発表年:1980年
ez的ジャンル:シカゴ系マイナーソウル/ファンク
気分は... :"謎のグループ"的な雰囲気がグッド!
先ほどまでWOWOWでCassandra Wilsonのライブを観ていました。
最新作『Loverly』が先日のグラミー賞でBest Jazz Vocal Albumに輝き、健在ぶりを示してくれたCassandraのライブ映像を久々に観ましたが、ディープかつミステリアスな低音ヴォーカルは相変わらず魅力的ですね。
ジャズという枠に収まりきらない、ソウル・ファンにも聴いて欲しいべきディーヴァです。
過去に『Blue Light 'Til Dawn』(1993年)、『New Moon Daughter』(1995年)という2枚のアルバムを当ブログで紹介していますが、また近々紹介しますね。
さて、今日はCassandra Wilsonとは全く関係のない、80年代初頭のマイナーなソウル/ファンク・アルバムStarvue『Upward Bound』(1980年)です。
Starvueはシカゴで結成されたソウル/ファンク・グループ。メンバーは、Keith Blake、Judy Davis、Andre Morgan、Anthony Hicks、Burton Fowler、Lester Falconer、Victor Hughes、Larry Horneの8人です。
そのStarvueが1980年に地元のマイナー・レーベルからリリースしたアルバムが本作『Upward Bound』です。プロデュースはThe Lovelites、Heaven & Earth、The Imaginations等を手掛けたシカゴの敏腕プロデューサーClarence Johnson。きちんと確認していませんが、多分彼らの唯一のアルバムなのでは(誤認だったらゴメンナサイ)?
僕がこのグループについて知っていることはこの程度。しかも殆どライナーノーツの受け売りです(笑)
しばらく聴いていなかったので、本作を持っていること自体すっかり忘れていました。多分、2004年に再CD化された直後にCDショップで衝動買いしたのだと思いますが、それすら全然記憶にありません。先日、CD棚を整理中に久々に発掘(?)しました(笑)。
改めて聴いてみると、ノリの良いファンク&ディスコ・サウンドと鮮やかなハーモニーを含めたヴォーカルがバランス良くまとまったアルバムですね。ただし、B級感は拭えませんが(笑)。でもそのB級感が逆に魅力なのかもしれませんね。
オリジナル盤はかなり高値がついていたらしいですが、そうしたレア度に伴う事前期待を過度に高めず、先入観なしに聴いた方が楽しめるアルバムなのでは?
ライナーノーツでジャケが酷評されていましたが、個人的にはこういったイラスト系のジャケって、"謎のグループ"的な雰囲気があり嫌いじゃありません(笑)
全曲紹介しときやす。
「Let's Hold on to What We've Got」
このオープニングは、オリジナルLP未収録で再CD化に際して追加された楽曲です。この追加曲が抜群の出来!個人的にはアルバムのハイライト曲という気さえします。ヴォーカル・グループとしての実力を堪能できる絶品スロウであり、バリトン・リードとスウィート・ハーモニーの絡みがサイコー!この1曲が追加されただけで、アルバム全体の満足度がかなり高くなるはず!
「Upward Bound」
軽快なファンク・チューン。ファルセット・ヴォーカルやホーン隊も含めてEW&F風のキャッチーさがありますね。(良い意味で)B級感の魅力に溢れた1曲なのでは?
「Love Affair」
この曲はかなり好き!カッティング・ギターのシャカシャカ感がたまらない疾走感溢れるファンク・チューン。♪Love Affai〜♪Love Affai〜♪というタイトル連呼パターンも僕好み(笑)
「Body Fusion」
一般的にはこの曲がハイライトなのかもしれませんね。レア・グルーヴのコンピやDJのミックステープにも収録されているクラシックということらしいです。エレガントなストリングスが印象的なスロウ・チューン。決して悪い曲ではないと思いますが、個人的にはこの曲だったら、「Put the BS Aside」や「Let's Hold on to What We've Got」に軍配を上げますね。
http://www.youtube.com/watch?v=ubvsKR-Gn7A
「Starvue」
忙しないファンク・チューン。アップものでは唯一イマイチな印象がします。せっかくグループ名がタイトルなのに(笑)
「Put the BS Aside」
メロウ・モードが最高のミディアム・チューン。「Body Fusion」に次ぐ人気を誇るのが本曲のようです(日本では本曲の方が人気が高いようですが)。個人的にはオリジナルLP収録曲の中では一番好きですね。テナーのリード・ヴォーカルが一番輝いている曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=43D61Oh4KK8
「Love Struck」
ブギー・ファンクな仕上がり。いかにもなベースのブリブリ感がいい感じです。適度にスペイシーな仕上がりもB級感が溢れて微笑ましいです(笑)
「You and Me」
ゴージャスなストリングスに包まれたディスコ・チューン。いかにも夜遊びモードな雰囲気が好きな方にはたまらないのでは?
こうやってアルバム全体を眺めると、グループ名をタイトルにした「Starvue」以外はかなり楽しめる構成になっていると思います。特に、「Let's Hold on to What We've Got」の追加収録で充実度が増したのがいいですね!