2009年02月08日

Christina Aguilera『Stripped』

真のアーティスト・イメージを確立させた意欲作☆Christina Aguilera『Stripped』
Stripped
発表年:2002年
ez的ジャンル:強い女性系過激ポップ・ミュージック
気分は... :グラミーの栄冠は誰に?

いよいよ明日はグラミー賞ですね。
僕は生放送で楽しもうと思っています。

主要3部門のノミネートを確認しておくと...

Record Of The Year
 Adele「Chasing Pavements」
 Coldplay「Viva La Vida」
 Leona Lewis「Bleeding Love」
 M.I.A「Paper Planes」
 Robert Plant & Alison Krauss「Please Read The Letter」

Album Of The Year
 Coldplay『Viva La Vida Or Death And All His Friends』
 Lil Wayne『Tha Carter III』
 Ne-Yo『Year Of The Gentleman』
 Robert Plant & Alison Krauss『Raising Sand』
 Radiohead『In Rainbows』

Song Of The Year
 Estelle「American Boy」
 Adele「Chasing Pavements」
 Jason Mraz「I'm Yours」
 Sara Bareilles「Love Song」
 Coldplay「Viva La Vida」

全体的にはUK勢のノミネートが目立ちますね。

正直、このメンバー、楽曲が今の音楽シーンを反映しているとは思えませんが、まぁ1つのイベントとして楽しみたいと思います。

そんな流れでグラミー関連作を取り上げようと思い、CD棚を眺めて取り出した1枚がChristina Aguileraの2ndアルバム『Stripped』(2002年)です。

本作収録の「Beautiful」で、2004年グラミー賞のBest Female Pop Vocal Performanceを受賞しています。

Christina Aguileraの紹介は、3rdアルバム『Back To Basics』(2006年)に続き2回目となります。

デビュー・アルバム『Christina Aguilera』(1999年)でいきなり大成功を収め、一躍トップ・スターの仲間入りを果たしたAguileraですが、デビュー作の成功は良く悪くも「Christina Aguilera=トップ・アイドル」というイメージを世間に定着させてしまいました。

僕なども当時はBritney Spearsらと同じカテゴリーのアイドル歌手という印象を持っていましたね。でも、このアイドル歌手イメージは必ずしもAguileraが望んでいたものではなかったようです。特に、同じMickey Mouse Club出身のBritneyと同じ扱いは嫌だったみたいですね。

そこで従来のアイドル・イメージをぶち壊し、アーティストChristina Aguileraとしてのイメージを前面に打ち出したアルバムが本作『Stripped』です。

Scott Storchをメイン・プロデューサーに据え、それ以外にもLinda PerryGlen BallardRockwilderAlicia Keys、Rob Hoffman等がプロデュースを手掛けています。自身もエグゼクティブ・プロデューサーを務めています。またゲストにはLil' KimRedmanAlicia Keysが参加しています。

アイドルではあり得ない過激な曲、赤裸々に自己をさらけ出した曲、歌手としての実力を見せつける曲、大人のシンガーを印象づける曲等々Aguileraのやりたい邦題にやったアルバムになっています。同時期にBritneyもR&B路線のアルバムで従来のイメージ打破を図っていたため、それ以上のイメチェンをせねばならない!といった思いがあったのかもしれませんね。

PinkLil KimMyaという歌姫3人と共演し、2001年に全米シングルチャートNo.1に輝き、2002年のグラミーのBest Pop Collaborationを受賞した「Lady Marmalade」Labelleのカヴァー、映画『Moulin Rouge』のサントラ収録、Missy Elliott/Rockwilderプロデュース)の大成功も、Aguileraの大イメチェン作戦にとって追い風になりましたよね。

Christina Aguilera、Lil Kim、Mya & Pink「Lady Marmalade」
http://www.youtube.com/watch?v=Y9V8uJnKBj8

全20曲は詰め込み過ぎの感もありますが、アーティストChristina Aguileraを強く印象づけてくれる作品です。聴けば聴くほどよく出来たアルバムだと感心させられます。

勿論、僕はアイドルAguileraよりも、本作のようなセクシーAguileraが好きです!
なんてふざけたことを言っていると、後ろからケリを喰らいそうですね(笑)

昨今の強い女性像にもつながる、女性からの支持が高い1枚だと思います。

オススメ曲を紹介しときやす。

「Can't Hold Us Down」
Lil' KimをフィーチャーしたHip-Hopテイストの4thシングル(Scott Storchプロデュース)。女性から世の男どもに対する宣戦布告といった感じの過激な楽曲です。「Lady Marmalade」で共演したLil' Kimとの息もピッタリ!Lil' Kimに負けないビッチ・イメージのPVも含めて、脱アイドルを印象付けるには打ってつけの1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=yDnyuDznEA0

「Walk Away」
ブルージーな仕上がりが印象的なバラード。デビュー2作目にしてこの成熟ぶりには驚かされます。Scott Storchプロデュース。

「Fighter」
アルバムからの3rdシングル。ゴシック・ファッションに身を包んだPVのイメージそのままに、ダークなロック・チューンに仕上がっています。こんなテイストの曲がScott Storchプロデュースというのが意外ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=xB7pQpNx-F4&feature=related

「Infatuation」
シングル曲以外ならば、ここから続く「Infatuation」、「Loving Me For Me」、「Impossible」、「Underappreciated」という4曲にグッときます。本曲は哀愁モードの情熱的なラテン・チューンに仕上がっています。ラテンの血をひくAguileraにはラテン・チューンがよく似合いますね。Scott Storchプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=e-ZiMhWixfI

「Loving Me For Me」
大人のスウィートネスといった仕上がりのスロウ・チューン。力まずしっとり、しなやかに歌っているのが僕好みです。Scott Storchプロデュース。ドラムは?uestlove(The Roots)です。
http://www.youtube.com/watch?v=0uhIr4VkOKA

「Impossible」
Alicia Keys作/プロデュース。ピアノ&バック・ヴォーカルもAliciaです。二人の才能ある女性アーティストの共演は聴き応え十分です。曲はいかにもAliciaらしい感動的なソウル・バラードです。それに応えるAguileraの堂々とした歌いっぷりは見事です。
http://www.youtube.com/watch?v=aWbdGwH_wDg

「Underappreciated」
Scott Storchプロデュースによるスタイリッシュなミッド・グルーヴ。サウンド・プロダクションがお見事!さすがはScott Storchですな。
http://www.youtube.com/watch?v=ZwwVE6NJ1Gk

「Beautiful」
アルバムからの2ndシングル(Linda Perry作/プロデュース)。全米シングル・チャート第2位の大ヒットとなりました。Aguileraの歌唱力を存分に堪能できる美しいバラード。1stシングル「Dirrty」がチャート・アクション的にはイマイチだったので、2ndシングルはバラードで巻き返しを図ったのかもしれませんね。Linda Perryの曲作りもさすがです。同性愛者が登場するPVはなかなか意味深ですな(Aguileraは同性愛者からの支持も高いみたいですね)。
http://www.youtube.com/watch?v=KNthqC2fsVw

「Make Over」
この曲も大好き!キャッチーなロック・チューンに仕上がっています。少しミステリアスな雰囲気もグッド!Linda Perryプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=kz3VsuccHng

「Soar」
ドラマティックなバラード(Rob Hoffmanプロデュース)。仰々しいバラードは苦手な僕ですが、ここまで完璧ならば許しちゃいます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=a68At4jVM9I

「Get Mine, Get Yours」
僕好みのセクシーなミッド・グルーヴ。夜遊びモードの時に聴きたい1曲ですね。Steve Moralesプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=DDyPYh3xBh8

「Dirrty」
Redmanをフィーチャーしたアルバムからのリードシングル。「Lady Marmalade」を手掛けたRockwilderがプロデュースしています。まさにダーティーなロッキン・テイストのHip-Hopトラックがキマってます。従来のアイドル・イメージを払拭したいというAguileraの意気込みが感じられます。あとはエロエロ光線出しまくりのセクシーなPVに釘付けです。ホント、エロすぎっ(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=Kaej4Wjkj1Q&feature=related

「The Voice Within」
5thシングル。Glen Ballardプロデュースの王道バラード。聴き応え十分の感動的な仕上がりです。でも、Aguileraの実力を持ってすれば、これぐらい歌えるのは当たり前だし、あまりに正攻法すぎて面白みに欠ける気も...なんて言うのは聴き手の我がままですかね(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=NWixUIMTjYc

今年リリース予定の新作も楽しみですね!

さて、グラミーの栄冠は誰の頭上に輝くのでしょうか?
posted by ez at 00:57| Comment(2) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする