2009年01月19日

T.S. Monk『House Of Music』

ジャズ・ジャイアントThelonious Monkの息子によるN.Y.ディスコ・サウンド!☆T.S. Monk『House Of Music』
House Of Music
発表年:1980年
ez的ジャンル:N.Y.ディスコ/ブラコン
気分は... :Monkも文句無し???

T.S. Monkのデビュー・アルバム『House Of Music』(1980年)の紹介です。

T.S. Monkは、ジャズ史上最も個性的なピアニストThelonious Monk(1917-1982年)の息子Thelonious Sphere Monk, Jr.(1949年N.Y.生まれ)が結成したグループです。

『House Of Music』(1980年)、『More of the Good Life』(1981年)、『Human 』(1982年)という3枚のグループをリリースしています。

Thelonious Sphere Monk, Jr.は元々ジャズ畑のドラマー/コンポーザー/アレンジャーでしたが、T.S. Monkでは当時流行のディスコ/ブラコン・サウンドを聴かせてくれます。

今日紹介する1stアルバム『House Of Music』(1980年)は、往年のディスコ/ブラコン・ファンのみならず、後追いのHip-Hop好き、ハウス好きリスナーからも高い支持を得ている作品ではないかと思います。特に人気が高いのがシングルにもなった「Bon Bon Vie」「Candidate For Love」の2曲でしょうね。

ディスコ/ブラコン・ファンの方は、Dr. Buzzard's Original Savannah BandOdysseyを手掛けたSandy Linzerプロデュースという点に興味が湧くのでは?ちなみにOdysseyは本ブログで紹介したOdysseyではなく、Lopez姉妹を中心としたN.Y.のOdysseyの方です。

Hop-Hopファンの方は何と言っても「Bon Bon Vie」狙いでしょうね。Public Enemy「Welcome To The Terrordome」ネタでお馴染みのイントロを聴いただけでアドレナリン出まくりになるのでは?

ハウス・ファンの方は「Candidate For Love」にグッとくるはず!2000年代に入ってからフィルター・ハウス系のDJがプレイするようになり、人気が高まった楽曲ですね。

僕の場合、最初は「Bon Bon Vie」への関心でしたね。後述するように、Public EnemyBlackstreetといった僕に大きなインパクトを与えたアーティストの元ネタになっている楽曲に興味津々でした。

昨年末に待望のCD化が実現し、ようやく「Bon Bon Vie」をゲットでき嬉しい限りです。

購入前は「Bon Bon Vie」「Candidate For Love」の2曲以外大して期待していなかったのですが、アルバム全体もご機嫌なダンス・チューンから素敵なメロウ・チューンまで充実しており、なかなか聴き応えのある作品に仕上がっていると思います。

本作がリリースされたのが1980年、Thelonious Monkが死去したのが1982年です。何とかモンクは息子の活躍を見届けることができて良かったですね。

様々なタイプの音楽ファンが様々な楽しみ方ができる、間口の広い作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Bon Bon Vie」
アルバムのハイライトはこの曲でしょうね。Public Enemy「Welcome To The Terrordome」で使われたダイナミックなイントロに続き、Kool & the Gangあたりに通じるポップなディスコ・サウンドが展開されます。ディスコらしい明快さがいいですね。♪ボン・ボン♪ボン・ボン♪ヴィ〜♪
http://www.youtube.com/watch?v=e6w7rkgKjqE

Public Enemy「Welcome To The Terrordome」以外にも、Blackstreet「Good Life、Ice Cube「Jackin' for Beats」等でもネタ使いされています。

Public Enemy「Welcome To The Terrordome」
 http://jp.youtube.com/watch?v=9WIeEuRtEW8

Blackstreet「Good Life」
 http://jp.youtube.com/watch?v=D18X707vteQ

Ice Cube「Jackin' for Beats」
 http://jp.youtube.com/watch?v=IjImaXDJPI8

「Candidate For Love」
「Bon Bon Vie」と並ぶハイライト曲。ロマンティックなイントロに続き、キャッチーなディスコ・サウンドが展開されます。N.Y.らしい華やかな女性コーラス&スタイリッシュなアレンジがサイコー!パーカッシヴな展開も僕好み。フィルターハウス系のDJがプレイするのも頷けますな。
http://jp.youtube.com/watch?v=mymW-vcagmw&feature=related

「Hot Night In The City」
重厚かつ派手な雰囲気のファンキー・チューン。タイプライターの効果音が逆に80年代らしいレトロ感を醸し出して良いのでは(笑)。個人的にはあまり好みのタイプの楽曲ではありませんが...

「Last Of The Wicked Romancers」
メロウなスロウ・チューン。爽快度の高いライト・タッチな仕上がりが僕好み!
http://jp.youtube.com/watch?v=EgZG6zZw09k&feature=related

「Can't Keep My Hands To Myself」
「Bon Bon Vie」、「Candidate For Love」というハイライト2曲に続くのがこの曲かもしれません。同時期にリリースされたFat Larry's Bandのバージョンでお聴きになっていた方もいるのでは?このT.S. Monkバージョンの方がメロウ・ダンサー度が高い仕上がりになっていると思います。特に後半の込み上げ具合がサイコーですね。Diamond D「Can't Keep My Grands to Myself」ネタにもなっています。
http://jp.youtube.com/watch?v=OdiWM996-Yk

「Stay Free Of His Love」
元気一杯のダンス・チューン。このままオリジナルで聴くよりも、リミックスでハウス的な仕上がりにするとバッチリな気がします。

「House Of Music」
タイトル曲はかなりお気に入り。アップテンポのノリがご機嫌なファンク・チューン。大音量で聴くと、みんなで大盛り上がりできますっ!

90年代以降Thelonious Sphere Monk, Jr.はソロ・アーティストとして、本来のフィールドであるジャズ寄りの作品をリリースしているようです(スミマセン、未聴です)。
posted by ez at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする