2008年11月18日

Q-Tip『The Renaissance』

遂にQちゃん復活!☆Q-Tip『The Renaissance』
The Renaissance
発表年:2008年
ez的ジャンル:ルネッサンス系Hip-Hop
気分は... :Qちゃん復活!(髭男爵風に)ルネッサ〜ンス!

遂にQちゃん復活!
と言ってもマラソンのQちゃんではありません...って、みんな書いているんでしょうね(笑)

Hip-Hop界のQちゃん、Q-Tipの8年ぶりの新作『The Renaissance』(2008年)です。

先日のA Tribe Called Quest『People's Instinctive Travels And The Paths Of Rhythm』の記事でも書いたとおり、実際に店頭で手に取るまでは安心できない心境だったので、無事こうして聴くことができただけで大感激ですね。

ATCQの中心人物として90年代のHip-Hopシーンを牽引してきたQ-Tipでしたが、ATCQ解散後は地味な感じでしたよね。
1stソロ『Amplified』(1999年)は成功とも失敗とも言えないビミョーな結果だったし、幻の2ndソロ『Kamaal the Abstract』はリリースを見送られ(現在ではその音源を聴くことができますが)...とファンにとっては寂しい限りでしたよね。

ATCQのレア・トラック集などを聴きながら、"Q-Tipは新作をリリースしないのかなぁ"と待ちわびていたファンの方も多かったのでは?僕もそんな一人でしたぁ。

個人的には新作をちゃんとリリースしてくれた!というだけで満足なのですが、内容もサイコーなので二重の喜びです。

Raphael Saadiq、故J DillaNorah JonesD'Angeloといった豪華ゲストの参加も嬉しいですが、アルバム全体支配するジャズ・テイストが印象的です。"ジャジー"というよりも"ジャズ"なんですよね。その意味ではバックに配したジャズ系ミュージシャンの好サポートぶりが目立ちます。

マラソンQちゃんは引退しましたが、Hip-Hop界のQちゃんには復活してもらわねば!

内容云々に関係なくミーハー気分で今年のNo.1Hip-Hopアルバムは本作で決まり!

全曲紹介しときヤス。

「Johnny Is Dead」
復活アルバムのオープニングは大人のHip-Hopといった雰囲気ですね。ジャズ・ギタリストKurt Rosenwinkelのギターの響きが印象的です。

「Won't Trade」
Ruby Andrews「You Made A Believer Out Of Me」ネタのイナたいトラックがいいですね。シカゴ・ソウル・フレイヴァーのはずがだんだん演歌フレイヴァーに聴こえてきてしまい...♪エンヤコラ〜♪エンヤコラ〜♪なんて歌いたくなるのは僕だけでしょうか(笑)

「Gettin' Up」
アルバムからのリードシングル。Madlib「Understanding (Comprehension)」でもお馴染みBlack Ivory「You and I」ネタの軽快で明るいトラックがQ-Tipらしいですね。スコーンと突き抜けたラップ&トラックが今までのモヤモヤを一発で吹き飛ばしてくれます。サイコー!GapのCMっぽいPVも大好き!
http://jp.youtube.com/watch?v=Hki_gfj8l3k&feature=related

オリジナルに加え、Swizz Beatzがプロデュースしたリミックスも話題ですね。女性ラッパーEveをフィーチャーし、トラックはPuff Daddy「It's All about the Benjamins」ネタです。こちらもなかなか楽しめます。
Q-Tip Feat. Eve「Gettin Up(Remix)」
http://jp.youtube.com/watch?v=OVYDG1PgOKY

「Official」
生音バックがいい感じのライト・グルーヴ。ジャジーなHip-Hopと言うよりも、ジャズの演奏に合わせてラップしているって雰囲気ですね。

「You」
ジャズ・ファンにはお馴染みの期待のピアニストRobert Glasperが参加しています。Glasperのリリカルかつエレガントなピアノに合わせて、Qちゃんが哀愁ラップを聴かせてくれます。秋〜冬にピッタリな仕上がりです。

「We Fight/We Love」
Raphael Saadiqをフィーチャー。この2人の相性の良さは聴く前からバッチリというのがわかりますよね。ジャズ・サウンドに合わせて、どこか懐かしい哀愁メロウな歌&ラップを聴かせてくれます。Cafe Jacques「Meaningless」ネタ。

「Manwomanboogie」
女性ラッパーAmanda Divaをフィーチャー。正直、アルバムで一番カッチョ良い曲だと思います。ただし、Q-TipやAmanda Diva以上にエキサイティングな演奏を聴かせてくれるバック陣がカッチョ良すぎです。特にベースのAntuan Barrettがサイコー!Can「A Spectacle」ネタ。

「Move」
2ndシングルは故J Dillaプロデュース曲です。Jackson 5「Dancing Machine」をサンプリングしたダンサブルな仕上がりです!PVのQちゃんもどこかMJっぽいですよね(笑)ご機嫌な曲ですが、これがJ DillaとQ-Tipの最後のコラボだと思うと感慨深いものがあります。
http://jp.youtube.com/watch?v=CI2szueHoL8

「Dance on Glass」
イントロのアカペラが印象的ですね。Qちゃんらしいフロウを堪能できる1曲。

「Life Is Better」
Norah Jonesをフィーチャー。意外な組み合わせの実現ですよね。Norahの優しく湿り気のあるヴォーカルとお経のようなQちゃんラップ絡みは納豆カレーを食べたような気分(?)...案外合うんじゃない?落ち着いたジャズ・サウンドは、QちゃんよりもNorahのフィールドに近いと思います。そう考えると、それほど意外な組み合わせではないのかも?

「Believe」
D'Angeloをフィーチャー。この二人が組むと"浮遊感×浮遊感"といった感じですね。不思議な世界の中で至極のフワフワ気分になれます。 気分はへヴン???Youtubeにもこの曲がアップされていましたが、アルバム収録のヴァージョンとは異なるものでした。アルバム・ヴァージョンの方が二人の魅力である浮遊感を堪能できる仕上がりで好きです。Cannonball Adderley「Pisces: Allison's Trip」 ネタ。

「Shaka」
バラク・オバマ次期合衆国大統領絡みの曲として話題になりましたね。やはり、初のアフリカ系大統領誕生というのは我々が考える以上に大きな出来事なのでしょうね。

日本盤にはボーナス・トラックとしてJ Dillaプロデュースの「Fever」が収録されています。
posted by ez at 02:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする