2008年10月18日

Eddie Palmieri『Unfinished Masterpiece』

創作意欲に満ちていたCoco時代のラスト作。グラミー最優秀ラテン・レコード受賞作☆Eddie Palmieri『Unfinished Masterpiece』
アンフィニッシュド・マスターピース(紙ジャケット仕様)
発表年:1975年
ez的ジャンル:プログレッシヴ・へヴィ・サルサ
気分は... :サルサでマインド・リセット!

今朝は寝坊してしまい、スケジュールの変更を余儀なくされ少しイライラ気味...
こんな時はサルサでも聴いて気分をリセットしようかな。

ということで、ニューヨーク・サルサの巨人Eddie Palmieriの登場です。
今日紹介するのはCoco時代の最終作『Unfinished Masterpiece』(1975年)です。

Eddie Palmieriの紹介は、Harlem River Drive名義の『Harlem River Drive』(1971年)、『Vamonos Pal Monte』(1971年)に続き3回目となります。

Eddie Palmieriについては、ここ1年ほど『Sentido』(1973年)、『Sun Of Latin Music』(1974年)、『Unfinished Masterpiece』(1975年)といったCoco時代の作品がお気に入りです。

本当は一番のお気に入り作『Sentido』を紹介したかったのですが、Amazonにジャケ画像がなかったので、『Unfinished Masterpiece』をセレクトしました。

『Unfinished Masterpiece』は、前作『Sun Of Latin Music』に続き2年連続グラミー賞の最優秀ラテン・レコードを受賞した作品です。

タイトル(未完成のマスターピース)が気になりますね。
創作意欲に満ちていたPalmieriの常にサルサを進化させるという意気込みかもしれませんし、実際の未完成部分に関してのレコード会社に対する皮肉かもしれません。

後者に関して、Palmieriは本作収録の「Kinkamache」の出来に不満を持ち再レコーディングを望んだものの、レコード会社側に受け入れられず、そのままリリースされることに...それが引き金となってCocoレーベルを去ったという経緯があった模様です。

まぁ、そんなことは脇に置いといて、ハードドライヴィングなへヴィ・サルサを楽しみましょう。特に最初の4曲はかなりテンション高くていいですよ!

Lalo Rodriguez(vo)、Alfredo De La Fe (vln) らがバックを務めます。「Resemblance」のみEddie Martinez(el-p)、Jeremy Steig(fl)、Mike Lawrence(flh)、Ron Carter(ds)、Steve Gadd(ds)といったジャズ系ミュージシャンをゲストに招いています。プロデュースはHarvey Averneが務めています。

全曲Palmieri自身の作品です。

全曲紹介しときヤス。

「Puesto Vacante」
哀愁モードのメロディとサルサらしいリズムの洪水が絡み合う、まさに"へヴィ・サルサ"な仕上がりです。ご機嫌なホーン隊と乱れ打つNicky Marreroのティンバレスがサイコーです!

「Kinkamache」
前述のように問題のトラックです。Palmieri本人は不満だったらしいですが、個人的はかなり気に入っています。Palmieriの鋭角なピアノ・プレイ、Lalo Rodriguezの初々しいヴォーカルが印象的な腰にズンズン響いてくるサルサ・グルーヴです。

「Oyelo Que Te Conviene」
スピード感がとにかくカッチョ良いですね。特に中盤のパーカッション隊とPalmieriのピアノの絡みはテンション高くなりますね。10月なのに熱くなりすぎて汗が滲んでくる...

「Cobarde」
10分を超えるデスカルガ。きっちり構想された楽曲も悪くはないですが、ラテンの熱い血を堪能するにはデスカルガ(サルサのジャム・セッション)やライブがいいですね。本曲ではサルサならではの醍醐味に加えて、ジャズやファンクをも呑みこんだフリーキーな演奏を聴くことができます。

「Random Thoughts」
これまでのハイテンションなへヴィ・サルサ・グルーヴとはうって変わり、現代音楽風の(殆ど)ピアノ・ソロです。途中微かにラテンの香りもしますが、何の先入観もなく聴いたらラテン・ピアニストの演奏だとわからないのでは?Palmieriの幅の広さを感じます。

「Resemblance」
前述のようにジャズ系ミュージシャンをゲストに招いた曲です。Palmieri自身はプレイするというよりも楽曲/コンセプト提供といった役割なのだと思います。Eddie Martinezのアレンジは見事ですし悪くはありませんが、まんまジャズな演奏はアルバムの中で少し違和感を感じますね。

『Sentido』(1973年)、『Sun Of Latin Music』との3枚セットでどうぞ!
posted by ez at 14:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする