2008年12月31日

ezが選ぶ2008年の10枚

年末最後のエントリーは、毎年恒例の年末特別編『ezが選ぶ2008年の10枚』です。今年購入した新譜CDのなかから、お気に入りの10枚を紹介します(順不同)。
※全て当ブログで紹介した作品です。作品の詳細は各エントリーをご参照下さい。
※一部2007年リリースの作品もありますが、入手可能時期から2008年扱いにしています。

Alexia Bomtempo『Astrolabio』
Astrolabio
イチオシ曲「Cromologia」
http://jp.youtube.com/watch?v=L0k-hIg0XD8

Sabrina Malheiros『New Morning』
ニュー・モーニング
イチオシ曲「Connexao」
http://jp.youtube.com/watch?v=-QY-Gl3GTWw&feature=related

The Bongolian『Outer Bongolia』
Outer Bongolia
イチオシ曲「Feel It」
http://jp.youtube.com/watch?v=ECHcfsxY4l0

The Baker Brothers『Transition Transmission』
トランジション・トランスミッション
イチオシ曲「Chance And Fly」
http://jp.youtube.com/watch?v=X6ymGWBpD7k

Nicola Conte『Rituals』
リチュアルズ
イチオシ曲「I See All Shades of You」
http://jp.youtube.com/watch?v=xPuMfkuT-K4

Pat D『Take A Little Time』
テイク・ア・リトル・タイム
イチオシ曲「Good Times」

The Foreign Exchange『Leave It All Behind』
Leave It All Behind
イチオシ曲「Something To Behold」
http://jp.youtube.com/watch?v=onxi35uiuAM&feature=related

Jason Champion『Reflections』
Reflections
イチオシ曲「Find A Reason」

Musiq Soulchild『Onmyradio』
OnMyRadio
イチオシ曲「Someone」
http://jp.youtube.com/watch?v=fvHoSuNTkg4&feature=related

Keyshia Cole『A Different Me』
A Different Me
イチオシ曲「Trust」
http://jp.youtube.com/watch?v=CxD1WzzrAgo

Pat DMusiq SoulchildKeyshia Cole昨年に続いてのセレクトとなりました。それだけコンスタントに良い作品をリリースしている証拠でしょうね。

Alexia BomtempoSabrina Malheirosはブラジルものからのセレクト。前者が正統派のMPB大型新人女性シンガーなのに対して、後者はロンドン経由の21世紀ボッサといった感じですかね。

The BongolianThe Baker BrothersNicola Conteはジャズ・ファンク/クラブ・ジャズからのセレクト。The Bongolianはモッド&モンドなファンキー・グルーヴがサイコー!Baker BrothersにはUKジャズ・ファンクのカッチョ良さを再認識させられました。Nicola Conteはさすがクラブ・ジャズのマエストロといった出来栄えでしたね。

Pat DThe Foreign ExchangeはアングラHip-Hopの2枚。Foreign ExchangeのトラックメイカーNicolayはNicolay & Kay『Time:Line』も最高だったし、活躍が目立ちました。

R&BからはMusiq SoulchildKeyshia ColeJason Championの3枚。特にJason Championは今年最大のサプライズでしたね。

今年は上記10枚以外に特別賞として以下の3枚をセレクトしてみました。
要は10枚に収まらなかったというだけでなのですが(笑)

カムバック賞Q-Tip『The Renaissance』
The Renaissance
イチオシ曲「Gettin' Up」
http://jp.youtube.com/watch?v=Hki_gfj8l3k&feature=related
ATCQファンの僕としては8年ぶりの新作を聴けただけで涙、涙ですっ!

新人賞Lil Mama『VYP: Voice of the Young People』
VYP: Voice of the Young People
イチオシ曲「Shawty Get Loose」
http://jp.youtube.com/watch?v=-hXKRilPNpc
とにかくキャラ立ちしているのが大好き!ダンスもラップもキュートな魅力に溢れています!

最優秀PV賞Erykah Badu「Honey」(アルバム『New Amerykah: Part One (4th World War)』収録)
New Amerykah, Pt. 1: 4th World War
http://www.youtube.com/watch?v=SFkHylBiPyQ
Erykahが名盤ジャケのパロディに次々と登場するPVはサイコーですね!

皆さんは今年どんな素敵な音楽に出会いましたか?
では良いお年を!
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2008年12月30日

Keyshia Cole『A Different Me』

大物女性R&Bシンガーの風格が漂ってきた超強力3rdアルバム!☆Keyshia Cole『A Different Me』
A Different Me
発表年:2008年
ez的ジャンル:ネクストMJB系女性R&B
気分は... :祝!ドルフィンズ地区優勝!

やった!やりました!
NFLのレギュラーシーズン最終戦で我がマイアミ・ドルフィンズが勝利し、11勝5敗でAFC東地区の優勝を成し遂げました。昨年の1勝15敗から奇跡の復活です!

しかも、最終戦の相手はジェッツ!
古巣相手にファーブとのQB因縁対決を制したぺニントンも良かったですね。
頼れるQB不在で泣いてきたチームの救世主となってくれました。

シーズン終盤5連勝の勢いそのままにプレイオフでも快進撃を続けて欲しいものです。

さて今日は年内最後の作品紹介です。
※明日は恒例の特別企画「ezが選ぶ2008年の10枚」をエントリーする予定です。

2008年最後の1枚は、アルバムをリリースするたびに存在感を増していく女性R&BシンガーKeyshia Coleの最新作『A Different Me』です。

本作『A Different Me』は、1st『The Way It Is』(2005年)、2nd『Just Like You』(2007年)に続く3rdアルバムです。

デビュー当時から"ネクストMary J. Blige"の呼び声が高かったKeyshia Coleですが、「Let It Go」「I Remember」「Heaven Sent」という3曲の全米R&BチャートNo.1ヒットを生んだ前作『Just Like You』(2007年)で大物女性R&Bシンガーの仲間入りを果たした感じですね。

個人的にも『Just Like You』は、『ezが選ぶ2007年の10枚』にリストアップしたお気に入りの作品でした。

現時点で僕にとってのフェイバリット男性R&Bシンガーが数日前に紹介したMusiq Soulchild、フェイバリット女性R&BシンガーがKeyshia Coleといった位置づけです。

本作『A Different Me』もKeyshiaの自信に満ちた1枚に仕上がっています。

タイトルが示すように、これまでとは異なるKeyshiaを表現したアルバムです。具体的には、人生を自ら切り開き、前進、成長する女性像を描いた歌が多いみたいですね。期待の若手女性R&Bシンガーからシーンを牽引する大物女性R&Bシンガーへとステージアップしていますね。サウンドもミディアム〜スロウ系の作品を中心に聴かせる曲が充実しています。

Keyshia本人とManny Halley、Ron Fairがエグゼクティブ・プロデューサーとなり、Polow da Don、The Runners、The Outsyders、KWAME、Carvin & Ivan(Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Haggins)、Tank、Trackmasters(Poke & Tone)等多彩なプロデューサー陣が参加しています。全体としてはストリングス・アレンジを中心にRon Fairの貢献が大きいと思います。

また、ゲストとしてAmina Harris、故2 PacNasMonicaがフィーチャーされています。

年末になって、ようやく今年最高の女性R&Bアルバムに出会えた!って感じですな。
特に後半が聴きモノだと思います。

全曲紹介しときやす。

「A Different Me "Intro"」
スケールアップしたKeyshiaに出会うための準備をしましょう!

「Make Me Over」
Polow Da Don/Ron Fairプロデュース。40〜50年代あたりのレトロ感を出した仕上がりです。昔のキャバレーのショータイムといった雰囲気ですな。
http://jp.youtube.com/watch?v=xVPtKQ2X2W4&feature=related

「Please Don't Stop」
僕のオススメその1。The Runners/Ron Fairプロデュースによる軽快なアップ・チューン。エレクトロ・サウンドとストリングス・サウンドをうまく融合させています。
http://jp.youtube.com/watch?v=_g3rznatHdY&feature=related

「Erotic」
"THE-RON" Feemsterプロデュース。妖しいフェロモン出まくりのダーク&妖艶モードな仕上がりです。
http://jp.youtube.com/watch?v=lHQ7ui1aGDE&feature=related

「You Complete Me」
アルバムからの2ndシングルです。スケールアップしたKeyshiaに出会える正統派バラードに仕上がっています。"THE-RON" Feemsterプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=JhuS8IRndrk&feature=related

「No Other」
Amina Harrisをフィーチャーしたミッド・チューン。KWAMEプロデュース。Amina Harrisは前作でも「Shoulda Let You Go」でもフィーチャーされていましたね。Ron Fairによるドラマティックなストリングス・アレンジが印象的です。
http://jp.youtube.com/watch?v=A9ZsWdtHF9M

「Oh-Oh, Yeah-Yea」
Nasをフィーチャーした力強いミッド・チューン。このタイプの曲をしっかり聴かせるあたりにKeyshiaの成長を窺えるのでは?The Outsydersプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=Ga4dwT5D_dA&feature=related

「Playa Cardz Right」
アルバムからの先行シングル。故2 Pacをフィーチャーした擬似共演曲です。元々は2 Pacの『Pac's Life』(2006年)に収録されていた曲であり、今回はその最新ヴァージョンといったところでしょうか。Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Haggins/Ron Fairプロデュース。感動的な仕上がりですが、何故この曲を先行シングルにしたのでしょうかね。僕にはあまりピンと来ません。
http://jp.youtube.com/watch?v=w7GvNuZEKvM

「Brand New」
僕のオススメその2。しっとり大人のR&Bシンガーといった雰囲気で聴かせてくる美メロ・バラード。男性コーラスとの絡みも実に素敵です。
http://jp.youtube.com/watch?v=EsO8EmNDygc&feature=related

「Trust」
僕のオススメその3。僕の一番のお気に入り曲はMonicaとのデュエットという新旧歌姫の共演です。特別な仕掛けがある曲ではありませんが、良い楽曲を良いシンガー2人で歌えば、それだけで素晴らしい作品となるということでしょう。Toxic Donald Alford/Ron Fairプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=CxD1WzzrAgo

「Thought You Should Know」
僕のオススメその4。Tank/Ron Fairプロデュースによるミディアム・スロウ。80年代ブラコン風のサウンドとRon Fairによるストリングス・サウンドの組み合わせが絶妙です。
http://jp.youtube.com/watch?v=79SFRq0DSl8&feature=related

「This Is Us」
僕のオススメその5。「Trust」と並ぶ僕のイチオシ!アコースティック・テイストが清々しい美メロのミディアム・チューン。R&Bファンのみならず広く受け入れられそうな名曲だと思います。Ron Fair/Jason T. Millerプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=uVfPWK6jKWo&feature=related

「Where This Love Could End Up」
僕のオススメその6。Trackmasters(Poke & Tone)プロデュース。ダイナミックかつエレガントなミッド・グルーヴに仕上がっています。ビシッとキマっているって感じですね。
http://jp.youtube.com/watch?v=isC_P1HIeq4&feature=related

「Beautiful Music」
この曲もTrackmastersプロデュース。タイトルの通り、ビューティフルなメロディ&サウンドにヤラれます。
http://jp.youtube.com/watch?v=v-IZhR84qYg

「A Different Me "Outro"」
アルバムの余韻に浸りましょう。

明日は前述の通り、恒例の特別企画「ezが選ぶ2008年の10枚」をエントリーする予定です。お楽しみに!
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2008年12月29日

David Bowie『Young Americans』

プラスティック・ソウルだからこそ魅力的な1枚☆David Bowie『Young Americans』
ヤング・アメリカンズ
発表年:1975年
ez的ジャンル:プラスティック・ソウル系UKロック
気分は... :ガス欠&二日酔い(泣)

土曜から日曜にかけて約10時間飲み歩いていたら、さすがに昨日はガス欠&二日酔いで1日中寝ていました。

そんな二日酔いモードの状態でセレクトした1枚がDavid Bowie『Young Americans』(1975年)です。本作からはシングル「Fame」がBowie初の全米シングル・チャートNo.1となりました。

David Bowieの紹介は、『Scary Monsters』(1980年)に続き2回目になります。

当時UKでは既にスーパースターの地位を確立していたDavid Bowieでしたが、USマーケットでは必ずしも大成功を収めている状況ではありませんでした。そこでアルバム『Diamond Dogs』(1974年)リリース後、大規模な北米ライブツアーDiamond Dogs Tourを開始します。

結局、過度のプレッシャーの中でBowieはコカイン中毒に陥ってしまい、ツアーは中断してしまいます。しかし、このツアーの中でBowieはソウル・ミュージックへの興味を深めていきます。中断前のツアーの模様を収めたライブ・アルバム『David Live』(1974年)でもEddie Floyd「Knock On Wood」のカヴァーを収録しています。おそらくBowieは、プレッシャーから自らを解き放つ手段としてソウル・ミュージックへ急接近したのではないでしょうか。

そして、ツアー中断の間にBowieがフィリーソウルの本拠地であるSigma Soundスタジオへ乗り込み、ソウル・ミュージックへアプローチした作品が『Young Americans』(1975年)です。前述の『David Live』もフィラデルフィアのライブを収録したものであり、この時期のBowieにとってフィラデルフィアというのは特別な地だったのでしょうね。

実際にはフィラデルフィアのSigma Soundスタジオでの録音(1974年11月)が6曲、ニューヨークのElectric Ladylandスタジオでの録音(1975年1月)が2曲収録されています。

Sigma Sound録音はTony Viscontiがプロデュースを務め、Carlos Alomar(g)、Mike Garson(p)、David Sanborn(s)、Willie Weeks(b)、Andy Newmark(ds)、Larry Washington(conga)、Pablo Rosario(per)、Ava Cherry(back vo)、Robin Clark(back vo)、Luther Vandross(back vo)といったメンバーが参加しています。

Electric Ladyland録音はDavid Bowie/Harry Maslinがプロデュースを務め、John Lennon(vo、g)、Earl Slick(g)、Carlos Alomar(g)、Emir Kassan(b)、Dennis Davis(ds)、Ralph MacDonald(per)、Pablo Rosario(per)、Jean Fineberg(back vo)、Jean Millington(back vo)といったメンバーが参加しています。

N.Y.録音ではJohn Lennonの参加が目立ちますね。No.1ヒット「Fame」をBowieと共作し、Beatles時代の名曲「Across the Universe」を共演しています。

Sigma Sound録音では名うてのミュージシャン達ががっちりサポートしています。個人的にはLuther VandrossDavid Sanbornの参加が興味深いですね。

あと忘れてはいけないのがギタリストCarlos Alomarですね。
長年Bowieのパートナーとして欠かせない存在であったCarlos Alomarの初参加作品が本作です。

発売当時イギリスのメディアから"プラスティック・ソウル(ソウルの薄っぺらな物真似という意味)"と酷評される一方、アメリカのメディアは"Bowieの最高傑作"と絶賛されました。

個人的にはここで聴かれるのは、白人による本格的なソウル・ミュージックというよりも、ソウル・ミュージックのフェイクという気がします。その意味で"プラスティック・ソウル"という表現はあながち間違いではない気がします。

でも、その"プラスティック・ソウル"が実に魅力的です。
バックで流れるサウンドは本格的なソウル・ミュージックでも、David Bowieのクセのあるヴォーカルが入るとソウル・ミュージックのフェイクになってしまうのが面白いです。それだけDavid Bowieというアーティストの放つ個性が強烈だという証拠だと思います。そして、このフェイク感の持つカッチョ良さがたまりません。

カメレオン・マンのBowieらしい1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Young Americans」
タイトル曲はアルバムからの1stシングルにもなりました。本作を象徴する1曲ですね。真にソウルフルなバックと表層的にソウルフルな Bowie のヴォーカルの組み合わせによる異質感が逆にカッチョ良いと思います。
http://jp.youtube.com/watch?v=QiaoRdOUPI8&feature=related

様々なアーティストがカヴァーしていますが、個人的にはThe Cureのヴァージョンがお気に入りです。またMeat Beat Manifesto「Re-Animator」のサンプリング・ネタにもなっています。
The Cure「Young Americans」
http://jp.youtube.com/watch?v=8uvAUGGCxjs

「Win」
邦題「愛の勝利」。ソウル・ムード満点のバラードです。しかし、Bowieのヴォーカルが入ると100%ソウル・ムードに変化が起こり、プラスチック・ソウルへ変身してしまいます(笑)。それが(いい意味で)本曲の魅力だと思います。
http://jp.youtube.com/watch?v=hZ3nzrvSPwM&feature=related

「Fascination」
僕の一番のお気に入り曲はBowieとLuther Vandrossの共作です。Isley Brothersあたりが演奏するとピッタリなファンキー・チューン。ソウル/R&Bファンの方が聴いて一番しっくり来るのはこの曲なのでは?それにしてもBowieとLuther Vandrossの共作というのは興味深いですね。

「Right」
「Fascination」と並ぶ僕のお気に入り。何処かで聴いたことがあるような(?)メロウ・ソウルに仕上がっています。素晴らしいバック陣を相手に必死に喰らい付いているBowieの頑張りを評価しましょう(笑)
http://jp.youtube.com/watch?v=HABUcnLRcK4

「Somebody Up There Likes Me」
邦題「幸運の神」。本来のBowieらしさとソウル・テイストのバランスが良いですね。イントロのDavid Sanbornのサックスが印象的です。
http://jp.youtube.com/watch?v=PwcyG0Aegjw&feature=related

「Across the Universe」
ご存知Beatlesの名曲カヴァー(Lennon/McCartney作品)。正直、本家Beatlesヴァージョンと比較すると見劣りしますが、その本家のJohn自身が参加している点で聴き逃せない演奏だと思います。
http://jp.youtube.com/watch?v=1ZVOIRnGZ5k

「Can You Hear Me」
邦題「恋のささやき」。エレガントなストリングス・アレンジが光るロマンティックなバラード。Barry Whiteあたりを意識した仕上がりなのでしょうね。
個人的には下記の別バージョンの方が好きですね。
http://jp.youtube.com/watch?v=1tF4n8-V154&feature=related

「Fame」
本作のハイライト。前述のようにBowie初の全米シングル・チャートNo.1となった大ヒット曲です。John Lennon、Carlos Alomarとの共作によるへヴィ・ファンクに仕上がっています。アルバム全体を見渡しても、Bowie本来の魅力が一番発揮できている曲だと思います。David BowieとJohn LennonというUKロック界のスーパースター二人がファンク・チューンで共作・共演するというのも面白いですね。
http://jp.youtube.com/watch?v=J-_30HA7rec&feature=related

様々なアーティストがカヴァーやサンプリング等しています。
ネタ使いの主なところではJay-Z「Takeover」、EPMD「It Wasn't Me, It Was The Fame」、House of Pain「Shamrocks and Shenanigans」、Public Enemy「Night of the Living Baseheads」、Sir Mix-A-Lot「My Posse's on Broadway」、Limp Bizkit「Faith/Fame」あたりが挙げられます。カヴァーではDuran Duranのヴァーションが雰囲気も合っているのでは?

EPMD「It Wasn't Me, It Was The Fame」
http://jp.youtube.com/watch?v=ejH667cPHUY
Duran Duran「Fame」
http://jp.youtube.com/watch?v=W75BJauz8oo

僕の持っているCDにはボーナス・トラックとして「Who Can I Be Now?」「It's Gonna Be Me」「John, I'm Only Dancing (Again)」の3曲が収録されています。最近のCDはさらにボーナス・トラックが増えているようですね。
posted by ez at 00:34| Comment(5) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月27日

Pat Metheny Group『Offramp』

ギターシンセを全面導入し、Nana Vasconcelosがゲスト参加した重要作☆Pat Metheny Group『Offramp』
オフランプ
発表年:1982年
ez的ジャンル:ギターシンセ系フュージョン
気分は... :CD棚で主張していました(笑)

会社勤めの方は昨日で仕事収めだった方も多いのでは?
僕の場合、29日を仕事収めに日にしようと思っていますが、昨日あたりから少しずつ大掃除に取り組んでいる次第です。

そこで今日はCD棚の整理をしていて気になった1枚Pat Metheny Group『Offramp』(1982年)です。

これまで紹介してきたPat Metheny(Pat Metheny Group)作品は以下の3枚です。
 『First Circle』(1984年)
 『Still Life (Talking)』(1987年)
 『Letter from Home』(1989年)

Pat Methenyのエントリーで毎回書いていますが、僕にとってPat Methenyの生み出す音は"究極の癒し音楽"という位置づけです。特に、これまで紹介した3枚に『Secret Story』(1992年)を加えた4枚は、まさに究極のデトックス・ミュージックといった感じですね。

そんな流れでいけば今回は『Secret Story』(1992年)を紹介する順番なのですが、CD棚を整理している最中に偶然『Offramp』を見つけ、久々に聴いたら紹介したくなった次第です。なんかジャケが"これを聴いてくれ!"と主張していました(笑)

『Offramp』Pat Metheny Group(PMG)としての3rdアルバムとなります。

ギターシンセの全面導入をはじめ、大きなターニング・ポイントとなった作品としてファンからの評価も高い1枚なのでは?

レコーディング・メンバーは、Pat Metheny(g)、Lyle Mays(key)、Steve Rodby(b)、Dan Gottlieb(ds)というPMGのメンバー4名に、ブラジル音楽を代表するパーカッション奏者Nana Vasconcelosがゲストとして加わった5名です。

僕が『First Circle』以降の作品を好んで聴く理由の1つに、ブラジル音楽のエッセンスをうまく吸収いている点があります。その意味で本作におけるNana Vasconcelosの参加は実に興味深いですね。実際サウンド面でも彼のパーカッションがサウンドにアクセントや深みを与えていると思います。

PMGの土台づくりが完成した重要作品だと思います。
僕のように演奏テクや楽器云々に興味がないリスナーでも十分に楽しめる作品ですよ!

全曲紹介しときやす。

「Barcarole」
心臓の鼓動ようなドラム、幻想を呼び起こすパーカッション、心の叫びのようなギターシンセ&シンセが生み出す神秘的な世界が展開されます。

邦題は「舟歌」ですが、曲のイメージと合っていないですよね。確かに直訳すればこのタイトルなのでしょうが、「舟歌」と言えば♪お酒はぬるめの燗がいい〜♪肴はあぶった〜♪という八代亜紀の歌ですよねぇ(笑)

「Are You Going with Me?」
邦題「ついておいで」。ライブの定番曲としてお馴染みの人気曲です。僕もこの曲が一番好きですね。ギターシンセを弾きまくるMethenyを堪能できます。

僕の場合、落ち着いたリズムと幻想的なシンセ・サウンドのコンビネーションにグッときます。シンセの音色が音楽と実にマッチしている感じがたまりません。まさにMethenyならではの音空間だと思います。

「Au Lait」
美しさと危うさが同居する雰囲気が印象的です。ハッピーエンドで終わらない美しさって感じですかね。淡々とした中で美しいMethenyのギターやLyle Maysのピアノがリリカルに語ってれます。Nana Vasconcelosの語りも不気味?

「Eighteen」
Steve Rodby(b)、Dan Gottlieb(ds)、Nana Vasconcelos(per)というリズム隊が生む出す疾走感のあるグルーヴがいいですね。突き抜けていく感じがとても痛快です。

「Offramp」
フリー・ジャズしています。なのでかなりアヴァンギャルドな演奏ですね。Methenyのギターシンセによるインプロを堪能しましょう。それ以外のメンバーのソロもなかなか楽しめます。

「James」
タイトルのJamesとはお馴染みのシンガーソングライターJames Taylorのことらしいです(間違っていたらゴメンナサイ)。親しみやすいメロディと洗練されたサウンドで一番聴きやすい演奏なのでは?

「The Bat, Part II」
音の表情の変化を楽しむ曲ですね。静けさの中に物凄いオーラを感じます。世界遺産の映像あたりを観ながら聴くとピッタリなサウンドなのでは?

次にPat Methenyを紹介する時には、『Secret Story』(1992年)をセレクトしたいと思います。

あとは本作に貢献したブラジル人パーカッション奏者Nana Vasconcelosの作品もそのうち紹介したいですね。昨年CD化された『Africadeus』と『Nana Vasconcelos, Nelson Angelo, Novelli』の2in1CDがお買得だと思います。

ナナ=ネルソン・アンジェロ=ノヴェリ アフリカデウス
ナナ=ネルソン・アンジェロ=ノヴェリ アフリカデウス
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2008年12月26日

Musiq Soulchild『Onmyradio』

先行シングルに戸惑いましたが、アルバムは大丈夫!☆Musiq Soulchild『Onmyradio』
OnMyRadio
発表年:2008年
ez的ジャンル:天才男性R&Bシンガー
気分は... :アルバムは大丈夫!

クリスマスも終わり、いよいよ新年へのカウントダウン・モードですね。
年賀状、大掃除といつもギリギリにならないとやらない性分なのですが、今年は早めに取り組むようにしたいです!

さて今日は年末R&B/Hip-Hop新作ラッシュの中でも注目の1枚Musiq Soulchild『Onmyradio』です。

Musiq Soulchildの紹介は、『Soulstar』(2003年)、『Luvanmusiq』(2007年)に続き3回目になります。

個人的には今のR&Bシーンにおける最高の男性シンガーがMusiq Soulchildだと思います。

"21世紀のStevie Wonder"と評されることが多いMusiq Soulchildですが、単にヴォーカルがStevieに似ているR&Bシンガーとの印象を与えかねない気がして、僕はあまりその形容が好きではありません。でも現在のR&Bシーンにおいて"Stevie Wonder並みの存在感を持つシンガー"という意味では妥当な気もします。

なので、新作への事前期待はHip-HopシーンにおけるCommon並みに高いものがあります。

しかしながら、リードシングル「Radio」を聴いた時には不安を抱いてしまいました。サウスHip-Hopテイストのこのシングルの出来栄えに、多くのファンの方は不満や不安を感じたのでは?

それだけに最初にアルバムを通しで聴いて一安心しました。
「Radio」以外はファンが期待する天才R&BシンガーMusiq Soulchildらしい内容になっていると思います。

聴き込むほどに素晴らしさが伝わってくるアルバムですね。
特にスロウは相変わらず絶品の楽曲がズラッと並びます。

プロデュースはWarryn Campbell、Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Haggins等が務めています。Warryn Campbellの貢献も大きいですが、個人的にはIvan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsの素晴らしい仕事ぶりにヤラれました。やはり彼らとMusiqの相性はバッチリですね。

期待を裏切らない、現代R&Bシーンの至宝を堪能しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Backagain」
Fat Boys「Human Beat Box」ネタのオールド・スクール調トラックと、MusiqらしいStevie調のソウルフル・ヴォーカルのマッチングがグッドなオープニング。力強いトラックに負けないMusiqのヴォーカルはさすがですね。Warryn Campbellプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=UANWQUIf6kk

「Until」
めくるめくようなグッド・グルーヴ。しなやかさなんだけどミステリアスな感じが大好きです。The Gap Band「You Can Count On Me」、Marvin Gaye「A Funky Space Reincarnation」ネタ。Warryn Campbellプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=mi5Q_14m3W8&feature=related

「Ifuleave」
僕のオススメその1。アルバムからの2ndシングルはMary J. Bligeとのデュエット。大物二人のデュエットに相応しい、小細工なしの感動的なラブソングに仕上がっています。切なさ満点のメロディがたまりません。1stシングル「Radio」で面喰った方も、この曲を聴いて一安心といったところなのでは?Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=bwEguv-tLeE

「Deserveumore」
僕のオススメその2。Musiqならではのロマンティックなスロウ・チューンに仕上がっています。70年代ソウルを思い出させるスウィートなメロディと、Musiqらしいよどみないヴォーカルがサイコーです!Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsがプロデュース。プロダクションの見事な仕事ぶりにも拍手したいです!
http://jp.youtube.com/watch?v=WzrKWYPQHdI&feature=related

「Special」
Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース三連発です。パーカッシヴなリズムが耳に残ります。「Deserveumore」の次に聴くと、やや小粒な印象を受けてしまいますが...
http://jp.youtube.com/watch?v=V6o2goLhyuA&feature=related

「Dearjohn」
僕のオススメその3。美しいメロディと感動的なヴォーカルで思わず胸が込み上げてきてしまうスケール感の大きなバラードです。このあたりのオーソドックスなバラードをしっかり聴かせるあたりがMusiqの実力でしょうね。Warryn Campbellプロデュース。女性バック・ヴォーカルのJoy Winansは(多分)Winansファミリーの人だと思います。ソングライティングやヴォーカル・アレンジのクレジットにはPJ Mortonの名もあります。
http://jp.youtube.com/watch?v=xWEXe2CFWjQ&feature=related

「Loveofmylife」
Musiq節を堪能できるソウルフルなスロウ・チューン。この粘りのあるヴォーカル・スタイルが好きな人にはたまりませんね。勿論僕もその一人です。Musiq Soulchild & Warryn Campbellプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=9lDwy8CYuVw&feature=related

「Moneyright」
僕のオススメその4。キャッチーなアップ・チューン。スロウ〜ミディアム系の曲が多いのでアップものは目立ちますね。ノリ的にはJohn Legend「Green Light」あたりと一緒に聴くと合う気がします。Warryn Campbellプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=4NiDkVQuTPc&feature=related

「Someone」
僕のオススメその5。というかアルバムでダントツ一番のお気に入りです。素晴らしいヴォーカル、メロディ、アレンジとパーフェクトなラブ・バラード。

僕の中ではJason Champion「Find A Reason」と今年の男性R&Bベスト・ソングを競っている曲ですね。両者に共通するのは聴き終わった後に何か特別な感動が胸に込み上げてくる点です。ホント、ミラクルな1曲。

Ivan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsプロデュース。さらにはJames Poyserもプロデュースに関与しています。
http://jp.youtube.com/watch?v=fvHoSuNTkg4&feature=related

「Iwannabe」
僕のオススメその6。Damian Marleyをフィーチャー。レゲエ・ファンはご存知の通り、Damian MarleyはBob Marleyの息子です。ということでレゲエ/ラガ調の仕上がりです。このタイプの曲をやっても全然違和感がないのがMusiqの柔軟性でしょうね。Warryn Campbellプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=w0I7od5RTKA&feature=related

「Sobeautiful」
哀愁モードのミディアム・スロウ。憂いを持ったヴォーカルがグッド!Musiq Soulchild & "J.R." Hutsonプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=ezm1v4BcHE4&feature=related

「Radio」
物議をかもしたアルバムからのリードシングル。こうやってアルバム全体を聴くと、やっぱりこの1曲のみ浮いていますね。アルバムの中の1曲として聴く分にはいいけど、リードシングルにしたのはどうも解せないですね。Euforo Ebong/Dru Castro/Christopher Umanaプロデュース。
http://jp.youtube.com/watch?v=9B-8ClSGp3c&feature=related

年内に紹介できる新作はあと1枚ですかね。
何をセレクトしようかなぁ?
posted by ez at 01:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする