2008年08月31日

Eric Clapton『There's One In Every Crowd』

レゲエ&レイドバック・サウンドが安息の地へ誘ってくれる...☆Eric Clapton『There's One In Every Crowd』
There's One in Every Crowd
発表年:1975年
ez的ジャンル:レゲエ&レイドバック系ロック
気分は... :安息の地を求めて...

かなりのパツパツ状態でヤバい(泣)
それでもひと息つきたい...

そこでセレクトしたのはEric Clapton『There's One In Every Crowd(邦題:安息の地を求めて)』(1975年)!

Eric Claptonの紹介は『461 Ocean Boulevard』に続き2回目になります。

前作『461 Ocean Boulevard』(1974年)で見事に復活したEric Claptonですが、本作『There's One In Every Crowd』でも『461 Ocean Boulevard』同様にレゲエを大幅に取り入れたレイドバック・サウンドを聴かせてくれます。

前作で使用したマイアミのクライテリア・スタジオに加え、ジャマイカのダイナミック・スタジオでもレコーディングを行っています。そんな影響からか、前作以上にレゲエ色が強いですね。

プロデューサーは前作と同じくTom Dowdが担当し、バックはGeorge Terry(g)、Jamie Oldaker(ds)、Dick Sims(key) 、Carl Radle(b)、Yvonne Elliman(vo)、Marcy Levy(vo)という布陣です。前作のメンバーにバック・コーラスのMarcy Levyが加わったかたちですね。『461 Ocean Boulevard』でも素晴らしいヴォーカルを披露してくれたYvonne Ellimanと共にパワフルなヴォーカルで盛り上げてくれます。

『461 Ocean Boulevard』と比較すると地味な印象を受けるかもしれません。チャート・アクションでも全米アルバム・チャートNo.1となった『461 Ocean Boulevard』に対して、本作の最高位は同チャート第21位止まりでした。

僕自身も昔は『461 Ocean Boulevard』ばかり聴いていて、『There's One In Every Crowd』はあまり聴いていませんでした。

でも年を重ねるに従い、『There's One In Every Crowd』の地味さがエラく心地好く感じるようになりました。聴いていてホッとするアルバムですよね。リラックス感と枯れ具合のバランスがグッドですね!

『安息の地を求めて』という邦題の通り、疲れた心身に安らぎを与えてくれる1枚です。

ちなみにジャケの犬はClaptonの愛犬だそうです。

全曲紹介しときヤス。

「We've Been Told (Jesus Is Coming Soon) 」
"Blind" Willie Johnsonのブルース・ナンバー。カントリー・ブルースとレゲエの融合具合いが素晴らしいですね。アルバムを支配するリラックス感を強く印象づけてくれるオープニングです。大好き!

「Swing Low, Sweet Chariot」
有名な黒人霊歌をレゲエ・フレイヴァーにカヴァー。UKシングル・チャート第19位のヒットとなりました。詳しくは知りませんが、『安息の地を求めて』という邦題はこの曲からインスパイアされたものなのでは?Yvonne Elliman、Marcy Levyという女性コーラス陣の歌声が素晴らしいの一言ですな!ジャマイカ録音。

「Little Rachel」
Leon RussellのShelter Recordsに所属していたJim Byfieldの作品。ClaptonとGeorge Terryの絡みが聴きどころなのでしょうが、個人的には印象が薄い曲です。

「Don't Blame Me」
Claptonのオリジナルですが、曲調、サウンド、歌あらゆる面で思い切りBob Marleyしています。さらにはジャマイカ録音...ここまで徹底するのはお見事(笑)

「The Sky Is Crying」
ボトルネック奏法の第一人者であるブルースマンElmore Jamesのカヴァー。ライブ・レパートリーとしてもお馴染みですね。激シブな感じがサイコー!

「Singin' the Blues」
Jim Byfield同様Shelter Records所属の黒人女性シンガーMary McCrearyの作品。大好きな「Get Ready」『461 Ocean Boulevard』収録)あたりと一緒に聴くと聴きたくなる曲ですね。レゲエの曲調とゴスペル・ライクな女性コーラスの組み合わせパターンが大好きですね。

「Better Make It Through Today」
クールダウンにぴったりな名曲。この曲が一番のお気に入りという方は結構多いのでは?昼間からビールでも煽りながら、ぼんやりと聴きたい曲ですね。Claptonのオリジナル。

「Pretty Blue Eyes」
Claptonのオリジナル。リラックス感がグッドですね。この肩の力の抜け具合いこそがこのアルバムの魅力だと思います。スライドもいいカンジ!

「High」
アーシーなレイドバック感いいですね。中盤のドラマティックな展開も飽きませんね。Claptonのオリジナル。

「Opposites」
ラストもClaptonのオリジナル。軽くカボス風味にした秋刀魚の塩焼きが食べたくなる曲ですな。枯れ具合いがサイコー!エンドレスで聴いていたいなぁ〜

本作を聴きながらひと息入れたら、気合い入れて残りの仕事を片付けてるぞ〜!
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2008年08月29日

Fingazz『The Late Night Hype Vol. 2』

終わりゆく夏の思い出に...サマータイムなメロウ・トラック満載☆『The Late Night Hype Vol. 2』
ザ・レイト・ナイト・ハイプ vol.2
発表年:2008年
ez的ジャンル:チカーノ・ラップ系トラックメイカー
気分は... :ジャケで引かないでぇ〜

最近密かに気に入っているアルバム☆『The Late Night Hype Vol. 2』です。
ジャケの見た目は僕の嗜好と大きく異なりますが、中身はかなりど真ん中な作品です。

Fingazzはウエストコーストのチカーノラップ・シーンで活躍するプロデューサー/トラックメイカー。元々はファンク・グループでトーク・ボックスを担当していたらしいです。

1997年にパートナーのFlossyと共に自らのレーベルStreetlight Musicをスタートさせると、Roscoe「I Love Cali」のプロデュースやMr. Capone-E、Lil Rob、Brown Boyといったチカーノラッパーを手掛け、チカーノラップ・シーンでの地位を確立しました。昨年にはプロデュースしたDown a.k.a. Kilo「Lean Like a Cholo」が全米トップ40入りのヒットとなりました。

2004年末にはオールド・ソウルの名曲をトークボックスでカヴァーした企画盤『Classics for the OG's, Vol. 1』をリリース。2007年には初のオリジナル・アルバム『The Late Night Hype』をリリースしています。

ザ・レイト・ナイト・ハイプ
ザ・レイト・ナイト・ハイプ
Classics for the OG's, Vol. 1
Classics for the OG's, Vol. 1

ジャケ写真からもわかるとおり、ローライダー系からの支持が高い人なんでしょうね。そちら方面には全く詳しくないのですが...

このジャケを最初に見た時、正直少し引き気味でした(笑)
でもCDショップで大プッシュしていたので、あまり期待もせずに試聴してみると...僕好みのメロウ・トラック満載で見事に裏切られましたね!てっきり、僕が苦手なバウンジーなトラックだらけだと思っていたのですが。

とにかくキラキラしたメロウ・サウンドにヤラれてしまいます。
女性ヴォーカルをフィーチャーした曲が多いのも華やかでいいですね。
Zapp/Rogerファンの僕としては、トークボックスを存分に堪能できるのも魅力です。

サマータイムなメロウ・トラックで夏の終わりの余韻を楽しんでみては?

オススメ曲を紹介しときやす。

「Intro」
キラキラ・サウンドとトークボックスというパーフェクトなイントロ。

「Wassup Wit It」
2人組チカーノ・ラッパー・ユニットThe Majorsとのコラボ。アルバムからのリード曲となっているキラー・チューンです。サマータイム&パーティー・モードのメロウ・チューンに仕上がっています。Fingazzのトークボックスもサイコー!The Majorsは近々にデビュー・アルバム『Where The Legends Are Made』をドロップするようです。

「So Fly」
ポートランド出身のラッパーRush(Rush One)をフィーチャー。夏の浜辺の哀愁メロウって感じですね。ウエッサイらしいメロウネスがたまりませんねぇ。ここでもFingazzのトークボックスが冴えています。
   
「Spot Light」
フィリピーノ・ラッパーRel(Rel Princeton)とのコラボですが、それ以上にRay J(Brandyの弟)の参加が話題ですね。今年のシングル「Sexy Can I」をヒットさせているメジャー・アーティストのRay Jがこういったかたちで参加しているのは少し意外ですね。華やかでキャッチーなパーティー・チューンに仕上がっています。Fingazz自身も相当気に入っているようす。僕も一番のお気に入り曲っす。

「Skit」 
「Year Around Hustler」
Zapp/Rogerファンが大喜びするトークボックスによる「Skit」からシームレスにキラキラ系メロウ・スムースの「Year Around Hustler」が続きます。「Year Around Hustler」ではDuce Mobがフィーチャーされています。
 
「Don't Want You To Know」
Julipilat Girlをフィーチャーした哀愁メロウ・チューン。甘く切ない感じがいいですね。

「Forever」
Angie BとDiamoniqueをフィーチャー。キュートなキラキラ・メロウ・チューンがいいですね。カワイイ系がお好きな方へ!

「Back To You」
Veze SkanteとMylaをフィーチャー。 Myla嬢のヴォーカルがサマータイムな雰囲気を盛り上げてくれます。Fingazzのトラックには女性ヴォーカルが実に良くマッチしますな。

「Best Friend」
Lil Cueteをフィーチャーした哀愁モードの仕上がり。

「Cross The Line」
デンバー出身のラッパーTreとStreetlight期待の女性シンガーMalissa Lujanをフィーチャー。先物買いということで!

「I'm Sprung」
「Wassup Wit It」と並ぶ注目曲。注目の女性チカーノ・シンガーLA LAをフィーチャー。女の子は絶対気に入るであろうキュートなミッド・グルーヴ。アルバム未収録ですが、この曲のリミックスには人気ラッパーThe Gameが参加しているのだとか。

「The West」
Steeloをフィーチャー。ファンの方はウェサイな仕上がり満足なのでは?フック部分のトークボックスがたまりません。

「Whats On My Mind」
Fingazzの弟分のような存在であるRoscoeをフィーチャー。「Spot Light」と並ぶ僕のお気に入り曲です。レイドバック感がサイコーのメロウ・チューンに仕上がっています。

トークボックス好きの方はぜひお試しあれ!
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2008年08月28日

Sonny Rollins『A Night At The Village Vanguard, Vol. 1』

Village Vanguardでの歴史的ライブ☆Sonny Rollins『A Night At The Village Vanguard, Vol. 1』
A Night at the Village Vanguard, Vol. 1
録音年:1957年
ez的ジャンル:ピアノレストリオ・Jazzライブ
気分は... :久々の50年代作品ですっ!

今年に入って50年代カテゴリーの記事を1回しか投稿していないことに気づき、慌てて50年代の作品をピックアップ。

ということでSonny Rollins『A Night At The Village Vanguard, Vol. 1』(1957年)です。

テナー・サックスの巨人Sonny Rollinsは、『Sonny Rollins Vol.2』(1957年)、『Saxophone Colossus』(1956年)に続き3回目の登場となります。

本作『A Night At The Village Vanguard, Vol. 1』はSonny Rollinsの初ライブ録音であった同時に、 N.Y.の名門クラブVillage Vanguardでの初ライブ録音でもあり、二重の意味で歴史的なライブ録音と言える作品ですね。

ライブが行われたのは1957年11月3日。昼と夜の2回セッションがあり、昼はSonny Rollins(ts)、Donald Bayiley(b)、Pete La Roca(ds)、夜はSonny Rollins(ts)、Wilbur Ware(b)、Elvin Jones(ds)というピアノレス・メンバーでした。

昼・夜のセッションで全16曲が演奏されました。今日紹介する『A Night At The Village Vanguard, Vol. 1』には、昼の2曲、夜の5曲の計7曲が収録されています。残りの9曲は『A Night At The Village Vanguard, Vol. 2』に収録されています。

A Night at the Village Vanguard, Vol. 2
A Night at the Village Vanguard, Vol. 2

昔はVol. 1〜Vol. 3までの3枚セットでした。そちらの内容と上記の2枚は収録曲は同じですが曲順等は異なります。コアなファンの方であれば、そのあたりの詳細もご存知なのでしょうが、勉強不足の僕はそこまではわかりません。ゴメンなさい。

『Way Out West 』(1957年)で初めてピアノレス・トリオに挑み、傑作の評価を得たRollinsでしたが、本作でもピアノレス・トリオでライブに臨み、それまでジャズ・シーンで馴染みの薄かったピアノレス・トリオというスタイルを大きく印象づけました。確かにRollinsの奔放なサックスを堪能するのにピアノレス・トリオというスタイルはハマっている気がします。

とにかくテンションの高さが魅力のアルバムですよね。
演奏は、Rollinsとドラマー、べーシストのバトルであり、聴衆はその激闘に固唾を呑む、といったカンジです。一般にはWilbur Ware、Elvin Jonesとの夜の部へ注目が集まりますが、Donald Bayiley、Pete La Rocaとの昼の部もなかなかエキサイティングだと思います。

稀代のインプロヴァイザーSonny Rollinsのサックスにゾクゾクしましょう!

全曲紹介しときヤス。

「A Night in Tunisia(Afternoon Take)」
「A Night in Tunisia(Evening Take)」
Dizzy Gillespieの名曲「チュニジアの夜」は昼・夜の2テイクが収録されています。聴き比べてみると楽しいですね。コアなジャズ・ファンの方は、夜の部のRollinsとElvinによる緊張感のある演奏に惹かれるのでしょうが、永遠のジャズ初心者の僕としては昼の部のLa Rokaのソロがエラく格好良く聴こえます。

「I've Got You Under My Skin」
1936年のミュージカル映画『Born to dance』のために作られたCole Porter作品。これは昼の部の演奏です。ここでもBayileyとLa Rocaのリズム・セクションのノリの良さが、Rollinsの豪快なプレイを盛り上げてくれます。もしかしたら、アルバムで一番好きな演奏かも?

「Softly, As in a Morning Sunrise」
ここからの4曲は夜の部の演奏です。本曲はOscar HammersteinU作詞、Sigmund Ronberg作曲のスタンダード(ミュージカル『New Moon』の挿入歌)。以前にWynton Kellyの演奏を紹介したことがありますね。ここではRollinsのテナー、Wilbur Wareのベース、Elvinのドラムと各人のソロを堪能できます。朝日という真夜中の雰囲気が漂う演奏です(笑)

「Four」
Miles Davis作品(Eddie "Cleanhead" Vinson作品の説もアリ)。ピアノレス・トリオのカッチョ良さをわかりやすく実感できる演奏だと思います。

「Woody 'N You」
Dizzy GillespieがWoody Hermanに捧げた曲。Rollinsの独特のフレージングを堪能できる演奏なのでは?

「Old Devil Moon」
1947年のミュージカル『Finia's rainbow』挿入歌(E.Y. Harburg/Burton Lane作品)。軽やかな出だしから徐々にRollinsとElvinの一騎打ちといった様相になってきます。演奏が進むにつれてElvinのテンションが上がってくる感じがいいですね。ただし、最後は少しあっけない気もします。

このジャケを見るたび、写っているのが黒澤明監督に見えて仕方ありません。
これって僕だけでしょうか?
posted by ez at 04:53| Comment(2) | TrackBack(0) | 1950年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月27日

New Order『Republic』

共和国の光と影...ポップなエレクトリック・サウンドに見え隠れするものは?☆New Order『Republic』
Republic
発表年:1993年
ez的ジャンル:エレクリック・ダンス系UKポップ
気分は... :共和国の光と影...

8月も残すところ5日...そろそろ夏の終わりを感じるようになりましたね。

そんな気分の中、ふと聴きたくなったのがNew Order『Republic』(1993年)です。

学生の頃、夏休みに入る前って何かワクワクしましたよね。でも、いざ夏休みが終わる頃になると期待したほどの良い思い出をつくることができず、切ない気持ちになったりしたものです。そんな気分とシンクロするのがこのアルバムかも?

New Orderの紹介は、『Technique』(1989年)に続き2回目となります。

本作『Republic』は、『Technique』に続きリリースされたアルバムであり、その間に長年所属していたFactoryが経営破綻し、移籍を余儀なくされるという不運にも見舞われました。

内容的には、開き直ったのかかなりポップでキャッチーな側面が強調された仕上がりです。昔からの熱心なNew Orderファンの方の間では賛否両論ある作品かもしれませんね。New Orderファンではない僕でさえ、1stシングルにもなった「Regret」 のストレートなポップさに肩透かしをくらった気分になりましたし...

でもそこはNew Order!シニカルな視点も忘れていません。
とびきりポップなメロディの裏に儚く、虚しいリアリティが見え隠れします。僕がJoy DivisionNew Orderのアルバムに求めるものは、正にこの儚さと虚しさなんですよね。

アルバム・タイトルは"共和国"、そしてジャケはビーチで戯れる男女の姿と、炎に包まれた街の姿(戦争被害か?)で二分されています。このあたりにもNew Orderらしいのでは?

ポップのメロディと無機質なデジタル・ビート...まさに共和国の持つ光と影といったカンジですよね!

ハウス以降のダンス・ミュージックのエッセンスをうまく消化していると思います。このあたりの柔軟さもNew Orderの賞味期限を長くしているのかもしれませんね。

全曲紹介しときやす。

「Regret」
アルバムからの1stシングル。親しみやすいメロディとでポップなエレクトリック・サウンドが魅力ですね。ジャケのビーチで戯れる男女の姿にピッタリです。最初に聴いた時にはストレートなキャッチーさに多少戸惑いもありましたが、アルバムの中でもダントツで完成度の高い1曲ですね。Andrew Weatherallによるリミックス(Sabres Slow 'n' Low)もありましたね。

この曲のイントロを聴くと、長寿TV番組「世界の車窓から」のテーマ曲(溝口肇)を思い出してしまうのは僕だけでしょうか?。

「World」
この曲もシングルになりました。無機質なダンス・ビートとポップなメロディは、僕の抱くNew Orderのイメージに近いですね。

「Ruined In A Day」
ややダーク・テイストのサウンドと哀愁メロディが組み合わせがいい感じ。

「Spooky」
ビシッと決まったダンサブルなビートがカッチョ良いですね。シングルにもなりました。

「Everyone Everywhere」
New Orderらしい哀愁エレ・ポップ。ポップなのに虚しさが漂う感じがいいですねぇ。

「Young Offender」
キャッチーなエレクリック・ダンス・チューン。ピアノの感じとかハウスっぽいですね。

「Liar」
「Regret」と並ぶ僕のお気に入り曲。90年代前半らしいダンサブルなポップ・チューンに仕上がっています。キャッチーだけどシニカルな感じがいいですな。

「Chemical」
ダンス・チューンという意味ではこの曲が一番の出来なのでは?

「Times Change」
Bernard Sumnerがラップしてます。完成度は低くチープ感は否めないですが(笑)

「Special」
空虚なポップ感がいいですね。儚いダンスビートこそがNew Orderの魅力だと思います。

「Avalanche」
エンディングはメランコリックなインスト。

本作の制作過程でBernard Sumnerと他メンバーの確執が深まり、次のアルバム『Get Ready』(2001年)がリリースされるまで8年の歳月を要することになります。
posted by ez at 11:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月26日

Marlena Shaw『Sweet Beginnings』

ジャズとソウルの世界を自由に行き来する女性ヴォーカル☆Marlena Shaw『Sweet Beginnings』
スウィート・ビギニングス
発表年:1977年
ez的ジャンル:クロスオーヴァー・ジャズ/ソウル系女性ヴォーカル
気分は... :女性は強し!

最近、周囲で女性の強さを実感する出来事が多い。

女性の方が"生きる"ということに対して、前向きかつ現実的なんでしょうな。
北京五輪を見ても、日本は圧倒的に女子選手の活躍が目立ったしね!

今日はそんな女性像とピッタリと符合するシンガーMarlena Shawの紹介です。
Marlena Shawの紹介は『Who Is This Bitch, Anyway?』(1975年)に続き2回目となります。

今回は『Sweet Beginnings』(1977年)をセレクト。

前回紹介した『Who Is This Bitch, Anyway?』のジャケにおけるアフリカの女王のようなMarlenaの堂々とした表情は、前述の"強い女性"像そのものという感じですよね。

『Who Is This Bitch, Anyway?』は最も好きな70年代女性ヴォーカル・アルバムの1枚ですが、本作『Sweet Beginnings』『Who Is This Bitch, Anyway?』と並ぶMarlenaの代表作であり、素晴らしい内容です。

Marlena Shawの最大の魅力は、ジャズとソウルの世界を自由に行き来するヴォーカルだと思いますが、本作でも魅惑のヴォーカルを存分に堪能できます。

曲調も、本格派ヴォーカル・チューンあり、軽快なディスコ・チューンあり、メロウ・グルーヴあり、ブラジリアン・フレイヴァーあり、ビッグ・バンド風あり...と実にバラエティに富んでいます。

プロデュースはBert de Coteaux。主な参加メンバーは、Jay Graydon(g)、Greg Poree(g)、Jerry Peters(key)、James Gadson(ds)、David Shields(b)、James Jamison(b)、Bob Zimmitti(per)、Eddie Brown(congas)といった顔ぶれです。

ジャズ・ファンも、ソウル・ファンも、フリー・ソウル好きも、聴く人の嗜好に合わせていろいろな楽しみ方ができるアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Pictures And Memories」
オープニングは軽快なアップ・チューン。こういったディスコ・チューンも難なくこなしてしまうあたり柔軟性がいいですね。

「Yu-Ma 〜 Go Away Little Boy」
LPでは「Yu-Ma」と「Go Away Little Boy」で独立した2曲となっていますが、CDでは2曲1組となっています。「Yu-Ma」は「Go Away Little Boy」(Carole King/Gerry Goffin作品のカヴァー)のイントロダクションとしてMarlenaが加えたものであり、この流れの方が自然でしょうね。

R&Bチャート第21位となったこの曲は彼女の最大のヒットでもあります。語りかけるように歌うヴォーカルが実にリアルかつ感動的でいいですね!ジャズとソウルを自由に行き来するMarlena Shawのシンガーとしての魅力を堪能できます。「Yu-Ma」のイントロはAvalanches「Two Hearts in 3/4 Time」でサンプリングされています。

「The Writing's On The Wall」
ホーン隊を中心としたファンキーなバックに合わせてソウルフルでパンチのあるヴォーカルを聴かせてくれます。中身はメッセージ・ソングです。

「Walk Softly」
Van MaCoy作品ということでディスコ・チューンと思いきや...しみじみとしたバラッド。美しいストリングスがいいですね。

「Sweet Beginnings」
タイトル曲はLeon Ware作品。個人的には一番のお気に入り曲です。Leon Ware作品らしいグルーヴィーなメロウ・チューンに仕上がっています。まさに"甘い恋の始まり"といった雰囲気ですね。セクシーなMarlenaのヴォーカルもサイコー!の一言。

「Look At Me,Look At You (We're Flying)」
フリーソウルのコンピにも収録されている人気曲。この曲狙いで本作を購入する方も多いのでは?ブラジリアン・フレイヴァーの爽快なメロウ・チューンに仕上がっています。ジャズとソウルがうまく融合している感じが魅力ですね。

「No Deposit,No Return」
Marlena Shawのオリジナル。ヴォーカル、演奏共に軽やかなリラックス感があっていいですね。

「Johnny」
エレピのメロウな音色と共にジワジワと盛り上がっていきます。

「I Think I'll Tell Him」
Thom Bell/Linda Creed作品。ジャズ・アルバムらしいビッグ・バンド風のバックがいいですね。

他の作品で言えば、「Rhythm of Love」「I'm Back for More」収録の『Acting Up』(1978年)、ディスコ・チューン「Touch Me in the Morning」収録の『Take a Bite』(1979年)あたりは未入手なので、ぜひゲットしたいですね。
posted by ez at 14:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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