発表年:2008年
ez的ジャンル:"進化中"コンテンポラリーR&B
気分は... :進化はいいけど、劇的変化は...
今日はJohn Legend待望の3rdアルバム『Evolver』っす。
John Legendの紹介は『Once Again』(2006年)に続き2回目になります。
今秋〜冬の男性R&B新作ラッシュの中でも、Musiq Soulchildの新作と並んで最も心待ちにしていた1枚です。
グラミー3部門を受賞したデビュー作『Get Lifted』(2004年)、さらに自信に満ちた2nd『Once Again』(2006年)と今時珍しいくらいに正統派のコンテンポラリーR&B/Soulを聴かせてくれていたJohn Legend。
個人的な希望を言えば、この人には流行に左右されずに、いい曲を書き続け、いい歌を歌い続けて欲しいというのがあります。
なので、伝説第3幕となる3rdアルバムのタイトルが"Evolver(進化するもの)"になると聞き、少し不安な気分になりました。"進化はして欲しいけれども、劇的に変化はして欲しくない"というのが本音ですね。
しかも、アルバムからのリード・シングル「Green Light」がOutkastのAndre 3000を迎えたエレクトロ・ダンス・チューンだったので余計に不安になりました(笑)
そんな複雑な思いで聴いた3rdアルバム『Evolver』でしたが、結果的に変化はしたものの、劇的には変わっていなかったという気がします。新しい試みに取り組みつつ、今までの路線をちゃんと残しているのでホッとしました。。
個人的にはまずまずの内容に納得!といった感じです。
多少不満を言えば、『Once Again』収録の「Heaven」のようなミラクルな1曲がないのが残念ですね。
ゲストには前述のAndre 3000以外にもKanye West、Brandy、Estelleといったアーティストが参加しています。プロデュースはMalay & KP、Kanye West、Midi Mafia、Will.I.Am、Supa Dups、Dave Tozer、Trevor Horn等が努めています。また、ソングライティングにはPharrell WilliamsやNe-Yoも関わっています。
みんなで伝説第3幕をじっくり聴き込みましょう。
全曲紹介しときやす。
「Good Morning (Intro) 」
アルバム全体のイントロです。
「Green Light」
アルバムからのリード・シングル。OutkastのAndre 3000をフィーチャーしたエレクトロなダンス・チューン。今流行のサウンドで仕上がっています。John Legendらしくはありませんが、Andre 3000と一緒にやるならばこれぐらいご機嫌なノリでいいのではと思います。Malay & KPプロデュース。
「It's Over」
Kanye Westをフィーチャー、Pharrell Williamsがソングライティングという豪華なメンバーが関与した1曲。出来もかなり僕好み!本ブログでも紹介したFreedom「Get Up And Dance」のホーン部分がサンプリングされており、これがかなりグッド!Malay & KP/Kanye Westプロデュース。
「Everybody Knows」
これぞJohn Legend!って感じの美メロのミッド・チューン。アコースティックな響きの中でJohnのヴォーカルがジワジワと心に染み渡ってきます。Malay & KPプロデュース。
「Quickly」
Brandyをフィーチャー。久々にBrandyの歌声を聴けるということで大喜びの方も多いのでは?僕もそんな一人です。そういったことを抜きにしても僕好みのキャッチーなミッド・チューンに仕上がっています。Midi Mafiaプロデュース。12月発売予定のBrandy久々の新作『Human』も楽しみですね。
「Cross The Line」
Will.I.Amプロデュースの哀愁スロウ。アルバムの中では少し地味な存在かも?
「No Other Love」
Johnが立ち上げたレーベルHomeschool Recordsの第1弾アーティストEstelleをフィーチャー。彼女の2ndアルバム『Shine』は本ブログでも紹介しましたね。レゲエ/ラガのテイストが強いEstelleに合わせてレゲエ・チューンを披露してくれます。Estelle『Shine』にも参加していたBlack ChineyのSupa Dupsプロデュース。
「This Time」
ストリングスをバックにした美しく壮大なバラード。Dave Tozer/Trevor Hornプロデュース。Buggles、Art of Noise、Yes、Frankie Goes to Hollywood等の作品で一世を風靡したかつての人気プロデューサーTrevor Hornの名をこんなところで目にするとは意外ですね。
「Satisfaction」
Will.I.Amプロデュース。近未来的な仕上がりが印象的ですね。僕がJohn Legendに望むスタイルではありませんが、これはこれで面白い試みだと思います。
「Take Me Away」
Ne-Yoがソングライティングに参加。ボッサ・フレイヴァーがかなり心地好いです。『Once Again』にもボッサ・チューンが収録されていましたが、アルバムに1、2曲このタイプの曲があるといいですね!
「Good Morning」
オープニングのロングバージョン。清々しいけど、まだ少しおねむって雰囲気がいいですね!
「I Love, You Love」
Will.I.Amプロデュース。悪くはないけど、もうひとひねりが欲しいですね。Dire Straits「Tunnel Of Love」ネタ。
「If You're Out There」
シングルにもなったスケール感の大きなバラード。バラク・オバマ氏のサポート・ソングです。曲の良し悪は別にしなければいけない曲かもしれませんね。
本作と並び大いに期待しているMusiq Soulchildの新作『On My Radio』が待ち遠しいです。