕の一番のお気に入り。僕のiPodのヘビロテです。Othelloをフィーチャーした極上のメロウ&ジャジー・チューン。Ahmad Jamal「The Awakening」ネタのピアノのループが何とも小粋ですな。これぞ大人のHip-Hopといった感じです。こういった浮遊感のあるトラックと少しQ-Tipっぽい声質のOthelloのフロウは実にマッチしますね。

少し話が逸れますが、Q-Tipの新作が間もなくリリースされるみたいですね。久々なので楽しみっす!

「The SO(Remix)」
Son of Ranをフィーチャー。ソウルフルな女性コーラスのループが印象的ですね。なかなか小気味良い仕上がり。

「24 Hours 7 Days」
Aloe Blaccをフィーチャーしたメロウ&ジャジー・チューン。「Wake Up」と並ぶ僕のお気に入りです。サマー&バカンス・モードのエレガントなトラックがたまりません。

「The Crystals」
落ち着いたピアノ・ネタのループが印象的なインスト。Pat D & Lady Paradox『Kind Of Peace』あたりがお好きな人向け。Pat Dも新作『Take A Little Time』をリリースしましたね。現在Amazonにて取り寄せ中で、この週末にはじっくり聴ける予定です。楽しみ!

「Love Is...」
The Up StartsのProfileとLatanya Lockettをフィーチャー。ギター・ループが実にお洒落な大人のロマンティック・チューンですね。Latanya Lockettによるソウルフルな女声コーラスも雰囲気を盛り上げてくれます。

「Matter of Time」
Surrealをフィーチャー。荘厳な雰囲気のトラックがいいですな。

「Good God」
Therapyをフィーチャー。駆け巡るフルートの音色が印象的な躍動感のあるトラックがいいですね。西海岸のアングラHip-Hopらしい仕上がりなのでは。

「That's What's Up」
ギター・ネタのジャジーなインスト。クラブ・ジャズ系の曲の合間に聴くとピッタリな気がします。

「Mars(Remix)」
Bluをフィーチャー。少しけだるい感じのトラックは夏っぽくて良いのでは?

「Run〜Interlude for J Dilla」
J Dillaに捧げられたインタールード。西海岸のアングラ系Hip-Hopアーティストにとって、J Dillaはとてもなく大きな存在だったのでしょうね。

「Heat It From You」
Lauren Santiago & Jacewonをフィーチャーした大人のHip-Hop。Choice37『Diligence』でもキュート&セクシーな歌声を聴かせてくれたLauren Santiagoですが、ここでもその魅力的なヴォーカルでメロウ&エレガントな雰囲気を盛り上げてくれます。

「Reflection」
Choice37参加曲。前述のようにChoice37『Diligence』に近い肌触りの作品という印象があるので、この組み合わせはハマりすぎという気がします。若干シブすぎますが期待通りのジャジー・チューンに仕上がっています。

「She Reminds Me」
この曲のみ80年代アーバン・ソウル風(というかモロにPatrice Rushen風)の仕上がりですね。そこにヴァイヴも絡みさらにアーバン・ナイトな雰囲気を高めてくれます。

アングラHip-Hopから掘り出し物を見つけるのは、本当に楽しいですね。クラブ・ジャズと並ぶ宝の山という気がします。
posted by ez at 12:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする