2008年09月18日

Todd Rundgren『Runt:The Ballad of Todd Rundgren』

Toddのアルバムの中で一番好き!☆Todd Rundgren『Runt:The Ballad of Todd Rundgren』
ラントザ・バラッド・オブ・トッド・ラングレン
発表年:1971年
ez的ジャンル:内省的偏屈ポップ
気分は... :Toddのアルバムの中で一番好き!

楽しい時間を過ごしていると、その裏側で虚しい思いが過ぎることがあります。
楽しさ時間は長くは続かない、という儚さが虚しさを呼び起こすのかもしれませんね。

Todd Rundgrenの作品にもそんな思いを強く感じます...
美しいメロディ、ポップなサウンドの裏側に虚しさ、孤独感、切なる願いが溢れていますよね。

ということで、今回はTodd Rundgren『Runt:The Ballad Of Todd Rundgren』(1971年)をセレクト♪

Todd Rundgrenはこれまで以下の3枚を紹介してきました。

 『Something/Anything』(1972年)
 『Hermit Of Mink Hollow』(1977年)
 『The Ever Popular Tortured Artist Effect』(1983年)

今日紹介する『Run:The Ballad Of Todd Rundgren』は、『Something/Anything』『Hermit Of Mink Hollow』と並ぶ傑作アルバムですね。

"本作『Run:The Ballad Of Todd Rundgren』が一番!"というToddファンの方も多いのでは?僕もTodd作品の中からどうしても1枚だけ選べ!と言われたら、本作を選ぶと思います。

ソロ2作目となる本作では、前作『Runt』(1971年)に続き、ベースとドラム以外の楽器は殆どToddが演奏しています。サポート・メンバーとして、Tony Sales(b)とHunt Sales(ds)のSales兄弟、Jerry Scheff(b)、Norman D. Smart(ds)、John Guerin(ds)が参加しています。

ちなみに前作や本作のタイトルにある"Runt"とは、Patti Smithが名付けたToddの愛称であり、当初はToddとSales兄弟のグループ名として考えていたようです。

タイトルからは美しいバラッド集のような印象を受けるかもしれませんが、そこはTodd!しっかりヒネリを効かせています。大体ジャケがピアノに向ったまま首を吊っているToddの後姿ですからね(笑)

Todd作品の中でも内省的でシンガーソングライター的色合いの強いアルバムですよね。
美しいメロディやポップなサウンドにのって、人生の儚さや不条理がToddらしい語り口で描かれていると思います。
孤独な天才"Todd Rundgren"という雰囲気の仕上がりだと思います。

インナーの歌詞に添えられた写真はRon Mael(Sparks)によるものです。
このフォトと歌詞を眺めながら聴くのがいいですよねぇ!

全曲紹介しときやす。

「Long Flowing Robe」
「Wailing Wall」と並ぶお気に入り曲。学生の頃はこの2曲ばかり聴いていました。これぞToddワールド!といった感じのポップ・チューン。サビの♪In a long flowing robe〜♪の部分はサイコーですね!クラビネットの音色もグッド!

「The Ballad (Denny & Jean) 」
DennyとJeanの切ない恋の物語をToddらしい淡々した雰囲気で歌うバラッド。

「Bleeding」
能天気な雰囲気のロック・チューンと思いきや、なかなか泣ける歌詞です。スワンプ&ブルージーなギター・プレイがいいですね。

「Wailing Wall」
一番のお気に入り曲。"嘆きの壁"をモチーフにした、静けさの中で美しさと孤独感が同居する名バラッド。最初の♪There's a grand old maid〜♪という一節を聴いただけで胸に何かが込み上げてきます。その美しいメロディとToddの歌声に癒される一方で、人間がそれぞれ背負っている宿命のようなものに思いを巡らせてしまいます。

Nick DeCaroが名作『Italian Graffiti』の中でカヴァーしています。

「The Range War」
この曲も大好き!スワンプ・フレイヴァーのアーシーなサウンドと多重録音によるコーラスがいいですね。牧場主の親たちの対立を嘆く子供たちの歌ですが、前曲「Wailing Wall」からの流れで聴くといろいろと考えてしまいますね。

「Chain Letter」
Toddのポップ・センスを実感できる曲ですね。シンプルでアコースティックな出だしから、徐々にサウンドが厚みを増し、最後は大合唱と派手なギター・ソロでエンディングを迎えます。小さな部屋で1人で演奏を始めたのに、最後はバンドと大合唱隊をバックに大ホールで演奏していたって感じですね。

「A Long Time, A Long Way to Go」
短いながらも、美しいメロディとクセになるファルセット・ヴォーカルを堪能できます。SSWブームだったこの時代らしい仕上がりなのでは?

「Boat on the Charles」
次作『Something/Anything』を予感させるミステリアスなポップ・チューン。このひねり具合がToddらしい!

「Be Nice to Me」
哀愁モードの脱力感が魅力のバラッド。本気なのか、嫌味なのかわからない切ない歌詞に涙・涙・涙ですっ!ハンド・ベルの音色がチャーミング!

「Hope I'm Around」
美しいメロディとコーラスにグッとくる哀愁バラッド!隠れた名曲だと思います。

「Parole」
出ました!唐突にロックン・ロール!それまでのアルバムの流れが台無しっ!でも、これこそが僕らの大好きなTodd Rundgren!ストレス解消にロックしまくってくれ〜!

「Remember Me」
わずか50秒強ながらグッとくるバラッド!♪Please remember me♪

人生は短く、儚く、不条理だ...
だからこそ前向きに、楽しく、ポップに生きよう!
posted by ez at 01:10| Comment(24) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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