2009年01月14日

Crackin'『Makings Of A Dream』

ライト感覚のファンキー&メロウがたまりません!☆Crackin'『Makings Of A Dream』
メイキングス・オブ・ア・ドリーム
発表年:1977年
ez的ジャンル:ライト感覚ファンキー&メロウ
気分は... :Feel Alright!

今日はCrackin'の2ndアルバム『Makings Of A Dream』(1977年)の紹介です。

Crackin'は70年代にサンフランシスコを拠点に活躍した白人黒人混合のファンク・グループ。『Crackin'』(1975年)、『Makings Of A Dream』(1977年)、『Crackin'』(1977年)、『Special Touch』(1978年)という4枚のアルバムをリリースしています。

メンバーのうちに有名なのは、Rick Chudacoff(b)、Peter Bunetta(ds)、Leslie Smith(vo)、Lester Abrams(vo、key)、Arno Lucas(conga、vo)あたりですかね。

Rick ChudacoffPeter Bunettaの二人は名曲「Steal Away」を含むRobbie Dupreeの1st『Robbie Dupree』のプロデュースでお馴染みですね。

Leslie Smithは、Crackin'解散後にRick Chudacoff & Peter Bunettaプロデュースでリリースしたアルバム『Heartache』(1982年)や日本独自企画盤『Les is More』(1992年)がAORファンに人気ですよね。

Lester AbramsはCrackin'参加以前にファンク・グループ L.A. Carnivalを率いていました。Crackin'脱退後には、The Doobie Brothersの名盤『Minute by Minute』のレコーディングに参加し、タイトル曲「Minute by Minute」「Open Your Eyes」の2曲をMichael McDonaldと共作しています。

Arno Lucasは、Bobby Caldwellのバック等で知られるセッション・ミュージシャンです。

Crackin'が残した4作品のうち、AORファンに人気が高いラスト作『Special Touch』(Michael Omartianプロデュース)も悪くはありませんが、個人的にはソウル度が高くファンキーな『Makings Of A Dream』がお気に入りです。

白人黒人混合グループの利点を生かし、ライト感覚のファンキー&メロウ・サウンドを聴かせてくれます。Leslie Smith以外にLester AbramsArno Lucasがリード・ヴォーカルをとるあたりもなかなか楽しめます。

プロデュースはRuss Titelmaが担当し、ゲスト・ミュージシャンとして David Sanborn(s、horn arr)、Victor Feldman(vibes、per)、Milt Holland(ds、per)、Nick DeCaro(strings arr)等が参加しています。

以前に紹介したフォトグラファーNorman Seeffによるジャケも秀逸ですね。

ベイエリア・ファンク、ブルーアイド・ソウル/AOR好きの方にはオススメの1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Feel Alright」
本作のハイライト曲。フリーソウル・ファンにもお馴染みの人気曲ですね。ベイエリアらしい爽快さとファンキーな味わいがうまく融合しています。個人的には天気の良い朝にこの曲で目覚めるのがお気に入りです。Leslie Smithの伸びやかなヴォーカルを朝一で聴くと、楽しい1日を過ごせる予感がします!

「Take Me To The Bridge」
AOR的なメロウ感覚の中にもソウルフルな味わいが満ちているのがいいですね。このAORとソウルのサジ加減のバランスが本当に絶妙です。

「Beautiful Day」
Lester Abramsのクラビネットが冴えるファンキーなミッド・チューン。何度も聴くうちにクセになるグルーヴですな。9th Wonderがサンプリング・ネタに使ったりしていますね。

「I Want To Sing It To You」
Lester Abramsがリード・ヴォーカルをとっています。少しハスキーば歌声はLeslie Smithとは異なる魅力があります。David Sanbornのサックス・ソロも印象的です。

「Well And Good」
Arno Lucasがリード・ヴォーカルをとるファンキー・グルーヴ。「Feel Alright」、「You're Winning」と並ぶお気に入りです。初期Doobie Brothersを彷彿させるヴォーカルとファンキーかつ軽快なリズムは、いかにも僕好みの音に仕上がっています。

「Who You Want Me To Be」
Rick ChudacoffらしいAORサウンドを堪能できる1曲。AORサウンドとLeslie Smithの伸びやかヴォーカルの相性もバッチリ!

「What Goes Around Comes Around」
Crackin'らしいライト感覚なファンキー・サウンドを楽しめる1曲。3人のヴォーカリストの特徴もわかって面白いです。

「You're Winning」
この曲も大好き!心地好さ抜群のメロウ&ファンキー・チューン。「Feel Alright」と並ぶ完成度の高い1曲なのでは?Murs & 9th Wonder『And This Is For』のネタにもなっています。
Crackin'「You're Winning」
 http://jp.youtube.com/watch?v=6mN7YgR1ZTU
Murs & 9th Wonder『And This Is For』
 http://jp.youtube.com/watch?v=RO4ppruQ4xA&feature=related

「(There's A) Better Way」
ラストは味わい深いソウル・チューン。ヴォーカル・グループCrackin'としての魅力を堪能できます。

Lester AbramsがCrackin'参加以前に率いたファンク・グループ L.A. Carnivalについても近々紹介したいと思います。今日本当はL.A. Carnivalを取り上げる予定だったのですが、諸事情で延期しました。
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2009年01月13日

Madonna『Like a Prayer』

自信に満ちた80年代の集大成アルバム☆Madonna『Like a Prayer』
ライク・ア・プレイヤー
発表年:1989年
ez的ジャンル:王道ポップ/ダンス
気分は... :今週から頑張ろうっと!

先週は気合いが入らないまま、ダラダラと1週間を過ごしてしまったので、今週から頑張ろうっと!

さて、スーパースターMadonnaの3回目の登場です。

『Erotica』(1992年)、
『Confessions On A Dance Floor』(2005年)に続き紹介するのは、1989年リリースの大ヒット4thアルバム『Like a Prayer』です。

皆さんご存知のとおり、2nd『Like a Virgin』(1984年)でスーパースターの座を手に入れ、3rd『True Blue』(1986年)でその地位を不動のものしたMadonnaが、自信に満ちた80年代の集大成として制作したアルバムが本作『Like a Prayer』です。

昨年、映画監督Guy Ritchieと離婚したMadonnaでしたが、本作『Like a Prayer』がリリースされた当時は前夫Sean Pennとの離婚が決まり新たな人生を歩み出していた時期でした。そんな人生の岐路に立ったMadonnaの人生経験が色濃く反映されているのも本作の特徴かもしれませんね。離婚、自立、父、母、兄弟などのテーマがシリアスに歌われています。

本作も『True Blue』に続き、Madonna本人とPatrick LeonardStephen Brayがプロデュースを担当しています。それ以外にMadonnaPrince殿下との共同プロデュース曲もあります。サウンド面ではダンス・サウンドを中心にしつつも、前作以上に完成度が高い王道ポップを聴かせてくれます。

久々に聴いてみて、もしかしたらサウンドがかなり陳腐に聴こえるかなぁ?なんて思ったりもしたのですが、その部分はあまり気になりませんでしたね。その意味でPatrick Leonard、Stephen Brayの手腕を再認識しました。

アルバムからは「Like a Prayer」「Express Yourself」「Cherish」「Keep It Together」という4曲の全米Top10ヒットが生まれました。

アーティストとしての自信を深めたMadonnaと、自分の人生を振り返るMadonnaが交錯する面白さがあるアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Like a Prayer」
タイトル曲はアルバムからの1stシングルとして全米チャート第1位になった代表曲。軽快なダンス・ミュージックでは終わらないパワーを持った曲ですよね。この曲の持つメッセージ性は、十字架を燃やるシーンなどが宗教面から大きな物議を醸したPVを観ると、より伝わってきますよね。
http://jp.youtube.com/watch?v=ac0ir65RfOQ&feature=related

Rufio、Marc Almond、Loleatta Hollowayなど様々なアーティストがカヴァーしています。個人的にはLoleatta Hollowayのカヴァーが好きですね。
Loleatta Holloway「Like a Prayer」
http://jp.youtube.com/watch?v=GHCk9x8kKgQ

「Express Yourself」
アルバムからの2ndシングルとして全米チャート第2位のヒットとなりました。アーティストとしての自信に満ちたMadonnaがよく表現されている曲ですね。曲自体もノリの良いポップなダンス・チューンとしてテンション上がりますよね。
http://jp.youtube.com/watch?v=7t_jWErh6Jg&feature=related

「Love Song」
Prince殿下との共作&共同プロデュース曲。当時を代表する男女スーパースター同士の共演はそれだけで興味が尽きませんでしたよね。曲は殿下よりの仕上がりにMadonnaが合わせた感じですかね。
http://jp.youtube.com/watch?v=KiCivBRKYis&feature=related

「Till Death Do Us Part」
Sean Pennとの結婚生活の終焉をイメージさせるタイトルですね。クールな疾走感が印象的です。
http://jp.youtube.com/watch?v=acUvp0OBdhI&feature=related

「Promise to Try」
幼くして亡くした母親について歌ったものです。ここまでの強い女性のイメージから一転して、素顔のMadonnaの心の叫びが聴こえてくるような歌ですね。美しいストリングスのアレンジも含めてグッときます。
http://jp.youtube.com/watch?v=zeD-Ko6MAFY&feature=related

「Cherish」
アルバムからの3rdシングルとして全米チャート第2位のヒットとなりました。Madonna自身がかなりお気に入りだった曲ですね。僕も本作の中で一番好きです。まさに元気がわいてくるモータウン風ポップ・チューンですね。歌詞の内容まで踏み込んで聴きたくなるシリアスな曲が続く本作ですが、この曲は純粋に曲の良さを楽しめるのがいいですな。
http://jp.youtube.com/watch?v=NvsLh7oowsU&feature=related

「Dear Jessie」
ストリングスを中心にアレンジの妙が目立つ曲ですね。スーパースターの余裕を感じる1曲。
http://jp.youtube.com/watch?v=-r0M0uMxHlY&feature=related

「Oh Father」
暴力的であった父親との複雑な関係を歌ったバラード。母について歌った「Promise to Try」とセットで聴くと、余計にグッときますね。この曲を敢えてシングルにしたあたりからMadonnaの想いが伝わってきますね。
http://jp.youtube.com/watch?v=5W-JZFlisn4&feature=related

「Keep It Together」
全米チャート第8位となったヒット・シングル。「Cherish」と並ぶ僕のお気に入り。当時のR&Bが好きな人は一番フィットする曲なのでは?母、父に続きこの曲では兄弟、姉妹が登場します。
http://jp.youtube.com/watch?v=F7lUScNzzdk&feature=related

「Spanish Eyes」
「La Isla Bonita」のようなスパニッシュ調の曲を連想させるタイトルですが、そんなにスパニッシュしていませんね。哀愁モードの壮大なバラードに仕上がっています。
http://jp.youtube.com/watch?v=CtkajassRIU&feature=related

「Act of Contrition」
この曲もPrince殿下との共同プロデュース曲。アルバムのエンディングというよりも、「Spanish Eyes」がラスト曲で、この曲はボーナス・トラックといった感じですね。
http://jp.youtube.com/watch?v=qL9Bpo_n6_k&feature=related

たまには王道ポップを聴き直すのも楽しいのでは?
posted by ez at 13:11| Comment(0) | TrackBack(1) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月12日

Lonnie Smith『Turning Point』

ソウル/R&Bテイストのオルガン・グルーヴは最高!☆Lonnie Smith『Turning Point』
Turning Point
録音年:1969年
ez的ジャンル:ファンキー・オルガン・ジャズ
気分は... :ダラダラ状態の3連休...

この3連休はダラダラ状態で、更新もサボってしまいました(泣)

週末にNFLディビジョナル・プレイオフの4試合が行われ、レイブンズ、カーディナルス、イーグルス、スティーラーズが勝ちました。AFC第1シードのタイタンズ、NFC第1シードのジャイアンツ、第2シードのパンサーズが相次いで敗れるという波乱の結果になりました。

スーパーボウル出場を賭けたカンファレンス・チャンピオンシップはAFCが「スティーラーズ対レイブンズ」、NFCが「カーディナルス対イーグルス」という組み合わせとなりました。

AFC北地区のライバル対決となった「スティーラーズ対レイブンズ」は、リーグ屈指の強力守備陣を擁する両チームによるアグレッシヴなディフェンス合戦が見ものですね。

NFC「カーディナルス対イーグルス」は、QBワーナーを中心としたカーディナルスのハイパー攻撃陣と、ディビジョナル・プレイオフでジャイアンツにTDを許さなかったイーグルス守備陣の対決が楽しみです。

さて、今日はジャズ・オルガン奏者Lonnie Smithの紹介です。

ジャズ・オルガン奏者の"Smith"と言えば、先週紹介したJimmy Smithの名が真っ先に思い浮かぶと思いますが、クラブ・ジャズ好きにはLonnie Smithも外せない存在ですね。ちなみにレア・グルーヴで人気のキーボード奏者Lonnie Liston Smithとは別人です。

Lonnie Smithは1942年バッファロー郊外生まれのジャズ・オルガン奏者。1960年代初めにGeorge Bensonと出会い、共に活動するようになります。1967年には初のリーダー作『Finger Lickin' Good』をリリース。その後Lou Donaldson『Alligator Boogaloo』の録音に参加したのをきっかけに、名門Blue Noteとの契約に成功します。

そしてBlue Noteには、『Think』(1968年)、『Turning Point』(1969年)、『Move Your Hand』(1969年)、『Live at Club Mozambiqu』(1970年)等の充実作を残しました。70年代以降もターバン姿のオルガン奏者として今日まで活動を続けています。

当ブログで紹介した作品で言えば、Lou Donaldsonの『Mr. Shing-A-Ling』(1967年)、『Midnight Creeper』(1968年)といった作品でLonnie Smithのオルガン・プレイを聴くことができます。

今日紹介する『Turning Point』(1969年)はBlue Note時代を代表する1枚です。
メンバーはLonnie Smith(org)以下、Lee Morgan(tp)、Julian Priester(tb)、Bennie Maupin(ts)、Melvin Sparks(g)、Leo Morris(Idris Muhammad)(ds)という布陣です。特にSmithを中心にSparks、Muhammadが生み出すグルーヴがサイコーです!

正統派ジャズ・ファンからは評価が高くはない作品だと思いますが、クラブ・ジャズ好きの人にとってはサイコーにカッチョ良いソウル/R&Bテイストのオルガン・グルーヴだと思います。

全曲紹介しときやす。

「See Saw」
「Mercy, Mercy」、「Sookie, Sookie」等でお馴染みDon Covayのヒット曲をカヴァー。Aretha Franklinのカヴァーでもヒットした曲ですね(アルバム『Aretha Now』収録)。おそらくここでの演奏ももArethaバージョンを意識したのでは?

クラブ・ジャズ好きの方は気に入るであろうファンキーなオルガン・グルーヴです。Idris Muhammadの生み出す重心の低いグルーヴに、Smithのオルガンがファンキーに絡む様が最高にカッチョ良いですね。

「Slow High」
Smithのオリジナル。ユルユルのレイジーな演奏が魅力です。二日酔いのだる〜い朝の気分にピッタリ!といったところでしょうか(笑)。Melvin Sparksのギターが印象的です。

「People Sure Act Funny」
モッズ系R&B好きにはお馴染み、Titus Turnerの1962年のシングル曲をカヴァー。ここではSmith、Sparks、Muhammadのトリオで演奏されています。ホーン隊がいない分、オルガン・グルーヴ本来の魅力を存分に堪能できます。このへヴィなグルーヴ感がたまりません!

「Eleanor Rigby」
Beatlesの名曲カヴァー。最初はヘンテコなアレンジに戸惑いましたが、何度か聴いているうちにクセになる演奏かもしれません。この曲ではMaupin、Morganというホーン隊が頑張っています。 Smithのオルガンもノリノリですね。脇を固めるSparksのリズムギターもなかなか格好良いです。

「Turning Point」
タイトル曲はSmithのオリジナル。ソウル/R&Bテイストのファンキー・グルーヴが多い本作ですが、ここではモーダルな演奏を聴くことができます。Priester、Maupin、Morganという三管がビシッとキメてくれます。

3連休の体たらくを反省し、気分はブルー(泣)
明日からは気合い入れて、やるべき事をやらねば!
posted by ez at 15:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月10日

Blackstreet『Greatest Remixes + 1』

日本独自のリミックス集が嬉しい再発!☆Blackstreet『Greatest Remixes + 1』
blackstreet greatest remixes.jpg
発売年:2003年
ez的ジャンル:90's R&Bマスト・アイテム
気分は... :リミックス集の最高峰!

今日はTeddy Riley率いるBlackstreetです。

Blackstreetについては、これまで『Blackstreet』(1994年)、『Another Level』(1996年)を紹介しており、今回が3回目となります。

Blackstreetと言えば、Teddy Riley、Chauncey Black、Eric Williams、Mark Middletonというメンバーでリユニオンし、2月に来日公演(ビルボードライブ東京&大阪)を行うファンには嬉しいニュースが届きましたね。

それに連動してリミックス集『Greatest Remixes + 1』が再発になりました。このリミックス集は日本独自の企画盤であり、2003年のリリース時にはタワーレコード限定発売でした。今回入手しやすいかたちで再発となり、喜んでいるファンも多いのでは?

基本的には『Blackstreet』(1994年)、『Another Level』(1996年)、『Finally』(1999年)という1st〜3rdアルバム収録曲のリミックス集という構成です。

僕は前回リリース時にゲットしたのですが、何と言ってもアルバム未収録であった「I Like It」DeBargeの名曲カヴァー)がお目当てで購入した記憶があります。

それ以外にもTeddy Rileyの仕事ぶりが一番充実していた時期のリミックスを数多く聴くことできます。オリジナル・アルバムに加えて本リミックス集を聴くことで、さらにBlackstreetのにハマると思います。

リミックス集と聴くと、オリジナル・アルバムよりもワンランク落ちる内容をイメージされる方もいるかもしれませんが、Teddy Rileyに限ってはそんなことはありません。リミックスと言っても、オリジナルの原型を留めないリミックスや有名曲のリメイクといったものも多数有り、単なるリミックス集以上の何かがあります。逆にオリジナル・アルバム以上に魅力的かもしれませんよ!

BlackstreetTeddy Riley好きにはマストアイテムの1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Take Me There(Want U Back Mix)」
オリジナル・サウンドトラック『The Rugrats』収録曲のリミックス。Mya、Mase、Blinky Blinkをフィーチャーしています。このWant U Back Mixはタイトルの通り、Jackson 5「I Want You Back」を引用したものです。『Finally』にもRemixとして収録されています。オリジナルのプリティでフワフワした感じもいいですが、このリミックスを一度聴いたらどうしてもこちらの印象が強くなってしまいますよね。
「Take Me There」※オリジナル
 http://jp.youtube.com/watch?v=xe4BArnxtcM
「Take Me There(Want U Back Mix)」
 http://jp.youtube.com/watch?v=JwNLwZPtyiA
 
「Booti Call(K.C. Miami Mix)」
オリジナルは『Blackstreet』収録。EPMDErick Sermonがプロデュースに参加し、アルバムからのリード・シングルにもなりました。

George Clinton「Atomic Dog」Zapp「Heartbreaker」を使ったP-Funkなオリジナルに対して、このリミックスではタイトルの通りK.C. & The Sunshine Band「Boogie Shoes」をリプレイしたディスコ・モードな仕上がりです。
「Booti Call(K.C. Miami Mix)」
 http://jp.youtube.com/watch?v=OwqjHWhPTXM

「Baby Be Mine(Radio Remix)」
オリジナルは映画『CB4』のサントラ収録曲でありBlackstreetのデビュー曲です。『Blackstreet』にも別バージョンが収録されています。このRadio Remixはコーラスが一新されたスマートな仕上がりです。

Guy時代の名残があるオリジナルも悪くないですが、よりBlackstreetらしさが強調された本バージョンの方が断然好きですね。
「Baby Be Mine」※アルバムバージョン
 http://jp.youtube.com/watch?v=bMvO5EbsLSE&feature=related
「Baby Be Mine(Radio Remix)」
 http://jp.youtube.com/watch?v=c0C_LSMXS5Y

「I Like The Way You Work(T.R. Uptown Mix)」
オリジナルは『Blackstreet』収録。オリジナルがG-Funkテイストの仕上がりであったのに対して、このT.R. Uptown Mixはスッキリとした仕上がりですね。トークボックスが強調されている点も含めてオリジナルより好きですね。

「I Like It」
やはり本作のハイライトはコレ!説明不要!DeBargeの名曲カヴァー。多くのファンがこの曲狙いで本作を購入したのでは?僕も購入して真っ先にこの曲を聴いて、歓喜の雄叫びを上げてしまいました(笑)前曲の「I Like The Way You Work」でも一部「I Like It」テイストになっていますが、このカヴァーを聴いてしまうと断然こっちですな。Teddy Rileyがこの曲をカヴァーして悪いわけないですよね。
Blackstreet「I Like It」
 http://jp.youtube.com/watch?v=vHWfPDawB9Q

「U Blow My Mind(Craig Mack Basic 4)」
オリジナルは『Blackstreet』に収録された、Gap Band「Outstanding」ネタの名曲ですね。

このリミックスはタイトルの通り、Craig Mack「Flava In Ya Ear」をループに使ったリミックスです。リミックスならではの楽しい仕上がりですね。最後にSlave「Just A Touch Of Love」のフレーズが聴けるのも嬉しいですね!

「No Diggity(Das Diggity Radio)」
オリジナルは『Another Level』からのリードシングル(Dr.DreとQueen Penをフィーチャー)。数々のリミックスがある曲ですね。このDas Diggity RadioはDas EFX「They Want EFX」のトラックを流用したリミックスです。個人的にはMichael Jackson「Billie Jean」使いのBillie Jean Remixが収録されていると文句無しなのですが...
「No Diggity」※オリジナル
 http://jp.youtube.com/watch?v=Rq0zUJCl9Qs
「No Diggity(Das Diggity Radio)」
 http://jp.youtube.com/watch?v=iN84sixVRGM

「Fix(Dezo Call Me Mix)」
『Another Level』からの2ndシングル。個人的にはGrandmaster Flash & The Furious Five「The Message」ネタのオリジナルが最高だと思います。このDezo Call Me MixはSkyy「Call me」のフレーズを聴くことができる、いかにもリミックスな仕上がりです。ただし、インパクトで言えば、Slash(Guns N'Roses)と今は亡きOl' Dirty Bastard (Wu-tang Clan)をフィーチャーしたMain Mixに軍配が上がるのでは?

「Happy Song (Tonite)(Full Crew Remix Featuring Rimes)」
オリジナルは『Another Level』収録。オリジナルはBlackstreet全楽曲の中で一番好きですね。「Happy Song (Tonite)」と前述の「I Like It」カヴァーの2曲メドレーを聴くと正に心がハッピー・モードの絶頂に達しそうです。オリジナルと比べると、クラブ仕様のFull Crew Remixは家で聴くにはイマイチ物足りない気がします。そもそも家で聴くことを想定して制作されたリミックスではありませんが(笑)
「Happy Song (Tonite)(Full Crew Remix Featuring Rimes)」
 http://jp.youtube.com/watch?v=u7hk401Tmw0

「Think About You(All I Do)」 
「Think About You(Quiet Storm)」
3rd『Finally』からのセカンド・シングルのリミックス2曲。共にStevie Wonderネタのリミックスです。All I Doはタイトルの通り、Stevieの「All I Do」ネタ。これはリミックスではなくリメイクですね(笑)。Quiet Stormの方は同じくStevieの「Rocket Love」仕様に生まれ変わっています。このリミックスもオリジナルの面影は全くありません。個人的にはAll I Doにグッときます。
「Think About You(All I Do)」
 http://jp.youtube.com/watch?v=QuX0AZJJq3A&feature=related
「Think About You(Quiet Storm)」
 http://jp.youtube.com/watch?v=UfLqcIR04xw

「Tonight's The Night(Album Mix Featuring SWV)」
『Blackstreet』収録。Redman「Tonight's Da Night」ネタのプリティなメロウ・チューンです。アルバム・バージョンではTammy Lucasが女性ボーカルを務めていますが、シングルカットもされた本バージョンではSWVが女性ボーカル・パートを務めています。SWV好きの僕にはたまらない展開です!

「Joy(Uptown Joy)」
オリジナルは『Blackstreet』収録。アルバムからの2ndシングルになりました。オリジナルもMichael Jacksonテイストのメロウ・チューンでしたが、このUptown JoyはさらにMichaelの「I Can't Help It」に近づいた感じですね。Keith Murray「The Most Beautifullest Thing in This World」のフレーズも入っています。個人的にはオリジナル以上に気に入っています。
「Joy(Uptown Joy)」
 http://jp.youtube.com/watch?v=la__DPDa9gs

「Booti Call(Gotta Get U Home With Me Mix)」
「Booti Call」のリミックス2曲目。このGotta Get U Home With Me Mixは、Eugene Wilde 「Gotta Get You Home Tonight」をリプレイしたメロウな仕上がりです。この曲もリミックスと言うよりもリメイクですね。オリジナル「Booti Call」は置いておき、これはこれで楽しみましょう!

「I Like The Way You Work(Ballad Mix)」 
「I Like The Way You Work」のリミックス2曲目。その名の通り、バラード・モードのリミックスです。オリジナルよりもムーディーなスロウ・ジャム仕立てのこのバージョンの方が好きですね。

「Don't Leave Me(Goodbye Remix)」 
『Another Level』からの3rdシングル。DeBarge「A Dream」ネタのオリジナルも魅力的ですが、Guy「Goodbye Love」をネタにしたこのGoodbye RemixはTeddy Rileyファンにとっては涙モノですね。トークボックスも炸裂してサイコー!
「Don't Leave Me」※オリジナル
 http://jp.youtube.com/watch?v=5OQ5HrOwbTo 
「Don't Leave Me(Goodbye Remix)」 
 http://jp.youtube.com/watch?v=I4h8l6_qmJc

「Before I Let You Go(Blackstreet Live Version)」
『Blackstreet』からの3rdシングル。トークボックス使いの美メロ・スロウですね。ここではライブ・バージョンで楽しむことができます。

オリジナルとリミックス集を聴き比べるのが楽しいと思います。
posted by ez at 03:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月09日

Robert Wyatt『Rock Bottom』

"世界一悲しげな歌声"を持つシンガーの代表作☆Robert Wyatt『Rock Bottom』
ロック・ボトム
発表年:1974年
ez的ジャンル:カンタベリー系ミュージシャンズミュージシャン
気分は... :今、Wyattの歌がグッとくる!

"世界一悲しげな歌声"を持つシンガーRobert Wyattの代表作『Rock Bottom』(1974年)の紹介です。

Robert Wyattは1945年ブリストル生まれ。1966年にDaevid Allen、Kevin Ayers、Mike Ratledgeと共にSoft Machineを結成。Soft Machineはカンタベリー・ロック/ジャズ・ロックを代表するグループとしてUKロックに足跡を残しました。

Soft Machineにおいてドラマー/ヴォーカリストとして活躍したWyattでしたが、音楽的方向性の違いからアルバム『Fourth』(1971年)を最後にグループを脱退します。その後自身のグループMatching Moleを結成し、アルバムを2枚リリースします。しかし、3rdアルバムの準備中にパーティーの席上で酔ったまま窓から転落してしまいます。

下半身不随となりドラマー生命を絶たれてしまったWyattですが、周囲のサポートによりシンガーとして復活します。その後はミュージシャンズミュージシャンとして数多くのアーティストからリスペクトを受けつつ、存在感のあるヴォーカリストとしてマイペースながらも良質な作品をリリースし続けています。

2007年にリリースされた最新作『Comicopera』では、Brian Eno、Paul WellerPhil Manzaneraといったミュージシャンがサポートしています。、RadioheadThom Yorkeも絶賛した『Comicopera』は、UKの音楽誌Wireによって2007年のベスト・アルバムに選出されるなど健在ぶりを示してくれました。

僕がRobert Wyattへ興味を持ったのは、Elvis CostelloらがWyattのために書いた名曲「Shipbuilding」が最初でした。その悲しげな歌声が脳裏から離れませんでしたね。
Robert Wyatt「Shipbuilding」
http://jp.youtube.com/watch?v=B6T9qp9XbRY

僕が愛聴するWyatt作品は、『Rock Bottom』(1974年)、『Ruth Is Stranger Than Richard』(1975年)、『Shleep』(1997年)あたりですかね。

やはり最初に聴くべきは、下半身不随となった後のカムバック作品『Rock Bottom』(1974年)だと思います。

以前から独特の歌声を披露していたWyattですが、転落事故からカムバックまでの様々な人生経験が彼のヴォーカルに深みと凄みを与えてくれました。ヴォーカルが際立つシンプルなサウンドと相俟って、真の意味でのシンガーRobert Wyatt誕生のアルバムと言えると思います。

プロデュースはPink FloydNick Mason。バックにはSoft Machine時代の盟友Hugh Hopper(b)、元CaravanのRichard Sinclair(b)、元GongのLaurie Allan(ds)、Mike Oldfield(g)、南アフリカ出身のジャズ・ミュージシャンMongezi Feza(tp)、Matching Moleに参加予定であったGary Windo(ts)等が参加しています。

今回初めて知ったのですが、後年再リリース時にジャケが下記のように変わっていたんですね。
Rock Bottom

でも、カラフルなジャケよりも本作にはオリジナルの淡いジャケが似合っていると思います。

人生なんて試練の連続...それでも人は生きていかねばならない!
絶望の淵に立っても、希望さえ捨てなければ前進することができる!
こんな暗い時代だからこそ、Robert Wyattの"世界一悲しげな歌声"が胸の奥にズシリと響いてきます。

全曲紹介しときやす。

「Sea Song」
必聴の名曲!この曲を初めて聴いた時はかなりの衝撃でしたね。悲しげで不安を抱かせるサウンドの向こうから聴こえてくるWyattの淡々とした歌には、絶望の淵から甦ってきた男の生きるパワーが漲っています。聴いているだけで胸に迫ってくるものがありますね。殆どビートのない独特の音空間にも引き込まれます。
http://jp.youtube.com/watch?v=_9g6La7wmzA&feature=related

「A Last Straw」
Hugh Hopper(b)、Laurie Allan(ds)が加わり、ジャズ・テイストのアンサンブルが展開されます。不協和音が効果的ですね。Wyattのヴォーカルもサウンドと一体化していてグッド!変てこなスキャットも面白いです。

「Little Red Riding Hood Hit the Road」
Mongezi Fezaのトランペットをフィーチャーしたフリーキーな仕上がり。WyattがFezaのファンだったようですね。そのため、WyattのヴォーカルというよりエキサイティングなFezaのトランペットにしびれる1曲。Wyatt作品ということを抜きにして楽しめるジャズ作品です。
http://jp.youtube.com/watch?v=x9jpqOedORY&feature=related

「Alifib」
「Alife」
2曲は対の楽曲であり、Wyattの奥方Alfieについて歌ったものです。「Alifib」はWyattのキーボードとHugh Hopperのベースのみの演奏が展開された後に、苦難を支えた最愛の妻への思いが切々と歌われる叙情的な仕上がりです。「Alife」はパーカッシヴな演奏をバックにポエトリー・リーディングが展開されるアヴァンギャルドな仕上がりです。フリーキーなGary Windoのサックスもグッド!
「Alifib」
http://jp.youtube.com/watch?v=9yQj4DMAsaY&feature=related

「Little Red Robin Hood Hit the Road」
ラストはかなりドラマティックな展開です。 Wyattの"世界一悲しげな歌声"でグッと迫り、『Tubular Bells』でお馴染みMike Oldfieldのギターが大活躍し、ポエトリー・リーディングも展開され、ヴィオラも鳴り響いてきます。

東京は雪が降るのでしょうか?
今日は大人しく家に居ようっと!
posted by ez at 01:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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