
発表年:1997年
ez的ジャンル:コンテンポラリー・ゴスペル
気分は... :12月はゴスペルが聴きたくなりますね!
そろそろ忘年会シーズンですね。
昨夜はちゃんこ屋でちゃんこ鍋をつつきながら一杯やっていたのですが、すぐ後ろの席でどこかの会社の忘年会をやっていました。まぁこの宴の騒がしさの凄まじいこと...関係ない僕にまで会社の実情が筒抜け状態でした(笑)やはり、忘年会は個室でやらないとねぇ...
Gary Hinesを中心としたゴスペル・グループSound Of Blackness(SOB)の3回目の登場です。
『The Evolution Of Gospel』(1991年)、『The Night Before Christmas: A Musical Fantasy』(1992年)に続き紹介するのは1997年リリースのアルバムSounds Of Blackness『Time for Healing』です。
以前にも紹介したように、Jam & Lewisが1991年に旗揚げしたPerspective Record 第一弾アーティストとして、本ブログでも紹介した『The Evolution Of Gospel』(1991年)で注目を集めました。
Perspectiveからの4枚目となる本作『Time for Healing』は、Ann Nesby、Jimmy Wrightという強力ヴォーカル二人が抜けた後のアルバムであり、Jam & Lewisの制作への関与もなくなるなど不安な要素がいくつか重なりました。
しかし、届けられた作品はそんな不安を一瞬にして掻き消してくれる素晴らしい出来栄えでした。コンテンポラリー感覚とクワイアならではの躍動感、高揚感をうまくバランスさせたSOBらしいゴスペルを聴かせてくれます。
やはり12月はゴスペルが聴きたくなりますね。
特に暗いニュースが続く今日においては、ゴスペルが発する希望、感謝、愛といったシンプルなメッセージが深く心に響いてきます。
人間の歌声の持つパワーってすごい!
改めてそんなことを実感させてくれるアルバムです。
オススメ曲を紹介しときやす。
「Spirit」
Craig Mackのラップをフィーチャーしたこの曲はシングルにもなりました。Hip-Hopフレイヴァーとゴスペル・フィーリングを全く違和感なく融合してしまうあたりが、さすがSOBといったところでしょうか。
「Hold On (Change Is Comin') 」
Betty Wright「Clean Up Woman」、Zapp「Doo Wa Ditty」ネタも交えたSOBらしいスケール感の大きなコンテンポラリー・ゴスペル。生きるパワー湧いてくる曲ですよね!
オリジナルも素晴らしいですが、Zapp/Roger好きはRoger Troutman自身がリミックスを手掛けたトーク・ボックス炸裂しまくりのRoger Troutman Remixがよだれモノですね。
http://jp.youtube.com/watch?v=rxNod_dizD8
「Love Will Never Change」
個人的にはアルバムのハイライト。愛に満ちた感動の仕上がり!素晴らしいの一言に尽きます。悲しみ、苦しみ、不安、不満...あらゆる悩みを包み込んでくれる包容力を持つミラクルな1曲です。愛があれば全て乗り越えることができるさ!
「Love Train」
O'Jaysの大ヒット曲のカヴァー(Kenny Gamble/Leon Huff作品)。オリジナルに慣れている方が聴くと、かなり新鮮な印象を受けると思います。偉大なオリジナルに敬意を払いますが、僕の感性にはSOBヴァージョンがフィットします。
「God Cares」
「Love Will Never Change」と並ぶ感動曲。聴いていると自然に心が穏やかになります。
「Hold On (Don't Let Go) 」
Salt-N-Pepaのラップをフィーチャー。キャッチーな美メロ・グルーヴに仕上がっています。
「Crisis」
ゴスペルらしいクワイアを聴くことができます。ホーリー気分な仕上がり。
「You Can Make It If You Try」
Sly & The Family Stoneのカヴァー(オリジナルはアルバム『Stand!』収録)。『The Evolution of Gospel』では「Stand!」もカヴァーしていましたし、Gary Hinesは『Stand!』が相当お気に入りなのでしょうね。
「The Blackness Blues」
スウィンギーな仕上がりです。クワイアの魅力を堪能するには、こういった感じもいいですね。
「A Spiritual Medley」
黒人霊歌のメドレー。本当にゴスペルがお好きな方は、こういった曲にゴスペルに醍醐味を見出すのではと思います。お見事!の一言です。
「So Far Away」
Antonio Carlos Jobimの名曲「Garola de Ipanema(イパネマの娘)」のエッセンスを取り入れた"ボッサ・ゴスペル"。ゴスペルをボッサ・テイストで聴かせてしまうという柔軟さがSOBらしいですね。かなりのお気に入り曲です!
「Time for Healing」
この曲もコンテンポラリー・ゴスペルの魅力を堪能できます。この力強さ、躍動感、歓喜こそがゴスペルの魅力だと思います。
「Kwanzaa-Umoja-Uhuru(Swahili)」
ボーナス・トラック。母なる大地アフリカへの想いに満ちています。
Jam & Lewisが1999年にPerspective RecordsをA&Mへ売却したため、SOBにとって本作がPerspective最後の作品となりました。