発表年:1972年
ez的ジャンル:NYラテン音楽の帝王
気分は... :ハードに迫ります!
今日はNYラテンの帝王Tito Puenteのアルバム『Para Los Rumberos』(1972年)です。
Tito Puente(1923-2000年)は、ニューヨークのラテン音楽シーンで活躍したティンバレス奏者。1940年代後半から自己の楽団を率い、Tito Rodriguez、Machitoらと共にマンボ・ブームを巻き起こした"マンボ・キング"です。Ray BarrettoやCharlie PalmieriといったNYラテンを代表するミュージシャンもかつてはTito Puente楽団のメンバーでした。
100枚を超えるリーダー作を残し、サルサ創成期にも大きな役割を果たす等、長年NYのラテン音楽シーンを牽引し、帝王として君臨しました。特に、脇役であったティンバレスという打楽器を主役に押し上げた功績は大きく評価されています。また、Santanaが「Oye Como Va(邦題:僕のリズムを聞いとくれ)」をカヴァーするなど他ジャンルのミュージシャンにも大きな影響を与えています。
ラテン音楽の歴史に詳しいわけではありませんが、ニューヨーク・ラテン音楽の最重要人物と言えば、Tito Puenteになるのではないでしょうか。JazzシーンにおけるMiles Davisと同じで、「Tito Puenteの歩み=ニューヨーク・ラテン音楽史」みたいな人ですよね。
僕の中で印象深いのは、Masters At Work(“Little" Louie Vega & Kenny "Dope" Gonzalez)による一大プロジェクト『Nuyorican Soul』(1997年)へのTito Puenteの参加ですね。
本ブログでも紹介したように、このプロジェクトはNuyorican(ニューヨーク在住のプエルトリカン)である2人が自らのルーツに立ち返ったものです。そして、このプロジェクトのきっかけとなったのが、Tito Puenteの名曲「Ran kan Kan」のMAWによるリミックスでした。当時のハウス界最強プロデューサーのTito Puenteへのリスペクトぶりを見て、このティンバレス奏者の偉大さを再認識しました。
今日紹介する『Para Los Rumberos』は1972年の作品です。1972年といえばサルサ全盛期であり、本作でもハード・サルサを堪能できます。参加メンバーの中にはCharlie Palmieri(p、org)、Santos Colon(vo)といった有名どころの名も発見できます。
"マンボ・キング"の称号に古くさいイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、本作を聴けば彼の生み出すサウンドが今でも鮮度抜群であることが実感できると思います。
全曲紹介しときヤス。
「Para Los Rumberos」
オープニングは本作のハイライト。ラテン・パーカッションの洪水が押し寄せるハード・サルサ・チューン。「Oye Como Va」同様Santanaのカヴァーでもお馴染みですね(『Santana III』収録)。また、ハウスのリミックスに使われるなどクラブ・シーンでも大人気です。この1曲でKOされてしまう方も多いのでは?
「Nina y Senora」
典型的なサルサ・チューン。哀愁のメロディ&ヴォーカルとサルサのリズムはよく合いますな。
「Guayaba」
マンボ調のムーディーな仕上がり。このノスタルジックな雰囲気もラテンの魅力ですな。
「Ya No Me Quieres」
Titoのビブラフォンを堪能できるロマンティックな1曲。Milt Jacksonも真っ青の華麗なヴァイヴを楽しめます。
「Dias en el Palladium」
ド派手なホーン隊が魅力のサルサ・チューン。相当テンション高いです。もっと長尺で聴きたいですね。
「Salsa y Sabor」
「Para Los Rumberos」と並ぶ僕のお気に入り。スピード感のあるグルーヴがサイコーのハード・サルサです。こんなカッチョ良いラテン・グルーヴは今でも滅多にお目にかかれません!
「China」
中国をモチーフにした曲なのでしょうか?オリエンタルな雰囲気を打ち出しているのかもしれませんが、僕にはわかりません(笑)
「Batuka」
ホーン隊の絡みがいいですね。Charlie Palmieriのオルガンも効いています。
「Contentoso」
情熱のサルサ・チューン。正統派サルサ・ファンの方はこういった曲がお好みなのでは?
「Catire」
この曲もかなり好き。ホーン・アレンジがカッチョ良すぎです!そこに絡むTitoのヴァイヴも小粋でグッド!
なでしこジャパンは残念でしたね。
前半1対0で折り返すことができれば望みが繋がったのですが...
気持ちを切り換えて3位決定戦に期待しましょう。
対戦相手ドイツのエースが出場停止というは朗報かも?