2009年01月30日

Queen Latifah『Nature Of A Sista'』

女性ラッパーのパイオニアの2nd☆Queen Latifah『Nature Of A Sista'』
Nature of a Sista
発表年:1991年
ez的ジャンル:女性ラッパーのパイオニア
気分は... :"Latifah姉さん、もう勘弁してください(笑)

今日は女性ラッパーのパイオニアQueen Latifahの2ndアルバム『Nature Of A Sista'』(1991年)です。

Queen Latifah(本名Dana Elaine Owens)は1970年ニュージャージー州生まれのラッパー/シンガー/女優。

女性ラッパーのパイオニアであり、DJ Mark the 45 King率いるFlava Unitの一員として、1989年に『All Hail the Queen』でデビューします。その後『Nature of a Sista』(1991年)、『Black Reign 』(1993年)、『Order in the Court』(1998年)といったアルバムをリリースしています。

90年代初めから女優としても活躍しており、『Chicago』(2002年)ではアカデミー賞の助演女優賞にもノミネートされています。

近年のアルバム『The Dana Owens Album』(2004年)、『Trav'lin' Light』(2007年)ではラップを封印してジャズやポップスを歌うシンガーになっているQueen Latifahですが、やはり僕の中ではど迫力の女性ラッパーというイメージが強いです。"Latifah姉さん"って感じですね!

個人的には1st『All Hail the Queen』、2nd『Nature of a Sista』の2枚こそが、女性ラッパーの先駆者Latifahの真骨頂という気がします。

インパクトという面では名曲「Ladies First」De La Soulとの共演曲「Mama Gave Birth to the Soul Children」を含むデビュー作『All Hail the Queen』かもしれません。まだHip-Hopを聴き始めて間もない僕にとって、このアルバムは相当刺激的だった記憶があります。

今日紹介する2nd『Nature of a Sista』は、インパクトでは『All Hail the Queen』に劣るものの、完成度という点では彼女の全作品の中でも一番なのではと思います。

本作ではNaughty by Nature"Little" Louie Vega、Soulshock、K-Cut(Main Source)、Nevelle Hodge、Queen Latifah本人がプロデュースを担当しています。Naughty by NatureはFlava Unitの仲間同士、"Little" Louie Vega、Soulshockは『All Hail the Queen』に続いての参加ですね。Main SourceK-CutLarge Professorに負けじといい仕事をしています。

本筋とは逸れますが、今ではハウス界のスーパープロデューサーになってしまったLittle Louie Vega(この頃はLuis "Louie Louie" Vegaとクレジットされています)のHip-Hopシーンでの仕事ぶりを聴くのも楽しいアルバムです。この頃は"ヒップ・ハウス"なんて言葉もあり、Hip-Hopとハウスがかなり近いところに位置していた気がします。本作や『All Hail the Queen』でもHip-Hopアルバムであるにも関わらず、ハウス的なサウンドを聴くことができます。

以前から何度も書いていますが、やはり90年代前半がHip-Hop黄金期だったような気がします。本作『Nature of a Sista』もそんなHip-Hop黄金期の充実ぶりを示してくれる1枚です。

Latifah姉さんの強烈フロウとカッチョ良すぎるトラックにKOされること間違いなし!

全曲紹介しときやす。

「Latifah's Had It Up 2 Here」
僕のオススメその1。オープニングはNaughty by Natureプロデュースによる人気曲。シングルにもなりました。ピアノ・ループによるアーバンかつポップなトラックとLatifahの貫禄のあるフロウがよくマッチしています。途中のスクラッチもグッド!
http://jp.youtube.com/watch?v=5JukK7vTfRg&feature=related

「Nuff' of Teh Ruff' Stuff'」
僕のオススメその2。"Little" Louie Vegaプロデュースのファンキー・チューン。途中ラガ・テイストなパートがあるのも楽しいですな。Latifahらしいパンチのあるフロウがガンガン迫ってきます!ハウス・プロデューサーとしての"Little" Louie Vegaしか知らない人に是非聴いて欲しいですね。

「One Mo' Time」
Naughty by Natureプロデュース曲。Cymande「Genevieve」ネタのブラック・フィーリング溢れるトラックがカッチョ良いです。

「Give Me Your Love」
僕のオススメその3。Soulshockプロデュース。タイトルの通り、Curtis Mayfield「Give Me Your Love」のカヴァー(リメイクと言った方が適切か?)。途中ラップ入りの「Give Me Your Love」もなかなかカッチョ良いですよ!Latifahのシンガーとしての魅力も堪能できます。

「Love Again」
僕のオススメその4。Soulshockプロデュースによるアッパー・チューン。ヴァイヴの音色とうねりまくるベースラインのカッチョ良さにグッときます。

「Bad as a Mutha」
僕のオススメその5。この曲もSoulshockプロデュースによるファンキー・チューン。BlackByrds「Blackbyrds'Theme」ネタのベースラインを使った扇動的なトラックがサイコーです。トラックに負けないLatifahの畳み掛けるフロウもグッド!前の「Love Again」もそうですが、Soulshockのトラックはベースラインがグッと来ますな!

「Fly Girl」
僕のオススメその6。シングルにもなったこのファンキー・ミドルはクラシックですね。Clarence Wheeler & The Enforcers「Right On」のオルガン・ネタがいい感じです。Simple Pleasureによるコーラスも盛り上げてくれます!

「Sexy Fancy」
K-Cut(Main Source)プロデュース。Scringer Ranksをフィーチャーしたラガ・チューン。こういうのを聴くと、当時流行っていたShineheadやShabba Ranksなんかが聴きたくなりますね。

「Nature of a Sista'」
僕のオススメその7。タイトル曲は"Little" Louie Vegaプロデュースによるファンキー・チューン。スリリングなスピード感が魅力です。軽快なホーンの鳴り具合もグッド!Funk Inc.「Kool Is Back」、Brothers Johnson「Ain't We Funkin Now」ネタ。

「That's the Way We Flow」
僕のオススメその8。K-Cut(Main Source)プロデュース。De La Soul好きの人ならば絶対気に入るNative Tonguesっぽいハッピー&ラブリー・モードな仕上がりです。1st収録のDe La Soulとの共演曲「Mama Gave Birth to the Soul Children」と一緒聴くとバッチリなはず!Meters「Ease Back」、Wilmer & the Dukes「I'm Free」ネタ。

「If You Don't Know」
James Brown「The Payback」ネタのファンキー・ミドル。90年代初めらしいサウンド・プロダクションが懐かしいです。キャッチーなコーラスがいい感じ。Nevelle Hodgeがプロデュースしています。僕の場合、Nevelle Hodgeと言えば、Pete Rock & C.L. Smoothの大名曲「Lots of Lovin」の印象が全てなのですが...

「How Do I Love Thee」
僕のオススメその9。アルバムの中でもかなり異質なダンス・チューンですがシングルにもなりました。Hip-Hopというよりもハウス寄りの雰囲気ですな。深夜のエロエロ・モードにピッタリな仕上がりです(笑)
http://jp.youtube.com/watch?v=1lUfjcJSZ-M

殆どの曲がオススメになってしまいました(笑)
自分でも再認識しましたが、僕はかなり本作が好きなんですね。

次は1st『All Hail the Queen』を紹介したいと思います。
posted by ez at 04:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする