2009年02月06日

Hector Lavoe『Comedia』

チャンプリンに扮したジャケにグッとくる!N.Y.サルサの名盤☆Hector Lavoe『Comedia』
Comedia
発表年:1978年
ez的ジャンル:N.Y.スタイル・サルサ
気分は... :コメディなのに泣ける...

久々にサルサ作品の紹介を!

サルサ・シーンを代表する歌手Hector Lavoeの人気作『Comedia』(1978年)の紹介です。

Hector Lavoe(本名Hector Juan Perez Martinez)は1946年プエルトリコのポンセ生まれのサルサ歌手。

彼のステージ・ネーム"Lavoe"は、憧れであったプエルトリコ人のボレロ歌手Felipe Rodriguezのニックネーム"La Voz" ("The Voice")に由来するものです。

14歳の頃には地元プエルトリコで歌手として活躍していたLavoeは、17歳となった1963年にN.Y.行きの飛行機に乗り、合衆国進出を果たします。N.Y.のラテン音楽シーンで次第に頭角を現すようになったLavoeはFniaの創設者Johnny Pachecoの紹介で、その後のサルサ・シーンを牽引することなる運命の男Willie Colonに出会います。

そして、Colonのデビュー作『El Malo』(1967年)に参加し、El Malo(悪党)イメージで一躍ニューヨリカンのヒーローとなったColonと共にLavoeも注目されるようになります。当時Colonは17歳、Lavoeは20歳でした。

その後Colonのグループのコンビで次々とヒット作をリリースすると共に、伝説のオールスターグループFania All-Starsの一員にもなり、サルサブームの中でN.Y.サルサを代表する人気歌手の地位を確立します。

しかしながら、スーパースターのプレッシャーからか次第にドラッグに溺れるようになり、音楽活動にも支障をきたすようになります。遂にはColonとのコンビを解消せざるをえなくなってしまいました。

コンビ解消後もColonからのサポートを得たLavoeはソロ活動を開始します。
ソロ第1作『La Voz』(1975年)を皮切りに、『De Ti Depende』(1976年)、『Comedia』(1978年)、『Recordando a Felipe Pirela』(1979年)といった人気作をColonのプロデュースでリリースしています。

その後もLavoeの人生にはドラッグ、自殺未遂、息子の死(射殺)、エイズと常に悲劇が付きまとうことになります。1993年に永眠(享年46歳)。

僕の中ではサルサ歌手と聞いて真っ先に思い浮かぶ名前が、Hector LavoeRuben BladesというColonとのコンビで名を馳せた2人です。2人とも張りのあるハイトーン・ヴォーカルが魅力ですね。

Lavoeのソロ作では、前述の『De Ti Depende』(1976年)、『Comedia』(1978年)、『Recordando a Felipe Pirela』(1979年)という3枚の人気が高いと思います。

特にチャップリンに扮したLavoeの姿が印象的な本作『Comedia』は、ついついジャケ買いしてしまいそうな1枚ですね(笑)。1978年はチャップリンが死去した年であり、タイトルも含めてチャップリンへの哀悼の意を示しているのでしょうね。

中身の方もLavoeの代表作というに止まらず、N.Y.サルサの成熟ぶりを示す1枚として評価が高い作品です。前述の通りプロデュースはWillie Colonが手掛け、Luis Perido Ortizらがアレンジを担当しています。

ラテンならではの男の色気が漂うLavoeのヴォーカルとゴージャズ&スタイリッシュなN.Y.サルサ・サウンドを聴けば、凍てつく寒さも吹っ飛ぶはずです!

全曲を紹介しときやす。

「El Cantante」
本作のハイライトと言える大ヒット曲。Marc Anthony & Jennifer Lopez夫婦が揃って主演したLavoeの伝記映画『El Cantante』(2007年)のタイトルにもなりました。"El Cantante De Los Cantantes(歌手の中の歌手)"と呼ばれていたLavoeに相応しいタイトルですよね。そんなLavoeの代表曲の作者がRuben Bladesというのが面白いですね。

10分を超える長尺ですが、オーケストレーション・アレンジも見事なダイナミックなサウンドとLavoeの艶やかなヴォーカルにうっとりです。
http://www.youtube.com/watch?v=wB17N9nutPQ&feature=related

前述の映画の中で使われたMarc Anthonyのヴァージョンもあります。Lavoe役を務めたMarcですが、見た目はかなり似ていると思います。
Marc Anthony「El Cantante」
http://www.youtube.com/watch?v=5RAinWanMg0

「Comedia」
タイトル曲は雰囲気たっぷりのボレロ。Lavoeの艶やかなヴォーカルを堪能するためには、この手のスロウ・テンポがいいかもしれませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=Wz4XSEpQutY&feature=related

「La Verdad」
スピーディな疾走感がカッチョ良い1曲。前半〜中盤はスマートなのが、終盤ギア・チェンジ一気に盛り上がるところが好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=W98Hau9426k&feature=related

「Tiempos Pasados」
僕の一番のお気に入り曲。サルサ+サンバといった雰囲気の爽快なメロウ・グルーヴ。ブラジル音楽ファンの方も気に入ってくれる仕上がりだと思います。♪ララララ〜♪
https://www.youtube.com/watch?v=hSPD0B31Ab0

「Bandolera」
直球ど真ん中!といった感じのサルサ然とした仕上がりです。軽く哀愁モードのLavoeのヴォーカルとコーラス隊の掛け合いにグッときます。サルサの醍醐味を十二分に堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=78xxm8ZUnSA

「Proque Te Conoci?」
オーケストレーションをバックにロマンティック・モードのヴォーカルを聴かせてくれます。個人的に仰々しいサウンドはあまり好きではないのですが、Lavoeのヴォーカルにはこのサウンドがマッチしますね。
http://www.youtube.com/watch?v=Q_3z8lKGtD8&feature=related

「Songoro Cosongo」
パーカッション類が豪快に鳴り響く、明るく陽気な仕上がりです。缶ビール片手に聴きたい曲ですね。

ファンの方はご存知の通り、ハウス・シーンを代表する人気プロデューサーLouie VegaはLavoeの甥になります。

偶然ですが、現在Topページに表示されているエントリーのうち、George BensonQueen Latifah、そして今日のHector Lavoeの記事中にLouie Vegaの名前が登場します。

ジャズ、Hip-Hop、サルサと全く異なるジャンルの3人のアーティストが、ハウス・シーンのプロデューサーでつながっているとは面白いですね。
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2009年02月05日

とりあえず特別企画☆『今聴きたい60年代ジャズ10選』

今日は時間が無く、じっくり記事を書く時間が確保できそうにありません。

ということで、思いつき企画『今聴きたい60年代ジャズ10選』です。

とりあえず頭の中に思い浮かんだ60年代ジャズを10枚セレクトしてみました。
どの作品も若いリスナーが聴いても古さを感じない、スタイリッシュさを持っていると思います。

全て当ブログで記事にした作品です。
詳細を知りたい方は各記事をご参照願います。

Joe Henderson『Inner Urge』(1963年)
Inner Urge
モーダル気分を満喫したい!「Night And Day」がサイコー!

Lee Morgan『The Rumproller』(1965年)
ザ・ランプローラー+1
アップテンポのワルツ「Edda」をはじめ、MorganとHenderson(ts)の相性が抜群!

“Big” John Patton『Let 'Em Roll』(1965年)
Let 'em Roll
オルガン・ジャズのB級グルメ。ラテン・フレイヴァーな「Latona」で陽気モードに!

Larry Young『Into Somethin'』(1964年)
イントゥ・サムシン
"オルガンのColtrane"♪スパニッシュな「Plaza De Toros」がグッド!

Lou Donaldson『Midnight Creeper』(1968年)
The Midnight Creeper
グルーヴィーなソウル・ジャズのタイトル曲でハイな気分に!

Duke Pearson『The Phantom』(1968年)
ザ・ファントム
ボッサ・チューン「Los Ojos Alegres (The Happy Eyes) 」が何ともオシャレ!

Horace Silver『The Cape Verdean Blues』(1968年)
The Cape Verdean Blues
これぞスタイリッシュ!「Nutville」はクラブ・ジャズ好き必聴の1曲。

Grant Green『Carryin' On』(1969年)
Carryin' On
ブラック・フィリーング溢れるJBカヴァー「I Don't Want Nobody to Give Me Nothing」がカッチョ良い!

Hank Mobley『A Caddy For Daddy』(1965年)
A Caddy for Daddy
McCoy Tynerのピアノが光るブルージーなワルツ「Morning After」がイチオシ!

Lonnie Smith『Turning Point』(1969年)
Turning Point
ファンキー・オルガン・ジャズ。「See Saw」のグルーヴ感にグッとくる!

手抜き企画でゴメンナサイ。
明日はきちんとしたエントリーが書けるように頑張ります!

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2009年02月03日

Matthew Sweet『100% Fun』

エヴァーグリーンな名曲「We're the Same」収録☆Matthew Sweet『100% Fun』
100% Fun
発表年:1995年
ez的ジャンル:スウィート系パワー・ポップ
気分は... :100%ファンですっ☆

昨日のNFLスーパーボウル「カーディナルス対スティーラーズ」は、スーパーボウル史上に残る名勝負でしたね。

特に第4Q残り3分からの攻防は見応え十分でしたね。
ワーナーからフィッツジェラルドへの逆転TDパスで勝負アリ!と思いましたが、残り35秒でロスリスバーガーからホームズへの再逆転TDパスでようやく決着しました。

最終的にはスティーラーズがNFL史上最多6度目の王者に輝きましたが、そのスティーラーズを土俵際まで追い詰めたカーディナルスの健闘も見事でした。

あとはJennifer Hudsonによる国歌斉唱も感動的でしたね。
例の事件(母と兄の射殺事件)以来、初めて彼女の姿を見ましたが、悲劇を乗り越えて頑張って欲しいですね。

今日はパワー・ポップ好きに根強い人気を誇るMatthew Sweetの2回目の登場です。

『Girlfriend』に続いて紹介するのは、『100% Fun』(1995年)です。

ロック離れ傾向が著しい僕ですが、Matthew Sweetのパワーポップなサウンド&メロディをたまらなく欲することがあります。Matthew Sweetの曲ってエヴァーグリーンな魅力があるんですよね。

Matthew Sweetのエヴァーグリーンな魅力を最も堪能できる曲が本作『100% Fun』収録の「We're the Same」だと思います、この曲をフェイバリット・ソングに挙げるファンは多いのでは?

そんな訳で、最も有名な『Girlfriend』以上に『100% Fun』を聴く頻度が多いですね。

プロデュースはBrendan O'Brien。バックには、以前に紹介した『Girlfriend』同様
Lou Reedのサポートで知られる故Robert Quine、Richard Lloyd (元Television)、Rick Menck(Velvet Crush)などがバックを固めています。

年齢に関係なく聴き終わった後に、青春時代のあの日にタイムスリップしていそうなアルバムです(笑)

全曲紹介しときやす。

「Sick of Myself」
「We're the Same」と並ぶ人気曲ですね。親しみやすいメロディ&ハード・サウンドの組み合わせは、パワー・ポップ好きにはたまりません。
http://jp.youtube.com/watch?v=CRF_qOJfaDs&feature=related

「Not When I Need It」
モヤモヤした哀愁感と泣きのメロディがMatthewらしいのでは?

「We're the Same」
多くのファンがそうであるように、僕もこの曲が一番好きです。この甘酸っぱい青春メロディに胸トキメキます!ホント、エヴァーグリーンな名曲だと思います。
http://jp.youtube.com/watch?v=gIEUxASauuA&feature=related

「Giving It Back」
歯切れのよいロック・チューン。突き抜けたギター・サウンドにグッときます。

「Everything Changes」
淡々としていますがジワジワと胸に迫ってくるバラード。

「Lost My Mind」
Robert Quine、Richard Lloydというベテラン・ギタリスト2人の魅力を堪能できる、ハード&ミステリアス&トリップな仕上がり!

「Come to Love」
甘すぎず、ハードすぎず、パワーポップとしてのバランスがグッド!

「Walk Out」
Matthewらしからぬ無骨な男気のあるメロディ&サウンドを聴かせてくれます(笑)

「I Almost Forgot」
胸を締め付けられる哀愁のメロディがグッとくるバラード。Matthewらしいホロ苦さがいいですね。

「Super Baby」

「Get Older」
「We're the Same」と並ぶ僕のお気に入り。パワーポップの王道を行くキャッチーなメロディとハードなサウンドがグッド!タイトルには僕は賛同しかねますが(笑)。

「Smog Moon」
Matthewの持つピュアな魅力がよく表れたバラード。結構心に刺さるものがあります。

NFLがシーズン終了したので、次はサッカーですね。
日本代表はW杯アジア最終予選かなりヤバイと思いますよ!
詳細は後日にでも...
posted by ez at 03:05| Comment(8) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月02日

John Coltrane『Live At The Village Vanguard Again!』

Pharoah、Aliceらを加えたニューグループを率いてのライブ盤☆John Coltrane『Live At The Village Vanguard Again!』♪
ライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード・アゲイン!
録音年:1966年
ez的ジャンル:Coltrane流フリー・ジャズ
気分は... :やっぱりアゲインだよね!

今日はいよいよNFLの頂上決戦「カーディナルス対スティーラーズ」のスーパーボウルです。

個人的には初制覇を狙うカーディナルスを応援していますが、実力的には強力守備陣を擁するスティーラーズが一枚上という気がします。

ここ数年、毎年生放送で観ていたのですが、今年は仕事で録画放送で観戦予定です。残念!

音楽ファンは、Jennifer Hudsonによる国歌斉唱、Bruce Springsteenにハーフタームショーも楽しみですね。

今日はジャズの求道者John Coltraneの6回目の登場です。
これまで紹介してきたColtrane作品は以下の5枚です。

 『Blue Train』(1957年)
 『My Favorite Things』(1960年)
 『Ballads』(1962年)
 『Impressions』(1961年、62年、63年)
 『Kulu Se Mama』(1965年)

今回は『Live At The Village Vanguard Again!』(1966年)です。

タイトルの通り、本作は有名なジャズ・クラブVillage Vanguardで1966年に行われたライブ・レコーディングです。

ジャズ・ファンの方はご存知のとおり、本作は1961年の『Live At The Village Vanguard』に対するアゲイン!です。

但し、同じVillage Vanguardのライブでも本作『Live At The Village Vanguard Again!』『Live At The Village Vanguard』の続編といった内容ではありません。

『Live At The Village Vanguard』は、前年にMilesのグループから脱退し、自己のグループを結成した上昇モードのColtraneが、Eric Dolphy(bcl)、McCoy Tyner(p)、Reggie Workman(b)、Elvin Jones(ds)といったメンバーを率いて演奏した定評のある名ライブ作品です。

その後、Jimmy Garrison(b)がグループに加わり、Coltrane、McCoy Tyner(p)、Jimmy Garrison(b)、Elvin Jones(ds)という最強カルテットが実現します。『A Love Supreme(至上の愛)』(1964年)で最強カルテットは1つの完成形を迎えます。

その後フリージャズの方向へ大きく舵を切ったColtraneですが、他のメンバー次第に戸惑いを感じ、『Meditations』(1965年)を最後にMcCoy Tyner、Elvin Jonesの二人はグループを去ります。

そして、McCoy、Elvinに代わり、Pharoah Sanders、Alice Coltrane、Rashied Aliが加わったJohn Coltrane(ts、ss、bcl)、Pharoah Sanders(ts、fl)、Alice Coltrane(p)、Jimmy Garrison(b)、Rashied Ali(ds)というニュー・グループで行われたライブ・レコーディングされた作品が『Live At The Village Vanguard Again!』(1966年)です。実際にはEmanuel Rahim(per)を加えた6名による演奏です。

とにかく壮絶&圧巻のライブです。聴いていて、好き/嫌いを考える以前に圧倒されるというのが正直な感想です。翌年に肝臓ガンで死去するColtraneですが、それを予期していたかのような凄まじいパワーでキャリアの総決算をしている印象を受けます。

Coltrane作品の中では、ある程度の枚数を聴いたあとに聴くべきアルバムだとは思いますが、「Naima」(アルバム『Giant Steps』収録) 、「My Favorite Things」(アルバム『My Favorite Things』収録)といったお馴染みの曲の新解釈に興味は尽きないはずです。。

途中で脱落せず最後まで聴くことができる人は、Coltraneにハマっている証拠だと思います(笑)

全曲紹介しときやす。

「Naima」
Coltraneの前妻Naimaに捧げた作品であり、前述の『Giant Steps』(1959年)が初演です。

ColtraneとPharoah Sandersという二人のサックスの対比が面白いですね。まずはColtraneがリリカルにテーマを披露したのに続き、Pharoahが"どフリー"なテナーで狂いまくります。フリージャズが苦手な方はここで脱落かも(笑)。再びColtraneが登場し、今度はフリーな演奏で締め括ってくれます。同じフリーでもPharoahほど凶暴ではなく、探求者然としているのがColtraneらしいかもしれませんね。

あとはスピリチュアルな雰囲気も醸し出すAliceのピアノが実に効果的です。本作のレコーディング直前にColtraneの妻となったAlice Coltraneは前妻に捧げられたこの曲をどのような心境で演奏したのでしょうね?

聴き終わった時のスピリチュアル・ジャズならではの高揚感が湧いてきます。

本曲は数多くのジャズ・ミュージシャンがレコーディングしていますね。正統派ジャズ以外にもCarlos Santana & John McLaughlinLonnie Liston Smith等も取り上げています。さらにクラブ・ミュージックがお好きな方は、2000Black(4 Hero)、Hipnoticといったアーティストがカヴァーしているので、そちらと聴き比べてみるという楽しみ方もあると思います。

Hipnotic「Naima (Ian O'Brien mix)」
 http://jp.youtube.com/watch?v=k428KiOPY0c

「Introduction To My Favorite Things」
タイトルの通り、「My Favorite Things」のイントロとなるJimmy Garrisonによる約6分間のベース・ソロ。本来は「My Favorite Things」と合わせて1曲で良いと思いますが。LP時代のA/B面の構成の関係で、この部分のみ分けられたのかもれませんね(LPでは「Naima」と本曲がA面、「My Favorite Things」がB面)。

コアなジャズ・ファンでもない僕は、6分間のベース・ソロなんてあまり聴く機会がないので、そういう意味で興味深いですね。テクニック的なことはよくわかりませんが、あの手この手で楽しませてくれますし、格好良いです!

「My Favorite Things」
Garrisonのベース・ソロで期待が高まったところで、いよいよ本編突入です。アルバム『My Favorite Things』収録バージョンの印象で聴くと、とんでもない目に遭うかもしれません。フリーなプレイの合間にお馴染みのメロディが微かに聴こえてくるとホッとするはずですよ(笑)。

でも、この『My Favorite Things』バージョンとの違いにこそ、Coltraneミュージックの進化を感じとることができるのでは?長い音楽探求の旅を経て、ついに手にした音世界をここで聴くことができます。ちょっと触れただけで火傷しそうな熱い情熱がこの演奏に凝縮されているはずです。

本曲で言えば、『Selflessness』での演奏も圧巻ですね。『My Favorite Things』『Selflessness』『Live At The Village Vanguard Again!』という流れで、聴き比べていくと興味深いのでは?

このライブ録音は1966年5月に行われましたが、7月には本グループを率いて最初で最後の来日公演を果たしています。来日公演の模様はアルバム『Live in Japan』で聴くことができます。
posted by ez at 01:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月01日

Boz Scaggs『Boz Scaggs & Band』

『Moments』と並ぶ僕のお気に入りBoz作品☆Boz Scaggs『Boz Scaggs & Band』
ボズ・スキャッグス&バンド(紙ジャケット仕様)
発表年:1971年
ez的ジャンル:大人のメロウ&ファンキー・ロック
気分は... :気楽に楽しんでください!

先月はブログ開設以来、最大のアクセス数(PV)を記録しました。

そんなことを踏まえて、改めて当ブログのスタンスをご説明したいと思います。

●あくまでも"音楽好き"のブログであって、"音楽通"のブログではない。
(音楽を楽しむブログであって、音楽通を気取るブログではない。そもそも僕は音楽通ではない。)
●音楽素人の趣味ブログである。
(演奏・楽器等に関する専門知識は有していない。)
●好きな作品を"紹介する"ブログであって、"レビュー(評価する)"ブログではない。
(音楽は好き/嫌いという主観で聴けばいい。客観的に良い/悪いを判断するなんてできないし、してもつまらない。)
●紹介する作品は、ジャンル・年代を問わない。
(ジャンル・年代のバラツキ感が面白いブログだと勝手に思い込んでいる(笑))
●自分の保有CDかつ現在でも入手可能な作品の紹介が基本である。
(例えば、LPでしか入手できないような作品は基本的に紹介しない。)
●内容は作品に関する自分の備忘録も兼ねている。
(自分が知りたい内容は他人も知りたいはず!)
●"音楽年齢不詳"というのが僕の音楽ライフの理想である。

まぁ、こんなところでしょうか。
基本的にはいろんな人が、いろんな年代・ジャンルの作品を、気楽に楽しんもらえれば幸いです。最終的に一番楽しんでいるのは僕なのですが(笑)

さて、今日はBoz Scaggsの4回目の登場です。

これまで当ブログで紹介したBoz Scaggs作品は以下の3枚です。

 『Moments』(1971年)
 『Slow Dancer』(1974年)
 『Middle Man』(1980年)

今日紹介するのは1971年リリースの作品『Boz Scaggs & Band』です。

『Moments』のエントリーでも書きましたが、ここ10年ほど『Moments』と並んで僕が最もよく聴くBoz作品です。

Atlanticから“スカイドッグ”Duane Allmanと共演したソロ第2弾『Boz Scaggs』(1969年)をリリースした後、CBSに移籍してリリースした作品が『Moments』『Boz Scaggs & Band』の2枚です。

そのサウンドから、僕は長い間『Boz Scaggs & Band』の次に『Moments』がリリースされたとばかり思っていたのですが、実際は逆でソロ3rdが『Moments』、4thが『Boz Scaggs & Band』という順序になります。

本作『Boz Scaggs & Band』『Moments』同様Glyn Johnsがプロデュースしています。

僕がこれら2枚のアルバムを気に入っている要素の1つにラテン・フレイヴァーの楽曲収録があります。それに大きく貢献しているのはSantanaファミリーの貢献です。『Moments』では、Pete Escovedo(per)、Coke Escovedo(per)、David Brown(b)が参加していましたが、本作でもMike Carabello(per)、、Jose 'Chepito' Areas(per)、David Brown(b)が参加しています。また、Rita Coolidge(back vo)もこれら2枚のアルバムに続けて参加しています。

2枚共に、それまでの南部のアーシー&ブルージーなテイストとフリーソウル的なファンキー&メロウネスが入り混じっているのが魅力ですね。特に前述のようなラテン・フレイヴァーがアクセントとなり、実に飽きない構成になっています。

特に本作『Boz Scaggs & Band』では、冒頭3曲あたりまで田舎のイモ兄ちゃんモードなのですが、その後曲が進むことに、洗練されたBozへと変化していく様が実にいいですね。その意味では絶妙の曲順、構成だと思います。

『Silk Degrees』以降のBozでは聴くことのできない、独特のフィーリングを持ったアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Monkey Time」
アーシーな味わいの小気味良いロック・チューン。AORのイメージが強いBozですが、この田舎のイモ兄ちゃんといった雰囲気のBozも嫌いじゃありません。

「Runnin' Blue」
少し籠もり気味なBozのソウルフルなヴォーカルを堪能できるブルース・チューン。雰囲気たっぷりのホーン隊がブルース気分を盛り上げてくれます。

「Up to You」
この曲はカントリー調です。僕の一番苦手な曲調ですが、Bozのヴォーカルのおかげでギリギリ許容範囲といったところでしょうか。

「Love Anyway」
超オススメ曲。Bozのバラード作品の中で一番好きな曲であり、自分でBozのベストを編集する時や、他人のために曲をセレクトする場合にも頻繁に使う1曲です。後に「We're All Alone」をはじめ数々の名バラードを届けてくれるBozですが、その原点のような名曲です。

「Flames of Love」
個人的にはこの曲もかなりオススメ。パーカッションが鳴り響き、ハモンド・オルガンが駆け巡る大盛り上がりのファンキー・ラテン・グルーヴです。個人的にはこういうBozをもっと聴きたかったですね。サイコー!

「Here to Stay」
フリーソウル・ファンや若いリスナーの方向けにはこの曲がハイライトでしょうね。 パーカッションとヴァイヴが心地好い、ラテン・フレイヴァーの効いたメロウ・グルーヴです。『Silk Degrees』以降のAOR的なメロウネスもいいですが、このラテン・フレイヴァーのメロウネスも格別です。

1曲目「Here to Stay」、2曲目「Flames of Love」
http://jp.youtube.com/watch?v=VmmRn_ye-JI

「Nothing Will Take Your Place」
このバラードも絶品。ここでのBozには前半に聴かれたような"田舎のイモ兄ちゃん"的な印象は全くありません。洗練された大人のバラードを聴かせてくれます。オルガンとフルートが高揚感を刺激します。

「Why Why」
出だしのドラム・ブレイクがカッチョ良すぎ!ブラック・フィーリングに充ちたファンキー・ミドル。この曲ならばCurtis Mayfieldあたりと一緒に聴いても全然違和感ないと思います。Bozのヴォーカルのソウルフルな魅力を再確認できる1曲。

「You're So Good」
最後はブルージーにキメてくれます。AORなBozよりもこういったBozの方が真の意味で"大人のロック"という気がします。

ちょっと前までGoogle検索がおかしくなっていましたが、どうやら復旧したみたいですね。
posted by ez at 03:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする