2008年11月21日

John Patton『Got A Good Thing Goin'』

Grant Greenとの相性バッチリ!B級オルガン・ジャズの醍醐味を堪能あれ!☆John Patton『Got A Good Thing Goin'』♪
Got a Good Thing Goin'
録音年:1966年
ez的ジャンル:ファンキー・オルガン・ジャズ
気分は... :空を見る!

今日はオルガン・ジャズが聴きたい気分です。
ブログで記事を重ねていくうちに気付いたのですが、僕は案外オルガン・ジャズが好きなのかもしれません。リラックスして聴けるB級感と、オルガンという楽器の持つソウルフルな魅力に惹かれているのかも?

前にも書いたことがありますが、僕の中でジャズ・オルガン奏者といえば、真っ先に思い浮かぶのはJimmy Smithの名前です。実際、保有CD枚数もジャズ・オルガン部門ではトップです。

しかしながら、最近あまりJimmy Smithの作品を聴いていません。それよりもJack McDuff、Lonnie Smith、Larry YoungJimmy McGriff、そして今日紹介するJohn Pattonあたりを好んで聴いている気がします。何故だろう?B級のカッチョ良さをより堪能できるからかもしれませんね。

ということで、"Big" John Pattonのアルバム『Got A Good Thing Goin'』(1966年)です。

"Big" John Pattonの紹介は『Let 'Em Roll』(1965年)に続き2回目になります。
そう言えば、『Let 'Em Roll』はアクセス数で見る限り、アクセス数が少ない不人気作品の1つです(泣)。ジャズ・オルガン奏者の中でも知名度が低いのかもしれませんね。

本作『Got A Good Thing Goin'』『Let 'Em Roll』同様、知名度の低い作品かもしれません。しかし、内容は『Let 'Em Roll』同様、捨て曲ナシの充実作です。

John Patton(org)、Grant Green(g)、Hugh Walker(ds)、Richard Landrum(conga)というメンバー構成。相性バッチリ!Grant Greenの参加もサイコーですが、パーカッション好きの僕としてはコンガRichard Landrumの参加もポイント高いかも?

主役はやはりPattonとGreenです。
特にGreenの絶好調ぶりは凄いですね。自身のリーダー作並みに気合いが入っており、Grant Greenファンにとってはマスト・アイテムかもしれません!

Marvin Gaye、Otis Redding、Sam Cookeでお馴染みの曲も収録されており、ソウル・ファンや普段ジャズを聴かない方が聴いても楽しめる作品になっていると思います。

B級オルガン・ジャズの醍醐味を堪能あれ!

全曲紹介しときやす。

「The Yodel」
PattonとGreenの共作によるご機嫌なファンキー・チューン。いきなりギア全開といった感じですね。とにかくGreenのギターが絶好調!タイトルの通り、ヨーデルのようなフレーズが出てくるのも楽しいですね。それに負けじとPattonのオルガンの応酬します。Hugh WalkerとRichard Landrumのリズム隊の疾走感もグッド!コンガによるパーカッシヴな展開が僕好みです。この1曲を聴くだけでも本作をゲットする価値があると思います。

「Soul Woman」
この曲もPattonとGreenの共作。やや抑えめの演奏ながらもソウルフルな雰囲気がグッドです。GreenとPattonのソロはいずれも実にセクシーですね。PattonとGreenの相性の良さを改めて実感できる演奏です。

「Ain't That Peculiar」
Marvin Gayeによる1965年のR&BチャートNo.1ヒット(Smokey Robinsonソングライティング&プロデュース)のカヴァー。オリジナルのカッチョ良さにもグッときますが、オリジナルとは異なるオルガン・ジャズならではのカッチョ良さを堪能できます。

「Shake」
Otis Reddingのヴァージョンでもお馴染みのSam Cooke作品。個人的には本ブログで紹介したSmall Facesのカヴァーを聴く頻度が一番多いのですね。OtisやSmall Facesのテンション高めの演奏を聴き慣れている方にとっては、本ヴァージョンは少し薄味な印象を受けるかもしれませんね。それでもソウルフルなPatton & Greenのソロはなかなか魅力的です。

「Amanda」
ラストはDuke Pearson作品。Duke Pearson自身のヴァージョンはアルバム『Wahoo!』に収録されています。小粋でソウルフルなオルガン・グルーヴを堪能できます。

Lonnie Smith、Jimmy McGriffも未紹介なので、近々紹介しますね。Jimmy Smithも1回紹介したのみで暫くご無沙汰ですね。こちらも近々取り上げたいと思います。
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2008年11月20日

Stereolab『Emperor Tomato Ketchup』

スタイリッシュかつポップになった4thアルバム☆Stereolab『Emperor Tomato Ketchup』
Emperor Tomato Ketchup
発表年:1996年
ez的ジャンル:オシャレ系UKポストロック
気分は... :勝つには勝ったけど...

サッカーW杯アジア最終予選「カタール対日本」は日本が3対0で快勝しました。

まぁ、マスコミは試合運びを評価しているようですが、個人的には不安を感じる内容でした。戦いのコンセプトは良かったけど、まだまだ選手の技量が追いついていない印象を受けましたね。アウェー、グランド・コンディション等を考慮すれば仕方がないことなのかもしれませんが...

今の状態ならばオーストラリアに勝つことは難しい気がします。
アジア・モードのサッカーはオーストラリアには通用しないのでは?

中田英が登場した時のような期待の新星を待ちわびているのですが、先日のU-20W杯アジア予選に敗退し、7大会連続の出場記録が途切れてしまった今の日本サッカー界では難しいのかなぁ?

さて、UKポストロックの先駆者、Stereolabの3回目の紹介です。

『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』(1999年)、 『Dots And Loops』(1997年)に続いて紹介するのは、スタイリッシュなポップ感覚が増した人気作『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)です。

Stereolabの記事では毎回書いていますが、僕の場合、『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)、 『Dots And Loops』(1997年)、『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』(1999年)、『First Of The Microbe Hunters』(2000年※ミニ・アルバム)の4枚を聴く頻度が圧倒的に多いですね。。

それ以前の実験的かつラフなサウンド作りも魅力がありますが、Laetitia SadierMary Hansenのヴォーカルを活かしたオシャレなポップ・サウンドが聴ける上記4枚が僕にはど真ん中でした。きっと当時"渋谷系"のサウンド、アーティストがお好きだった方は、僕のように上記4枚にハマったのでは?

そんなポップ路線の第1弾となったアルバムが本作『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)です。ファンの方ならばご存知の通り、タイトルは故寺山修司が監督した実験的な短編映画『トマトケチャップ皇帝』(1970年)からとったものです。

制作面で話題になったのはTortoiseJohn Mcentireがプロデュースで参加したことですね。本作以降、シカゴ音響派人脈との交流が続くことになります。Stereolab作品ではお馴染みHigh LlamasSean O'Haganも参加しています。

ポップになったと言っても、次作 『Dots And Loops』以降と比較すると従来のエクスペリメンタルな雰囲気も残っています。そのあたりが人気、評価が高い理由かもしれませんね。

いつ聴いても近未来的ラウンジ感覚が快感ですね。

全曲紹介しときやす。

「Metronomic Underground」
オープニングは従来のStereolabらしい実験的なサウンドを聴くことができます。Hip-Hop的な雰囲気もあって面白いです。微妙にサウンドが変化していく様がいいですね。

「Cybele's Reverie」
オシャレなポップ路線を印象付けてくれた名曲。僕の一番のお気に入り曲です。近未来的なんだけどノスタルジックといった感じが好きですね!Sean O'Haganのストレンジ・アレンジもお見事です。
http://jp.youtube.com/watch?v=hfabj80NzEw

「Percolator」
「Cybele's Reverie」と並ぶお気に入り曲。まさに近未来のカフェ・ミュージックって雰囲気ですね。フランス語の語感の響きが何ともオシャレ!
Percolator(Live)
http://jp.youtube.com/watch?v=frxC3uyzjSw&feature=related

「Yper-Sound」
チープなピコピコ・サウンドが何故かオシャレに聴こえてきてしまいます。

「Spark Plug」
今回聴き直していて、かなり気に入ったのがこの曲。♪ラ・ラ・ララララ〜♪こんなにスタイリッシュな仕上がりだったっけ?

「Olv 26」
非日常的なポップ感覚にグッとくる1曲。適度にエクスペリメンタルな雰囲気もいいですね。

「The Noise of Carpet」
ポップなスピード感が魅力!従来のStereolabとポップ路線のStereolabがうまく融合している気がします。Laetitia SadierとMary Hansenのヴォーカルの絡み方がいいですね。
http://jp.youtube.com/watch?v=Il4cvsEiJJg&feature=related

「Tomorrow Is Already Here」
シカゴ録音のせいか、シカゴ音響派の色合いが濃い仕上がりですね。不思議な音世界へ誘ってくれます。
http://jp.youtube.com/watch?v=_7b76Wxv1cE&feature=related

「Emperor Tomato Ketchup」
タイトル曲は、ピコピコ&バタバタ・モードの仕上がりです(意味不明?)。

「Monstre Sacre」
ヨーロピアンな哀愁モードの仕上がり。アルバムの中では少し異質な雰囲気があります。

「Motoroller Scalatron」
近未来的イナたさってこんな感じなのかも?

「Slow Fast Hazel」
StereolabとHigh Llamasの魅力が融合したような仕上がりです。かなり好き!

「Anonymous Collective」
ラストはダーク・モードで締めくくります。不気味な雰囲気が次第に和らいでいく感じがいいですね。

腹減ってきた。そろそろランチにしようっと!
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2008年11月19日

Phyllis Hyman『You Know How To Love Me』

大人気タイトル曲をはじめ、セクシーかつダイナミックなヴォーカルを堪能できる1枚☆Phyllis Hyman『You Know How To Love Me』
You Know How to Love Me
発表年:1979年
ez的ジャンル:フェロモン系女性R&B
気分は...:鼻血ブー!

今日は1970年代半ばから90年代にかけて活躍した女性シンガーPhyllis Hymanの紹介です。

Phyllis Hymanは1941年フィラデルフィア生まれ。いくつかのグループに参加した後、N.Y.でクラブ・シンガーとして活動し、評判を高めていきます。そして、Norman Connorsのヒット・アルバム『You Are My Starship』(1976年)でMichael Hendersonと共にフィーチャーされ、注目される存在となります。

その流れでBuddahからデビュー・アルバム『Phyllis Hyman』(1977年)をリリースします。その後はArista及びPhiladelphia Internationalから、『Somewhere in My Lifetime』(1978年)、『You Know How to Love Me』(1979年)、『Can't We Fall in Love Again?』(1981年)、『Goddess of Love』(1983年)、『Living All Alone』(1987年)、『Prime of My Life』(1991年)といったアルバムをリリースしています。

着実にキャリアを重ねていた彼女でしたが、1995年Apollo Theatreでの公演を前に自ら命を絶ってしまいます。彼女の死後に最後のオリジナル作『I Refuse to Be Lonely 』(1995年)がリリースされました。

今日紹介する『You Know How to Love Me』(1979年)は、大人気のタイトル曲を含むArista移籍第2弾アルバム。プロデュースは名コンビJames Mtume & Reggie Lucas

バック・ヴォーカルのTawathaをはじめ、バックもMtumeのメンバーで固められています。さらにはJames Mtume & Reggie Lucasコンビがプロデュースしたサックス奏者Gary Bartzもゲストで参加しています。バック・ヴォーカルにはGwen Guthrieの名もあります。

女優/モデルもしていたというセクシーな容姿も手伝って、"セクシーなお姉さま"という印象が強いシンガーですね。

僕の場合、Phyllis Hymanは前述のNorman Connors『You Are My Starship』やJames Mtume & Reggie Lucas関連作品のベスト盤『The Best of Mtume and Lucas』あるいはフリーソウルのコンピでは聴いていましたが、オリジナル・アルバムは持っていませんでした。

『You Know How to Love Me』についても、タイトル曲や「Under Your Spell」といったヒット曲は前述の『The Best of Mtume and Lucas』に収録されていたので購入するかどうか迷ったのですが...やはりオリジナル・アルバムで持っていたいとの思いから購入しました。

「You Know How to Love Me」「Under Your Spell」というシングル2曲の出来が素晴らしいのは当然のこととして、それ以外の曲もバラエティに富んでいて楽しめます。ダンス・チューンばかりではなく、妖艶なスロウやジャズ・テイストのヴォーカルも堪能できます。

いつ聴いてもPhyllisの中低音ヴォーカルはフェロモン出すぎですね。
聴いているうちに鼻血ブーになりそうです!

全曲紹介しときやす。

「You Know How to Love Me」
タイトル曲はシングルとしてR&Bチャートの第12位となりました。彼女のキャリアを代表するダンス・クラシックです。いつ聴いても元気が出てきますね。このワクワク感がたまりません。James Mtume & Reggie Lucasプロデュース作の中でもダントツで好きな1曲です。Lisa Stansfieldがカヴァーしていました。

「Some Way」
Phyllisの中低音ヴォーカルを堪能できるスロウ。とっても大人の雰囲気が漂う仕上がりです。

「Under Your Spell」
「You Know How to Love Me」に続きシングル・カットされました。胸キュン・モードの心地好いミッド・グルーヴ。ポップでメロウなサウンドがサイコーですね。Tawathaを中心としたバック・コーラス隊もかなりいい仕事しています!

「This Feeling Must Be Love」
情熱的かつキレのあるヴォーカルで迫る力強いミッド・チューン。

「But I Love You」
ストリングスをバックにした壮大なバラード。低音ヴォーカルが実に艶やかです。

「Heavenly」
軽快なディスコ・チューン。お色気たっぷりヴォーカルで天国へ昇天しそうです!

「Hold On」
この曲もイケイケ・ディスコ・チューン。サウンドが少々仰々しいですが、Phyllisのパワフルなヴォーカルにマッチさせるにはこの位大袈裟なサウンドが必要なのかもしれませんね。

「Give a Little More」
Gary Bartzのサックス・ソロで幕を開ける大人のミッド・チューン。シングル2曲以外ならば、この曲が一番好きですね。大人のアーバン・ナイトといった感じが好きです。

「Complete Me」
この曲でもGary Bartzのサックスを大きくフィーチャーしています。ジャズ・テイストのシンガーであるPhyllisの魅力を堪能できる仕上がりです。

これを機に他のオリジナル・アルバムも聴いてみたいと思います。
まずは『Can't We Fall In Love Again』あたりから...

James Mtume & Reggie Lucas関連作品を手軽に楽しみたい方は前述の『The Best of Mtume and Lucas』がおトクかも?
The Best of Mtume and Lucas
The Best of Mtume and Lucas
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2008年11月18日

Q-Tip『The Renaissance』

遂にQちゃん復活!☆Q-Tip『The Renaissance』
The Renaissance
発表年:2008年
ez的ジャンル:ルネッサンス系Hip-Hop
気分は... :Qちゃん復活!(髭男爵風に)ルネッサ〜ンス!

遂にQちゃん復活!
と言ってもマラソンのQちゃんではありません...って、みんな書いているんでしょうね(笑)

Hip-Hop界のQちゃん、Q-Tipの8年ぶりの新作『The Renaissance』(2008年)です。

先日のA Tribe Called Quest『People's Instinctive Travels And The Paths Of Rhythm』の記事でも書いたとおり、実際に店頭で手に取るまでは安心できない心境だったので、無事こうして聴くことができただけで大感激ですね。

ATCQの中心人物として90年代のHip-Hopシーンを牽引してきたQ-Tipでしたが、ATCQ解散後は地味な感じでしたよね。
1stソロ『Amplified』(1999年)は成功とも失敗とも言えないビミョーな結果だったし、幻の2ndソロ『Kamaal the Abstract』はリリースを見送られ(現在ではその音源を聴くことができますが)...とファンにとっては寂しい限りでしたよね。

ATCQのレア・トラック集などを聴きながら、"Q-Tipは新作をリリースしないのかなぁ"と待ちわびていたファンの方も多かったのでは?僕もそんな一人でしたぁ。

個人的には新作をちゃんとリリースしてくれた!というだけで満足なのですが、内容もサイコーなので二重の喜びです。

Raphael Saadiq、故J DillaNorah JonesD'Angeloといった豪華ゲストの参加も嬉しいですが、アルバム全体支配するジャズ・テイストが印象的です。"ジャジー"というよりも"ジャズ"なんですよね。その意味ではバックに配したジャズ系ミュージシャンの好サポートぶりが目立ちます。

マラソンQちゃんは引退しましたが、Hip-Hop界のQちゃんには復活してもらわねば!

内容云々に関係なくミーハー気分で今年のNo.1Hip-Hopアルバムは本作で決まり!

全曲紹介しときヤス。

「Johnny Is Dead」
復活アルバムのオープニングは大人のHip-Hopといった雰囲気ですね。ジャズ・ギタリストKurt Rosenwinkelのギターの響きが印象的です。

「Won't Trade」
Ruby Andrews「You Made A Believer Out Of Me」ネタのイナたいトラックがいいですね。シカゴ・ソウル・フレイヴァーのはずがだんだん演歌フレイヴァーに聴こえてきてしまい...♪エンヤコラ〜♪エンヤコラ〜♪なんて歌いたくなるのは僕だけでしょうか(笑)

「Gettin' Up」
アルバムからのリードシングル。Madlib「Understanding (Comprehension)」でもお馴染みBlack Ivory「You and I」ネタの軽快で明るいトラックがQ-Tipらしいですね。スコーンと突き抜けたラップ&トラックが今までのモヤモヤを一発で吹き飛ばしてくれます。サイコー!GapのCMっぽいPVも大好き!
http://jp.youtube.com/watch?v=Hki_gfj8l3k&feature=related

オリジナルに加え、Swizz Beatzがプロデュースしたリミックスも話題ですね。女性ラッパーEveをフィーチャーし、トラックはPuff Daddy「It's All about the Benjamins」ネタです。こちらもなかなか楽しめます。
Q-Tip Feat. Eve「Gettin Up(Remix)」
http://jp.youtube.com/watch?v=OVYDG1PgOKY

「Official」
生音バックがいい感じのライト・グルーヴ。ジャジーなHip-Hopと言うよりも、ジャズの演奏に合わせてラップしているって雰囲気ですね。

「You」
ジャズ・ファンにはお馴染みの期待のピアニストRobert Glasperが参加しています。Glasperのリリカルかつエレガントなピアノに合わせて、Qちゃんが哀愁ラップを聴かせてくれます。秋〜冬にピッタリな仕上がりです。

「We Fight/We Love」
Raphael Saadiqをフィーチャー。この2人の相性の良さは聴く前からバッチリというのがわかりますよね。ジャズ・サウンドに合わせて、どこか懐かしい哀愁メロウな歌&ラップを聴かせてくれます。Cafe Jacques「Meaningless」ネタ。

「Manwomanboogie」
女性ラッパーAmanda Divaをフィーチャー。正直、アルバムで一番カッチョ良い曲だと思います。ただし、Q-TipやAmanda Diva以上にエキサイティングな演奏を聴かせてくれるバック陣がカッチョ良すぎです。特にベースのAntuan Barrettがサイコー!Can「A Spectacle」ネタ。

「Move」
2ndシングルは故J Dillaプロデュース曲です。Jackson 5「Dancing Machine」をサンプリングしたダンサブルな仕上がりです!PVのQちゃんもどこかMJっぽいですよね(笑)ご機嫌な曲ですが、これがJ DillaとQ-Tipの最後のコラボだと思うと感慨深いものがあります。
http://jp.youtube.com/watch?v=CI2szueHoL8

「Dance on Glass」
イントロのアカペラが印象的ですね。Qちゃんらしいフロウを堪能できる1曲。

「Life Is Better」
Norah Jonesをフィーチャー。意外な組み合わせの実現ですよね。Norahの優しく湿り気のあるヴォーカルとお経のようなQちゃんラップ絡みは納豆カレーを食べたような気分(?)...案外合うんじゃない?落ち着いたジャズ・サウンドは、QちゃんよりもNorahのフィールドに近いと思います。そう考えると、それほど意外な組み合わせではないのかも?

「Believe」
D'Angeloをフィーチャー。この二人が組むと"浮遊感×浮遊感"といった感じですね。不思議な世界の中で至極のフワフワ気分になれます。 気分はへヴン???Youtubeにもこの曲がアップされていましたが、アルバム収録のヴァージョンとは異なるものでした。アルバム・ヴァージョンの方が二人の魅力である浮遊感を堪能できる仕上がりで好きです。Cannonball Adderley「Pisces: Allison's Trip」 ネタ。

「Shaka」
バラク・オバマ次期合衆国大統領絡みの曲として話題になりましたね。やはり、初のアフリカ系大統領誕生というのは我々が考える以上に大きな出来事なのでしょうね。

日本盤にはボーナス・トラックとしてJ Dillaプロデュースの「Fever」が収録されています。
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2008年11月17日

The Cars『Shake It Up』

グループ初の全米トップ10ヒット「Shake It Up」を含む4thアルバム☆The Cars『Shake It Up』
Shake It Up
発表年:1981年
ez的ジャンル:アメリカン・ニューウェイヴ
気分は... :B級グルメ大好き!

最近の密かな楽しみはB級グルメ巡り!
決してグルメ雑誌に載ることはないB級な店を発掘するのが快感です。

明日も恵比寿の某定食屋へ出没する予定です。

さて、アメリカン・ニューウェイヴを代表するグループCarsの2回目の紹介です。

デビュー作『Cars(邦題:錯乱のドライブ)』(1978年)に続き紹介するのは4thアルバム『Shake It Up』(1981年)です。

前作となる3rdアルバム『Panorama』(1980年)はかなり実験的なアプローチを含んだ作品となり、ファンの間でも賛否両論があったかもしれませんね。

その反省もあってか、本作『Shake It Up』では再びポップ路線のキャッチーな仕上がりとなっています。特にシングルとなった「Shake It Up」グループ初の全米トップ10ヒット(最高第4位)となりました。アルバム自体も全米アルバム・チャート第9位のヒットとなりました。

ポップ路線への回帰も嬉しいですが、それ以上に嬉しかったのが"セクシーお姉ちゃん"ジャケが復活したことの方が嬉しかったかもしれません(笑)

プロデュースはデビュー作から4作連続の起用となるRoy Thomas Baker。しかしながら、本作がCarsとRoy Thomas Bakerの蜜月時代の最後となります。

次作『Heartbeat City』(1984年)で大ブレイクする彼らですが、ニューウェイヴ・バンドとしての魅力を堪能するのであれば本作の方が楽しめると思います。

全曲紹介しときヤス。

「Since You're Gone」
オープニングは「Shake It Up」に続く2ndシングルにもなりました。ニューウェイヴ感漂うキャッチーな哀愁ポップに仕上がっています。Dylanっぽい節回しのRic Ocasekの哀愁ヴォーカルとCarsらしいコーラスの絡みもグッドです!

「Shake It Up」
前述の通り、アルバムからの1stシングルとしてグループ初の全米トップ10ヒット(最高第4位)となりました。Carsらしいチープなエレポップ・サウンド炸裂のポップ・チューンはいつ聴いても痛快な気分になります。ジャケ写真のようにセクシーなお姉様がシェイカーを振りながら挑発するPVもグッド!
http://jp.youtube.com/watch?v=foj81S44_bE

「I'm Not the One」
メランコリックな雰囲気のピコピコ感が嬉しい1曲。このチープなサウンドによる哀愁感こそがCarsの魅力ですよね。1985年リリースのベスト盤『Greatest Hits』にも収録され、シングル・ヒットしました。また、Bow Wow (Lil Bow Wow)「Thank You」のサンプリング・ネタにもなっています。

「Victim of Love」
1st収録の「My Best Friend's Girl」あたりと共通する魅力を持つニューウェイヴ仕立てのロックン・ロール。

「Cruiser」
Benjamin Orrがリード・ヴォーカルをとるロック・チューン。ソリッドな仕上がりがなかなかキマっています!

「Dream Away」
チープ・サウンドによる哀愁感がプラスに作用しているダンス・チューン。こうやって聴くとRic Ocasekってラッパーぽいですよね。

「This Could Be Love」
Benjamin Orrがヴォーカルをとる怪しいムード漂う1曲。ポップながらもニューウェイヴ感たっぷりなのがいいですね。この曲はOcasekとGreg Hawkesの共作です。

「Think It Over」
「Maybe Baby」
共にBuddy Hollyの曲と同名異曲の2曲。これは単なる偶然?それとも意図したもの?「Think It Over」はチープな近未来感が心地好いCarsらしいロック・チューン。「Maybe Baby」はドンドコドコドコな仕上がりです(意味不明?)。

さっきTVのドキュメンタリー番組で、1日19時間働いて170円の賃金しか貰えず、1日の睡眠3時間、食事は1日1回のみのブルキナファソの労働者の姿を観ました。街に食料はあるのに物価が高すぎて買うことができない人々...世界のリーダーを気取る国の投機マネーがこうした悲劇を巻き起こしている一因なのでしょうね。

でも、そんな国で生み出された音楽を嗜好している自分...世の中は矛盾だらけですな。
posted by ez at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする