2008年08月02日

George Duke『Follow The Rainbow』

EW&FにインスパイアされたR&B/ファンク色の強い作品☆George Duke『Follow The Rainbow』
フォロー・ザ・レインボー
発表年:1979年
ez的ジャンル:パパイヤ鈴木系(?)フュージョン/ファンク
気分は... :1000回まで残り...

現在の記事投稿数997

本エントリーを含めてあと4本で本ブログの記事投稿数が1000になります。

これを機会に何回かに渡って、これまでを振り返ってみたいと思います。

本ブログの第1回目の投稿は2005年09月07日でした。

約1年ほど知人のサイトで音楽コラム的なものを書いていたのですが、それを発展させるようなかたちで開設したのが本ブログです。当初はとりあえず100回まで続けよう!くらいの感覚でしたかね。

現在のものに比べて、当初の記事はかなり簡素でしたね。
1回当たりの記事ボリュームを多くすると絶対に続かないと思っていたので、あえてシンプルにまとめようと思っていたのですが...知らぬ間にボリュームが増えてしまいました。

エントリー頻度も当初は2日に1度くらいの更新をイメージしていたのですが、実際には10日中9日は更新している計算になります。これには自分でも驚きですね!俺って結構持続力あるじゃん(笑)

続きはまた明日...

さて、今日はジャズ/フュージョン界のパパイヤ鈴木ことGeorge Dukeの紹介です。2回目の登場になります。

前回はブラジリアン・フュージョン色の強い『A Brazilian Love Affair』(1979年)を紹介しましたが、今回はその1つ前の作品『Follow The Rainbow』(1979年)です。

タイトル曲がR&Bチャートの1位を記録した『Reach for It』(1977年)からR&B/ファンク色を強くしたGeorge Dukeですが、その路線で『From Me to You』(1977年)、『Don't Let Go』(1978年)、『Follow The Rainbow』(1979年)、『Master of the Game』(1979年)といった作品をリリースしていきます。

『Follow The Rainbow』はGeorge Duke自身も語っているように、"EW&Fにインスパイアされた作品"として知られています。

メンバーはGeorge Duke(key、vo)以下、Napoleon Murphy Brock(vo)、Lynn Davis(vo) 、Josie James(vo)、Byron Miller(b)、Charles Icarus Johnson(g)、Ricky Lawson(ds)、Sheila E.(per、vo)といった編成です。それ以外にグループの前メンバーだったLeon "Ndugu" Chancler(ds)、EW&FのギタリストだったRoland Bautiste(g)、Jerry Hey、Larry Williamsのホーン陣などがゲスト参加しています。

ヴォーカル陣を充実させて、EW&F的なアプローチを狙っていたようですね。

フュージョン・アルバムとR&B/ファンク・アルバムの美味しいとこ取りをした作品って感じですね。

1979年は、本作『Follow The Rainbow』『A Brazilian Love Affair』『Master of the Game』という3枚の内容充実のアルバムをリリースしており、George Dukeが最も創造力に満ち溢れていた時期と言えるのではないでしょうか。

全曲紹介しときやす。

「Party Down」
いきなりハイ・テンションのEW&F風イケイケ・ファンキー・チューン。みんなで大盛り上がりすること間違いナシの1曲。ヴォーカル陣を充実させた効果が出ていますね。George DukeとBill Champlinの共作というのも興味深いですね。

「Say That You Will」
僕の一番のお気に入り曲。夏にピッタリのメロウ・チューン。EW&F「That's the Way of the World」あたりと一緒に聴きたい気分ですね。

「Funkin' for the Thrill」
この曲もモロにEW&F風の爽快ファンキー・チューン。このライトな感覚が暑苦しくなくていいですね。Byron Miller作品。

「Sunrise」
「Say That You Will」と並ぶお気に入り曲。メロメロ好きにはたまらないサンライズにピッタリな極上スロウです。フュージョンらしいメロウネスが効いています。

「Festival」
Ramsey Lewis「Sun Goddess」を思い切りブラジリアン・フュージョンにした感じの仕上がりです。次作『A Brazilian Love Affair』につながる曲ですね。

「I Am for Real」
この曲はP-Funk風の仕上がりです。お行儀の良いP-Funkって感じですかね。グループの中心メンバーであるByron Millerのベースがサイコーにカッチョ良いですね。

「Straight from the Heart」
サマー・ブリーズな雰囲気がいい感じのメロウ・グルーヴ。シンセ・ソロも聴けて、ある意味とってもGeorge Dukeらしい仕上がりなのでは

「Corine」
この曲はジャズ/フュージョンらしいメロウ・チューンですね。ダイノマイ・ピアノ&ミニ・ムーグの音色が実に印象的ですね。

「Pluck」
重心の低いミッド・ファンク。ライト・チューンが多い中でこの重さはいいアクセントになっています。ここでもByron Millerのベースがグッドです。

「Follow the Rainbow」
タイトル曲はGeorge Dukeの短いシンセ・ソロ。

George Dukeについては、僕のコレクションもかなり歯抜け状態なので、ぼちぼち充実させたいですね。
posted by ez at 14:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月01日

Juan Luis Guerra & 4.40『Ojala Que Llueva Cafe』

メレンゲ初登場!☆Juan Luis Guerra & 4.40『Ojala Que Llueva Cafe』
Ojala Que Llueva Cafe
発表年:1989年
ez的ジャンル:スタイリッシュ・メレンゲ
気分は... :メレンゲ初登場!

8月の一発目もラテンでいきましょうか!

一昨日のPucho & His Latin Soul Brothersが非ラティーノによるラテン音楽だったので、今日は正真正銘のラテン作品にしましょう。特に今回は本ブログ初登場のジャンル"メレンゲ"の作品を紹介します。

ということで、Juan Luis Guerra & 4.40『Ojala Que Llueva Cafe』(1989年)の紹介です。

Juan Luis Guerraは、"キング・オブ・トロピカル・ラテン"とも呼ばれるドミニカ出身の人気歌手です。自身のグループ4.40を率いて80年代から活動を開始します。そして、1990年にはアルバム『Bachata Rosa(邦題:薔薇のバチャータ)』が全世界で大ヒットし、ドミニカの大衆音楽"バチャータ"を世界中に知らしめました。

以降もラテン音楽シーンを牽引し続け、昨年の第8回ラテン・グラミー賞でも6部門を受賞しています。

最近のラテン音楽にお詳しい方ならば、「Juan Luis Guerra=バチャータ」というイメージなのかもしれませんね。正直、バチャータについては勉強不足です...1990年代前半の第1次バチャータ・ブームに続き、昨年あたり第2次バチャータ・ブームと盛り上がっていたようですが。夏休みの宿題ということで、少し勉強しておきますっ。

ただし、今日紹介する『Ojala Que Llueva Cafe』(1989年)は、"バチャータ"ではなく"メレンゲ"の作品になっています。と言うか、当時は「ドミニカの音楽=メレンゲ」という感じでしたからね。したがって、久々にライナーノーツを読み直しても、"メレンゲ"の文字はあっても"バチャータ"という言葉は全く出てきません。

メレンゲはドミニカで生まれたポピュラー音楽であり、ワールド・ミュージック・ブームの1980年代後半から1990年代前半の頃はサルサと並ぶラテン音楽の一大勢力でした。

MLB(メジャー・リーグ・ベースボール)の中継を注意深く観ていると(聴いていると)、ドミニカ出身の選手のテーマ曲としてメレンゲが流れていることがありますね。

僕が持っているメレンゲ作品の殆どはワールド・ミュージック・ブームの時に購入したものです。代表的なアーティストとして、Wilfrido VargasBonny Cepedaなんかをよく聴いていましたね。Juan Luis Guerra & 4.40『Ojala Que Llueva Cafe』もそんな流れで購入した1枚です。

当時のメレンゲのトップ・アーティストであり、Hip-Hopやハウスのエッセンスをメレンゲに持ち込んだWilfrido Vargasや、流行の歌謡メレンゲの人気シンガーだったBonny Cepedaあたりと比較すると、本作におけるJuan Luis Guerraはスマートでスタイリッシュなメレンゲという印象でしたね。

当時、N.Y.のラティーノ向けFM局ではJuan Luis Guerra & 4.40のグループ名に因んで、早朝と夕方の4時40分には彼らの曲が流れていたそうです。確かにWilfrido Vargas、Bonny Cepedaよりも、スマートなJuan Luis Guerraの方がN.Y.に似合うメレンゲという気がします。

サルサは聴いたことがあるけどメレンゲは聴いたことがない、という方は案外多いのではと思います。新たなラテン音楽体験も刺激的かもしれませんよ。

全曲紹介しときやす。

「Visa Para un Sueno」
典型的なメレンゲ・チューン。この少し忙しないチャカチャカ感こそがメレンゲの特徴です。

「Oajala Que Llueva Cafe」
邦題「コーヒーに雨を」。国際児童年のテーマ曲に選ばれた有名曲なので聴いたことがある方もいるかもしれませんね。メレンゲというよりも汎カリビアン・ポップといった感じの大らかな仕上がりがサイコーです。"キング・オブ・トロピカル・ラテン"の片鱗をうかがえる1曲だと思います。

「Razones」
この曲ではサルサしてます。雰囲気としてはRuben Bladesに近いですね。Juan Luis Guerraの本質とは異なる曲ですが、僕好みの仕上がりで大好きです。

「De Tu Boca」
スマートで洗練されたメレンゲ・チューン。同時期の他のメレンゲ作品にはないスタイリッシュさがいいですね。

「La Gallera」
この曲はテンション高めの高速メレンゲ・チューン。このテンポの速さが当時のメレンゲの魅力でした。

「Woman del Callao」
当時のヒット曲のようです。del Callaoとはベネズエラの町の名前とのこと。

「Reina Mia」
ノリの良い高速メレンゲ・チューン。それでもスマート感を欠かさないのがJuan Luis Guerraらしいところなのでは?

「Angel Para Una Tambora」
かなり感動的な仕上がりの汎カリビアン・ポップ。当時は「Oajala Que Llueva Cafe」と本曲ばかり聴いていた記憶があります。ラテンを聴かない人にも訴える普遍的な魅力を持った名曲だと思います。

バチャータ作品についても勉強して、そのうち紹介したいですね。

キューバ音楽やトリニダード・トバコのカリプソといった他のラテン音楽も機会があれば取り上げたいですね。
posted by ez at 00:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする