2008年08月08日

Full Moon featuring Neil Larsen & Buzz Feiten『Full Moon』

Full Moonの名にグッときます☆Full Moon featuring Neil Larsen & Buzz Feiten『Full Moon』
フルムーン
発表年:1982年
ez的ジャンル:フルムーン系フュージョン/AOR
気分は... :Larsen-Feiten Band or Full Moon?

北京五輪の男子サッカーは初戦敗退でしたね。
これで予選リーグ突破はほぼ無理でしょう。

前半のCKからの絶好機に森重が決められなかったのが全てですな。ボールポゼッションは高くでも、観ていて全く得点が入る気がしませんでしたよね。そもそもシュートが全然枠内に行かないし..このあたりが強豪国との差でしょうね。五輪代表に限らずA代表も含めて日本サッカー共通の課題なのでしょうが。

男子サッカーは、ブラジル、アルゼンチンの南米2強に、オランダ、セルビアの欧州勢(イタリアは今回はイマイチか?)やナイジェリア、カメルーン、コートジボワールのアフリカ勢がどの程度食い下がるか、といったあたりが見所でしょうか。やっぱり、「ブラジル対アルゼンチン」の決勝が観たいですね。

今日はFull Moon featuring Neil Larsen & Buzz Feiten『Full Moon』(1982年)の紹介です。原題でいけば、Neil Larsen & Buzzy Feitenをフィーチャーした(新生)Full Moonのアルバムということになりますが、日本ではラーセン=フェイトン・バンドの2ndアルバム『フルムーン』という扱いであり、どう呼ぶべきか説明しづらい作品ですね。

Larsen-Feiten Bandの1st『Larsen-Feiten Band』の記事でも紹介した通り、Full Moonは70年代前半にNeil LarsenとBuzz Feitenが組んでいたバンドであり、1972年にリリースしたアルバム『Full Moon』は"早すぎたクロスオーヴァー・サウンド"として高い評価を受けました。

アルバム1枚を残したのみでFull Moonは消滅しましたが、Neil Larsenのソロ・アルバム『Jungle Fever』(1978年)で再会した2人はLarsen-Feiten Bandを結成します。

1980年にリリースした1stアルバム『Larsen-Feiten Band』は、AOR/フュージョンの人気作として今も高い評価を受けていますね。

そして、『Larsen-Feiten Band』と同じメンバーながら、Full Moon featuring Neil Larsen & Buzz Feitenの名でリリースしたのが『Full Moon』です。

メンバーはNeil Larsen(key)、Buzzy Feiten(g、vo)、Art Rodriguez(ds)、Lenny Castro(per)というジャケに写っている4人。今回、Willie Weeks(b)は準メンバー的な扱いになっているようです。Doobie Brothersへ参加したからですかね。いくつの曲ではJimmy HaslipがWillieに代わりベースを弾いています。プロデュースは引き続きTommy LiPumaが担当し、ゲストとしてDavid Sanborn(as)らが参加しています。

本作はCD以上にLPでよく聴きましたね。
『Larsen-Feiten Band』が全8曲中6曲がボーカル入りだったのに対して、本作ではBuzzy Feitenによるヴォーカル曲とNeil Larsenによるインスト曲が交互に配されています。

ヴォーカル曲が減ったせいか、当時はAORというよりフュージョン・アルバムとして聴いていました。とは言っても、僕の場合は楽器を演奏するわけではないので、インスト曲でも演奏テクやフレーズが云々という聴き方はしませんでしたが。このグループの持つ独特の雰囲気が好きでしたね。

『Larsen-Feiten Band』のように評価されているアルバムではありませんが、僕を惹きつける何かを持ったアルバムです。Full Moonの名にグッとくるのも確かなのですが(笑)

全曲紹介しときやす。

「Phantom Of The Footlights」
Larsen-Feiten Bandらしいミドル・テンポのヴォーカル・チューン。AORファンはこの曲って感じでしょうね。彼らの美味しいところが凝縮されたような演奏です。DoobiesSteely Danなんかと一緒に聴いてもマッチする仕上がりです。

「The Visitor」
僕の一番のお気に入りはこのインスト。David Sanbornが参加し、アルト・ソロを聴かせてくれます。少しオリエンタル・ムード漂う疾走感が好きですね。Larsenがオルガン&ピアノで大活躍し、Feitenも最後にギター・ソロでキメてくれます。Lenny Castroのパーカッションが全体を魅力をワンランク上に引き上げてくれます。

「Twilight Moon」
「The Visitor」と並ぶお気に入り曲。ハワイアンAORにも通じる抑えた雰囲気のメロウなバラードです。ジャケ写真のような灼熱の太陽の下で聴くと、クールダウンしてくれる感じですね。ゲストのLarry McNallyらが加わったコーラス・ワークもグッド!

「Sierra」
コアなフュージョン・ファンの方は気に入るであろうインスト。それなりに聴き応えのあるソロを聴かせてくれますが、僕はそういう聴き方をしていないので...

「Brown Eyes」
Totoあたりを意識したロック・チューンに仕上がっています。このあたりは『Larsen-Feiten Band』では聴けなかった展開ですね。ファンの中には嫌がる方もいるようですが、アルバムのアクセントになるし、悪くない出来だと思います。

「Hero's Welcome」
Larsen-Feitenならではの独特の雰囲気を持ったインスト。うまく表現できませんが、意表を突かれる感じのメロディがクセになりそうです。

「Standing In Line」
レゲエ・テイストのヴォーカル・チューン。「Phantom Of The Footlights」に通じる雰囲気があります。こういったミドル・テンポの曲を演奏すると、彼ららしさがガンガン出てきますね。Feitenのギター・ソロもかなりカッチョ良いですね。

「Little Cowboys」
ラストは僕好みのブラジリアン・フュージョンです。冷静に振り返ると、Lenny Castroが目立つ演奏が好きなんですよね(笑)

『Full Moon』(1972年)もそのうち紹介しますね。
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2008年08月07日

June & The Exit Wounds『A Little More Haven Hamilton, Please』

インディーズ・ポップの隠れ名盤☆June & The Exit Wounds『A Little More Haven Hamilton, Please』
ハミルトン、もう少しだけ
発表年:2000年
ez的ジャンル:Brian Wilson/ソフト・ロック系青春ロック
気分は... :かなりミラクル...

北京五輪は、昨日から一足早くサッカーが始まりましたね。

なでしこジャパンは、格下ニュージーランドに痛恨の引き分けでしたな。残念ながら、残るアメリカ戦、ノルウェー戦は引き分けることも至難の技であり、予選リーグ突破はかなり難しいでしょうね。

正直、ニュージーランド戦の笛を吹いた南アフリカの主審のレベルはかなり低かったですね。ニュージーランド、日本双方のPKは共にノー・ファウルだったと思います。

でも、これが五輪でしょうね。
サッカーに限らず、各競技には必ず当該競技途上国の未熟な審判が含まれることを覚悟すべきですよね。

昨日のなでしこジャパンを教訓に、今日から始まる男子サッカー、星野ジャパン、男女柔道、女子レスリングなど審判に左右されやすい競技の監督、選手には注意して欲しいですね。まぁ、そんな事十分承知していると思いますが...

さて、このところラテン・モードの作品が続いたので、今日は気分転換に甘酸っぱい青春ポップを...ということでJune & The Exit Wounds『A Little More Haven Hamilton, Please』(2000年)です。

June & The Exit Woundsは、アメリカのインディーズ・バンドTwiggyで活動していたTodd Fletcherのソロ・ユニット。

Beach BoysBrian WilsonRoger Nichols & The Small Circle Of FriendsTodd Rundgrenらの系譜を受け継ぐ、ソフト・ロック、ポップ職人好きにはたまらない、アメリカのインディーズ・ポップ史に残る隠れ名盤として、その方面がお好きな方にはお馴染みの1枚ですね。

個人的な印象としては、High LlamasLinus Of Hollywoodといった2000年前後に注目を集めたポップ職人系アーティストを、もっと青春ポップさせた感じですかね。ちなみ、『A Little More Haven Hamilton, Please』の国内盤は、Linus Of Hollywoodと同じPhilter Recordsからのリリースです。

本作の邦題は『ハミルトン、もう少しだけ』
う〜ん、ビミョーだなぁ(笑)

60年代ソフト・ロックもいいですが、近年の作品にもこんなにミラクルなポップ作品がありますよっ!...と言っても8年も前の作品ですね(笑)

ソフト・ロック好きのみならず、ネオ・アコ好きの方もハマる1枚だと思います。

オススメ曲を紹介しときやす。

「How Much I Really Loved You」
このオープニングを聴けば、本作が名盤であることを確信できると思います。どこかToddの「I Saw The Light」を思わせるメロディアスなポップ・チューン。邦題は「どんなに君を・・・」。甘く切ない青春ソング的な歌詞もいいですな。

「Highway Noise」
ソフト・ロック好きを歓喜させるミラクルな出来栄え。特に『Pet Sounds』Zombies『Odessey And Oracle』が好きな人は相当ハマると思います。メロディアスだけど、どこか物寂しい感じがサイコーです。

「Field Day」
これは青春ギターポップって感じですね。ハイトーン・ヴォーカルが映える1曲です。Matthew Sweetあたりにも通じる魅力を感じますね。

「I Shoudln't Be Surprised」
センチメンタルなピアノをバックに切々と歌われる哀愁チューン。ジャジーな味わいに癒されます。

「Cathy Dennis」
Todd Fletcherのセンスを感じる1曲。何気ない曲なんだけど、そのン何気なさが魅力です。ヴァイヴの音色がいい感じ。

「Let's Shack up Together」
「Highway Noise」と同タイプのポップ・チューン。このタイプはTodd Fletcher勝利の方程式なのかもしれませんね。こちらもかなり『Pet Sounds』しています。

「You're Breaking My Heart」
ネオ・アコ好き向けのセンチメンタル・チューン。ひと夏の甘酸っぱい青春の思い出って雰囲気がいいですな。

「Hey Hey Hey」
Todd Fletcherのハイトーン・ヴォーカルを活かしたポップ・チューン。どの曲もメロディアスだからついつい引き込まれてしまいますな。

「It's Not So Hard」
ここから2曲は国内盤のみのボーナス・トラック。本曲はNRBQのカヴァー。このあたりの選曲がTodd Fletcherというアーティストを物語っているのでは?

「Charade」
Audrey Hepburn主演でお馴染みの映画『Charade』のテーマです(Henry Mancini作品)。意外な選曲という気もしますが、これがなかなかいい出来栄えで、アルバムのいいアクセントになっています。

このアルバム以降、音沙汰のないTodd Fletcherですが、こんな甘酸っぱい青春ポップをまた聴きたいなぁ。
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2008年08月06日

Gil Scott-Heron & Brian Jackson『It's Your World』

ラテン・フレイヴァーのクロスオーヴァー・サウンド全開!☆Gil Scott-Heron & Brian Jackson『It's Your World』
It's Your World
発表年:1976年
ez的ジャンル:ラテン・フレイヴァー系ジャズ・ファンク/クロスオーヴァー
気分は... :やった!1000回達成

1000回目の記事投稿です!
やはり感慨深いものがありますね。

ここまで継続できたのも、多くの方が閲覧くださるおかげです。
着実に訪問者数、ページ閲覧数が増えているのは本当に励みになります。
感謝!感謝!感謝!です。

投稿回数を自慢する気はありませんが、それでもこの1000本の記事は僕自身の貴重な財産だと思っています。記事を書くことで、今まで以上に作品に対する理解が深まったり、愛着が増してきた気がします。

「年代、ジャンルを問わず」という本ブログのコンセプトも、記事の投稿数が増えるほど面白みを増してきたのでは?時にはオヤジ趣味丸出しの場合もありますが、自称"音楽年齢不詳"の僕らしいセレクトになっているのではと思っています(笑)

"次は2000回目指して"なんて大きなことは言わず、1100回目指してコツコツ頑張りたいと思います。

さて、記念の1000回目にセレクトしたのはGil Scott-Heron & Brian Jackson『It's Your World』(1976年)です。

Gil Scott-Heronの紹介は、『Pieces Of A Man』(1971年)に続き2回目です。

ポエトリー・リーディング/ジャズ/ファンク/ソウル/ラテン等が融合した、まさにクロスオーヴァーなミュージシャンですね。元々詩人であったったGil Scott-Heronに音楽的な影響を与えたのが、リンカーン大学時代のバンド仲間Brian Jacksonです。

Gil Scott-HeronBrian Jacksonとの双頭名義で『Winter in America』 (1974年) 、『The First Minute of a New Day』 (1975年)、『From South Africa to South Carolina』 (1975年)、『It's Your World』 (1976年)、『Bridges』(1977年)、『Secrets』(1978年)、『1980』(1980年)といった作品をリリースしています。

その中でも最も内容が充実しているにが本作 『It's Your World』 (1976年)であると思います。冒頭3曲とラストの4曲がスタジオ録音、それ以外の6曲がライブ録音という変則ライブ・アルバムです(オリジナルはLP2枚組)。

メンバーは、Gil Scott-Heron(vo、el-p)、Brian Jackson(key、fl、vo)をはじめ、Danny Bowens(b)、Bilal Sunni Ali(ts、fl)、Barnett Williams(per)、 Tony Duncanson(per)、Reggie Brisbane(ds、per)、 Delbert Taylor(tp)、Victor Brown(vo)といったメンバーがMignight Bandとしてバックを努めています。

バックに Mignight Band を配するようになった 『The First Minute of a New Day』 (1975年)あたりから、ラテン色を加えてますます多彩なジャズ・ファンクを展開するようになったGil & Brianですが、そのクロスオーヴァー・サウンドが頂点に達したのが 『It's Your World』 だと思います。特にラテン色の強さが印象に残りますね。

1976年時点で現在にも通じるクロスオーヴァーな演奏をしていたことに驚かされます。

1000回目の記事投稿に関連させると、60年代、70年代、80年代の作品を紹介する場合、自分よりも下の年代の人たちが楽しめる作品か?という景色で作品を眺めるようにしています。そうした視点を持つことで、僕自身も作品に対する新たな気づきが生まれるのではないかと...音楽年齢不詳でいるためのトレーニングみたいなものです(笑)

その意味で『It's Your World』 は、まさに今聴くべき70代作品に相応しい1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「It's Your World」
今でもクラブ・クラシックとして人気の高いタイトル曲。ラテン・フレイヴァーの心地良いミッド・グルーヴに仕上がっています。

「Possum Slim」
ニューソウル的な雰囲気も漂う仕上がり。Gil自身は特に歌の上手い人ではないと思うのですが、特別な何かを感じさせてくれますよね。

「New York City」
個人的にはスタジオ録音の中で一番のお気に入りです。初めて聴いた時、タイトルと出だしの雰囲気から"Al Kooper「New York City (You're A Woman)」のカヴァー?"なんて思ったりもしましたが、Gilのオリジナルです。実にムーディーなミディアム・スロウですが、中盤で一転サルサ・チューンへ豹変するところがサイコーですね。

ここまでの冒頭3曲がスタジオ録音です。

「17th Street」
ここからがライブとなります。Gilのヴォーカルをナビゲートするかのような、フルートの涼しげな音色が印象的ですね。

「Trane」
Alice Coltraneが(多分)故John Coltraneに捧げた「Gospel Trane」にGilが歌詞をつけたもの(「Gospel Trane」のオリジナルはアルバム『A Monastic Trio』収録)。さすがにアルバムの中で一番ジャズしていますね。
                                                              
「Must Be Something」
アルバム『The First Minute of a New Day』収録曲。地味ながらもGil & Brianを中心としたバンドのまとまりを感じるミッド・グルーヴ。

「Home Is Where the Hatred Is」
アルバム『Pieces of a Man』収録曲。ライブの中では「The Bottle」と並ぶハイライト曲だと思います。ジャズとファンクとラテンの美味しいところを凝縮させたような演奏ですね。特に中盤以降の盛り上がりはサイコーです!

「Bicentennial Blues」
Gilの原点であるポエトリー・リーディングです。ライブだと観客の反応もわかるので、これはこれで楽しいのでは?

「The Bottle」
Gilのキャリアを代表する名曲ですね。Paul Wellerのカヴァーなどでお聴きの方も多いかもしれませんね。アルバム『Winter in America』収録のオリジナル以上にパーカッシヴな展開です。バンドの持つラテン・フィーリング全開といった感じがサイコーです。これぞクロスオーヴァー!

「Sharing」
ラストは再びスタジオ録音です。Victor Brownのヴォーカルをフィーチャーしています。 じっくり聴かせるジャズ・ヴォーカル・チューンに仕上がっています。

今日からオリンピック始まりますね。
なでしこジャパンをみんなで応援しましょう!
posted by ez at 14:05| Comment(8) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月05日

Santana『Santana』

ラテン・ロックの雄、衝撃のデビュー作☆Santana『Santana』♪
Santana
発表年:1969年
ez的ジャンル:元祖ラテン・ロック
気分は... :1000回まで残2本...

現在の記事投稿数999

本ブログのこれまでを振り返る3回目。

よく周囲から"あのパターンで毎日記事書くの大変でしょ!ちゃんと仕事しているの?"と疑惑の目で見られながら尋ねられます。

実際、記事作成にそれなりの時間を割いているのですが(笑)

僕の場合、1〜2週間単位で紹介する作品のリストを予め作成しておきます。そして、仕事や他のプライベートの合間を見つけて、リストアップした作品に関する情報収集を行ったり、言いたいことを事前にメモ程度に整理しておきます。言わば、記事の仕掛品を多数用意しておくって感じですかね。

そして、その時の気分や年代・ジャンルの順番を考慮しながら投稿する記事を決めて、仕掛品を完成品に仕上げるというのが流れですね。その日に思い立って、全くゼロから記事作成することもありますが、エラく時間がかかるし、投稿し終わった後にどっと疲れますね。

何事も事前準備が大切ですな。

続きはまた明日...

さて、今日はSantanaの3回目の登場です。

『Festival』(1976年)、『Borboletta』(1974年)に続き紹介するのはデビュー・アルバム『Santana』(1969年)です。

過去2作品に続き夏の投稿になります。
僕の潜在意識の中に"Santanaは夏に聴かなきゃ!"みたいなものがあるのでしょうね。単純ですな(笑)

これまで紹介した『Festival』『Borboletta』といったアルバムは、必ずしもSantanaの代表作とは言えないかもしれませんね。

やはりSantanaの代表作と言えば、強烈にラテン・ロックしている1st『Santana』(1969年)、2nd『Abraxas』(1970年)ですよね。

僕の場合、昔はラテン・ロックしている初期作品ばかり聴いていたのですが、ある時期から『Welcome』(1973年)、『Borboletta』(1974年)、『Festival』(1976年)といった評論家がB級作扱いするアルバムを好んで聴くようになっていました。

今年の夏は久々に『Santana』『Abraxas』『Santana III』(1971年)という初期作品を聴いています。最近はサルサ、ラテン・ジャズ作品を聴く機会が多く、そうした流れでラテン・ロックを聴きたい気分なのかもしれません。

初期3作品の中でも、今日紹介するデビュー作『Santana』の持つパワーは際立っている気がします。

1969年8月のウッドストックへの出演をはじめ、デビュー前から注目を集めていた"噂のスーパー・グループ"だったようですが、その期待を裏切らないインパクトのあるデビュー作ですよね。商業的にも全米アルバム・チャート第4位となり、大成功を収めました。

当時のシングル(国内盤)には、"火を吹くラテン・ファイヤー"というコピーが使われていたようですが、まさにラテン・ファイヤーって感じのアルバムですね。

1stアルバム時点のメンバーは、Carlos Santana(g、vo)、Gregg Rolie(key、vo)、David Brown(b)、Michael Shrieve(ds)、Jose 'Chepito' Areas(per)、Michael Carabello(per)の6人。

Santanaと言えば、Carlos Santanaのワンマン・バンドのような印象をお持ちの方もいるかもしれませんが、本作ではCarlos Santana以上に他メンバーの存在感が強烈です。特に3人のパーカッション隊が目立っているのがいいですね。Gregg Rolieのオルガンもかなりカッチョ良いです!

リアルタイムでこのデビュー作を聴いていたら、かなりの衝撃を受けたであろうと思います。

全曲紹介しときやす。

「Waiting」
オープニングは小手調べといった感じのインスト。Gregg Rolieのオルガンがえらくキマっていますね!ジワジワ高揚してくる感じがいいですね。

「Evil Ways」
アルバムからの2ndシングルとして全米ポップ・チャート第9位のヒットとなりました。いかにもラテン・ロックといった感じのキャッチーな仕上がりです。終盤で抑えていたものを吐き出すようにヒートアップしていく感じがいいですね。Mellow Man Ace「Mentirosa」のサンプリング・ネタにもなっています。

「Shades of Time」
個人的にはかなり好きな1曲。ラテン・ロックの持つ哀愁感とラテン・ファイヤーなハイ・テンション感を堪能できます。各メンバーがバランス良くフィーチャーされているのもいいですね。

「Savor」
「Shades of Time」からシームレスに続く、ハイ・テンションなインスト。パーカッション隊とオルガンのバトルって感じがサイコーです。

「Jingo」
本作のハイライトと言えば、この曲で決まりでしょう。ナイジェリアのパーカッション奏者Babatunde Olatunjiの作品ですが、この曲と言えばSantanaというイメージですよね。ラテンとアフリカが融合したようなリズムには、不思議な魔力がありますね。Carlos Santanaのギターもテンション高いです!シングルにもなりました。

「Persuasion」
ラテンとブルース・ロックの融合という感じですね。個人的にはThe Spencer Davis Groupあたりとセットで聴きたい気分!「説得」という邦題はテンション下がりますね(笑)

「Treat」
Gregg Rolieのピアノをフィーチャーしたラテン・チューン。

「You Just Don't Care」
あまりラテンしていないブルース・ロック・チューン。Carlos Santanaのギターを堪能できます。

「Soul Sacrifice」
「Jingo」と並ぶ本作のハイライト曲。僕の場合、パーカッション隊とオルガンが目立っている楽曲が好きなのかも(笑)

個人的には本作とライブ・アルバム『Live At The Fillmore '68』を比べて聴くと面白いと思います。『Live At The Fillmore '68』は、パーカッション隊の3人が加わる前のライブを収めたものであり、「Jingo」、「Soul Sacrifice」、「Persuasion」等の演奏を堪能できます。

次回はいよいよは1,000回目の投稿となります。

今日は鰻食べてスタミナつけようっと!
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2008年08月03日

Brazilian Love Affair『Uma Brasileira』

イタリアならではのお洒落なラウンジ・ボッサ☆Brazilian Love Affair『Uma Brasileira』
Brazilian Love Affair
発表年:1996年
ez的ジャンル:イタリアン・ラウンジ・ボッサ
気分は... :1000回まで残り3本...

現在の記事投稿数998

今日も本ブログのこれまでを振り返ってみたいと思います。

当初の記事と現在の記事で大きく異なる点の1つに文体の変化があります。
ある時期から記事の文体を「である」調から「ですます」調に変えました。

これには2つ理由があります。

1つは閲覧ページ数が増えたことです。アクセス数が3万PV/月を超えたあたりから、僕自身の単なる音楽日記ではなく、多くの方が閲覧する音楽日刊誌のようなものを意識するようになったのかもしれません。

もう1つはezの正体がバレてきたからです(笑)ezの正体を知っている人も多く閲覧くださるようになり、年相応の社会人としての記事投稿を多少は意識するようになりました。「である」調の頃の記事を読むと、かなり生意気かつ年齢不詳な感じですからね。僕自身は当初の訳わからん感じの文体が結構好きだったのですが(笑)

続きはまた明日...

今日はボッサ・ラウンジものを!
ということでBrazilian Love Affair『Uma Brasileira』(1996年)の紹介です。

Brazilian Love Affairは、ブラジル生まれ、イタリア育ちの女性シンガーDilena Ferrazを中心としたイタリアン・ラウンジ・ユニット。グループ名は昨日投稿したGeorge Duke『A Brazilian Love Affair』に因んだものでしょうね。『Natureza Humana』(1995年)、『Uma Brasileira』(1996年)、『Dilene』(1997年)、『Rio de Janeiro Blue』(1999年)のアルバムをリリースしています。

グループ名の通り、ブラジリアン・テイストに溢れたラウンジ・ボッサを聴かせてくれます。クラブ系リスナーの方はMichael Jackson「Human Nature」のカヴァーであるタイトル曲やEW&Fのカヴァー「Star」を収録した1st『Natureza Humana』あたりが人気かもしれませんが、今回は『Uma Brasileira』を取り上げました。有名曲のカヴァーがない分、逆にこのユニット本来の魅力に触れることができるのではと思います。

本格的なブラジル音楽にはない、ラウンジならではのスタイリッシュ感がいいですね。イタリアらしい粋なオシャレ感がいいですね。

そんなラウンジ・サウンドとDilena嬢のキュートな歌声が実にマッチしています。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Fortuna」
一番のお気に入り曲。当時、僕のウォークマンのヘビロテ曲でした。ロマンティックなラウンジ・ボッサ・チューンです。夏の夕暮れにピッタリな1曲です。

「Demais」
「Fortuna」と並ぶ僕のお気に入り。今時のクラブ・ジャズ好きの方も気に入るであろう、小粋なボッサ・ジャズな仕上がりです。

「Ninho De Cobra」
フロア向けに使えそうなサンバ・ダンス・チューン。大沢伸一やbirdなんかが好きな人は気に入る仕上がりだと思います。

「Uma Brasileira」
タイトル曲はブラジル音楽好きにはお馴染みCarlinhos Brown作品。ライト・タッチなレゲエ・チューンに仕上がっています。

「Franci」
美メロなボッサ・チューン。メロウ好きの人にはかなりオススメ。有名カヴァーばかりが注目されますがDilena Ferraz嬢のソングライティングもなかなかです。途中で子供の歌声も聴こえてくるのも可愛いですね。

「Quando Chiove」
ナポリ出身の世界的なミュージシャンPino Daniele作品のカヴァー。幻想的な雰囲気の中でジワジワと迫ってきます。

「Ferias No Brasil」
クラブ好きの人は気に入るであろう爽快なブラジリアン・グルーヴ。大音量で聴けば、みんなで大盛り上がりできると思います。パリア〜パッパッパ〜!

「I'm Out Of Your Life」
このメロウ・ボッサも超オススメ!Ken Gold とMicky Denneが手掛けたArnie's Loveの1983年作品のカヴァーです。すっきりとした大人のボッサ・チューンに仕上がっています。

「Voce E Linda」
Caetano Veloso作品のカヴァー。ブラジル音楽好きの方も納得の出来栄えだと思います。サウダージ気分に浸りたい方はぜひ!

「Esta Em Mim」
エンディングはしっとりと落ち着いた大人のラウンジ・ボッサで...

本作以外に紹介した『Natureza Humana』(1995年)、『Dilene』(1997年)、『Rio de Janeiro Blue』(1999年)という3枚も全てオススメです。入手困難なものもあるようですが。
posted by ez at 14:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする