発表年:1973年
ez的ジャンル:最強ブレイク・ビーツ系プロジェクト
気分は... :Bongo!Bongo!
今日はThe Incredible Bongo Bandの1stアルバム『Bongo Rock』(1973年)の紹介です。
Hip-Hop好きの方ならばお馴染みの最強ブレイク・ビーツ「Apache」 収録のアルバムとしてお馴染みですね。
Hip-Hopを聴く方ならば、何処かで「Apache」ネタのトラックを一度は聴いているのではないかと思います。
The Incredible Bongo Band「Apache」
http://jp.youtube.com/watch?v=s3zds7a0s28
主な曲だけでもThe Sugarhill Gang「Apache」、Grandmaster Flash「Freelance」、West Street Mob「Break Dancin' (Electric Boogie)」、Run-D.M.C.「What's It All About?」、Arthur Baker「Breaker's Revenge (Freestylers Remix)」、Kool G. Rap「Men At Work」、Kool Moe Dee「Way Way Back」、Boogie Down Productions「Who Are The Pimps?」、Leaders of the New School「My Ding a Ling」、Nas「Hip Hop Is Dead」、「Made You Look」、Missy Elliott「We Run This」 、Busta Rhymes「What The Fuck You Want!!」、DJ Shadow「Lesson 4」、Guru「Stand Up」、Goldie「Inner City Life」、The Roots「Thought@Work」、Fabolous「Breathe」、Switch「A Bit Patchy」等々挙げたら限がないかもしれませんね。
The Sugarhill Gang「Apache」
http://jp.youtube.com/watch?v=nLrDJ7FojfY
Boogie Down Productions「Who Are The Pimps?」
http://jp.youtube.com/watch?v=LsRQzK5Tf10
Missy Elliott「We Run This」
http://jp.youtube.com/watch?v=e7WEHMleuyM
DJ Shadow「Lesson 4」
http://jp.youtube.com/watch?v=vaguodxV3gU
The Roots「Thought@Work」
http://jp.youtube.com/watch?v=cBHF7XriPFI
The Incredible Bongo Bandは、音楽界のみならず映画、TVとエンターテイメント業界で幅広く活躍するプロデューサーMichael Vinerが同じくプロデューサーのPerry Botkin Jr.と共に結成したプロジェクト。メンバーにはDerek & the Dominos、Traffic等でお馴染みのJim Gordon(ds)、King Errisson(bongo)、Michael Omartian(key)等が参加していた模様です。
グループは『Bongo Rock』(1973年)、『The Return Of The Incredible Bongo Band』(1974年)という2枚のアルバムを残しています。
彼らが注目され始めたのはHip-Hop創成期です。「Apache」がオールド・スクールのHip-Hopアンセムとして定着し、Afrika Bambaataa、Kool Herc、Grandmaster Flashといった有名DJたちがこぞって賞賛します。その後の「Apache」の人気ぶりは前述の通りです。
このように書いてくると、本作『Bongo Rock』はHip-Hopファン向けのみのアイテムのように思われてしまうかもしれませんが、そんな事はありません。
全くHip-Hopやそのサンプリング・ネタに興味のない方でも、このモンゾ&サイケ&ファンキー&グルーヴィーなサウンドはお釣りがくるくらい楽しめると思います。特に僕のようにパーカッションがパカポコ鳴り響くサウンドがお好きな方はマスト・アイテムだと思います。
また、注目が「Apache」ばかりに集まってしまいますが、それ以外の曲も捨て曲ナシで楽しめます。
テンション高くしたい場合には最適な1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Let There Be Drums」
ジャングル・モードのドラムとロッキン・モードのギターが迫ってきます。いきなりテンション高いですっ!ドン!ドン!ドン!
「Apache」
前述のHip-Hopアンセム。勿論、サンプリング・ネタ云々を抜きにしても、そのカッチョ良さにシビれまくること間違いなしの仕上がりです。パカポコ響き渡るボンゴ、キマり過ぎのオルガン、盛り上げてくれるホーン隊...全て完璧ですね。ちなみにオリジナルはThe Shadowsの1960年のヒット曲です。オリジナルを聴いても、このIncredible Bongo Bandヴァージョンは全く想像できません(笑)
「Bongolia」
この曲もパーカッション好きにには堪らないパーカッシヴなファンキー・チューン。パカポコ♪パカポコ♪思う存分ボンゴが鳴り響き続けます。以前に紹介したBig Boss ManのフロントマンNasser Bouzidaのソロ・プロジェクトThe Bongolianは、本曲に由来するのでしょうね。
「Last Bongo in Belgium」
それまでのカッチョ良すぎの3曲と比べると、かなりリラックス・モードの仕上がりです。アーシーでイナたい味わいもあって和めます。それでもボンゴはパカポコ鳴っていますが(笑)Beastie Boys「Looking Down The Barrel Of A Gun」、Massive Attack「Angel」、Leftfield「Song of Life」等のサンプリング・ネタです。
「Dueling Bongos」
パーカッション vs.ドラムの打楽器一騎打ちを楽しむ1曲。
「In-A-Gadda-Da-Vida」
Iron Butterflyの名曲カヴァー。オリジナルのダーク&へヴィーな雰囲気を残しつつ、Incredible Bongo Bandらしいパーカッシヴかつファンキーな味わいをプラスしています。Nas「Thief's Theme」のサンプリング・ネタです。
「Raunchy '73」
1957年、Bill Justis & His Orchestraによるロックン・ロール・インスト・ヒットのカヴァー。モッド&モンドな味わいを持ったファンキー・チューンに仕上がっています。
「Bongo Rock '73」
タイトル曲はオークランド出身のボンゴ奏者Preston Eppsによる1959年のヒット・カヴァー。タイトルの通り、ボンゴが暴れまくります。パーカッション好きには堪らない展開です!
オリジナル・アルバムはここまです。僕の所有するCDには『The Return Of The Incredible Bongo Band』から「Kuburi」、「Sing Sing Sing」、「(I Can't Get No) Satisfaction」の3曲がボーナス・トラックとして追加されています。 「Kuburi」には元BeatlesメンバーRingo Starrも参加しています。「(I Can't Get No) Satisfaction」は勿論Rolling Stonesのカヴァーです。
さらには「Apache(Grandmaster Flash Remix)」、「Last Bongo in Belgium(Breakers Mix)」という2曲のリミックス・ヴァージョンも収録されています。何といってもGrandmaster Flashのリミックスが嬉しいですね。