
発表年:2008年
ez的ジャンル:英国産ジャジーHip-Hop
気分は... :秋の味覚とPat D...
昨年聴いた新作アルバムの中で、最もインパクトのあったアルバムの1枚が、年末の『ezが選ぶ2007年の10枚』でもセレクトしたPat D & Lady Paradox『Kind Of Peace』でした。
『Kind Of Peace』は、自身のレーベルA Bridge Too Far Recordingsを立ち上げたトラックメイカーPat Dと20歳の女性MCであるLady Pardoxの2人がMySpaceを通じて意気投合し、作り上げた英国産ジャジーHip-Hopアルバムです。特にPat Dによるピアノ・ループを巧みに使った美しくジャジーなトラックの数々は、紅茶の国イギリスらしいHip-Hopという気がしました。
あれから約半年...Pat D待望の新作アルバムがリリースされました。
今回は単独名義での作品であり、1stソロ・アルバムということになります。
『Kind Of Peace』同様、至福のトラック満載でうっとりですな。
小粋なピアノ・ループを中心とした落ち着いた風情のジャジー・トラックは、まさに日本人好みでしょうね。
『Kind Of Peace』でのパートナーLady Paradox、Pat D & Melodiq名義で12インチEP 「This Is The Time」をリリースした米国ペンシルバニア出身のMCであるMelodiq等多彩なMC/ヴォーカルがゲスト参加しています。
リリース直後に即ゲットし、ここ数ヶ月ヘビロテ状態で聴いていたのですが、このセピア・モードのジャジーなピアノHip-Hopは夏よりも秋にピッタリだと思い、9月に入るまで紹介するのを待っていた次第です。
さんまの塩焼きや焼き茄子が食べたくなる秋味のHip-Hopです。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Relax Your Mind」
Melodiqをフィーチャー。ひたすら美しいピアノのループに思わずニンマリ!Pat DらしいピアノHip-Hopに仕上がっています。
「Laisse Couler L'encere」
共にフランス出身の女性シンガーElodie RamaとラッパーFistoをフィーチャー。Elodie Ramaの気だるいヴォーカルとFistoのフレンチ・ラップが、Pat Dのジャジー・トラックによくマッチしています。
「Retrospection」
UKのHip-HopユニットProseのMCであるEfeksをフィーチャー。遠い昔の記憶に思いを巡らしたくなるノスタルジックな仕上がりです。
「Need Me Around」
『Kind Of Peace』にも参加していたレーベルメイトLauren Jadeをフィーチャー。秋の空を舞うかのようなユラユラした雰囲気がグッド!
「In Control」
MelodiqとLady Paradoxをフィーチャー。 "カクテル・ピアノHip-Hop"とでも呼びたくなる小粋な雰囲気ですね。やはりLady ParadoxのラップとPat Dのトラックの相性はバッチリですな。
「Fly Away」
ニューオリンズ出身の女性MCであるVoiceをフィーチャー。軽くブラジリアン・フレイヴァーの効いた浮遊感溢れるトラックはUS西海岸アングラHip-Hopっぽいですね。爽やかな鳥のさえずりも印象的です。
「Moments」
Lady ParadoxとLauren Jadeをフィーチャー。秋らしい枯れたサックスのループが実に印象的ですね。クールの中にもキュートな魅力が漂うな女性ヴォーカル陣もグッド!
「Good Times」
僕の一番のお気に入り曲。ブリストル出身の女性シンガーEva Lazarusをフィーチャー。Pat Dらしいピアノ・ループとEvaのソウルフル・ヴォーカルでジワジワと高揚してくる感じはまさにグッド・タイムス!
「Come Along」
Melodiqをフィーチャー。男の哀愁感が滲み出た味わい深い仕上がりです。
「Joint Toughts」
Lady Paradoxをフィーチャー。どっぷりピアノHip-Hopって感じのミステリアスな仕上がりです。
「Sily Head」
Lauren Jadeをフィーチャー。50年代の映像が似合うスウィンギーな雰囲気がいいですね。
「Rockin' With The Best」
Melodiqをフィーチャー。美しいりピアノHip-Hopアルバムのエンディング・テーマ
3連休ですね。僕の場合はあまり関係ありませんが(泣)
でも時間を作って、本作のような秋味のアルバムを聴きながら、ゆっくり読書でもしたいですね。