2008年08月18日

Fun Boy Three『Waiting』

Terry Hallのポップ感覚が開花した2nd☆Fun Boy Three『Waiting』
Waiting
発表年:1983年
ez的ジャンル:2トーン系ロンドン・ポップ
気分は... :五輪もいいけど、プレミアもね!

世間は北京五輪で盛り上がっていますが、欧州サッカー好きの僕にとっては、イングランドのプレミア・リーグが開幕してワクワク気分です。五輪そっちのけで週末はプレミアの試合をTV観戦してしまいました。サッカー・ファンにとっては五輪サッカーよりプレミア・リーグの方が楽しみですからね!

今シーズンもマンチェスターU、チェルシー、アーセナル、リヴァプールの4強中心の展開でしょうね。個人的にはアーセナルの巻き返しを期待しています。スコラーリが監督に就任したチェルシーの戦いぶりも楽しみですね。

そんな関係で今日は少しユルいロンドン・ポップが聴きたくなりました。セレクトしたのはTerry Hall率いるFun Boy Threeの2ndアルバム『Waiting』(1983年)です。

Fun Boy Three<(FB3)は、ロンドンに一大スカ・ブームを巻き起こしたSpecialsの中心メンバーTerry Hallが、同じくSpecialsのメンバーであったNeville Staple、Lynval Goldingの2人と結成したポップ・ユニット。

1981年に1stシングル「The Lunatics (Have Taken Over the Asylum)」をリリース。その後『Fun Boy Three』(1982年)、『Waiting』(1983年)という2枚のアルバムをリリースしています。

シングル「Ghost Town」がUKチャートNo.1となったにも関わらず、1981年にSpecialsはあっさり解散してしまいます。そんな中、程なくTerry Hallの新グループFB3のPVとサウンドが届けられました。

ポップな風貌に、変テコなサウンド...正直シュールなキワモノ・ポップ・ユニットというのが僕のFB3に対する第一印象でした。1stアルバム『Fun Boy Three』『ファン・ボーイ・スリーがやって来るファン!ファン!ファン!』という邦題が余計にそんな印象を増幅させたかもしれません(笑)

今回紹介する2nd『Waiting』は、キワモノ・イメージが薄れ、Terry Hallのポップ・センスに磨きが掛かった印象を受けます。

プロデューサーはTalking HeadsDavid Byrne。そのせいか様々なエスニック・スパイスが散りばめられています。スカ・ビートが復活しているのも嬉しいですね。

パンク/ニューウェイヴを通過したロンドン・ポップの楽しさが詰まったアルバムだと思います。

Specialsのもう1人の中心人物だったJerry DammersによるSpecial AKA『In The Studio』(1984年)あたりと聴き比べてみるのも楽しいのでは?

オススメ曲を紹介しときやす。

「Murder She Said」
ピアノの音色が小粋なインスト・チューン。明るく楽しげな感じがいいですね。

「More I See (The Less I Believe)」
Specials時代を彷彿させる仕上がりですね。Terry Hallの少しダークなポップ感覚が好きなんですが、この曲なんてまさにそんな感じ!

「Going Home」
スカ調の哀愁ポップ。Madnessの後期にも通じるこの成熟感ですな。

「We're Having All the Fun」
ここでもダークなポップ感覚を堪能できます。やっぱりスカにはトロンボーンですな。

「Tunnel of Love」
UKシングル・チャート第10位となったヒット曲。邦題『愛の洞窟』って昼メロ・ドラマのタイトルみたいですなどんな(笑)チェロを配したタンゴ調のサウンドが印象的ですな。

「Our Lips Are Sealed」
UKシングル・チャート第7位となったヒット曲。80年代前半に大活躍した女性ロック・グループGo-Go'sのヒット曲としてお馴染みですね。Go-Go'sのカヴァーのように思われがちですが、実はこの曲、Go-Go'sのギタリストJane WiedlinとTerry Hallの共作です。

キュートで元気なGo-Go'sバージョンと比較して、FB3バージョンはアフリカン・リズム+ドゥーワップ風コーラスによるエスニックなポップ・チューンに仕上がっています。

「Pressure of Life (Takes the Weight off the Body) 」
寂しげな歌とエスニックなリズムの組み合わせが面白いですね。決して上手いシンガーではないTerry Hallには、こういった曲が合っているのかも?

「Things We Do」
チェロの響きとスカのリズムが意外とマッチしています。途中からはラテン・パーカッションも加わり、なかなか完成度の高い1曲です。

「Well Fancy That! 」
ワルツのリズムにのったヨーロピアン・テイストの仕上がり。

本作でポップ路線に目覚めたTerry HallはFB3での活動に区切りを付け、新グループThe Colourfieldでアコースティック・ポップを開花させます。
posted by ez at 00:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする