録音年:1966年
ez的ジャンル:新主流派Jazz
気分は... :ウェイン・パーマー...
『24 シーズンVI』を観ています。
シーズンVIにおける重要な登場人物の一人が合衆国大統領ウェイン・パーマーです。
そんなTVを観ていたら何故かウェインつながりのWayne Shorterを聴きたくなりました。
ということで、ジャズ界を代表するサックス奏者Wayne Shorterの2回目の登場です。
『Night Dreamer』(1964年)に続いて紹介するのは、1966年作品『Adam's Apple』です。
『Night Dreamer』を紹介したのは1年半以上前ですが、Weather ReportやMiles Davisの第二期黄金クインテットの作品を紹介しているので、それ程久々という感じがしませんね。
そもそも僕の場合、リーダー作よりもWeather ReportやMiles Davis作品を通じてWayne Shorterの演奏を聴く時間が多いので...特別な存在ではないが気付くとリーダー作以外で結構聴いているというのが、僕の中でのWayne Shorterなのかもしれません。
僕が所有するWayne Shorter作品は、殆どが60年代半ばから後半にBlue Noteで録音したものです。Milesの第二期黄金クインテット在籍期間とほぼ重なっていますね。やはり、新主流派という流れで聴いているのでしょうね。
本作『Adam's Apple』ですが、メンバーはWayne Shorter(ts)、Herbie Hancock(p)、Reginald Workman(b)、Joe Chambers(ds)というワン・ホーン構成です。
名コンポーザーShorterならではのモーダルな名曲「Footprints」の初演が収録されている一方で、タイトル曲はジャズ・ロックしていますし、ブラジリアン・フレイヴァーな曲もあります。バラエティに富んでいるというか、異色作といった見方もできる1枚なのでは?
やはりShorterとHancockの組み合わせは強力ですね。
全曲紹介しときヤス。
「Adam's Apple」
タイトル曲はジャズ・ロックしています。このファンキーな展開は好き/嫌いが分かれるかもしれませんが、僕はなかなか楽しめました。特にHancockもこういったピアノを聴かせてくれるところが興味深いですね。ただし本作に求めるのはこういったジャズ・ロック路線ではないのですが(笑)
「502 Blues (Drinkin' and Drivin') 」
Jimmy Rowles作品。ミッドナイトな雰囲気がいいですね。「Adam's Apple」の後に聴くと、"やっぱりコレだよね"と少しホッとします。特にHancockのエレガントなピアノにうっとりです。
「El Gaucho」
タイトルからもおわかりの通り、ブラジリアン・フレイヴァーの軽快な仕上がり。ブラジリアン・フレイヴァーにモーダルな格好良さも加わりサイコーですね。
「Footprints」
本作のハイライト。作曲家としての評価も高いWayne Shorterですが、本曲もそんな名曲の1つですね。抑制の効いたエレガントかつミステリアスな演奏はモーダル・ジャズの格好良さを存分に堪能できます。この曲がジャズ・アーティストのみならずテクノ系アーティストからもリスペクトされるのは、モーダルな要素に加えて、スピリチュアルな要素もあるからでしょうね。
本曲については、同じ1966年にレコーディングされたShorter、Hancockを含むMiles Davisの第二期黄金クインテットによる演奏と聴き比べると楽しいですよね。以前に紹介した『Miles Smiles』に収録されています。『Miles Smiles』版の方がテンション高めかもしれませんね。また、Lonnie Liston Smith & the Cosmic Echoesが『Cosmic Funk』(1974年)でカヴァーしています。
「Teru」
アルバムの中では一番地味な印象のバラード。この寂しげな雰囲気は秋にピッタリなのでは?
「Chief Crazy Horse」
かなり僕好みの演奏。モーダルながらも激しくダークな雰囲気がいいですね。特にワン・ホーンならではのShorterのカッチョ良さを堪能できる演奏なのでは?Hancockの力強いピアノタッチも素晴らしいです!
「The Collector」
この曲はCDのボーナス・トラック。Herbie Hancock作品です。ボーナス・トラックですが、スピード感と緊張感のあるモーダルな演奏はサイコーです。
未入手の作品では 『Super Nova』 (1969年)、 『Odyssey of Iska』 (1970年)あたりはぜひ手元に置きたいですね。