発表年:1975年
ez的ジャンル:フレンチ・レア・グルーヴ
気分は... :フレンチの語感がたまりません!
今日はレア・グルーヴ好きにはたまらない1枚Cortex『Troupeau Bleu』(1975年)です。
昨年末に再発したのでゲットしたレア・グルーヴ・ファンも多いのでは?
Cortexは、リーダーのキーボード奏者Alain Mionを中心にフランスで結成されたクロスオーヴァー/フュージョン・グループ。Alain Mionは1960年代後半はジャズ・ピアニストとして、パリのBlue Noteのステージに立ち、Hank Mobley等と共演したキャリアを持つミュージシャンです。
1974年にMionはAlain Gandolfi(ds)らとCortexを結成し、『Troupeau Bleu』(1975年)、『Vol.2』(1977年)、『Pourquoi』(1978年)という3枚のアルバムをリリースしています。
彼らが残した3枚のアルバムのうち、最も知名度が高く人気も高い作品が今日紹介する1st『Troupeau Bleu』(1975年)です。
クラブ・サイドからの再評価が高まり、今ではフレンチ・レア・グルーヴの人気盤としてお馴染みの1枚ですね。ブラジル音楽のディスクガイド『Musica LocoMundo』、Cafe Apres-midiシリーズ等でご存知の方も多いと思います。僕もそんな流れでCortexおよび本作を知った次第です。
先日某CDショップへ行ったら、本作のPOPに"これを聴いていないレア・グルーヴ・ファンはもぐり!"と書いてありました。"そこまで書くかぁ?"と思いましたが(笑)
元々Cortexはジャズ・ロック/プログレのグループと位置付けられており、本作も一部の熱心なジャズ・ロック/プログレ・ファンが聴いていたマイナー作品だったはずです。昔は『青い群れ』という邦題だったようですが、いかにもプログレなタイトルですね(笑)。そんなマニアックな作品が、今では(ジャズ・ロック/プログレを殆ど聴かない)若いクラブ系リスナーが聴く"オシャレな"人気盤として脚光を浴びているわけですから、わからないものですねぇ。
本作における主要録音メンバーは、Mireille Dalbray(vo)、Alain Labib(sax)、Alain Mion(key)、Jean Grevet(b)、Alain Gandolfi(ds)の5人。それ以外にパーカッション、ギターのミュージシャンがサポートしています。
内容としては、『Musica LocoMundo』で紹介されたことからも察しがつくと思いますが、ブラジリアン・フレイヴァーのクロスオーヴァー/フュージョンという印象ですね。逆に、このサウンドがジャズ・ロック/プログレ・ファンの嗜好にマッチしていたのかなぁ???と不思議に感じてしまいます。
特に本作においては、(おそらくMireille Dalbrayによる)女声ヴォーカル&スキャットが肝になっていると思います。このセクシー&メロウ&ミステリアスなヴォーカル&スキャットが加わることによって、サウンドの魅力が倍増している気がします。
僕は某CDショップのように"これを聴いていないレア・グルーヴ・ファンはもぐり!"なんて高慢なことを言うつもりはありませんが、機会があれば聴いておいて損しない1枚だと思います。
フレンチの語感がたまらなくオシャレですよ!
全曲紹介しときやす。
「La Rue」
オススメ曲その1。人気のキラー・チューンですね。心地好いエレピの音色とお色気ムンムンの女声コーラスにグッとくるグルーヴィーなジャズ・ファンクに仕上がっています。女声コーラスのフレンチの語感とムーディーなサックスの組み合わせが妙にエロいです(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=sBAH-egRAh8
「Automne(Colchiques)」
オススメ曲その2。爽快なグルーヴ感が心地好いジャズ・ファンク。女声スキャットに思わず誘われてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=iucbwXABCmU&feature=related
「L'enfant Samba」
オススメ曲その3。『Cafe Apres-midi Vigogne』にも収録されている人気曲。僕の一番のお気に入り曲です。その美しくスタイリッシュなサウンドに思わず心を奪われる、ブラジリアン・フレイヴァーのメロウ・グルーヴに仕上がっています。まさに午後にカフェでまったりと過ごすBGMにぴったりですね。
http://www.youtube.com/watch?v=qdMO84EBhBg
「Troupeau Bleu」
オススメ曲その4。タイトル曲は小粋なブラジリアン・フレイヴァーのクロスオーヴァー。女声ヴォーカル&スキャットが曲の魅力を倍増してくれます。エモーショナルなサックスもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=-mDumt9Nyes&feature=related
「Prelude A 60 Round」
70年代ジャズ/フュージョン好きの方は気に入るであろうムーディーな仕上がり。この曲も女声スキャットが魅力です。
「Go Round」
約1分半の小品。Alain Mionの美しいピアノを堪能しましょう。
「Chanson D'un Jour D'Hiver」
オススメ曲その5。ピアノ&女声スキャットによる美しい仕上がりの1曲。ミステリアスな雰囲気がたまりません。
「Mary Et Jeff」
オススメ曲その6。キャッチーなメロディのジャズ・ロックなリズムがカッチョ良いです。
「Huit Octobre 1971」
この曲はジャズ/フュージョン・ファン向けですね。終盤の演奏&スキャットがスリリングです。Hip-Hopファンの方は本曲をネタに使ったJaylib「No Games」、One Beer「MF Doom」あたりもチェックしてみて下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=iKCekd26AIE&feature=related
Jaylib「No Games」
http://www.youtube.com/watch?v=BgZ4oygexPk
One Beer「MF Doom」
http://www.youtube.com/watch?v=HUmZtvXXvgE
「Sabbat (1ere Partie) 」
「Sabbat (2eme Partie) 」
「Sabbat (3eme Partie) 」
3部構成の組曲。このあたりはプログレっぽいですね(笑)。グルーヴィーな第1部〜サンバのリズムが心地好いブラジリアン・フュージョンの第2部〜感動的なエンディングの第3部といった流れです。
「Madbass」
オススメ曲その7。この曲もレア・グルーヴ・ファンに人気が高いですね。重心の低いグルーヴ感がたまりません。
今回再発されたCDにはボーナス・トラック「Jazz Dance」が収録されています。