2008年09月06日

Club Des Belugas『SWOP!』

クラブジャズ・シーン注目のドイツ人ユニット☆Club Des Belugas『SWOP!』
SWOP!
発表年:2008年
ez的ジャンル:スウィング系エレクトロ・クラブジャズ/ラウンジ
気分は... :オシャレな週末を過ごすには...

今週末はオシャレな週末を過ごしたい気分...
そんな気分にピッタリなクラブ・ジャズ系作品Club Des Belugas『SWOP!』をセレクト!

リリースされたのは今年の春だったので、随分紹介するのが遅くなってしまいましたが、今年イチオシのクラブ・ジャズ作品の1枚です。

Club Des BelugasKitty the BillMaxim Illionの2人から成るドイツのエレクトロ・クラブジャズ・ユニット。

『Hotel Costes』シリーズや『Star Flyer』といったラウンジ系コンピのコンパイルでお馴染みのフランスのラウンジ・シーンを代表するDJ Stephane Pompougnacが注目するアーティストということでClub Des Belugasに関心を持った方も多いのでは?ラウンジ系コンピで言えば、『Saint Germain Des Pres Cafe』にも彼らの楽曲が収録されています。

2002年にデビュー・アルバム『Caviar At 3A.M.』をリリース。2003年にリリースした2ndアルバム『Minority Tunes』からは「Hip Hip Chin Chin」「Gadda Rio」の2曲がドイツ・クラブ・チャートNo.1を獲得しています。さらに2006年にリリースした3rdアルバム『Apricoo Soul』からは「Wildcats Gotta Move」がクラブ・ヒットするなどドイツ・クラブ・シーンでの存在感は大きくなるばかりです。

そんなClub Des Belugasの4thアルバムが本作『SWOP』です。
レトロ・ヌーヴォーなジャケのイメージをそのままサウンドにしたような内容です。

タイトルの"SWOP"には「SWING+POP=SWOP」または「SWING+BEBOP=SWOP」といった意味合いがあるようです。

50年代ジャズと21世紀エレクトロ・サウンドがラウンジ&Nu Jazzスタイルで見事にまとめ上げられたってカンジですね。ジャズのみならず、ソウル、ラテンの要素もあってバラエティにも富んでいます。

また、コケティッシュなスウェーデン人女性ヴォーカリストAnne Schnell、クールな歌を聴かせるイギリスの白人男性ジャズ・ヴォーカリストIain Mackenzie、アメリカ西海岸を中心に20年以上のキャリアを誇るソウルフルな女性シンガーBrenda Boykin、Don Byron Lester Bowie等との共演で知られるDean Bowmanといった多彩なヴォーカリストが参加しているのも魅力です。

クラブ・ジャズ好き、ラウンジ好きの人はかなりオススメです!

全曲紹介しときやす。

「What Is Jazz」
Nu Jazz好きの人はこの1曲でK.O.されるでしょうね!まさにSWOP!ってカンジのエレクトロ・クラブジャズに仕上がっています。Dean Bowmanのスキットがカッチョ良すぎですな!こんなクラブジャズで週末踊り明かすのも良いのでは? クラブ・モードが更に高まったレーベル・メイトTape Fiveによるリミックスも収録されています。
http://jp.youtube.com/watch?v=zCmgugNYntE

「It's a Beautiful Day」
Anne Schnellのヴォーカルをフィーチャー。スウィンギーで落ち着いたジャズ・ヴォーカル・チューンをラウンジ・テイストに仕上げたカンジですね。Anne Schnellの妖艶なヴォーカルがたまりませ〜ん。

「Frankie」
Iain Mackenzieのヴォーカルをフィーチャーしたエレクトロなクラブ・ジャズ。肩の力が抜けて軽やかなIain Mackenzieのクールなヴォーカルが小粋ですね。

「Peace Will Come with Sleep(Triple Bass Mix)」
Anne Schnellをフィーチャー。大人の週末の夜といった趣の落ち着いたミッド・グルーヴに仕上がっています。

「Some Like It Hot」
パーカッジヴでアッパーな仕上がりは僕好み!クラブ・ジャズ・ファンの方はこういった曲をもっと聴きたいのでは?

「Fred Astaire-Puttin' on the Ritz」
邦題「踊るリッツの夜」と聴けばピンと来る方も多いのでは?そうです、Tacoが1983年に大ヒット(全米ポップ・チャート第4位)させたアノ曲です。オリジナルは1930年のミュージカル映画『Puttin' on the Ritz』のためにIrving Berlinが書いたもの。その後Fred Astaireが映画『Blue Skies』の中で歌ったり、Ella Fitzgeraldもカヴァー・ヒットさせています。なお、国内盤のライナーノーツにFred Astaire『Blue Skies』を1929年公開と表記していますが、1946年公開が正しい記述ですね。

ここではFred AstaireのヴォーカルにレーベルメイトのTape Fiveがブラスのサンプリングを施し、レトロ・スペックなラウンジ・チューンに仕上げています。

関係ありませんが、Taco(タコ)という名前だけで、国内盤のジャケに蛸をあしらわれてしまったTacoは可哀想でしたね(笑)

「She Said No」
ラウンジ好きの方は気に入るであろうラテン・テイストのミッド・グルーヴ。Brenda Boykinのど迫力スキャットもグッド!

「Cats'n Boys」
Anne Schnellのヴォーカルをフィーチャーしたレトロ・モードのジャズ・ヴォーカル・チューン。Anneのヴォーカルってラウンジにピッタリですね。

「Wearing out My Shoes」
日本人好みのボッサ・ジャズ・グルーヴ。 Iain Mackenzieのクールなヴォーカルがボッサな雰囲気を盛り上げてくれます。

「Second Sight」
Brenda Boykinのヴォーカルをフィーチャーしたブラック・フィーリング溢れるソウルフル&スウィンギー・チューン。アングラ系ジャジーHip-Hopが好きな人が気に入る仕上がりなのでは?

「Take Three」
Anne Schnellの甘く気だるいヴォーカルに惹かれます。マッタリ・モードにピッタリなラウンジ・チューン。

「It Don't Mean a Thing」
Duke Ellingtonの名曲「スウィングしなけりゃ意味ないね」のカヴァー。50年代のスウィング・テイストと現代クラブ・ジャズのテイストをうまくブレンドしたトラックをバックに、Brenda Boykinがパワフル&ソウルフルなヴォーカルを聴かせてくれます。

「Road Is Lonesome」
Anne Schnellのヴォーカルをフィーチャーした哀愁チューン。男女の出会いと別れを描いた映画の主題歌になりそうな雰囲気です。

「A Men's Scene」
フレンチ・フレイヴァーのラウンジ・チューン。アコーディオン&ヴァイヴ&ホーン&ストリングスが織り成す優雅なインストに仕上がっています。

「What Is Jazz」
[Tape Five Remix]

「Cats'n Girls」
「Cats'n Boys」の男性ヴァージョン。コチラはIain Mackenzieがヴォーカルをとります。「Cats'n Boys」と対比して聴くと楽しめます。

実に気持ちが優雅になるクラブ・ジャズです。
こんな作品に出会えるからヨーロッパのクラブ・ジャズは魅力的ですよね。
posted by ez at 02:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする