2008年10月13日

Beats International『Excursion On The Version』

レゲエ色を強めた2nd☆Beats International『Excursion On The Version』
Excursion on the Version
発表年:1991年
ez的ジャンル:レゲエ/ダブ系ブレイク・ビーツ
気分は... :三連休は全然休めんかった(泣)

Norman Cook率いるBeats Internationalの2回目の登場!
紹介するのは2ndアルバム『Excursion On The Version』です。

Norman Cook関連作品の紹介は、Beats Internationalの1st『Let Them Eat Bingo』(1990年)、Freak Powerの1stアルバム『Drive-Thru Booty』(1994年)に続き3回目になります。

以前にも書きましたが、僕にとってのNorman CookFatboy SlimよりもBeats InternationalFreak Powerの印象が強いですね。

Beats Internationalについては、一般には1st『Let Them Eat Bingo』の評価が高いと思いますが、個人的には1st以上に本作『Excursion On The Version』を聴いた記憶があります。

UKチャートNo.1の大ヒットとなった「Dub Be Good to Me」をはじめ、世界中の音楽をかき集めたブレイクビーツを聴かせてくれた1stと比較すると、この2ndは思い切りレゲエ色を強めています。そのあたりが評価の分かれるところかもしれませんね。

Norman Cookの手腕が注目されがちですが、黒人シンガーLester Noelのヴォーカルにも注目しましょう!本作における彼のスウィートなヴォーカルの貢献度はかなりポイント高いと思います。

ジャケにはカタカナで「ビーツ・インターナショナル」と表記され、さらにはJ-Waveのジングルのサンプリングに使われているあたりも、日本人にとっては愛着がわいてくるアルバムなのでは?

全曲紹介しときやす。

「Brand New Beat」
特別新しいビートではなく、思い切りレゲエです(笑)それでもスマイリー&ハッピーな感じが好きですね。元気が出てくるオープニング。

「Change Your Mind」
当時の一番のお気に入り曲。 Norman Cookらしいミッド・グルーヴ。妖しげなフルートの音色とLester NoelのセクシーなヴォーカルがNorman Cookワールドへ誘ってくれます。この曲は以前に紹介したFreak Power『Drive-Thru Booty』でも再演されています。両者を聴き比べてみるのも楽しいのでは?

「Love Is Green」
当時、「Change Your Mind」と共にウォークマンでよく聴いていたのがこの曲です。ポップなダンス・チューンに仕上がっています。「Change Your Mind」からシームレスにつながっているのがいい感じですね。さり気なくMarvin Gaye「Sexual Healing」がサンプリングされているのもお気に入りの要因の1つです。

「Echo Chamber」
ファスト・ラッピンでUKダンスホール・シーンを牽引したDaddy Freddyをフィーチャー。ということで思い切りラガな仕上がりと思いきや、ラガなのは一部のみで意外とポップダンスな仕上がりです。とてもNorman Cookらしいかも?

「The Sun Doesn't Shine」
この曲は気持ちいいですね。Lester Noelのスウィートなヴォーカルを堪能するにはもってこいのメロウ・チューン。初期のMaxi Priestあたりと一緒に聴きたくなります。

「Herman」
「Wear your love like heaven」、「Moira Jane's Cafe」、「Now Is Tomorrow」等で知られるDefinition Of Soundをフィーチャー。ダンスホールなリズムとDefinition Of Soundの脱力系ラップの絡みがいい感じです。De La Soulあたりと一緒に聴きたくなります。

「Three Foot Skank」
Daddy Freddy、Wildskiをフィーチャーしたラガ・チューン。名古屋、大阪、横浜、長崎、東京...なんて日本の地名が出てくるのが楽しいです。

「No More Mr Nice Guy」
「Eyes On The Prize」
レゲエ・モードは暫し小休止。「No More Mr Nice Guy」はテンポの良さがいい感じのキャッチーなダンス・チューン。「Eyes On The Prize」は僕好みの哀愁モードのミッド・グルーヴ。

「Ten Long Years」
ラヴァーズ・ロックしているメロウ・チューン。ゆったりと時が流れていく感じが心地好いですね。

「In The Ghetto」
なんとElvis Presleyのカヴァー。意外性のみならず出来栄えも秀逸です。いかにもElvisなオリジナルとのギャップを楽しみましょう。Elvisのオリジナルを聴いたことがない方も哀愁メロウ・チューンとして純粋に楽しめると思います。

「Come Home」
「In The Ghetto」の後に唐突にJ-Waveのジングルのサンプリングが挿入されておりサプライズ!なんて思っているうち、和やかなレゲエ・チューンの本曲が始まってしまいます。ピアニカのチープな音色に癒されます。

本作を最後にNorman CookBeats Internationalでの活動に区切りをつけ、新たにFreak Powerを結成することになります。

三連休は全然連休にならんかった!
週中あたりにでも1日ゆっくり休もうっと。
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2008年10月11日

Alexia Bomtempo『Astrolabio』

MPBの大型新人女性シンガーAlexiaデビュー!☆Alexia Bomtempo『Astrolabio』
Astrolabio
発表年:2008年
ez的ジャンル:アコースティック&ドリーミーMPB
気分は... :今年のマイ・ベストかも?

今日はブラジリアン・ポップス期待の大型新人女性シンガーAlexia Bomtempoのデビュー・アルバム『Astrolabio』です。

今秋は男性R&Bシンガーの新作が豊作!
なんて言っておきながら、この秋僕の一番のヘビロテ・アルバムはコレです(笑)

Alexia Bomtempoは1985年ワシントンD.C.生まれ。母はアメリカ人で父がブラジル人とのこと。7歳までアメリカで過ごした後、父と共にブラジル・リオへ移住。Caetano Veloso、Gilberto Gil、Marisa Monteなどの音楽を聴きながら育ったそうです。17歳の時、音楽の勉強をするために再びアメリカへ...当初はクラシックの発声法を勉強していましたが、その後慣れ親しんだジャズやボサノヴァを歌い始めるようになります。

そして、休暇で戻ったリオで本作のプロデューサー Dadi と出会います。ライブでの共演やデモテープ録音を通じて二人は意気投合すると、Alexiaがブラジルへ帰国して本格的なアルバム制作を開始します。そして2005年夏から2007年春までじっくり時間をかけて完成させたのが本作『Astrolabio』です。

本作における重要人物が二人います。

最初は前述のように本作をプロデュースしたDadiです。DadiはOs Novos Baianosのメンバーとして1970年代前半よりミュージシャンとしてのキャリアをスタート。その後、Jorge Ben、Caetano Velosoをサポートし、1980年代は自身のグループA Cor do Somを率い、1990年代よりMarisa Monteのバック・メンバーに参加します。今やMarisaの片腕として欠かせない存在であると同時に、2005年には自身初のソロ・アルバム 『Dadi』 もリリースしており、ブラジル音楽ファンからの注目度はかなり高いのでは?

二人目はAlexiaの旦那様でありシンガーソングライターのPierre Aderneです。フランス生まれのリオ育ち。
これまで『Casa De Praia』(2005年)、『Alto Mar』(2007年)という2枚のアルバムをリリースしています。2枚共にDadiとの共同プロデュースです。

本作『Astrolabio』は、Alexia BomtempoとプロデューサーDadi、旦那さんPierre Aderneとのコラボといった色合いが強くなっています。本作がMarisa Monteを想起させるのはDadiの影響、一部フレンチな雰囲気を醸し出しているのはPierreの影響なのでしょうね。

とにかく自然体な感じがいいですね。Alexia Bomtempoという素晴らしい素材に対して、江戸前寿司の職人のように素材の旨味を最大限に引き出す仕事をDadiとPierreの二人が施したって感じですかね。

三人の作品以外にCaetano VelosoThe PoliceStevie Wonderのカヴァー等があるのも嬉しいですね。

このまま行くと、僕が選ぶ今年のベスト作は本作になりそうです。

全曲紹介しときやす。

「Pra Dormir Ate Mais Tarde」
Alexia、Dadi、Pierreの3人による共作曲。当初は前述のPierre Aderneの2nd『Alto Mar』に収録予定だったらしいです。自然体のAlexiaのヴォーカルに癒される和みモードのオープニング。

「Mais」
Pierreの『Casa De Praia』にも収録されていた曲。爽快な疾走感がサイコーです。最近仕事で外出する時、移動中にいつもこの曲を聴いています。聴いていると静かにモチベーションが高まってくるのがいいんですよね。

「Cromologia」
Alexia、Dadi、Pierreの3人による共作曲。"アコースティック&ドリーミーMPB"という形容詞がピッタリな仕上がりです。Dadiのパーカッションが心地好く響き渡ります。
http://www.youtube.com/watch?v=L0k-hIg0XD8

「Farol Da Barra」
かつてDadiが在籍していたOs Novos Baianosのカヴァー。以前からAlexiaのライブ・レパートリーだったみたいですね。少しウエットな仕上がりがいいですね。カフェ・タイムに聴くとピッタリ!

「Astrolabio」
この曲もPierreの『Casa De Praia』収録曲。一瞬にしてボッサ気分にどっぷり浸ることができます。サウダージ!

「2 Perdidos」
Dadiの1stソロ『Dadi』収録曲。MPBテイストに加えてフレンチ・ポップスの香りが漂ってきます。

「Roxanne」
The Policeの名曲カヴァーとは意外ですね。ニューウェイヴの名曲が見事な哀愁ボッサ・チューンに生まれ変わっています。

「Nuvem Dagua...」
Alexia、Dadi、Pierreの3人による共作曲。ロマンティックな仕上がりにうっとりです。柔らかな温もりを感じます。日本人が好きそうな曲なのでは?

「Friday Song」
Pierreの『Casa De Praia』収録曲「Bula Da Musica」の英語ヴァージョン。MPBファンというよりSSW好きの人が気に入りそうなフォーキー・グルーヴ。ライブで聴いたら盛り上がりそうな曲ですね。

「Alvo Certo」
Dadiの1stソロ『Dadi』収録曲。穏やかなボッサ・グルーヴに仕上がっています。何気ない幸せ気分にさせれくれる仕上がり。

「O Leaozinho」
Caetano Velosoのカヴァー。CaetanoがDadiに捧げた曲です。エレガントなチェロの調べとDadiのパーカッションの響きがAlexiaのヴォーカルといい感じに絡んできます。

「Paz E Amor」
Dadi、PierreとPaulinho Tapajosの共作。個人的にはさりげなく小粋な感じがかなり好きです。

「My Cherie Amour」
Stevie Wonderの名曲カヴァー。これはかなりの秀逸カヴァーなのでは?ボッサ&フレンチなテイストが楽曲に見事にマッチしています。

今月に入ってプロデューサーDadiの2ndソロ『Bem Aqui』もリリースされましたね。僕はまだ未聴ですが、ぜひチェックしてみようと思います。
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2008年10月10日

Curtis Mayfield『Got To Find A Way』

脇Curtis作品ですが、インスト・パート充実の濃厚なグルーヴ☆Curtis Mayfield『Got To Find A Way』
Got to Find a Way
発表年:1974年
ez的ジャンル:グルーヴィー・ニューソウル
気分は... :ドルフィンズ2連勝!必殺"ワイルド・キャット"

NFLで我がマイアミ・ドルフィンズが2連勝!
開幕2連敗の時は"今年もダメか"と諦めかけましたが、ペイトリオッツ、チャージャースと強豪を連破し、2勝2敗の五分に盛り返してきました。

必殺!"ワイルド・キャット"フォーメーションは観ていて楽しいですね。
週を重ねるごとに相手チームの分析が進み、そうは簡単に突破できなくなるとは思いますが、そのうちブラウンからペニントンへラテラル・パス、さらにペニントンがレシーバーへパスというスペシャル・プレーが観られるかもしれませんね。楽しみです。

NFLに興味がない方は、訳のわからん話でしたね。ごめんなさ〜い!

ニューソウルの旗手Curtis Mayfieldの5回目の登場です。

本ブログでは、これまで以下の4枚のCurtis作品を紹介してきました。

 『Curtis』(1970年)
 『Curtis/Live!』(1971年)
 『Superfly』(1972年)
 『Back To The World』(1973年)

数あるCurtis作品の中でも基本アイテムの4枚ですよね。

このまま基本アイテムで続けるのもいいのですが、ここらで少し脇の作品を取り上げたいと思います。

ということで、5枚目に紹介するのは『Got To Find A Way』(1974年)です。上記の4枚と比較すると取り上げられることの少ないアルバムですが、ワウワウギターやパーカッションによるインスト・パートが充実したグルーヴィーなCurtisサウンドを満喫できる1枚だと思います。

全6曲構成ですが、シングルになった「Mother's Son」、、レアグルーヴ・ファンに人気の「Ain't No Love Lost」 、フリーソウル・ファンにお馴染みの「Cannot Find a Way」等各曲の内容が濃密で完成度が高く、曲数の少なさは全く気になりません。各曲時間長めなので、聴いているうちに結構テンション高くなると思いますよ。

脇の作品なんてCurtis先生に失礼な書き方をしてしまいましたが、Curtisサウンドの持つカッチョ良さを堪能するには、ここらの作品から聴き始めるのも面白いかも?

なんて、『夢をかなえるゾウ』の古田新太演じるガネーシャ並みにいい加減なレコメンドでした(笑)

『夢をかなえるゾウ』を観ながら記事を書いていたらこんな内容に...
水川あさみサイコー!古田新太サイコー!カーティスもサイコー!

全曲紹介しときやす。

「Love Me (Right in the Pocket)」
オープニングからグルーヴィーなCurtisサウンドが全開です。セクシーかつスリリングなギターがサイコーですね。ニューソウルらしい不穏な空気感とCurtisらしい男臭いセクシーさにヤラれっぱなしです!

「So You Don't Love Me」
少しイナたい感じのメロウ・チューン。タイトルの通り♪お前は俺ももう愛してはいない♪という哀愁モードの歌ですが、未練タラタラではなく潔く別れを歌っているのがいいですね。パーカッションがジメジメしていないカラッとした雰囲気を演出してくれます。

「Prayer」
大盛り上がりの後半3曲の前のブレイクって感じです。しみじみとした感じが和みモードにしてくれます。さぁ、小さな祈りを唱えましょう!

「Mother's Son」
さぁ、ここから本作のハイライト三連発!まずはシングルにもなった「Mother's Son」。ミッド・テンポながらソリッドなリズムが緊張感を高めてくれるファンク・チューン。一つひとつの音が鋭いナイフのような切れ味を持っているようです。このテンションを表現できるのはCurtisしかいないでしょうね。

L.L. Cool J「Soul Survivor」、Rakim「It's The R」のサンプリング・ネタにもなっています。

「Cannot Find a Way」
Henry Gibsonのパーカッションが心地好く響く、Curtisらしいミッド・ファンク。ストリングスとホーン・アレンジも秀逸ですね。このあたりはアレンジ担当Rich Tufoの手腕でしょうか。橋本徹氏が本アルバムを"Natural FourLeroy Hutsonが好きな人にオススメ"と紹介していましたが、この曲を聴いていると納得してしまいますね。

Too $hort「I Ain't Nuthin but a Dogg」 のサンプリング・ネタにもなっています。

「Ain't No Love Lost」
レア・グルーヴ・ファンからも人気のファンク・チューン。個人的にもこの曲が一番好きですね。この曲の持つリズムのカッチョ良さって、Bob Marley & The Wailersと共通するものがあると思います。Bob Marleyがファンク・チューンを演奏したらCurtisになってた!みたいな(笑)CurtisもBob Marleyも音から男の色気が漂ってきますよね。

その他の脇Curtis作品では、ディスコへアプローチした『Do It All Night』(1978年)も結構好きですね。
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2008年10月09日

The Jam『Sound Affects』

音楽的な幅を広げた5thアルバム☆The Jam『Sound Affects』
Sound Affects
発表年:1980年
ez的ジャンル:モッズ+パンク+α
気分は... :時代の代弁者...

Paul Weller率いるThe Jamの久々の登場です。
これまでThe Jamは以下の3枚を紹介してきました。

 『All Mod Cons』(1978年)
 『Setting Sons』(1979年)
 『The Gift』(1982年)

4枚の紹介となるのは5thアルバム『Sound Affects』(1980年)です。

3rdアルバム『All Mod Cons』で大ブレイクしたThe Jamは、4thアルバム『Setting Sons』でUKロック・シーンの頂点に立ちます。厳密には80年3月にリリースされたシングル「Going Underground」がグループ初のUKシングル・チャート第1位になった時がThe Jamの絶頂期でしょうが。

名実共にUKロックのNo.1バンドとなったThe Jamが、周囲の大きな期待の中でリリースしたアルバムが『Sound Affects』です。

本作はUKアルバム・チャート第2位という、それまでのグループの最高位を記録しましたが、『All Mod Cons』『Setting Sons』あたりと比較すると評価が分かれたアルバムです。また、“過渡期のアルバム”、“Beatles『Revolver』的なアルバム”といった説明も多いですね。

前作と比較して音楽的な幅の広がりが顕著なアルバムですが、そこの好き/嫌いが分かれるのでしょう。個人的には最初に聴くべきThe Jam作品ではないけれど、『All Mod Cons』『Setting Sons』や代表的なシングル(ベスト盤を活用しましょう)を聴いた後ならば、かなり楽しめるアルバムだと思います。

リード・シングル「Start」は確かにBeatles「Taxman」にそっくりですが、“Beatles『Revolver』的なアルバム”といった説明は一面的な見方だと思います。サイケなアプローチ以外にもR&B/ファンク的なエッセンスを消化しようとしている面も随所にありますしね。

むしろ、次作『The Gift』を踏まえて考えると、R&B/ファンク的な要素に注目した方が興味深く聴けると思います。

当時のイギリスはサッチャー政権下で失業者が増加し、若者や労働階級の人々に閉塞感が蔓延していた時期でした。そんな中で多くの若者が自分たちの代弁者としてPaul Wellerを選んだのでしょうね。

今まさに時代の代弁者が求められているのかもしれませんね。

全曲紹介しときヤス。

「Pretty Green」
Bruce Foxtonのベースが推進力となっているオープニング。切れ味鋭いけど、勢いだけじゃないって感じがJamらしくて好きです。

「Monday」
語られることが少ない曲ですが、なかなかメロディアスでグッド!曇ったポップ感がいいですね。

「But I'm Different Now」
僕の一番のお気に入り曲。「Eton Rifles」、 「Going Underground」あたりがお好きな人ならば気に入るであろう疾走感溢れるストレートなロック・チューン。

「Set The House Ablaze」
「But I'm Different Now」、「Man In The Corner Shop」と並ぶ僕のお気に入り。『All Mod Cons』『Setting Sons』のカッチョ良さをそのまま引き継いでいる感じがいいですね。実にエネルギッシュ!いつ聴いてもイントロでは思わず一緒に口笛吹いてしまいます(笑)

「Start」
アルバムからのリード・シングルであり、「Going Underground」に続きUKシングル・チャート第1位に輝きました。前述のようにBaetles「Taxman」そっくりのベースラインが印象的です。当時の僕はそれが気になって素直に好きになれず、複雑な思いで聴いていましたね。

「That's Entertainment」
アルバムからの2ndシングル。Paul兄貴のソロ・コンサートのレパートリーとしてもお馴染みの名曲ですね。Morrissey等がカヴァーしています。アコギを掻き鳴らすPaul兄貴が実に新鮮でした。この曲のPVはシンプルですがエラくカッチョ良いですよね。
http://jp.youtube.com/watch?v=mv55WsedLYI

「Dream Time」
テープの逆回転からスタートしますが、本編はJamらしい疾走感に充ちたR&Bテイストのロック・チューンです。

「Man In The Corner Shop」
この曲も僕のお気に入り。Paul Wellerのソングライティング能力の成長ぶりを窺える1曲なのでは?この曲もソロのコンサートのレパートリーになっていましたね。コンサートで聴くといかにも盛り上がりそうですよね。

「Music For The Last Couple」
この曲のみメンバー3人の作品としてクレジットされています(残りは全てPaul Weller作品)。Specialsあたりを意識したかのようなスカっぽいテイストが聴けるのが楽しいですね。

「Boy About Town」
モッズ・ヒーローThe Jamらしい1曲。ホーン・セクションの使い方あたりは次作『The Gift』Style Councilを予感させてくれますね。エンディングがThe Who「Kids Are Alright」風で大好きです。

「Scrape Away」
混沌としたムードが漂う1曲。ジャケのイメージにピッタリですね。

この後、Paul Wellerは黒人音楽への傾倒を強めていき、ラスト・アルバム『The Gift』へ向かって突き進んでいくことになります。
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2008年10月08日

Ne-Yo『Year Of The Gentleman』

R&Bシーンに品格を取り戻す?☆Ne-Yo『Year Of The Gentleman』
イヤー・オブ・ザ・ジェントルマン(初回限定特別価格)
発表年:2008年
ez的ジャンル:旬の男系R&B
気分は... :安定感はありますな

男性R&Bシンガー秋の陣の中でも大注目の1枚Ne-Yo『Year Of The Gentleman』です。

発売から約1ヶ月が経過し、既にかなり聴き込んでいる方も多いかと思いますが...

『In My Own Words』(2006年)、『Because Of You』(2007年)という2枚のアルバムでR&Bシーンにおける自身のポジションを確固たるものにしたNe-Yoですが、この3rdアルバムでは既に大物の風格が漂っています。

2nd『Because Of You』は、「Ne-Yo=美メロ」を期待していた人にとって多少物足りなさを感じるアルバムだったかもしれませんね。その点、本作は1st『In My Own Words』収録の「Stay」「So Sick」「Sexy Love」のような美メロ路線の割合が増えているのでは?

プロデュースにはNe-Yo本人の他にStargate、Polow da Don、Stereotypes等が参加しています。中心はStargateですね。

ハウス調のリード・シングル「Closer」を聴いて戸惑い気味だった方も多かったと思いますが、アルバム自体はちゃんとR6Bしています(笑)ただし、より多くの人が楽しめる間口の広いアルバム作りがなされているので、そのあたりが好みの分かれるところかもしれません。

『Year Of The Gentleman』というタイトルには、"R&Bシーンに品格を取り戻す"という思いが込められているようです。

大物ゲストを招くことなく、自身のソングライティング&歌で勝負しているところがいいですね。やはり、美メロR&Bを作らせたら上手いですね。

全曲紹介しときヤス。

「Closer」
アルバムからのリード・シングルとなったStargate & Ne-Yoプロデュースによるダンス・チューン。美メロ・チューンを期待していた多くのR&Bファンにとってはヨーロピアン・テイストのハウス調四つ打ちビートにやや戸惑い気味だったかもしれませんね。その戸惑いはBillboardのホット・チャートでは第7位のヒットとなったものの、同R&Bチャートでは第21位ともう一歩だったチャート・アクションに表れているかもしれませんね。

但し、Ne-Yoがソングライティングを手掛けたJanet Jackson「Rock With U」(2008年)でもヨーロピアン・テイストが顕在化していたことを考えれば、それほど驚くことはない展開なのかもしれませんね。

僕的にはビミョーですね。ハウスも好きですがNe-Yoらしいかと言えば???

「Nobody」
注目曲がズラリと並ぶ前半の中で見落とされがちな曲ですが、なかなかパンチのあるミッド・グルーヴに仕上がっていると思います。 Ne-Yo自身のプロデュース。

「Single」
New Kids on the Blockの再結成アルバム『The Block』のためにNe-Yoが提供した楽曲のセルフ・ヴァージョン。NKOTBヴァージョンと同様Polow da Donがプロデュースしています。現在最も旬なプロデューサーの一人であるPolow da Donのセンスが光る哀愁モードのミディアム・スロウです。

「Mad」
3rdシングル予定曲はStargate & Ne-Yoプロデュースによる美メロ・スロウ。美しいピアノの響きが胸にグッときますねぇ。オーソドックスだけど素直にいい曲だと思いマス。

「Miss Independent」
アルバムからの2ndシングル(Stargate & Ne-Yoプロデュース)。「So Sick」、「Sexy Love」がお好きな方ならば気に入るであろうセクシーなミッド・グルーヴ。Billboardのホット・チャート第11位、同R&Bチャート第5位のヒットとなりました。「Closer」に戸惑い気味だった方もこのミッド・グルーヴを聴いてホッと胸を撫で下ろしたのでは?

この曲のPVはEddie Murphyが主演した映画『Boomerang』(1992年)にインスパイアされたものらしいです。僕自身『Boomerang』を観ていないものなので、詳細はわかりません。ゴメンナサイ!

本曲のリミックス「She Got Her Own (Miss Independent Pt. 2)」ではFabolous & Jamie Foxxがフィーチャーされています。

「Why Does She Stay」
Stereotypesプロデュース。Ne-Yoらしい美メロの哀愁スロウに仕上がっています。「Mad」とセットで聴くとかなり胸に込み上げてくるものがあります。

StereotypesはJoeの新作『Joe Thomas, New Man』でもプロデュースを手掛けていますね。『Joe Thomas, New Man』も購入したものの全然聴きこみが出来ていません。こちらはもう少しちゃんと聴いてから紹介しますね。

「Fade Into The Background」
Shomari "Sho" Wilsonプロデュースによる哀愁ミッド・チューン。少し淡白な感じかな?

「So You Can Cry」
この曲はかなり好き!iPodで聴いていても、この曲はリピートしてしまいます。何気ない曲だけど基本的にソングライティングがしっかりしているのがいいですね。Scyienceプロデュース。

「Part Of The List」
思いきり哀愁モードです。僕には多少仰々しい感じでしょうか(笑)Chuck Harmonyプロデュース。

「Back To What You Know」
Stargate & Ne-Yoプロデュース。Stargate絡みの曲は好き/嫌いは別にして印象に残りますね。本曲ではアコギな展開が印象的です。

「Lie To Me」
「Stop This World」
ラスト2曲はお上品な仕上がり。僕的には少々重たいのですが...

さらにNe-Yoを堪能したい方は、Ne-Yoが関わった他アーティスト作品をコンパイルした企画盤『アイ・ラヴNe-Yo~Ne-Yoソングス』、Ne-YoがChris Brownらと共に出演した映画『Stomp the Yard(ストンプ・ザ・ヤード ストリート・ビート・パック)』あたりもセットでどうぞ!

アイ・ラヴNe-Yo~Ne-Yoソングス(エコバッグ・セット)
アイ・ラヴNe-Yo~Ne-Yoソングス(エコバッグ・セット)

ストンプ・ザ・ヤード ストリート・ビート・パック(3枚組)
ストンプ・ザ・ヤード ストリート・ビート・パック(3枚組)
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