発表年:1982年
ez的ジャンル:フルムーン系フュージョン/AOR
気分は... :Larsen-Feiten Band or Full Moon?
北京五輪の男子サッカーは初戦敗退でしたね。
これで予選リーグ突破はほぼ無理でしょう。
前半のCKからの絶好機に森重が決められなかったのが全てですな。ボールポゼッションは高くでも、観ていて全く得点が入る気がしませんでしたよね。そもそもシュートが全然枠内に行かないし..このあたりが強豪国との差でしょうね。五輪代表に限らずA代表も含めて日本サッカー共通の課題なのでしょうが。
男子サッカーは、ブラジル、アルゼンチンの南米2強に、オランダ、セルビアの欧州勢(イタリアは今回はイマイチか?)やナイジェリア、カメルーン、コートジボワールのアフリカ勢がどの程度食い下がるか、といったあたりが見所でしょうか。やっぱり、「ブラジル対アルゼンチン」の決勝が観たいですね。
今日はFull Moon featuring Neil Larsen & Buzz Feiten『Full Moon』(1982年)の紹介です。原題でいけば、Neil Larsen & Buzzy Feitenをフィーチャーした(新生)Full Moonのアルバムということになりますが、日本ではラーセン=フェイトン・バンドの2ndアルバム『フルムーン』という扱いであり、どう呼ぶべきか説明しづらい作品ですね。
Larsen-Feiten Bandの1st『Larsen-Feiten Band』の記事でも紹介した通り、Full Moonは70年代前半にNeil LarsenとBuzz Feitenが組んでいたバンドであり、1972年にリリースしたアルバム『Full Moon』は"早すぎたクロスオーヴァー・サウンド"として高い評価を受けました。
アルバム1枚を残したのみでFull Moonは消滅しましたが、Neil Larsenのソロ・アルバム『Jungle Fever』(1978年)で再会した2人はLarsen-Feiten Bandを結成します。
1980年にリリースした1stアルバム『Larsen-Feiten Band』は、AOR/フュージョンの人気作として今も高い評価を受けていますね。
そして、『Larsen-Feiten Band』と同じメンバーながら、Full Moon featuring Neil Larsen & Buzz Feitenの名でリリースしたのが『Full Moon』です。
メンバーはNeil Larsen(key)、Buzzy Feiten(g、vo)、Art Rodriguez(ds)、Lenny Castro(per)というジャケに写っている4人。今回、Willie Weeks(b)は準メンバー的な扱いになっているようです。Doobie Brothersへ参加したからですかね。いくつの曲ではJimmy HaslipがWillieに代わりベースを弾いています。プロデュースは引き続きTommy LiPumaが担当し、ゲストとしてDavid Sanborn(as)らが参加しています。
本作はCD以上にLPでよく聴きましたね。
『Larsen-Feiten Band』が全8曲中6曲がボーカル入りだったのに対して、本作ではBuzzy Feitenによるヴォーカル曲とNeil Larsenによるインスト曲が交互に配されています。
ヴォーカル曲が減ったせいか、当時はAORというよりフュージョン・アルバムとして聴いていました。とは言っても、僕の場合は楽器を演奏するわけではないので、インスト曲でも演奏テクやフレーズが云々という聴き方はしませんでしたが。このグループの持つ独特の雰囲気が好きでしたね。
『Larsen-Feiten Band』のように評価されているアルバムではありませんが、僕を惹きつける何かを持ったアルバムです。Full Moonの名にグッとくるのも確かなのですが(笑)
全曲紹介しときやす。
「Phantom Of The Footlights」
Larsen-Feiten Bandらしいミドル・テンポのヴォーカル・チューン。AORファンはこの曲って感じでしょうね。彼らの美味しいところが凝縮されたような演奏です。DoobiesやSteely Danなんかと一緒に聴いてもマッチする仕上がりです。
「The Visitor」
僕の一番のお気に入りはこのインスト。David Sanbornが参加し、アルト・ソロを聴かせてくれます。少しオリエンタル・ムード漂う疾走感が好きですね。Larsenがオルガン&ピアノで大活躍し、Feitenも最後にギター・ソロでキメてくれます。Lenny Castroのパーカッションが全体を魅力をワンランク上に引き上げてくれます。
「Twilight Moon」
「The Visitor」と並ぶお気に入り曲。ハワイアンAORにも通じる抑えた雰囲気のメロウなバラードです。ジャケ写真のような灼熱の太陽の下で聴くと、クールダウンしてくれる感じですね。ゲストのLarry McNallyらが加わったコーラス・ワークもグッド!
「Sierra」
コアなフュージョン・ファンの方は気に入るであろうインスト。それなりに聴き応えのあるソロを聴かせてくれますが、僕はそういう聴き方をしていないので...
「Brown Eyes」
Totoあたりを意識したロック・チューンに仕上がっています。このあたりは『Larsen-Feiten Band』では聴けなかった展開ですね。ファンの中には嫌がる方もいるようですが、アルバムのアクセントになるし、悪くない出来だと思います。
「Hero's Welcome」
Larsen-Feitenならではの独特の雰囲気を持ったインスト。うまく表現できませんが、意表を突かれる感じのメロディがクセになりそうです。
「Standing In Line」
レゲエ・テイストのヴォーカル・チューン。「Phantom Of The Footlights」に通じる雰囲気があります。こういったミドル・テンポの曲を演奏すると、彼ららしさがガンガン出てきますね。Feitenのギター・ソロもかなりカッチョ良いですね。
「Little Cowboys」
ラストは僕好みのブラジリアン・フュージョンです。冷静に振り返ると、Lenny Castroが目立つ演奏が好きなんですよね(笑)
『Full Moon』(1972年)もそのうち紹介しますね。