2008年10月29日

Kenny Drew『Dark Beauty』

エキサイティング&リリカルなKenny Drewの代表作☆Kenny Drew『Dark Beauty』
Dark Beauty録音年:1974年
ez的ジャンル:エキサイティング&リリカル系ジャズ・ピアノ・トリオ
気分は... :落ち着きませんが...

今週は忙しくて記事投稿する時間が全くありません(泣)
来週前半あたりまでこんな調子かも?ゴメンナサイ...

こんな忙しない時にはジャズ・ピアノが聴きたくなります。
ということで今日はKenny Drewの代表作『Dark Beauty』(1974年)です。

Kenny Drewは1928年N.Y.生まれ。1950年代前半はBud Powellスタイルのピアノを弾いていましたが、脚光を浴びることは少なかったようです。

1961年にパリに渡り、その後デンマークのコペンハーゲンへ移り、有名なCafe Montmartreを活動の拠点にします。ここでNiels-Henning Orsted Pedersen(b)、Albert "Tootie" Heath(ds)と出会い、トリオを結成します。ここでDrewはBud Powellスタイルから脱皮し、より繊細でリリカルな自身のスタイルを確立します。

そして今日紹介する『Dark Beauty』をはじめ、70年代にSteepleChaseでレコーディングした作品で人気が高まりました。

本ブログで紹介した作品で言えば、John Coltrane『Blue Train』Dexter Gordon『Dexter Calling...』でKenny Drewの演奏を聴くことができます。

でも僕が持っているKenny Drewのリーダー作は本作『Dark Beauty』のみです。『Everything I Love』(1973年)、『Duo』(1973年)、『If You Could See Me Now』(1974年)等の作品も聴きたいのですが...

『Dark Beauty』はおそらくDrewの最も有名な作品であり、日本でも本作をきっかけに人気が出たらしいです。

Kenny Drew(p)、Niels-Henning Orsted Pedersen(b)、Albert "Tootie" Heath(ds)というお馴染みのトリオでのレコーディングです。

黒人ピアニストならではのブラック・フィーリングとヨーロッパで培ったエレガント&リリカルな感性を兼ね備えたDrewのピアノを堪能できます。

また、Pedersenのベース、Heathのドラムもかなりインパクトがあります。特にPedersenのベースの存在感は凄いですね。ベースという楽器が脇役ばかりではなく、十分主役になることを再認識させられました。Heathのドラムも全然ジャズ・ピアノ・トリオらしくなくて面白いです。

ジャケの印象からすると「静」のイメージですが、意外に「動」のエキサイティング&スウィンギーな演奏を堪能できるアルバムです。

全曲紹介しときヤス。

「Ran Away」
この演奏はインパクトがあります。この1曲を聴いただけで本作が名盤と言われるのがわかる気がします。主役はKenny Drewと言うよりもベースのNiels-Henning Orsted Pedersenでしょうね。Drewのピアノとの絶妙な掛け合いがたまりません。全体としては小粋なアップテンポのブルースに仕上がっています。Per Carsten作品。

「Dark Beauty」
タイトル曲はKenny Drewオリジナルのバラッド。ヨーロピアンな気品とブラック・フィーリングのコクが同居する美しい演奏がいいですね。ダークな暗闇の中に一筋の光明が....ぐったり疲れている僕の心を癒してくれます。

「Summer Nights」
ポピュラー作曲家Harry Warren作品(1937年の映画『Sing Me a Love Song』の主題歌)。Miles DavisやChick Coreaの演奏が有名かもしれませんね。タイトルとは矛盾しますが、秋の夜長にぴったりなDrewのリリカルなピアノが魅力です。

「All Blues」
名盤『Kind of Blue』収録曲としてお馴染みのMiles Davis作品。Albert "Tootie" Heathのドラムがなかなかスリリングでグッドです。

「Felicidade」
オリジナル未収録曲。フランス映画『Orfeu Negro(黒いオルフェ)』のサントラにも収録されたAntonio Carlos Jobim/Vinicius de Morais作の有名なボッサ・ナンバーです。本ブログでは以前にRamsey Lewis Trioの演奏を紹介しました(『The In Crowd』収録)。ここではそれほど極端にボッサしておらず、それよりもスピード感が目立つ演奏になっています。

「It Could Happen to You」
この演奏をアルバムのハイライトに推す人も多いのでは?全体的に小気味良くスウィンギーな演奏が大好きです。ウキウキ感たっぷりのDrewのピアノがいいですね。ハジけてます!このトリオの個性と魅力が堪能できると思います。Jimmy Van Heusen作品。

「Love Letters」
1945年の映画『Love Letters』の主題歌(Victor Young作品)。この曲は Pedersenの力強いベースと共に、Drewがグルーヴィーなピアノを聴かせてくれます。。

「Silk Bossa」
タイトル通り、ライトなボッサ・チューンです(Thomas Clausen作品)。スタイリッシュな落ち着きがいいですね。永遠のジャス初心者の僕としては、こういった演奏に弱いんですよね。

「In Your Own Sweet Way」
オリジナル未収録曲。Miles DavisWes MontgomeryBill Evansなども演奏しているDave Brubeck作品です。ピアノ・トリオのエレガントな魅力を存分に堪能できます。

「A Stranger in Paradise」
オリジナル未収録曲。1954年のミュージカル『Kismet』挿入曲(Robert Wright/ George Forrest作品)であり、ロシアの作曲家Alexander Borodinの「Polovtsian Dance」がベースになっています。邪道かもしれませんが、僕の一番のお気に入りはこの演奏です。エレガントでありながらスリリングなこのトリオの魅力が凝縮されている気がします。『If You Could See Me Now』(1974年)でもこの曲を聴くことができます。

どうにか今日はさぼらずに記事投稿できました。
明日はどうなることか...
posted by ez at 11:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする