発表年:1969年
ez的ジャンル:破滅的カリスマ系ロック
気分は... :失敗作で片付けるのはつまらない...
柔道男子66kg級内柴選手、金メダルおめでとう!
昨日のエントリーでも書いた通り、密かに期待していたのですがやってくれましたね。
終始攻め続けた姿勢が良かったですね。谷選手をはじめ金メダルを逃した日本の3選手は全て消極的姿勢による「指導」で敗れました。審判も積極的に指導をとることが明らかであり、"技を決める"以上に"攻め続ける"というのが金メダルを獲得するための最大のポイントかもしれませんね。
これを起爆剤に今日からの金メダル・ラッシュを期待したいものです。
さて、Doorsの4回目の登場です。
Doorsについては、1st『Doors』(1967年)、2nd『Strange Days』(1967年)、3rdアルバム『Waiting For The Sun』(1968年)とリリース順に紹介してきましたので、今回はその流れで4thアルバム『The Soft Parade』(1969年)です。
一般的にはリリース順の通り「『Doors』>『Strange Days』>『Waiting For The Sun』>『The Soft Parade』」という評価だと思います。
特に『The Soft Parade』については、失敗作との声も多いようですね。確かに、カリスマ・ヴォーカリストJim Morrisonには1st、2ndほどの鋭さがなく、サウンドもブラスやストリングスを導入してかなりポップになっており、それまでのアルバムと比較して散漫な印象を受けるのは事実です。
それでもDoorsはDoors!仮に失敗作だとしても楽しめるでしょ!
というのが僕の思いです。
『Doors』、『Strange Days』あたりでDoors本来の魅力を堪能した後に聴くと、Doorsの別の魅力を触れることができて充分楽しめると思います。
本作がリリースされた1969年のDoorsは、3月にマイアミのコンサートでの性器露出でJim Morrisonが逮捕され、以降ライブ活動は休止を余儀なくされます。そして、裁判への出廷、各地で排斥キャンペーンが起こるなどグループはどん底状態にありました。
その状況下で録音、発売されたのが『The Soft Parade』です。
こうした背景を考えれば、『Waiting For The Sun』で見せたポップ路線をさらに強め、失墜したイメージ回復に努めたのもわかる気がします。
本作ではRobby Kriegerの頑張りが目立ちます。本作からは「Touch Me」 、「Wishful Sinful」、「Tell All The People」、「Runnin' Blue」の4曲がシングル・カットされていますが、全てRobby Krieger作品です。
肝心のJim Morrisonですが、絶不調状態の中でも所々で天才の輝きを放っています。いろんな意味でカリスマ・ヴォーカリストのリアルな姿に触れることができるのでは?
ポップ色を強めるべく試行錯誤していますが、正直全てが成功しているわけではありません。でも、そのやりすぎ感を楽しんで聴きましょう!
最終的には全米アルバム・チャート第6位まで上昇しました。
全曲紹介しときヤス。
「Tell All The People」
オープニングはTom Jones風。やけに仰々しいサウンドをバックに、Jimがお行儀の良いヴォーカルを聴かせてくれます。先に書いたやりすぎ感を楽しめる1曲です(笑)Robby Krieger作品。
「Touch Me」
お馴染みの大ヒット曲。アルバムからの1stシングルとして全米シングル・チャート第3位の大ヒットとなりました。よく言われるように、Tom Jonesがモータウン・サウンドをバックに歌っているようですよね。ブラスとストリングスも配した分厚いサウンドもDoorsらしからぬ仕上がりですね。個人的にはここでのJimのヴォーカルは力強くてそんなに悪くはないと思います。Robby Krieger作品。
Doorsファンの中には、本曲や「Hello, I Love You」を毛嫌いする人もいますが、僕は両曲とも大好きです!
「Shaman's Blues」
この曲でのJimはかなり魅力的なのでは?DoorsらしいRay Manzarekのオルガンも堪能できて、1st、2ndのファンにも納得の仕上がりだと思います。Jim Morrison作品。
「Do It」
Jimが♪Please please listen to me children♪と歌うと少しヤバい感じがしますね。Jim Morrison作品。
「Easy Ride」
カントリー・ロックな仕上がり。ボードヴィル調の仕上がりはDoorsらしいと言えばそうですが、タイトルの通り少しイージーかも?Jim Morrison作品。
「Wild Child」
Doorsらしいへヴィでダークでサイケな仕上がり。Jimの酔いどれヴォーカルも結構ハマっているのでは?Jim Morrison/Robby Krieger作品。
「Runnin' Blue」
この曲もシングルになりました。昔のDoorsっぽいじゃん!なんて思って聴いていると、突然カントリー風やジャズ風に展開していきます。個人的にはRobbyのヴォーカルとカントリー風の展開は余計かな(笑)Robby Krieger作品。
「Wishful Sinful」
アルバムからの2ndシングル。ストリングスを全面に押し出したポップ・チューン。でも、底抜けに明るいのではなく、陰のあるポップさであるのがDoorsらしいのでは?Robby Krieger作品。
「The Soft Parade」
大失敗と酷評されることの多いタイトル曲。詩の朗読から始まり、様々なサウンドが目まぐるしく展開していく様子は散漫な印象もあるかもしれませんが、なかなか楽しめます。特にJohn Densmoreのドラムにコンガも加わった後半のファンキーなリズム隊とJimの吐き出すようなヴォーカルの絡みは結構好きです。Doors版「Sympathy For The Devil」みたいな感覚ですかね。Jim Morrison作品。
順番で行くと、次は『Morrison Hotel』でしょうか。
『Morrison Hotel』は苦手なんだよなぁ(笑)