2009年02月28日

Neon Phusion『The Future Ain't the Same as It Used 2 B』

The Bugz in the Atticのクルー内プロジェクト☆Neon Phusion『The Future Ain't the Same as It Used 2 B』
The Future Ain't the Same as It Used 2 B
発表年:1999年
ez的ジャンル:フューチャー・ジャズ/フュージョン
気分は... :3月攻勢を誓って...

あっという間に2月も最終日...

日本経済はどうなってしまうのでしょうね!
だんだん他人事ではなくなってきているので、3月は少し巻き返しを図らねば!

西ロンドン発のクラブ・ミュージック"ブロークン・ビーツ"♪
今日はその黎明期にリリースされ、現在も評価の高いアルバムNeon Phusion『The Future Ain't the Same as It Used 2 B』(1999年)です。

これまで当ブログにおいて、Mark De Clive-Lowe『Journey 2 The Light』(2007年)、2000Black『A Next Set A Rockers』(2008年)といったブロークン・ビーツ系の作品を紹介してきましたが、そうしたムーヴメントの先駆けとも言える作品がNeon Phusion『The Future Ain't the Same as It Used 2 B』と言えるのでは?

Neon Phusionは、Orin Walters (Afronaught)Kaidi Tatham (Agent K)Alex Phountziの3人から成るユニット。3人とも西ロンドンの最重要プロデューサー・クルーBugz in the Atticのメンバーであり、その意味ではBugz in the Atticのクルー内プロジェクトという位置づけになるのかもしれません。

3人の中でも特に有名なのはプロデューサー/キーボード奏者のKaidi Tathamかもしれませんね。Bugz in the Attic以外にも、先に紹介したDego(4Hero)とのユニット2000Black、Dego、Daz-I-KueとのユニットDKD、ソロ(Agent K名義も含む)でそれぞれ作品をリリースしている注目アーティストです。

さて、Neon Phusion『The Future Ain't the Same as It Used 2 B』ですが、リリース当時は本作がブロークン・ビーツ初期の名作であるなんて認識は全くありませんでした。一部評論家・リスナーの間で評価が高い作品でしたが、かなり局地的な支持だったのではないかと思います。

そもそも当時は"ブロークン・ビーツ"なんて呼称自体も知りませんでした。僕自身もこのジャンル名をちゃんと認識したのはここ数年のことですし、音自体はいまだにうまく説明できません(泣)

僕の場合、90年代前半〜半ばまではUKクラブ・ミュージックを聴く頻度がそれなりに多かったのですが、本作リリースされた90年代後半はそれほどを熱心に聴いていたわけではありませんでした。それでも本作は発売後ほどなくして購入した記憶があります。多分、CDショップで試聴し、何か心に刺さるものがあったのでしょうね。

僕の中ではユニット名の影響もあって"21世紀のフューチャー・ジャズ/フュージョン"といった印象が強かったです。今で言うNu Jazzって感じですかね。ハウス、ジャズ/フュージョン、R&B/ソウルがすっきりとスタイリッシュに融合している感じが気に入りました。

当時はKaidi TathamThe Bugz in the Atticの名前を意識することなく聴いていましたが、その後の彼らの活躍ぶりを考えると本作への興味がさらに深まりますね。

今回、久々に通しで聴き直してみて、改めて良いアルバムだと実感していることろです。何よりKaidi Tathamを通じて、本作と昨年のお気に入りクラブ・ミュージックの1枚であった2000Black『A Next Set A Rockers』(2008年)がつながったスッキリ感で一杯です。

ブロークン・ビーツ云々は気にせず、スタイリッシュ&コズミックなUKクラブ・ミュージックとして楽しめばいいと思います。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
「Destination」
オススメその1。イントロに続き、フューチャー・フュージョンな「Destination」へ突入。フュージョンの心地好さとブラッシュアップされたリズムを近未来的なテイストでスタイリッシュにまとめあげています。この1曲で彼らのセンスの良さが実感できますね。
https://www.youtube.com/watch?v=grzpL8zTrQs

「How Times Fly」
オススメその2。Don Ricardoのヴォーカルをフィーチャーしたクラシック。ソウルフル&アーバン・ナイトな大人のフューチャー・ソウルといった感じですね。週末の深夜に聴くのにピッタリな音ですね。

「Blue Terra」
「Hot Ice」
オススメその3。「Blue Terra」もクラシック化しているようですね。パーカッシヴなリズムとコズミックなキーボード・サウンドによる音の洪水に吸い込まれそうです。「Hot Ice」ではさらに音の洪水で畳み掛けてきます。

「Interlude」
「Space Jam」
オススメその4。スペイシーなインタールードに続き「Space Jam」へ突入します。70年代フュージョンを21世紀型クラブ・ミュージックに昇華させたフューチャー・フュージョンって感じですね。スピリチュアルな音空間が実に心地好いです。

「Electric Lady」
Sylvia Tellaによるパンチのある女性ヴォーカルをフィーチャー。クール&ミステリアスな雰囲気がグッド!

「Timecode」
オススメその5。パーカッシヴな展開がかなり僕好み。キーボードによる音の表情が局面ごとに変化していく様子がいいですね。

「Kula Maku」
Melissa Brownのヴォーカルをフィーチャーしたトライバルな仕上がり。アフロ・リズムにのって官能的なヴォーカルを堪能できます。後半になると呪文のように聴こえてきますが(笑)

「The Future Ain't the Same as It Used 2 B」
オススメその6。このタイトル曲がアルバムのハイライトなのでは?New Sector Movements(IG Culture)をフィーチャーしています。パーカッシヴなリズムに印象的なキーボード・リフが絡み、トライバル&コズミックなグルーヴが展開されます。様々な音楽吸収したまさにフューチャー・ミュージックという感じですね。名曲と呼ばれるのも納得です!
http://www.youtube.com/watch?v=TVWCb4LQmOE

「Seji's Jam」
エンディングはBugz in the Atticのクルーの一人Sejiの名を冠しています。畳み掛けるような展開に圧倒されます。僕など本来こういったサウンドはやかましく聴こえてしまうのですが、それを最後まで聴かせてしまうのが彼らの凄いところかもしれませんね。

本作とセットでBugz in the AtticKaidi Tathamの作品もどうぞ!

Bugz in the Attic『Back in the Doghouse』(2006年)
Back In The Dog House
Back In The Dog House

Kaidi Tatham『In Search Of Hope』(2008年)
In Search Of Hope
In Search Of Hope
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2009年02月27日

Birgit Lystager『Birgit Lystager』

冬に聴く北欧ボッサ最高!☆Birgit Lystager『Birgit Lystager』
ビアギッテ・ルゥストゥエア
発表年:1970年
ez的ジャンル:北欧ボッサ
気分は... :冬のボッサ最高!

今日はかなり冷え込むようですね。
こんな時には北欧アーティストの作品が聴きたくなる?

と言うことで、デンマークの女性シンガーBirgit Lystagerによる1970年リリースの作品『Birgit Lystager』です。

北欧ボッサの人気作ですね。

正直、彼女の経歴はデンマークの女性シンガーということ以外知りませんし、いまだに"ビアギッテ・ルストゥエア"というアーティスト名すらちゃんと言えません(笑)。

それでも以前にショップで試聴して気に入っており、"いつかゲットしよう"と機会をうかがっていました。昨年末、プロダクション・デシネより紙ジャケ仕様のリイシュー盤がリリースされたため、ようやくゲットできました。さすがはプロダクション・デシネ!

数日前のDaniela Und Ann『Samba-Soul-Beat in Black & White』のエントリーでも書きましたが、今月はかなりボッサな音を欲しています。特にDaniela Und Annや今日のBirgit Lystagerのように欧州のボッサ作品がお気に入りです。ボッサ・テイストをヨーロッパの感性でスタイリッシュに聴かせてくれるのがいいですね。

本作『Birgit Lystager』は全曲ボサノヴァ名曲や欧米のヒット・ソングのカヴァーです。オリジナルまたは参考にしたカヴァーに忠実な作りになっており、その意味ではかなりベタなカヴァー・アルバムかもしれません。

それでも北欧ボッサの人気作として多くの人を魅了するのは、Birgitの愛らしいヴォーカル&デンマーク語の語感が醸し出す独特の雰囲気かもしれません。小粋なサウンド・プロダクションも忘れてはいけませんね。

多くの人は寒そうな中で微笑むBirgitのキュートなスマイルにKOされてしまうはず...勿論僕もそうです!(笑)

ボサノヴァ、ソフト・ロック、ポップス・ファンの方は魅了されること間違いナシ!のアルバムだと思います。先日紹介したDaniela Und Annでセットでゲットすると最高にハッピーになるはずですよ!

全曲紹介しときやす(1曲を除き全てオススメ)。

「Vores Eget Lille Sted (Pretty World)」
「Christina (Tristeza)」と並ぶ本作のハイライト。「Pretty World」と言う英題でも知られるAntonio Adolfo作「Sa Marina」のデンマーク語カヴァー。Sergio Mendes & Brasil'66のカヴァー(アルバム『Crystal Illusions』収録)でもお馴染みのボサノヴァ・チューンですね。Birgitもセルメン・バージョンからこの曲に辿り付いたのでは?

透明感のあるBirgitの歌声にピッタリな愛らしく、爽快な仕上がりです。聴いた途端になるハッピー・モードになるミラクルな1曲ですね。この1曲だけでも本作を聴く価値がある名カヴァーだと思います。サイコー!

「Manden Pa Hojen (Fool On The Hill)」
The Beatlesの名曲カヴァー。この曲もSergio Mendes & Brasil'66のカヴァー(アルバム『Fool On The Hill』収録)の影響かもしれませんね。個人的にはボッサ・テイスト溢れる本バージョンの方がセルメン・バージョン以上にお気に入りです。

「Naer Ved Dig (They Long To Be Close To You)」
Carpentersの大ヒットで知られる「Close to you」(Hal David/Burt Bacharach作品)のカヴァー。Carpentersヴァージョンの切なく甘酸っぱいムードを引き継いだカヴァーですが、デンマーク語の語感がオリジナルとは異なる独特の雰囲気を醸し出します。(CDを持っていますが)気恥ずかしくてCarpentersヴァージョンを滅多に聴かない僕なのに、Birgitバージョンはすんなり聴くことができるナイス・カヴァーです。

「Jeg Venter Pa Et Vink (Gimme Little Sign) 」
Brenton Wood、1967年全米Top10ヒット曲のカヴァー。オリジナルをよりポップでキュートにした仕上がりです。昭和40年代歌謡曲っぽいノリがたまりません。

「Birger (Sunny)」
Bobby Hebb、1966年のヒット曲「Sunny」のカヴァー。多くのアーティストがカヴァーしている曲ですよね。個人的な推測ですがBirgitバージョンはDusty Springfieldバージョンを参考にしているのでは?小粋なオルガンにシビれるジャズ・テイストの仕上がりです。関係ありませんが、この曲って最初にレコーディングしたのは弘田三枝子さんなんですね。へぇ〜!って感じです。

「Ga Din Vej (Wight Is Wight)」
フランス人シンガーMichel Delpech作品のカヴァー。多分、BirgitバージョンはSandie Shawバージョン(1970年)を参考にしていると思います。オーケストレーションが雰囲気を盛り上げてくれる、甘酸っぱい青春ポップスに仕上がっています。

「Christina (Tristeza)」
「Vores Eget Lille Sted (Pretty World)」と並ぶ本作のハイライト。「Tristeza」はHarold Lobo/Niltinho作のボサノヴァの名曲です。この曲も数多くのアーティストがカヴァーしていますね。当ブログでも以前にSergio Mendes & Brasil'66バージョンを紹介しました(アルバム『Look Around』収録)。

僕の場合、基本的に本曲が大好きなので、どのアーティストのカヴァーも楽しく聴いています。Birgitバージョンは子供のコーラスが入り、無垢な楽しいハッピー気分を高めてくれるが魅力ですね。子供コーラス入りの「Tristeza」と言えば、スウェーデンの女性シンガーLill Lindforsのヴァージョン(1968年、アルバム『Kom I Min Varld 』収録)が先行しており、Birgitバージョンも参考にしているはずだと思います。

いずれにしても聴くだけで幸福になれる、ハッピー&スマイリー&ピースフル&ピュアな名カヴァーだと思います。

「Pa Regnbueve (Make It With You)」
Breadの大ヒット曲のカヴァーです。オリジナルに近い爽快なカヴァーに仕上がっています。ここでもデンマーク語の語感がいい感じです。

「Aldrig Bli Forelsket Mer (I'll Never Fall In Love Again)」
「Close to you」に続くHal David/Burt Bacharach作品のカヴァー。オリジナルはミュージカル『Promises, Promises』のために書かれました。数多くのカヴァーがありますが、有名なのはDionne Warwickですかね。プリティなBirgitのヴォーカルにぴったりな楽曲ですね。エレガントなオーケストレーションもグッド!

「Sa Har Vi Hinanden (Melting Pot)」
ファンキーロック・バンドBlue Minkの「Melting Pot」のカヴァー(1969年、UKシングル・チャート第3位)。かなりオリジナルに近い仕上がりのカヴァーです。

「Vis Mig En Vej (Sometimes)」
Les Reed作品のカヴァー。エレガントなオーケストレーションによる正統派ポップスに仕上がっています。

「Smilende Susie (Pretty Belinda)」
Chris Andrewsのカヴァー。唯一ピンとこなかったのが本曲。オリジナルもイマイチだし、この曲をセレクトしたBirgitサイドの意図もよくわかりません。

UEFAチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦1stレグが終わりました。
さすがに決勝トーナメントに入ると、1stレグは強豪クラブも慎重な戦いぶりが目立ちましたね。

好き、嫌いは別にしてレアルマドリード、ユベントスの2チームが有力かなぁ、なんて予想しているのですが共に1stレグで敗れてしまいました。2ndレグでの巻き返しが見物です。
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2009年02月25日

Charlie Wilson『Uncle Charlie』

闘病生活を乗り越えてリリースした充実の新作☆Charlie Wilson『Uncle Charlie』
Uncle Charlie
発表年:2009年
ez的ジャンル:現役バリバリ・ベテラン男性R&B
気分は... :チャーリーおじさん、ガンをやっつけろ!

今日はCharlie Wilson待望の新作『Uncle Charlie』です。

注目作品が昨年末に集中リリースされたせいか、年明けの新作R&Bにはイマイチ食指が動かないのですが、本作はゲットしないわけにはいきません!

The Gap Bandのリーダーとして80年代に大活躍したCharlie Wilson。ソロ・アルバムとしては『You Turn My Life Around』(1992年)、『Bridging The Gap』(2000年)、『Charlie, Last Name Wilson』(2005年)に続き4作目となります。

先月エントリーした『The Gap Band III』の記事でも触れたCharlie Wilsonの新作『Uncle Charlie』が遂にリリースされました。

それと前後してCharlieが自身のHPで前立腺ガンであることを告白しました。昨年9月に告知を受け、放射線治療を続けていたとのこと。新作の発売延期の理由はコレだったんですね。幸い早期発見であったため、経過は順調なようです。ファンとしては新作を聴きながら、回復をただただ祈るのみですね。

さて、その新作の内容ですが闘病生活を送っていたとは信じられない充実ぶりです。

プロデューサーとしてThe Underdogsをメインに、Gregg Pagani、Los Da Mystro、T-Pain等を起用し、バリバリ現役モードの今時R&Bを聴かせてくれます。ゲストとしてSnoop DoggT-PainJamie Foxxが参加しています。

ちなみにタイトルの"Uncle Charlie"とは蜜月関係にあるSnoop Doggが名付けたニックネームなのだとか。

Charlie Wilsonの場合、単に"レジェンド・シンガー"というだけではなく、流行のサウンド・プロダクションを取り入れた現役感があるのがいいですね。流行のサウンド・プロダクションや歌い回しに違和感なく対応できる柔軟性を持っていることに感心してしまいます。

この柔軟性があるからこそ、リアルタイムでThe Gap Bandを聴いたことがないリスナーからも高い支持を得るのでしょうね。

逆に、"The Gap Bandは聴いたけど、ソロ作は聴いていない"というオールド・ファンの方は、これを機にソロ作を聴いてみては?流行のサウンド・プロダクションを取り入れたと言っても、Charlieのセクシーで、メロウな大人のヴォーカルの魅力は失われていないのでご安心を!

みんなで新作を聴きながら、ガンと闘うチャーリーおじさんにエールを送りましょう!

全曲紹介しときやす。

「Musta Heard」
オープニングはThe Underdogsプロデュース。中近東のりのエキゾチックなアップ・チューンに仕上がっています。

「Shawty Come Back」
Gregg Paganiプロデュース。Player「Baby Come Back」のサビを引用したキャッチーなミッド・チューン。今時シンセ・サウンドをバックにしても全然違和感がないチャーリーおじさんです。

「There Goes My Baby」
僕のオススメその1。名曲の雰囲気漂う2ndシングル。Gap Band好きのオールド・ファンも納得するであろうメロウ・チューンに仕上がっています。Gregg Paganiプロデュース。ソングライター陣にはBabyface、Calvin Richardson、Daryl Simmonsといった名前もあります。Rose Royce「Would You Please Be Mine」ネタのトラックとスウィート&セクシーなCharlieのヴォーカルの組み合わせがサイコー!個人的には相当グッときています。
http://jp.youtube.com/watch?v=slVv5T7rq04

「Can't Live Without You」
僕のオススメその2。The Underdogsプロデュースによるミッド・チューン。これぞUnderdogs!といった感じのいい仕事ぶりですね。Charlie Wilsonの大人のセクシー・ヴォーカルとUnderdogsの美メロ・ミッドの相性は抜群だと思いますね。
http://www.youtube.com/watch?v=qmbGTypbHEk

「Back to Love」
僕のオススメその3。Los Da Mystroプロデュース。Ne-Yoあたりがお好きな若いR&Bファンの方が気に入りそうな仕上がりですね。チャーリーおじさんの柔軟性がうかがえる1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=pHqP_8SLKW8

「One Time」
僕のオススメその4。Bigg Dプロデュース。ソングライティングはMariah Carey「We Belong Together」、Mary J. Blige「Be Without You」等でお馴染みのJohnta Austin。楽曲の良さを生かしたメロウな仕上がりです。そう言えば、Johnta Austinももうすくデビュー・アルバムをリリースするみたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=5Cq-feHJ-5A

「Let It Out」
僕のオススメその5。Snoop Doggをフィーチャー。やはり、チャーリーおじさんのアルバムにSnoop Doggは欠かせませんね。Gap Bandファンには嬉しい「Early in the Morning」ネタのアップ・チューンに仕上がっています。Gregg Paganiプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=p-H9_wJ8nSU

「Love, Love, Love」
僕のオススメその6。RANDOMプロデュース、ソングライティングThe Underdogsのミディアム・スロウ。オーソドックスな部分と今時R&Bな部分を上手にミックスした素晴らしい出来栄え。
http://www.youtube.com/watch?v=KMCVlLKAlfQ&

「What You Do to Me」
Reed Vertelneyプロデュース。この曲もモロにNe-Yoっぽいですね。どうせだったら、Ne-Yoの楽曲を歌うチャーリーおじさんを聴きたいですね(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=UMOMQpN4fl4

「Homeless」
僕のオススメその7。The Underdogs & RANDOMプロデュースによるセクシー・スロウ。チャーリーおじさんの歌いっぷりにウットリですな。こういったムード満点のスロウを歌わせたら天下一品ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=xUhMNTuCYmM

「Thinkin' of You」
The Underdogsプロデュース。80年代エレクトリック・ファンク風のサウンドが印象的ですね。

「Supa Sexxy」
僕のオススメその8。ラストはT-Painプロデュース。アルバムからのリードシングルとして既にお馴染みの1曲ですね。いくつかバージョンがありましたが、最終的にはT-Pain & Jamie Foxxをフィーチャーしたものが収録されました。今時のアゲアゲ・チューンに仕上がっています。さすがチャーリーおじさんは若い!
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=2H-aaKkIVgI

しばらくサッカー・ネタに触れていませんでしたが、今日からUEFAチャンピオンズリーグの決勝トーナメントが始まります。

今日は「リヨン対バルセロナ」、「アーセナル対ローマ」、「インテル対マンチェスターU」、「アトレティコマドリード対ポルト」の4試合。特に「リヨン対バルセロナ」、「インテル対マンチェスターU」は決勝でもおかしくない好カードなのでは?

「インテル対マンチェスターU」のモウリーニョ対ファーガソンの指揮官対決は見物ですな。あとは大好きなアーセナルに踏ん張って欲しいですね。

スカパーで4試合を同時フォローしながら観るつもりです。
リモコンいじりすぎで指が疲れそうですが(笑)
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2009年02月24日

Miles Davis『The Man With The Horn』

帝王6年ぶりのカムバック作☆Miles Davis『The Man With The Horn』
The Man with the Horn
発表年:1981年
ez的ジャンル:カムバック・マイルス
気分は... :アカデミー賞観ました?

昨日は第81回アカデミー賞授賞式がありましたね。
約4時間しっかり生放送で観てしまいました。仕事しろって!(笑)

日本人としては、やはり『Departures(おくりびと)』の外国語映画賞受賞は感動的でしたね。

全体としては、『The Curious Case Of Benjamin Button(ベンジャミン・バトン/数奇な人生)』を抑えた『Slumdog Millionaire(スラムドッグ$ミリオネア)』の圧勝でした。低予算作品が巨額制作費の作品に勝利したのは映画界全体の流れとして良かったのでは?

個人的には受賞作品、受賞者よりも、司会を務めたHugh Jackmanの見事なパフォーマンスが印象的でした。単なるイケメン俳優だと思っていたので、歌って、踊れて、話も上手で...と見事なエンターテイナーぶりにびっくりしてしました。特に音楽ファンとしては、滅多に観ることができないBeyonceとの音楽パフォーマンスは圧巻でしたね。

音楽で言えば、オリジナル作曲賞&オリジナル歌曲賞をダブル受賞したインド音楽界の巨匠A.R. Rahman(Slumdog Millionaire)のパフォーマンスも素晴らしかったですね。昨日に限って言えば、一緒にステージに立った(大好きな)John Legendよりも存在感がありましたね。

Queen Latifahが追悼コーナーでスタンダードを歌っていましたね。彼女にはスタンダードではなく、ラップをして欲しいのですが。また、Alicia Keysにはプレゼンターだけではなく、パフォーマンスを披露して欲しかったですね。

さて、今日はジャズ界の帝王Miles Davis『The Man With The Horn』(1981年)です。ジャケに描かれている像が何となくオスカー像っぽい(?)のでセレクトしてみました(笑)

これまで紹介してきたMiles作品は以下の11枚(録音年順)♪
 『Bag's Groove』(1954年)
 『'Round About Midnight』(1955、56年)
 『Cookin'』(1956年)
 『Miles Ahead』(1957年)
 『Milestones』(1958年)
 『Someday My Prince Will Come』(1961年)
 『Miles Smiles』(1966年)
 『Filles De Kilimanjaro』(1968年)
 『In A Silent Way』(1969年)
 『On The Corner』(1972年)
 『Get Up With It』(1970、72、73、74年)

相変わらず、『Kind of Blue』(1959年)、『Bitches Brew』(1969年)を後回しにしていますが(笑)

ファンの方はご存知の通り、『Agharta』(1975年)、『Pangaea』(1975年)という大阪でのライブ録音2作品を最後に病気療養のため、活動を休止してしまいます。

そして、約6年ぶりの復帰作として発表された作品が今日紹介する『The Man With The Horn』(1981年)です。

本作を含めて、復帰後の作品に対するジャズ・ファンからの評価はあまり高くありませんね。

そもそも復帰後のMilesはラップ/Hip-Hop等最新ブラック・ミュージックのエッセンスを積極的に取り入れ、ジャズの範疇では収まりきらない作品をリリースしていました。Scritti Politti『Provision』(1988年)、Cameo『Machismo』(1988年)といった作品へのゲスト参加からも、こうした傾向がうかがえます。

そして極めつけは、最後のスタジオ録音作となった『Doo-Bop』(1992年)でしょう。ラッパーのEasy Mo BeeがプロデュースしたHip-Hopアルバムである同作をジャズ・ファンが聴いても全然ピンと来ないでしょうし、到底受け入れられなかったと思います。

『The Man With The Horn』はそんな晩年のMilesの出発点となった作品です。

メンバーは、Miles Davis(tp)、Bill Evans (ss)、Mike Stern(g)、Barry Finnerty(g)、Robert Irving(p)、Randy Hall(syn、vo)、 Marcus Miller(b)、Felton Crews(b)、Al Foster(ds)、Vincent Wilburn(ds)、Sammy Figueroa(per)という布陣です。特にMarcus MillerのMiles作品初登場が目を惹きますね。プロデュースはお馴染みTeo Macero

全部で6曲収録されていますが、Al FosterBill EvansMarcus Miller等を擁するメンバーによる4曲と、Milesの甥っ子Vincent Wilburnを中心とした2曲に大別できます。

ジャス・ファンからはVincent Wilburn絡みの2曲の評判が良くありませんね(Miles本人というよりVincentへの批判かもしれませんが)。きっと"何でMilesがこんな軟弱な演奏をするの!"ということなのだと思います。まぁ、それもわからなくはありませんが...軟弱な音も大好きな僕などは全然違和感ありません(笑)

インパクトという点では弱いかもしれませんが、Milesが決してエレクトリック・マイルスで立ち止まらず、さらなる進化へ歩みはじめたことを印象づけてくれる佳作だと思います。

アルバム全体を眺めてみるとバラエティに富んでおり、聴く人の嗜好でお気に入り曲がかなり変わってくるアルバムなのでは?という気もします。そんな聴き方をしても楽しめるのでは?

Milesマニアでもなく、ジャンルへのこだわりが全くなく、かつ"永遠のジャズ初心者"である僕のようなリスナーが案外一番楽しめる作品かもしれません。

全曲紹介しときやす。

「Fat Time」
アルバムのハイライトとなるのがこのオープニングなのでは?まずはAl FosterとMarcus Millerが生み出す骨太グルーヴにKOされ、そこにMilesのミュートが絡むと昇天しそうな気分になりますね。数あるMiles作品の中でも上位にくるカッチョ良さなのでは?それだけでも大満足なのに、さらにMike Sternのギターが暴れまくり、とどめを刺されます。ちなみにタイトルの"Fat Time"とはMike Sternのことなのだとか(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=TxDq65Wjua8

「Back Seat Betty」
ライブ・レパートリーとしてお馴染みの曲ですね。この張り詰めた感じが好きです。ゴチャゴチャしていない分、音空間での各プレイヤーの動きがクリアに聴こえていいですね。特にMarcus Millerのベースがたまりませんなぁ。フェードアウトで終わってしまうのがTeo Maceroらしい(笑)

「Shout」
さて問題のVincent Wilburn絡みの1曲目。曲もRobert Irving/Randy Hall等Vincent人脈のメンバーによるものです。所謂フュージョン・チューンに仕上がっています。個人的にはキャッチーでパーカッシヴな演奏はなかなかカッチョ良いと思います。まぁ、この演奏にMilesが加わる必要があるのかという気はしますが...それを意識せずに聴けば結構ノリノリになるはずですよ。

「Aida」
この曲もライブ・レパートリーになっていた曲です。エレクトリック・マイルス好きの人が聴いて安心する曲なのでは?確かに「Shout」の次に本曲を聴くと、「Shout」が安っぽく聴こえるのも仕方がないかもしれませんね(笑)。それ位スリリングでカッチョ良い音ですな。

「The Man With the Horn」
Vincent Wilburn絡みの2曲目(Robert Irving/Randy Hall作品)。このタイトル曲はなんとヴォーカル入りです(リード・ヴォーカルはRandy Hall)。歌詞はタイトルからわかる通りMilesのカムバックをテーマにしたものです。アーバン・ムードたっぷりのAORといった仕上がりです。普通にアーバン・ソウル/AORとして聴けば全然OKだと思うのですが、ジャズ・ファンはそれを許容しないのでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=25vB7bWz2qY

「Ursula」
ラストは4ビートの曲です。やはりジャズ・ファンは軟弱なタイトル曲よりも、こういった4ビートにグッとくるのでしょうね。でも往年のMilesを懐かしむノスタルジックな演奏になっていないのが、さすが帝王ですね。

最近、記事ボリュームが多くて作成するのにエラく時間がかかります(泣)。自分で自分の首を絞めている気が...
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2009年02月23日

XTC『White Music』

ニューウェイヴ然としたデビュー・アルバム☆XTC『White Music』
White Music
発表年:1978年
ez的ジャンル:ひねくれ系ニューウェイヴ
気分は... :Andyもかつてはイケメンだった?

英国を代表するシニカルなポップ/ロック・グループXTCの4回目の登場です。

これまで当ブログで紹介したXTC作品は以下の3枚。
 『English Settlement』(1982年)
 『Mummer』(1983年)
 『Oranges & Lemons』(1989年)

4回目の今日は1978年リリースのデビュー・アルバム『White Music』です。

個人的には『Oranges & Lemons』『Skylarking』(1986年、Todd Rundgrenプロデュース)あたりのひねくれポップ・センス全開のXTCが一番好きです。

それらの作品と比較すると、今日紹介するデビュー・アルバム『White Music』はかなり異なる印象を受けるアルバムですね。まさにニューウェイヴの典型のようなアルバムに仕上がっています。

元々The Helium Kidzとして活動していたAndy Partridge(g、vo)、Colin Moulding(b、vo)、Terry Chambers(ds)の3人にBarry Andrews(key)が加わり、バンド名がXTCとなります。そして、1977年に「Science Friction」を含むシングル『3D-EP』でデビューを果たします。

そして1978年にリリースされたのがデビュー・アルバムとなる本作『White Music』です。プロデュースはJohn LeckieRadiohead『The Bends』等も手掛けていますね)が務めています。

本作を聴くと、改めてXTCはニューウェイヴ・バンドなんだということを実感します。
一方でXTCがニューウェイヴ然としていたのは、Andy PartridgeBarry Andrewsという2つの個性があったからこそだという気がします。

どうしてもAndy Partridge中心のグループというイメージですが、初期2作におけるBarryの存在感はかなり大きかったと思います。残念ながら、2つの個性の共存は長くは続かず次作『Go 2』(1978年)リリース後にBarryはグループを脱退します(代わってDave Gregoryが加入)。

その意味では2nd『Go 2』までのXTCと、3rd『Drums and Wires』以降のXTCは、かなり異なる印象を受けるはずだと思います。

『Skylarking』あたりのXTCを聴き慣れている人にとって、このパンキッシュなニューウェイヴ・サウンドはいろんな意味でインパクトがあると思います。

この頃のAndyはなかなかイケメンだった?

全曲紹介しときやす。

「Radios in Motion」
躍動感溢れるオープニング。基本的には疾走感の中にもAndyらしいヒネリがスパイスとして効いています。
http://www.youtube.com/watch?v=Y_6bprVMfd4

「Cross Wires」
Colin Moulding作品。パンキッシュな疾走感にアヴァンギャルドな魅力が加味された仕上がりです。その大きな要因はBarry Andrewsのオルガンでしょうね。初期XTCならではのカッチョ良さに溢れています。
http://www.youtube.com/watch?v=CFpNau6jyAM

「This Is Pop」
シングルにもなった初期の代表曲(シングルは別バージョン)。後の作品に引き継がれるAndy Partridgeらしいひねくれポップが炸裂しています。Andyが♪This Is Pop, yeah,yeah♪と歌うこと自体がひねくれてますよね(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=TdfoEAOeYAE

「Do What You Do」
Colin Moulding作品。1分20秒にも満たない短い曲ながら、初期XTCの魅力が凝縮されています。もっとも、こういった曲を演奏したせいでコミック・バンドとの誤解を招いたのかもしれませんが...

「Statue of Liberty」
ニューウェイヴ感覚とポップ感覚がうまくバランスしたスカ・チューン。シングル・カットもされました(シングルは別バージョン)。歌詞に問題がありBBCでは放送禁止になった模様です。
http://www.youtube.com/watch?v=XXhY1GX5dhU

「All Along the Watchtower」
Bob Dylanの名曲カヴァー。この曲と言えば、当ブログでも紹介したJimi Hendrixのカヴァーが有名ですよね。個人的にも名盤『Electric Ladyland』の中でも一番のお気に入りです。そんな名曲をXTCは原曲のイメージを全く留めないホワイト・ファンク調のアレンジでカヴァーしています。オリジナル以上に初期XTCの持つアヴァンギャルドな魅力が発揮されているかもしれませんね。

Bob Dylan「All Along The Watchtower」
 http://www.youtube.com/watch?v=jkok1Z4WJuY

Jimi Hendrix「All Along The Watchtower」
 http://www.youtube.com/watch?v=ZQH8X4jkSxo

XTC「All Along The Watchtower」
 http://www.youtube.com/watch?v=KFdyd8oIVYU

ここまでオリジナルLPのA面です。

この後の7曲はCDのボーナス・トラックです。
iTunesやAmazon等の曲表示だと、オリジナルLPの後にボーナス・トラック7曲が表示されてしまいますが、(少なくとも)初期CDはオリジナルLPのA面とB面の間にボートラが収録されているのでご注意を!

「Science Friction」
XTCの記念すべきデビューシングル(『3D-EP』のタイトルでリリース)。パンキッシュな疾走感が前面に出ていますが、XTCらしいひねりも効いています。XTCに似つかわしくない言葉ですが、若さに溢れていますね(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=9HJXW9XpxSg

「She's So Square」
「Dance Band」
前述の『3D-EP』B面収録曲。「She's So Square」はひねりの効いたポップ・チューンに仕上がっています。Colin作の「Dance Band」はスカ調のアヴァンギャルドな仕上がり。

「Hang on to the Night」
シングル「Statue of Liberty」のB面曲。疾走するスカ・チューン。

「Heatwave」
シングル「This Is Pop」のB面曲。一瞬、Jamヴァージョンでもお馴染みのMartha Reeves & The Vandellasのヒット曲カヴァーを期待した方もいるのでは?でもこれは同名異曲です。Colin作のレゲエ・チューンです。

「Traffic Light Rock」
パンキッシュにキメてくれます。

「Instant Tunes」
シングル「Are You Receiving Me?」のB面曲。スカを基調にしたカッチョ良い仕上がりです。

ここまでがボーナス・トラックです。

「Into the Atom Age」
ここからはオリジナルLPのB面です。初期Jamと一緒に聴きたくなるカッチョ良さをもった1曲ですね。Barry Andrewsのオルガンがサイコーですな。
http://www.youtube.com/watch?v=VK3be-0s4O8

「I'll Set Myself On Fire」
Colin作。後年のXTCを予感させる"ひねくれポップ"に仕上がっています。

「I'm Bugged」
アヴァンギャルド加減でいえば、アルバムの中でもこの曲が一番なのでは?エスニックな雰囲気もあって実に興味深い1曲です。

「New Town Animal in a Furnished Cage」
「Spinning Top」
Andyらしいひねりが効いた、小気味良い仕上がりの2曲。

「Neon Shuffle」
最後は初期XTCらしいテクノ・ポップ的な雰囲気で締め括られます。AndyのギターとBarry Andrewsのオルガンの応酬がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=eFYnIx9mjbQ

個人的にはボートラ7曲は多すぎますね。オリジナル12曲にシングル「Science Friction」を加えた13曲くらいで聴いた方が、本作の持つ魅力をより実感しやすいのではと思います。

また、Todd Rundgrenプロデュースの『Skylarking』(1986年)を紹介できませんでした。僕の場合、XTCに限らず必ずしも好きな作品から紹介しているわけではないので(笑)。まぁ、楽しみは後にとっておきましょ!
posted by ez at 01:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする