2008年11月27日

Jamiroquai『Travelling Without Moving』

日本だけで150万枚売れた大ヒット・アルバム☆Jamiroquai『Travelling Without Moving』
Travelling Without Moving
発表年:1996年
ez的ジャンル:スーパーカー・マニア系ジャズ・ファンク
気分は... :たまには聴き直してみては?

今日はJay Kay(J.K.)率いるJamiroquaiの大ヒット3rdアルバム『Travelling Without Moving』(1996年)の紹介です。

何故だか急に『Travelling Without Moving』を聴きたくなりました...というよりPVを観たくなったという方が正確かもしれません。

Jamiroquaiの紹介は『Emergency On Planet Earth』(1993年)に続き2回目になります。

説明不要だと思いますが、日本だけで150万枚、全世界で700万枚以上を売り上げた大ヒット・アルバムです。そんな大ヒット・アルバムであるにも関わらず、USマーケットでは全米アルバム・チャート最高第24位というのが面白いですよね。

当初はアシッド・ジャズのホープとして登場したJamiroquaiですが、本作を購入した多くの方はアシッド・ジャズやレア・グルーヴ云々を意識することなく、キャッチーなダンス・ミュージックとして聴いていたのではないでしょうか。だからこそ、これだけの大ヒットを記録したのだと思います。

音楽自体もキャッチーでしたが、「Virtual Insanity」「Cosmic Girl」 といったシングルのPVも実に印象的でした。特に「Virtual Insanity」のPVはMTV Video Music Awards 4部門を制覇した名作でしたね。さらに日本では「Virtual Insanity」がソニーMDのCMに使用されたのは追い風になりました。

また、J.K.のスーパーカー・マニアぶりが披露されたアルバムでもありますよね。ジャケはフェラーリのエンブレムをアレンジしたもであり(巨額の使用料をフェラーリ社に支払ったのだとか)、タイトル曲には愛車ランボルギーニ・ディアブロのエンジン音が挿入され、シングル「Cosmic Girl」のPVではランボルギーニやフェラーリを乗り回し...といった感じでしたね。

一部ファンからはデビュー当初の資本主義、機械文明を痛烈に批判したスタンスとスーパーカーを乗り回す姿が矛盾するとブーイングを浴びたようですが、そのあたりの矛盾もJ.K.らしいのでは?そもそも人間なんて不完全なんですからね。

きっと、J.K.という人は自分の好きなもの、興味のあるものに素直なのだと思います。音楽面でも70年代からの影響が顕著ですが、それを隠すことなく堂々とやってしまうところがいいですよね。結果として、アシッド・ジャズ、レア・グルーヴのムーヴメントを通過した90年代ならではのサウンドに仕上がっていると思います。

大ヒット・アルバムって、"今更ねぇ..."といった感じで何年か経つと敬遠されがちですが、発売から10年経ってもJ.K.の軽やかさにはグッとくるはずですよ。

たまには聴き直してみるのも良いのでは?

全曲紹介しときやす。

「Virtual Insanity」
もはや説明不要のアルバムからの1stシングル。全英シングル・チャート第3位のヒットとなりました。前述のようにPVやCMの影響もあり、チャート・アクション以上のインパクトを与えてくれた曲ですね。まさにJamiroquaiサウンドの頂点といった感じでしたね。動く床の上でJ.K.が軽やかに動き回るPVのように、屈託のない軽快なグルーヴを聴かせてくれます。
http://jp.youtube.com/watch?v=gJmX1z1NY2c

「Cosmic Girl」
「Virtual Insanity」に続く2ndシングルとして全英シングル・チャート第6位のヒットとなりました。この曲も前述のようにランボルギーニやフェラーリを乗り回しているPVが印象的でした。曲自体を70年代ディスコを90年代UKジャズ・ファンクのテイストで再現したといった仕上がりです。楽曲もPVもJ.K.らしい軽さがあって大好き!
http://jp.youtube.com/watch?v=CyJvgnP9-vA&feature=related

「Use the Force」
サンバ・フレイヴァーが心地好いジャズ・ファンク・チューン。

「Everyday」
哀愁メロウのスロウ・チューン。70年代テイストのメロウネスがグッド!

「Alright」
3rdシングルとして全英シングル・チャート第6位のヒットとなりました。この曲も70年代ディスコ/ファンクを90年代仕様で聴かせてくれます。70年代モードのシンセの響きが実に印象的です。
http://jp.youtube.com/watch?v=rND8EqzxcA4

「High Times」
この曲もシングルとしてて全英シングル・チャート第20位となりました。70年代のHerbie Hancockばりのジャズ・ファンクとEW&F風のダンス・サウンドとロック色の強いギター・サウンドをうまく混ぜ合わせた感じですね。
http://jp.youtube.com/watch?v=20Ok2VPS4No

「Drifting Along」
軽やかなレゲエ・チューン。J.K.のヴォーカルもどことなくBob Marley風です(笑)

「Didjerama」
「Didjital Vibrations」
オーストラリア大陸の先住民アボリジニの木管楽器ディジュリドゥ(Didgeridoo)をフィーチャーしたインスト2曲。無理やり意味合いを見出すことはせずに、軽い余興として聴けば良いのでは?

「Travelling Without Moving」
UKジャズ・ファンク・グループとしてのJamiroquaiのカッチョ良さを最も堪能できるのはタイトル曲なのでは?この疾走感がたまりません。特にStuart Zenderのベースがサイコーです。

「You Are My Love」
切れ味鋭いUKジャズ・ファンクらしい1曲。ソウル/ファンク/フュージョンの美味しいとこ取りみたいところがグッド!

「Spend a Lifetime」
ラストはピアノ&ストリングスでしっとりと聴かせるバラードで締めくくります。アルバムの余韻に浸ることができます。

国内盤にはボーナス・トラック「Do You Know Where You Are Comming From」が収録されています。ジャングルの雄M-Beatをフィーチャーした興味深い仕上がりです。さらにシークレット・トラックとして「Function」という曲が収録されています。
posted by ez at 09:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする