2008年09月12日

Ivan "Boogaloo Joe" Jones『Black Whip』

ファンキーなオリジナルとPaul McCartneyやElton Johnのカヴァーの組み合わせが楽しい1枚☆Ivan "Boogaloo Joe" Jones『Black Whip』
Black Whip
発表年:1973年
ez的ジャンル:ソウル・ジャズ/ジャズ・ファンク系ギタリスト
気分は... :とりあえず何か音を流していたい♪

今日は最初、Ornette Coleman『Body Meta』(1977年)にしようと思ったのですが、聴いているうちに少し疲れてきたので、もっと気軽に聴ける作品に急遽変更...ということで、Ivan "Boogaloo Joe" Jones『Black Whip』(1973年)です。

Ivan "Boogaloo Joe" Jones(1940年生まれ)は、60年代半ばから70年代半ばにかけて活躍したジャズ・ギタリスト。我が家のCD棚では、Grant Green、Melvin Sparksあたりと同じグループ扱いで収納されています。

Prestigeから数多くの作品をリリースしていますが、『What It Is』(1971年)、『Snake Rhythm Rock』(1972年)、『Black Whip』(1973年)あたりの人気が高いのでは?その中から今回は『Black Whip』(1973年)をセレクト。

メンバーは、Ivan "Boogaloo Joe" Jones(g)、Dave Hubbard(ss、ts、per)、Bobby Knowles(org)、Sonny Phillips(el-p)、Ron Carter(b、el-b)、Bud Kelly(ds、perc)、Jimmy Johnson(perc)といった布陣です。

全6曲のうち、Jonesのオリジナルが半分、Paul McCartneyElton JohnLeon Russellといった有名アーティストのカヴァーが半分という構成です。オリジナルでファンキーに盛り上がり、カヴァーでオリジナルからの変貌ぶりを楽しむといった感じですかね。

ぜひ、このアルバムを聴きたい!と思って手に取ることは少ないですが、とりあえず何か音を流していたいと思った時に聴くと実に収まりがいいアルバムですね。

ちなみにAmazonのジャケ写真はかなり青みがかっていますが、実際はもっと白っぽいジャケです。

全曲紹介しときやす。

「Black Whip」
タイトル曲は人気ですね。ソウル・ジャズ/ジャズ・ファンクの醍醐味を堪能できるファンキー・グルーヴ。決してど派手な感じじゃありませんが、このチープなファンキー感がたまりませんね。一気に突っ走ってくれます。カッチョいいねぇ。

「My Love」
ご存知Paul McCartney & Wingsの名バラードのカヴァー。オリジナルがお好きな方も納得の絶品カヴァーだと思います。Sonny Phillipsのメロウなエレピに先導されながら、Jonesがロマンティックなギターを聴かせてくれます。ロマンティックといってもビター&スウィートな枯れ具合がいいんですよね。秋の夜長に聴くとハマりすぎかも?

「Freak Off」
「My Love」から一転、超ファンキー・グルーヴです。本ブログでも紹介したGrant Green『Live at the Lighthouse』あたりがお好きな方は、間違いなく歓喜するハイテンションな演奏です。この1曲だけでもかなりお腹一杯になるはずですよ。

「Daniel」
Elton Johnの大ヒット曲のカヴァー。軽やかにシャッフルしている感じがいいですね。先に書いた何気なく音を流していたい時、このタイプの演奏が実に心地好いですね。

「Ballad Of Mad Dogs And Englishmen」
Leon Russellのカヴァー。「My Love」、「Daniel」に比べると、いささかシブすぎるかも?でも、こういったブルース・フィーリングがJonesの持ち味なのだと思います。

「Crank Me Up」
ラストはジャズ・ギタリストらしい1曲。1973年時点でこの演奏はオールド・スタイルという気もしますが、でも何か惹かれるものがあるんですよね。

今日断念したOrnette Coleman『Body Meta』(1977年)は改めて紹介しますね。決して悪いアルバムでじはありません。僕の頭の中がOrnette Colemanを聴けるほど"フリー"な状態ではなかったというだけです(笑)
posted by ez at 05:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月11日

INXS『Kick』

80年代を代表する大ヒット・モンスター・アルバムの1枚☆INXS『Kick』
Kick
発表年:1987年
ez的ジャンル:フェロモン&ダンサブル系オージー・ロック
気分は... :さすがオーストラリア強し!

今日の未明W杯アジア最終予選「ウズベキスタン対オーストラリア」をTV観戦しました。
日本が属するA組最大のライバルであるオーストラリアはアウェーながら手堅く勝ち点3をゲットしましたね。さすが実力国だと痛感しました。

そんな流れでオージー・ロックを代表する人気ロック・グループINXSのモンスター・ヒット6thアルバム『Kick』(1987年)の紹介です。

INXSはオーストラリアのロック・グループ。1977年にヴォーカルのMichael HutchenceFarriss兄弟を中心に結成され、1980年にレコード・デビューを飾っています。

初の全米ポップ・チャートTop10に入ったシングル「What You Need」含む『Listen Like Thieves』(1985年)でブレイクし、続く今日紹介する『Kick』(1987年)が500万枚以上の売上を記録し、80年代を代表するロック・グループとしての地位を確固たるものにしました。

しかし、1997年にグループのフロント・マンMichael Hutchenceがホテルの一室で自殺するという悲劇と共にグループの栄光は幕を閉じました。

80年代洋楽をリアルに聴いてきた人であれば、誰もが通過してきたのがINXSですね。R&B/ファンクを消化したサウンドとMichael Hutchenceの野太くセクシーなヴォーカルでセンセーションを巻き起こしましたね。

僕個人は1984年の4thアルバム『The Swing』収録のシングル「Original Sin」から注目していました。Nile Rodgersプロデュースの同曲を契機に、R&B/ファンクを消化した独自のロック・サウンドを追求するようになり、それが『Listen Like Thieves』(1985年)本作や『Kick』(1987年)のヒットに結びついたのだと思います。

グループ最大のヒット作となった本作からは、「Need You Tonight」「Devil Inside」「New Sensation」「Never Tear Us Apart」という4曲の全米ポップ・チャートTop10ヒットが生まれました。プロデュースは前作に続きChris Thomasです。

個人的にはINXS最盛期だった1988の来日公演が印象深いですね。確か今からちょうど20年前の秋だったと思います。武道館で興奮しながら、「What You Need」や「New Sensation」で拳を突き上げていたのを思い出します。

80年代商業ロックの最高峰だと思います。
当時こんなカッチョ良いダンサブル・ロックを否定していた輩は、よほどモテなかったモヤシ野郎でしょ...

全曲紹介しときやす。

「Guns in the Sky」
このへヴィ&タイトなビートが80年代後半のロックを象徴していると思います。次曲「New Sensation」に向う助走ですな。

「New Sensation」
僕の一番のお気に入り曲。3rdシングルとして全米ポップ・チャート第3位のヒットとなりました。やはりINXSは「What You Need」と本曲の2曲で決まりでしょう。当時大学生だった僕は「What You Need」と本曲の2曲をマッシュ・アップするように、♪New Sensation〜♪What You Need〜、What You Need〜♪と繰り返し口ずさんでいた記憶があります。軽快なギター・リフはNile RodgersChicサウンドを消化したファンク・テイストのロック・チューンという感じですよね。同時にMichael Hutchenceが単なるフェロモン男ではない、力強いヴォーカルを聴かせてくれるのがグッドです!

「Devil Inside」
アルバムからの2ndシングルとして全米ポップ・チャート第2位のヒットとなりました。妖しく囁くMichael Hutchenceのヴォーカルがサイコーですね。フツーの楽曲をMichaelのフェロモン・ヴォーカルで名曲に押し上げた気がします。

鬼の仮面から始まるPVはいかにもINXSですね。彼らのPVって映画『ブレードランナー (Blade Runner) 』(1982年)の世界観が似合う気がします。逆に、僕は松田優作の遺作映画『ブラック・レイン(Black Rain)』を観た時にINXSの「Original Sin」PVの世界観に通じるものを感じたのですが...皆さんはいかがですか?

「Need You Tonight」
グループ最大のヒット曲。アルバムからの1stシングルとして全米ポップ・チャートNo.1に輝きました。スカスカなサウンドとMichael Hutchenceのセクシー・ヴォーカルが相俟ってエクスタシーな音世界をクリエイトしていますね。

「Mediate」
この曲は殆どHip-Hopですね。80年代にHip-Hopを消化していたロック・バンドはそれ程多くないはず!この一点をとってもINXSが単なる商業ロック・バンドではないことを証明していると思います。この曲のPVはBob Dylan「Subterranean Homesick Blues」がモチーフになっています(と思います)。
「Mediate」
http://jp.youtube.com/watch?v=syuxasimWZ8
Bob Dylan「Subterranean Homesick Blues」
http://jp.youtube.com/watch?v=2-xIulyVsG8

「The Loved One」
僕的にはアルバムで一番つまらない曲。出来損ないのRolling Stonesという印象です。このヴォーカルはMichaelよりもMickが似合う気がします。

「Wild Life」
シングル曲に劣らないカッチョ良さを持った1曲。R&B/ファンク好きの人はかなり気に入るダンス・グルーヴだと思います。

「Never Tear Us Apart」
アルバムからの4thシングルであり、全米ポップ・チャート第7位のヒットとなりました。ファンならばご存知の通り、Michael Hutchenceの葬儀で流れた曲です。元々ピアノを中心としたアレンジでしたが、Chris Thomasのアイデアでストリングスを導入したらしいです(「Mystify」のPVを観ればわかりますね)。当時はそれ程好きではありませんでしたが、今聴くと涙なしには聴けない曲ですな。

「Mystify」
Lovin' Spoonful「Do You Believe In Magic」を80年代ロック風に仕上げた...なんて書くとJohn Sebastianファンに怒られるかな。

「Kick」
ど派手な感じのアレンジが80年代らしいですね。ファンキーなホーン・セクションがグッド!

「Calling All Nations」
「New Sensation」の出来損ないみらいな雰囲気が愛嬌ありますな。

「Tiny Daggers」
この曲を聴いていたら、何故かA-ha「Take On Me」を思い出しました。何故だろう?

今クール、一番お気に入りだったTVドラマ「正義の味方」が終わってしまいました...続編の制作を希望しまぁ〜す。
ちなみに僕の正義の味方は3色ネイルの君しかいないよっ!
posted by ez at 06:15| Comment(6) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月10日

Adriana Evans『Adriana Evans』

オーガニックかつジャジー&メロウな90年代女性R&Bを代表する1枚☆Adriana Evans『Adriana Evans』
Adriana Evans
発表年:1997年
ez的ジャンル:オーガニック・ソウル系女性R&B
気分は... :夫婦オーガニック・ソウル!

Adriana Evansのデビュー・アルバム『Adriana Evans』(1997年)です。

90年代以降のR&Bがお好きな方であれば定番中の定番アルバムですね。
個人的にも90年代女性R&Bのベスト5に入るくらい大好きなアルバムです。
今まで何度か紹介しようと思ったのですが、何故かAmazonでジャケ画像が見つからずスルーしてきたのですが、ようやく紹介できます。

Adriana Evansはサンフランシスコ生まれの女性R&Bシンガー。彼女の母Mary StallingsはCount Basie、Pharoah Sandersらと共演したジャズ・シンガーです。彼女のジャズ・フレイヴァーは、そんな母の影響を受けているのでしょうね。

本ブログでも紹介したAdrianaの旦那様であるDred Scottのデビュー・アルバム『Breakin' Combs』(1994年)の「Check the Vibe」等にフィーチャーされた後、その旦那の全面サポートのもと、今日紹介するデビュー・アルバム『Adriana Evans』(1997年)をリリースしています。

その後長いブランクを経て、『Nomadic』(2004年)、『El Camino』(2007年)といったアルバムをリリースしています。最近では本ブログでも紹介した日本人トラックメイカーDJ Deckstreamのアルバム『Deckstream Soundtracks』「Memory of Melodies」に旦那のDred Scottと一緒に参加し、相変わらず魅力的なヴォーカルを聴かせてくれました。本国以上に日本のオシャレな音楽ファンに人気のシンガーかもしれませんね。

今日紹介するデビュー・アルバム『Adriana Evans』(1997年)は、オーガニック・ソウル、ネオ・ソウルの名盤としてお馴染みですね。当時、オーソドックスなようで、実に新しい感覚を持った作品として興奮しながら愛聴していました。

グルーヴ感と旦那であり、プロデューサーであるDred Scottのメロウ&ジャジーなグルーヴ感と Adriana Evans のジャズ・フレイヴァーを持った透き通ったヴォーカルのコンビネーションが抜群ですね。

こういったセンス溢れるR&B作品を聴いてしまうと、オールド・ソウルが実に野暮ったく聴こえてしまうかも?
(勿論、年代に関わらず良いものは良いのですが)

末聴の方はつべこべ言わず、まずは聴いてみてください。
オススメの曲のうち、YouTubeで音源あったものはURLを貼っておきましたので、ご賞味してくださ〜い!

全曲紹介しときやす。

「Love Is All Around」
シングル・カットもされたオープニングは、いかにもオーガニック・ソウル、ネオ・ソウルな感じですね。同時期のオーガニック・ソウル、例えばErykah Badu『Baduizm』あたりと比較すると、インパクトは弱いけどHip-Hop的グルーヴ感がよく馴染んでいる気がします。まさにオーガニックって雰囲気ですね。

「Seein' Is Believing」
僕のお気に入りその1。この曲もシングル・カットされました。Dred Scottらしさに溢れたトラックが魅力です。心地好い浮遊感を伴うジャジー・テイストがサイコーですね。ミュート・トランペットも渋くてグッド!Roy Ayers「Mystic Voyage」ネタ。
http://jp.youtube.com/watch?v=du-96DMMJv8

「Heaven」
僕のお気に入りその2。70年代ソウルの雰囲気漂う、オールド・ファンも納得の完成度の高さなのでは?Adrianaのヴォーカリストとしての魅力を存分に味わうことができます。
http://jp.youtube.com/watch?v=dFsZDxnZE4Q&feature=related

「Reality」
僕のお気に入りその3。シングル「Seein' Is Believing」とカップリングされた人気の高い曲ですね。ヴァイヴの響きが心地好いジャジー・グルーヴをバックに、Adrianaが澄みきったヴォーカルを聴かせてくれます。
http://jp.youtube.com/watch?v=7btf37EmQxU

アルバムには未収録ですが、Attica BluesによるリミックスやXzibitをフィーチャーしたThayod Remix(Smoothe da Hustler「Broken Language」をサンプリング )もあります。

「Hey Brother」
僕のお気に入りその4。Dred Scottのラップをフィーチャー。 Dredの『Breakin' Combs』がお好きな人ならば気に入るであろうジャジーHip-Hopチューンに仕上がっています。アングラ系のジャジーHip-Hop好きは要チェック!
http://jp.youtube.com/watch?v=R02WsSvToPY

「Trippin'」
僕のお気に入りその5。マッタリ感が心地好いアコースティック・ソウル。オーガニック・ソウルらしい生楽器によるバックがいいですね。

「I'll Be There」
美しいピアノをバックに、しっとり、しっかりと歌い上げる感動的なスロウ。秋の夜長にしんみり聴くとグッとくるんじゃないかなぁ。

「Love Me」
僕のお気に入りその6。Dred Scottならではのジャジーなメロウ・グルーヴがサイコーっす。Adrianaのヴォーカルも実に艶やかです。
http://jp.youtube.com/watch?v=BIKL-oxh7Ng

「Love Me Looking for Your Love」
僕のお気に入りその7。Hop-Hopのリズムにメロウネスたっぷりの70年代風メロディを乗せたオーガニック・ソウルらしいミッド・グルーヴ。
http://jp.youtube.com/watch?v=Bu7qhrd31PI&feature=related

「Swimming」
僕のお気に入りその8。Hip-Hopを通過してきた世代ならではのメロウなグッド・グルーヴ。Dred Scottのセンスに脱帽です。
http://jp.youtube.com/watch?v=M0Gm2FJtTUQ

「Say You Won't」
浮遊感のあるオーガニック・グルーヴ。表情豊かなAdrianaのヴォーカルを堪能しましょう。

「In the Sun」
まさに天気の良い日の太陽の光をたっぷり浴びながら聴きたいグッド・グルーヴ。聴いていると光合成しような心地好さです(笑)フルートの音色がいいアクセントになっています。
http://jp.youtube.com/watch?v=J8vnawuZZ6I

Dred Scott Adriana Evansはプライベートのみならず、音楽的にも最良のパートナーという気がしますね。
posted by ez at 04:55| Comment(4) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月09日

Labi Siffre『Remember My Song』

UK黒人SSWらしいコクが魅力です☆Labi Siffre『Remember My Song』
Remember My Song
発表年:1975年
ez的ジャンル:UK黒人シンガー・ソングライター
気分は... :フラフラ〜

今朝は徹夜明けでフラフラ状態...
さっさとこの記事を投稿して仮眠をとらねば!

ということで今日はUKの黒人シンガー・ソングライターLabi Siffreのアルバム『Remember My Song』(1975年)です。

Labi Siffreは1945年ロンドン生まれの黒人シンガー・ソングライター、ギタリスト、詩人。1970年代に『Labi Siffre』(1970年)、『The Singer And The Song』(1972年)、『Crying Laughing Loving Lying』(1972年)、『For The Children』(1973年)、『Remember My Song』(1975年)、『Happy』 (1977年)といったアルバムをリリースしています。

決して商業的成功を収めたアーティストではありませんが、レア・グルーヴ、フリーソウルのムーブメントの中で再評価が高まった1人ですね。僕もフリーソウルのコンピで初めて知りました。

黒人シンガー・ソングライターという点で、僕の中ではTerry Callierあたりと同じグループですね。ただし、Labi SiffreにはUKならではの雰囲気があります。

フォーキーでソウル/ファンクでロックな感じが魅力ですね。純粋にソウル/ファンク好きの方には物足りなさが残るかもしれませんが、その分曲調がバラエティに富み、楽しめます。

ジャケや名前からもっとアフリカン・フレイヴァーの強いイメージがあったのですが、そういった雰囲気は薄く、ストレートにSSWしている楽曲が目立ちます。その代わり黒人ならではのコクがあるのがいいですねぇ!

イナたいけど小粋な1枚です。

ゴメンなさい!頭の回転が完全ストップ状態です(泣)

全曲紹介しときやす。

「I Got The...」
アルバムのハイライトその1。Eminemが「My Name Is」でサンプリングしたことで一躍有名になった曲ですね。独特の雰囲気を持ったミディアム・ファンクは一度聴いたらクセになる何かがありますね。美しさとダークネスが同居するストリングス・アレンジが好きです。

Eminem「My Name Is」以外にも Jay-Z「Streets Is Watching」、Wu-Tang Clan「Can It Be All So Simple」、Beatnuts「Beatnuts Forever」等のサンプリング・ネタになっています。

「Another Year」
SSWらしいフォーキー・チューン。こういった楽曲にLabi Siffreの本質があるのかもしれませんね。清涼感のみならず、黒人SSWならではのコクが味わい深いですね。

「Down」
個人的にはこの曲が一番のお気に入り。曲が抜群に良いし、フェンダーローズの響きとLabi Siffreのハイトーン・ヴォーカルが僕好みです。タイプは全然違いますが、Donny Hathawayを聴いた時と同様の感動が残る仕上がりです。Labi Siffreのヴォーカリストとしての魅力が一番滲み出ている曲なのでは?名曲の貫禄に溢れていますっ!

「Old Time Song」
ギタリストLabi Siffreの魅力を堪能できる1曲。一歩間違えると野暮ったくなる曲&アレンジなのですが、ギターの魅力+αで感動的な一品に仕上げています。

「The Vulture」
アルバムのハイライトその2。レア・グルーヴ好きやフリーソウル・ファンにはお馴染みのファンク・チューンですね(『Free Soul Moon』収録)。イントロのドラムブレイクを聴いた途端にアドレナリン出まくりです。何処かでSimply RedMick HucknallはLabi Siffreの影響を受けているという記事を拝見しましたが、確かにこの曲を聴くとそんな気がします。

「Dreamer」
歯が浮くようなポップな甘さが魅力です(褒めているんですよ)。Elton Johnあたりが歌うとハマる感じですね(笑)

「Sadie and the Devil」
『461 Ocean Boulevard』『There's One In Every Crowd』の頃のEric Claptonが黒人になって少しファンキーに演奏してみました!って雰囲気ですね。冒頭のカウントがカッチョ良いですな。

「Turn On Your Love」
黒人SSWらしいブルージーな味わいが魅力です。この曲もバックでClaptonがギター弾いていそうなカンジ!

「Remember My Song」
ラストは哀愁モードでじんわり聴かせる感動的なスロウ。イナたい雰囲気が逆に味わいを深めてくれます。

全米オープン・テニスでフェデラーがマレーをストレートで下し、5連覇を達成しましたね。さすが王者フェデラーです。見事な復活に拍手を送りたいですな。

もう限界...おやすみなさい!
posted by ez at 09:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月08日

Freddie Hubbard『Breaking Point』

新主流派Jazzのパワー漲る名盤☆Freddie Hubbard『Breaking Point』
Breaking Point
録音年:1964年
ez的ジャンル:新主流派Jazz
気分は... :ドルフィンズ黒星スタート(泣)

NFLがいよいよ開幕!

我がマイアミ・ドルフィンズの開幕戦は...残念ながらジェッツに「14対20」で黒星スタート。得点だけ見れば1TD差だったのですが、それ以上の実力差を感じました。特に、オフェンスのプレーコールにはイライラしっぱなしでしたね。スミス、ウィリアムズというエース級RB2人を擁するのに、何故その強みを活かさないのか疑問の残る采配でした。

あとはジャッジもジェッツに味方しましたね。いくつか微妙なパス・インターフェアの判定がありましたが、全てジェッツに有利な判定でした。そんな事言っても仕方ないのですが、いずれも勝敗を分けたシーンだったので文句も言いたくなりますよね(泣)

ジェイク・ロングは痛恨のペナルティ2つとホロ苦いデビューになってしまいましたね。次戦からの奮起に期待しましょう。QBぺニントンは、拙いベンチサイドにも関わらず奮闘したと思います。問題はベンチの采配だと思います。パーセルズ・マジックによる立て直しを期待します。パーセルズさん、一発渇入れてよ!

以上音楽に全く関係ない話題でした。NFLおよびドルフィンズに興味がない人はゴメンなさい!

新主流派Jazzを代表するトランペット奏者Freddie Hubbardの久々の登場です。

Freddie Hubbardの紹介は『Hub Tones』(1962年)に続き2回目となります。

Hubbardのキャリアを代表する1枚であると同時に、新主流派の斬新さを実感できる1枚だと思います。モーダルでもあり、フリーの要素も兼ね備え、ストレート・アヘッドな演奏も難なくこなす...Freddie Hubbardというトランペット奏者のスケール感の大きさがわかりますよよねぇ。あとは永遠ジャズ初心者である僕のような聴き手でも、直感的にそのカッチョ良さがわかるところがいいですな。

メンバーはFreddie Hubbard(tp)以下、James Spaulding(as、fl)、Ronnie Mathews(p)、Eddie Khan(b)、Joe Chambers(ds)という布陣です。

記事を書くに際してネットでリサーチしていたら、Ronnie Mathewsが今年の6月28日に死去したのを知りました(享年72才)。彼のキャリアを詳しく知りませんですが、本ブログでも紹介したLee Morgan『The Rumproller』での演奏が印象的でした。謹んでご冥福をお祈り致します。

そんなしんみりモードに便乗する訳ではありませんが、これから秋に向って聴くジャズ・アルバムとしてピッタリな1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Breaking Point」
Hubbardのアグレッシブさを感じることができるタイトル曲。フリー・ジャズ的な導入部からカリプソ風のテーマへと流れ、そこからHubbardのソロへ突入します。メンバー全員の得体の知れないパワーが演奏に表れている気がします。きっと、モードとフリーの合わせ技一本みたいな感じがそんな印象を与えるのかもしれません。

「Far Away」
この演奏はとってもモーダルな雰囲気が漂っています。James Spauldingのフルートがかなり印象的ですね。個人的にはRonnie Mathewsのミステリアスなピアノが好きです。

「Blue Frenzy」
ストレート・アヘッドな中にブルージーな洗練を感じる演奏です。Hubbardのトランペット、James Spauldingのアルト共に鳴り具合が気持ちいいですね。最近、このタイプの小粋な演奏がツボかもしれません。

「D Minor Mint」
僕の一番のお気に入り。疾走感溢れる活き活きとしたアップ・チューンはいかにも僕好み。HubbardとJames Spaulding各自のソロも良いですがが、2人のユニゾンのカッチョ良さにヤラれます。

「Mirrors」
この曲のみJoe Chambers作品。実に美しく感動的なバラードに仕上がっています。美しさの中にもどこかブルーな感じが漂うのがいいですね。秋にぴったりのバラードという気がします。James Spauldingのフルートが秋モードを深めてくれます。Hubbardのトランペットもセピアな感じでグッド!本曲は本作以前にBobby Hutcherson『The Kicker』の中で演奏されていますね。

CDには「Blue Frenzy」、「Mirrors」の別テイクも収録されています。

たった今、全米オープン・テニスでナダルがマレーに敗れました。
いやぁ、向うところ敵なしのナダルが敗れるなんて意外でした...
でも、これでフェデラーの全米五連覇が現実味を帯びてきた気がします。
"王者"の称号は今でもナダルよりもフェデラーにフィットしますからね。

今日は徹夜で仕事していたのでぐったり...「ヤンコビッチS・ウィリアムズ」の女子シングルス決勝が始まるまで、少し仮眠しようっと!
posted by ez at 07:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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