発表年:1999年
ez的ジャンル:超大所帯ゴスペル・クワイア
気分は... :神よ日本を救いたまえ!
いよいよクリスマス・イブですね。
僕も昨日は渋谷に繰り出し、クリスマス・プレゼントなんぞを選びながら少しだけクリスマス気分を楽しんでいました。
"さすがに渋谷はクリスマス・ムード一色だなぁ"なんて思っていたら、TVニュースで同じ渋谷で炊き出し(配給)サービスが行われていたことを知りました。主にホームレスの方向けだったらしいのですが、TVニュースではバイト先を突然解雇された24歳の女性が映し出されていました。
クリスマス・プレゼントを手にした同じ年代の女性が行き交う渋谷で、行列に並び豚汁とおにぎりの配給を受ける女性の映像はインパクトがありましたね。
こんな日本でいいのか!
神よ救いたまえ!
ということで今日はぜひゴスペル・アルバムを紹介したいと思います。
セレクトしたのはグラミーを6度も受賞している実力派ゴスペル・クワイアThe Brooklyn Tabernacle Choirのアルバム『High & Lifted Up』(1999年)です。
The Brooklyn Tabernacle Choir(BTC)は、名前の通りN.Y.ブルックリンを拠点に活動するクワイアです。メンバーは200名以上という超大所帯クワイアです。1981年より活動を開始し、コンスタントに作品をリリースしています。
当ブログで言えば、昨年のイブに紹介したCeCe Winans『Alabaster Box』でBTCがゲスト参加していました。
今日紹介する『High & Lifted Up』(1999年)は、第42回グラミー賞で最優秀ゴスペル・コーラス・アルバムを受賞した作品です。
当ブログで今月紹介したSounds Of Blackness(SOB)も同じ90年代後半のゴスペル・アルバムですが、BTCの方が厳かな雰囲気が漂っていますね。
R&B/ソウル好きの人が聴くゴスペルとしてはSOBだと思いますが、正統派ゴスペル・ワールドを堪能するのであればBTCが良いのでは?
恋人たちのイブを盛り上げるには昨日紹介したAvantのような作品がグッドですが、本来的なクリスマスを過ごすのであれば、やっぱりゴスペルだと思います。
クリスマス気分を素直に満喫することもできない今の日本ですが、聖なる夜にゴスペルを聴くと、生きる希望と勇気が湧いてくると思います。
神のご加護がありますように!
全曲紹介しときやす。
「Total Praise」
ゴスペル・ファンにはお馴染み、コンテンポラリー・ゴスペルの名曲ですね。R&Bファンの方もDestiny's Childのカヴァー(アルバム『Survivor』収録)で聴いたことがあるのでは?
この曲の作者であるRichard Smallwoodもゴスペル界の革新者、功労者としてファンにはお馴染みの大御所ですね。Whitney Houston、Boyz II Men、Yolanda Adamsといった有名アーティストも彼の作品を取り上げています。
さて、BTCによる「Total Praise」は荘厳な雰囲気がいいですね。優しくパワフルな歌声があなたの苦難を振り払ってくれることでしょう。
http://jp.youtube.com/watch?v=OuoUpZh1Rkw
♪Your peace, You give me in time of the storm♪
♪You are the source of my strength♪
♪You are the strength of my life♪
♪I lift my hands in total praise to you♪
「Psalm 150 (Praise Ye the Lord)」
Sounds Of Blacknessがお好きな人ならば気に入るであろうコンテンポラリー・ゴスペルです。生きる喜びや勇気が湧いてきます。
音が悪いですがYoutubeに本曲を歌うBTCの映像がありました。
http://jp.youtube.com/watch?v=IN6M4sQ5AfM
「My Help (Cometh from the Lord)」
個人的には一番のお気に入り曲(Jackie Gouche Farris作品)。ゴスペル・クワイアらしい厚みのあるコーラスも堪能できる感動的な仕上がりです。
♪All of my help cometh from the Lord♪
http://jp.youtube.com/watch?v=I2nQALWDStA
「We Are United」
この曲はなんとレゲエ調です。レゲエとゴスペル・クワイア...意外な組み合わせですが悪くありません。
「Battle Hymn of the Republic」
有名なアメリカの愛国歌。日本でも『お玉じゃくしは蛙の子』等の歌詞でお馴染みですね。それだけにゴスペル・クワイアで聴くと、かなり違った印象を受けます。
「Father We Adore Thee」
壮大なスケール感が実にいいですね。大所帯クワイアの魅力が凝縮されていると思います。ストリングスのアレンジも秀逸ですな。こういった曲にこそBTC本来の魅力があるのかもしれません。
「High and Lifted Up」
タイトル曲は美しく感動的です。落ち込んだり、悩んだり、傷ついたり、後悔した時に聴くと、きっとあなたの心を優しく包み込んでくれると思います。きっと神様があなたを救ってくれるはず...
「Blessed Be the Lord」
みんなノリノリで大合唱といった雰囲気のご機嫌なアップ・チューン。この曲の作者はPatrick Henderson...Doobie Brothers関連作品などでキーボード奏者として参加しているPatrick Hendersonと同一人物だと思うのですが、僕の勘違いだったらゴメンナサイ。
「So You Would Know」
正統派ゴスペル・チューン。みんなで神を讃えましょう。
「God of All Gods」
ラストは雄大な仕上がり。男女のリード・ヴォーカルの熱唱が感動的です。この厳かな雰囲気が本格ゴスペルらしくていいですね。
クリスマス気分を満喫したい方には、彼らによるクリスマス・アルバム『Christmas at Brooklyn Tabernacle』(1995年)もあります。
Christmas at the Brooklyn Tabernacle
さらにBTCを堪能したい方は、『God Is Working』(2000年)、『Be Glad』(2002年)あたりも是非どうぞ!
Be Glad
God Is Working