2009年03月12日

The Solsonics『Jazz In The Present Tense』

クラブ・ジャズやジャジーな生音Hip-Hopがお好きな方は一度聴いてみてくださ〜い!☆The Solsonics『Jazz In The Present Tense』
Jazz in the Present Tense
発表年:1995年
ez的ジャンル:アシッド・ジャズ&Hip-Hop感覚ジャズ・ファンク
気分は... :一聴の価値アリ!

今日はThe Solsonicsが1994年にリリースしたアルバム『Jazz In The Present Tense』の紹介です。

The Solsonicsは、ベース奏者Jez Colinとパーカッション奏者Willie McNeilを中心に結成されたジャズ・グループ。
僕がSolsonicsについて知っていることはこれだけです。

それでも当時かなり聴いた作品です。LAアンダーグラウンド・クラブシーンから登場したグループですが、僕は長い間UKのグループだと思って聴いていました。僕以外にも当時流行っていたアシッド・ジャズの流れで本作に辿りつき、そんな感覚で聴いていた人は多かったのでは?

個人的にはHip-Hop感覚のアシッド・ジャズというところが気に入っていました。その意味ではGuruJazzmatazzや、MC Solaar『Prose Combat』(1994年)、Soon E MC『Atout...Point De Vue』(1994年)といったジャジーなフレンチHip-Hopアルバムと一緒に本作を聴いていた記憶があります。

実際、The Solsonicsは当ブログでも紹介したGuruのJazzmatazzプロジェクト第二弾『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』(1995年)に参加しています。

リアルタイムで聴いていた人以外にはあまり馴染みのないグループだと思いますが、クラブ・ジャズやジャジーな生音Hip-Hopがお好きな方は一度聴いてみる価値アリの作品だと思います。

奇跡的にYoutubeに本作の曲が12曲中8曲もアップされています。
これを機会にぜひ聴いてみてください!

全曲紹介しときやす。

「Jazz in the Present Tense」
オススメその1。Solsonicsのカッチョ良さが一発でわかるタイトル曲。ジャズ・ネタHip-Hopのコンピにも収録されており、収録曲の中では一番有名な曲だと思います。Hip-Hopのリズムとクールなジャズ・サウンドのスタイリッシュな融合はサイコー!クラブ・ジャズ世代の若いリスナーの方も満足いただける1曲なのでは?キーボードはAhmad Jamal「Superstition」(Stevieの名曲カヴァー)ネタです。
http://www.youtube.com/watch?v=l8cx5X0Cbqw

本題とは逸れますが、元ネタのAhmad Jamal「Superstition」も好きなので紹介しておきますね。
Ahmad Jamal「Superstition」
 http://www.youtube.com/watch?v=9Eedjzq94KM

「Keep the Rhythm Strong」
オススメその2。今聴くと、この曲が一番好きかも?UKソウルっぽいジャジーなソウル・チューンに仕上がっています。ソウルフルなヴォーカルとジャジー・サウンドの組み合わせは、アーバン・ナイト気分にぴったりです!
http://www.youtube.com/watch?v=qwZFww2j_2A

「Montuno Funk」
ラテン・フレイヴァーのジャズ・ファンク。ラテン・フレイヴァー好きな僕向けの1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=-hoLIaE2aUQ

「Blood Brother」
オススメその3。男性ヴォーカルをフィーチャーしたミッド・チューン。軽くラテン・フレイヴァーの効いたクール・サウンドも大人の雰囲気たっぷりでグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=MG7sj_NOQso

「Daddy Love」
オススメその4。当時、僕の一番のお気に入りはこの曲でした。The Brand New Heaviesあたりが好きな人は気に入るであろう、アシッド・ジャズの流れを汲む男女ヴォーカル入りのジャズ・ファンクです。
http://www.youtube.com/watch?v=cnpnYo5FGoQ

「Ascension」
Derrick Davisのフルートを大きくフィーチャーした、パーカッシヴなミッド・グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=rl5obDrURnc

「Red Clay」
オススメその5。Freddie Hubbardの名曲カヴァー。Solsonicsはこの名曲をレゲエ調に演奏してくれます。これが大正解!レゲエのリズムとお馴染みのあのテーマが実にマッチしています。
http://www.youtube.com/watch?v=N1NQgQqIw2c

「So Much More Togther」
オススメその6。IncognitoD-Influenceがお好きな方向けのサマー・グルーヴ。アシッド・ジャズ系グループがこの手のサマー・チューンを演奏するとハマりますな。

「Now This Is How We Do It」
スクラッチも聴けるインスト・チューン。ジャズ・ファンク・グループの楽器パートの一部としてターンテーブルがきちんと機能しているというのがいいですな。

「Inside Is a Stride」
オススメその7。ラップ&女性ヴォーカルをフィーチャーしたジャジーHip-Hopチューン。Jazzmatazz好きの人であれば気に入ると思います。

「Morning After Paradise」
オススメその8。「So Much More Togther」同様IncognitoD-Influenceが好きな方向けのサマー・グルーヴ。70年代ジャズ・ファンク/フュージョンがお好きな方も気に入ってもらえるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=0k-du9G_C-Q

「Mountain Man」
エンディングはアヴァンギャルドなインスト・チューン。音空間の余白の聴かせ方がいいですね。

今日も昨日に続き、UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2ndレグです。
昨日はレアル・マドリードが完敗しましたね。ユヴェントスもヒディング・チェルシーにしてやられた!という感じでした。

今日は「マンチェスターU対インテル」、「バルセロナ対リヨン」、「ローマ対アーセナル」という好カード3試合が行われます。個人的には「バルセロナ対リヨン」というカードが一番好みなのですが、サッカー界の占う大一番である「マンチェスターU対インテル」を中心に観てしまう気がします。モウリーニョがファーガソンにどのような戦いを挑むのか実に興味深いです。
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2009年03月11日

Jackie McLean『Right Now!』

ワンホーンで吹きまくるMcLean作品☆Jackie McLean『Right Now!』
Right Now!
録音年:1965年
ez的ジャンル:ワンホーン・モーダル・ジャズ
気分は... :勝ち抜くのは...

今日、明日はサッカーのUEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2ndレグです。

1stレグ以上に勝負をかけた積極的な采配が観られると思うので、楽しみです。

今日の注目はやはり、「リヴァプール対レアル・マドリード」 、「ユヴェントス対チェルシー」の2試合でしょうね。特に追い詰められたレアル・マドリードがアウェーでどのような戦いをするのか興味深いです。

今回はJackie McLean『Right Now!』(1965年)です。

Jackie McLean(1931-2006年)はN.Y.出身のジャズ・サックス奏者。

Miles Davis『Dig』(1951年)のレコーディング参加などを経て、
1955年には初リーダー作『The New Tradition』(通称「猫のマクリーン」)をリリース。
その後、Charlie Mingus『Pithecanthropus Erectus(直立猿人)』(1955年)、Sonny Clark『Cool Struttin'』(1958年)といった話題作のレコーディングに参加します。

1959年にはBlue Noteとの契約に成功し、『Swing Swang Swingin'』(1959年)、『Bluesnik』(1961年)、『One Step Beyond』(1963年)、『Action』(1964年)、『Right Now!』(1965年)などハード・バップ〜新主流派ジャズの作品をリリースします。さらにはフリー・ジャズにも接近し、『New and Old Gospel』(1967年)ではOrnette Colemanとの共演を実現させています。

また、McLeanの名演として有名なのが「Left Alone」です。Mal WaldronBillie Holidayの共作曲ですが、Holidayがレコーディングすることなく死去してしまい、McLeanが参加したMal Waldronのリーダー作『Left Alone』が初レコーディングとなりました。ここでのMcLeanのバラード演奏は評判となり、以来McLeanの重要レパートリーとなります。

Mal Waldron「Left Alone」
http://www.youtube.com/watch?v=VNE8eXDsP5Q

レフト・アローン(紙ジャケット仕様)
レフト・アローン(紙ジャケット仕様)

僕の場合、Jackie McLeanのリーダー作は今日紹介する『Right Now!』しか持っていません。サイドメンとしての参加作として、当ブログではSonny Clark『Cool Struttin'』(1958年)、Lee Morgan『Charisma』(1966年)、Jack Wilson『Easterly Winds』(1967年)を紹介していますが、改めて我が家のジャズ・コレクションを眺めてみると、McLean参加作品をそれ程多く持っていないことに気付かされます。

その意味では、まだまだMcLeanの演奏を聴いていないのかもしれませんね。
それでも唯一持っているリーダー作『Right Now!』(1965年)は、かなり気に入っている作品です。

本作のメンバーはJackie McLean(as)、Larry Willis(p)、Bob Cranshaw(b)、Clifford Jarvis(ds)という編成です。Bob Cranshaw以外はあまり聞き慣れない名前かもしれませんね。

Larry Willisは本作でMcLeanで抜擢されたピアニストであり、70年代にはBlood, Sweat & Tearsのサポート・メンバーとしても活躍しています。本作でも4曲中2曲がWillisの作品であり、演奏も含めてMcLeanの期待に見事に応えているのでは?

Clifford JarvisFreddie Hubbardのグループ等で知られるドラマーです。かつて、10代のTony Williamsを自身のグループへ誘ったり、先月紹介した異色ドラマーPete La Rocaを起用したりと、McLeanのドラマー起用には興味深いものがあります。その意味で本作でのJarvisのプレイも注目だと思います。

全体としてはモーダルなカッチョ良さを堪能できる1枚であり、クラブ・ジャズ世代の若いリスナーの方にも気に入ってもらえる作品だと思います。

ワンホーンで吹きまくるMcLeanのプレイを堪能しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Eco」
僕のお気に入りはこのオープニング。McLeanのオリジナル。モーダルなカッチョ良さに溢れたアップテンポの演奏がサイコーです。何よりMcLeanのフレージングがキマりすぎ!McLeanのアルトを十二分に堪能できます。McLeanに負けずエキサイティングなJarvisのドラミングもグッド!

「Poor Eric」
Larry Willis作品。前年に亡くなったサックス奏者Eric Dolphyに捧げられたバラード。McLeanの陰りのあるプレイは、類稀な才能を持ちながら、経済的には恵まれなかった天才ジャズ・ミュージシャンへのレクイエムにぴったりです。作者であるWillisの美しくリリカルなピアノも素晴らしいの一言ですね。

「Christel's Tune」
この曲もLarry Willis作品。疾走感溢れるストレートな演奏が印象的です。このモーダル感はクラブ・ジャズ好きの若いリスナーの方にフィットするのでは?McLeanのサックス、Willisのピアノもノリノリですが、全体をグイグイと引っ張るCranshawのベースとJarvisのドラムが実にキマっています。

「Right Now」
タイトル曲はCharles Tolliver作品。Charles Tolliverと言えば、当ブログでも紹介したStanley Cowellとの双頭ユニットMusic Inc.やStrata-East Recordsの設立者としてお馴染みのトランペット奏者ですね。本作ではジャズ・ロック風のテーマが印象的なモーダル・チューンに仕上がっています。McLeanのアルトは絶好調だし、変拍子によるアクセントもバッチリのリズム隊もかなり目立っています。

CDには別テイクも収録されています。

僕自身もう少しMcLean作品を勉強したいと思います。
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2009年03月10日

The Stone Roses『The Stone Roses』

ダンス・カルチャー経由のロック・サウンド!☆The Stone Roses『The Stone Roses』
ザ・ストーン・ローゼズ
発表年:1989年
ez的ジャンル:マンチェスター・サウンド
気分は... :ボーッとしていたい...

昨日、今日と肉体的にも精神的にも疲れ気味...
なんかアシッドなサウンドを聴きながら、ボーッとしていたい気分。

ということで、今日はThe Stone Rosesのデビュー・アルバム『The Stone Roses』です。

The Stone Rosesは、1985年にイギリスのマンチェスターで結成されたロック・グループ。1985年にシングル「So Young」でデビューを果たします。

1987年にJohn Squire(g)、Ian Brown(vo)、Mani(b)、Reni(ds)という最強のラインナップが揃い、1989年に衝撃のデビュー・アルバム『The Stone Roses』をリリースします。

当時流行のアシッド・ハウスをグルーヴ感を吸収した、ダンス・カルチャー経由のロック・サウンドは、マンチェスター・サウンドとして1つのムーヴメントになり、Happy MondaysCharlatans、Inspiral CarpetsらがStone Rosesに続きました。

その後5年という長いブランクを経て、1994年に2ndアルバム『Second Coming』をリリース。その後メンバーの相次ぐ脱退があり、1996年にバンドは解散します。

解散後、Ian Brownはソロ、John SquireはThe Seahorsesを結成、ManiはPrimal Screamへ加入とそれぞれの道へ進みました。

熱狂的に聴いていた訳ではありませんが、Stone Rosesは当時のUKロックの救世主というのが僕の印象です。

Stone RosesHappy MondaysCharlatansとマンチェスター・サウンドを代表するアーティストの作品がCD棚に揃っていますが、Stone Rosesは別格という感じがします。

僕も好き嫌いは別に当時のUKロックの必須科目という感覚でStone Rosesを聴いていた気がします。そんな感覚で聴いていたので、イマイチ思い入れ強くないのかもしれませんが(笑)

でも改めて聴いてみると、John SquireIan BrownManiReniというラインナップは強力ですね。特にJohn Squire、Mani、Reniという3人が生み出すグルーヴは魅力的です。

ダンス・カルチャー経由のロック・アルバムですが、必ずしもダンス・チューンばかり収録されているわけではありません。先入観で聴くと、フォーク・ロック的な楽曲の多さを意外に思うかもしれませんね。

それでも、本作はロック的な土壌ではなく、アシッド・ハウス/レイヴ的な土壌から生まれたロック・アルバムという気がします。

僕が大好きなPrimal Scream『Screamadelica』も、本作があったからこそ生まれた作品なのでは?

プロデュースはJohn Leckie。XTC『White Music』Radiohead『The Bends』と当ブログでJohn Leckieプロデュース作を紹介する機会が多くなっていますね。

UKロックの歴史を辿る上で、欠かすことのできない1枚ですね!

全曲紹介しときやす。

「I Wanna Be Adored」
オススメその1。美しさと重苦しさが同居するオープニング。シングルにもなりました。地を這うようなManiのベースと、美しくも儚いJohn Squireのギターがグッド!ダンス・カルチャーを経由してきたアシッド感覚のギター・ロックって感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=-cme2q0N7nM

「She Bangs the Drums」
この曲もシングルになりました。とてもポップでキャッチーなのに全然健全に聴こえてきません(笑)。フォーク・ロックっぽい味わいもありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=---X12mY14Q

「Waterfall」
オススメその2。今聴いても名曲って感じがしますね。マンチェスター・サウンドに興味がない人でも、この曲の牧歌的な美しさにはグッとくるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=dQUxCQxu9og

「Don't Stop」
前曲の「Waterfall」のトラックを逆回転させたもの。わざわざ2曲並べられているので聴き比べると面白いです。
http://www.youtube.com/watch?v=zDHBA-IV0Ew

「Bye Bye Badman」
オススメその3。アコースティックな味わいの60年代フォーク・ロック風の仕上がり。単なるフォーク・ロックで終わらせず、彼ららしい展開へ持ち込むところがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=C3WkIENVY_M

「Elizabeth My Dear」
メロディはSimon & Garfunkelで有名な「Scarborough Fair」です。このお馴染みの英国民謡のメロディを使って英国王室批判が展開されます。
http://www.youtube.com/watch?v=VJNcnDLWNis

「(Song for My) Sugar Spun Sister」
この曲には青春ギター・ポップっぽい爽快さがありますね。僕の中のStone Rosesのイメージとはかなりギャップがありますが(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=zQnELW-7yZw

「Made of Stone」
60年代サイケな雰囲気たっぷりな1曲。改めてアルバムを通しで聴いてみると、60年代のフォーク・ロック/サイケからの影響が窺える曲が多いことに気付かされます。
http://www.youtube.com/watch?v=H_9Rz85N8mA

「Shoot You Down」
オススメその4。僕の中ではチルアウト的な1曲。この甘く気だるいマッタリ感がたまりません!Reniのドラムにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=MuFVj6lv9m0

「This Is the One」
オススメその5。Stone Rosesらしいグルーヴ感溢れるロック・チューンに仕上がっています。ダンス・カルチャーとロック・カルチャーの素敵な出会いといった感じですね。John Squireの美しいギター・アルペジオが印象的です。
http://www.youtube.com/watch?v=YXfnZ7HYD_k

「I Am the Resurrection」
オススメその6。個人的にはアルバムのハイライト。彼ららしいアシッド感覚はありませんが、黒人音楽からの影響を最も感じる1曲に仕上がっています。前半はモータウン風のリズムにのったポップ・チューン、後半はJohn Squire、Mani、Reniのプレイが存分に堪能できるファンキーなインストパートが展開されます。特に後半の展開は圧巻です!シングルにもなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=xTaS4AQ68xY&feature=related

UK盤のオリジナルは以上の11曲ですが、USA盤には「Fools Gold」 「Elephant Stone」というシングルになった2曲がボーナス・トラックとして収録されています。2曲ともサイコーです。

「Fools Gold」  
オススメその7。「What the World Is Waiting For」とのカップリングでUKシングル・チャート第8位のヒットとなりました。James Brown「Funky Drummer」ネタのリズムを使った、ダンス・チューンに仕上がっています。この時期のアシッドなサウンドが好きな人にはたまらない1曲なのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=k4bHMVAKDao

「Elephant Stone」 
オススメその8。UKシングル・チャート第8位となったヒット曲です。これぞStone Roses!って感じのダンス・カルチャー経由のロック・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=FfzQLZtCZSY

これから本作をゲットする人は、上記2曲が収録されているUSA盤の方が絶対お得だと思います。
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2009年03月08日

Syreeta『Syreeta』

Stevieとのラブラブ・モードが生み出した愛の結晶☆Syreeta『Syreeta』
シリータ
発表年:1972年
ez的ジャンル:Stevie系ニューソウル
気分は... :愛子ちゃん、ヤッター!

昨日のWBC「日本対韓国」はテンション上がりましたね。
僕も仕事を終えた後、ビール片手にみんなでで大興奮しながらTV観戦していました。

きっと今日のスポーツ新聞はWBCの記事一色かもしれませんね。
しかし、WBCでの日本コールド勝ち"以上に僕にとって嬉しかったのが、モーグル世界選手権で上村愛子チャンが世界王者になったことです。

競技終了後、涙でインタビューに答える愛子チャンを観ていて、こちらも目がウルウルになってしまいました。映画『ヤッターマン』の公開日とも重なり、インタビューの最後に愛子スマイルで"ヤッター!"と微笑む彼女にグッときてしまいました(笑)

誰よりもオリンピックで金メダルをとって欲しいアスリートです。

ということで、今の僕の気分は愛らしい女性ヴォーカルを聴きたい気分...そこでセレクトしたのがSyreeta (Wright)の1stアルバム『Syreeta』(1972年)です。

Syreetaの紹介は『One To One』(1977年)に続き2回目になります。

ご存知の通り、本作『Syreeta』(1972年)はSyreetaStevie Wonderとの結婚期間中に制作した唯一の作品であり、SyreetaとStevieのラブラブ・モードが生み出した1枚と言えるかもしれませんね。

正直言うと、Leon Wareプロデュースのメロウ作『One To One』を聴く機会が多い僕ですが、『Syreeta』もニューソウル的な魅力があってお気に入りです。

特に、Stevieの『Music Of My Mind』(1972年)からサブタイトルを付けている当ブログですので、『Music Of My Mind』の姉妹作と位置づけられる本作を見過ごすわけにはいきませんからね。

Stevieが全面プロデュースし、全8曲中、Smokey Robinson「What Love Has Joined Together」Beatlesカヴァー「She's Leaving Home」の2曲を除き、Syreeta、Stevieの作品(二人の共作も含む)になっています。

StevieのブレーンRobert Margouleff、Malcolm Cecilも参加し、ギターにはBuzz Feitenの名もあります。

シンセ、トーキング・モジュレーター、ストリングスなどを前面に押し出したニューソウルが展開されます。ソウルフルではないけど、個性的なヴォーカルの持ち主であるSyreetaの魅力を、旦那のStevieがうまく引き出していると思います。

個性的なヴォーカルという意味で、Linda Lewisあたりが好きな人がハマるアルバムなのでは?

全曲紹介しときやす。

「I Love Every Little Thing About You」
本作のハイライト曲はコレですね(Stevie作)。 Stevieの『Music Of My Mind』にも収録されている名曲。特にStevieバージョンは僕の大のお気に入りです(Stevieの全楽曲の中で一番好きかも)。Stevieバージョンと比較すると、Syreetaバージョンはキュートな彼女のヴォーカルに合わせて、クラビネットが軽やかに跳ね回っている感じが魅力です。両者を対比して聴くと楽しいのですが、YouTubeにSyreetaバージョンがないのが残念です。

Stevie Wonder「I Love Every Little Thing About You」
 http://www.youtube.com/watch?v=mCDWMqWZbqQ

また、Aretha Franklin、Charlene、Rhianna、Riddim Saunter等のカヴァーがあります。

Charlene「I Love Every Little Thing About You」
 http://www.youtube.com/watch?v=N0CNhT7HCdo

Rhianna「I Love Every Little Thing About You」
 http://www.youtube.com/watch?v=YTLBv74yTcM

「Black Maybe」
この曲も名曲ですね(Stevie作)。この時期のStevieらしいミステリアス&コズミックなブラック・サウンドとSyreetaの愛らしいヴォーカルのギャップが逆に面白いです。Commonが本曲にインスパイアされた曲「U, Black Maybe」をリリースしていますね。

「Keep Him Like He Is」
Syreetaのキュートな魅力全開の軽やかなポップ・ソウル(Syreeta/Stevie共作)。彼女の声にはこういった曲がピッタリだと思います。

「Happiness」
Syreetaのソングらティングの非凡さを示してくれる1曲。何気ないけどいい味出しています。トーキング・モジュレーターによるコーラスが印象的です。

「She's Leaving Home」
Beatlesの名曲カヴァー。StevieがRoger Troutmanに負けないくらいトーキング・モジュレーターで唸りまくっています。Syreeta本人のヴォーカルよりも目立っているかも?

「What Love Has Joined Together」
Smokey Robinson作品のカヴァー。 Miracles以外にMary Wells、The Temptationsも歌っています。Syreetaにソウルフルという言葉はあまり似合いませんが、アルバム中一番ソウルな仕上がりです。

「How Many Days?」
Stevie作。ストリングスを前面に押し出したバラード。正統派女性シンガーがこうした曲を歌うとクドくなりますが、Syreetaのような個性的な声質のシンガーだとあまり気になりません。

「Baby Don't You Let Me Lose This」
Syreeta/Stevie共作。この曲かなり好きです!Stevieらしいシンセ・サウンドと愛らしいSyreetaのヴォーカルの組み合わせがグッド!サビの盛り上がりもいい感じ!

「To Know You Is to Love You」
最後もSyreetaとStevieの共作。ニューソウルらしいサウンドにのって二人のデュエットが聴けます。バックのサウンドがStevieというよりDonny Hathawayっぽいのが面白いですね。Buzz Feitenのギターがかなりカッチョ良いです。
http://www.youtube.com/watch?v=j-_I1_56SD0

この頃のキュート&ラブラブなSyreetaの声を聴くと、その日にあった嫌なこととか、一発で忘れ去ることができそうですな。
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2009年03月07日

The Sound Providers『An Evening With The Sound Providers』

ジャジーHip-Hop好きのマスト・アイテム☆The Sound Providers『An Evening With The Sound Providers』
An Evening with the Sound Providers
発表年:2004年
ez的ジャンル:アングラ・ジャジーHip-Hop
気分は... :やられてもやられてもなんでもないない!

しつこく『ヤッターマン』ネタです。
今日から映画『ヤッターマン』公開です!

僕は別にアニメ好きというわけではありませんが、何故か『ヤッターマン』だけには反応してしまいます。

深キョン・ドロンジョにグッときているのは勿論のこと、20年前のオリジナル・アニメ時代からドロンボー一味のキャラが相当好きだったからでしょうね。

2008年版でも変わらない、小原乃梨子(ドロンジョ)、八奈見乗児(ボヤッキー)、たてかべ和也(トンズラー)という声優陣の巧妙なやりとりが生み出す愛すべき悪役キャラはサイコーですな。下手なお笑い番組よりもはるかに笑える気がします。

天才ドロンボー2008
 http://www.youtube.com/watch?v=OKTDRbdd2iw&hl=ja

やられてもやられてもなんでもないない!

暗いニュースばかりの日本を明るくするのはドロンボー一味だ!

さて、今日はアングラ・ジャジーHip-Hopの名盤The Sound Providers『An Evening With The Sound Providers』です。ジャジーHip-Hop好きのマスト・アイテムですね。

The Sound Providersは、Soulo(MC/プロデューサー)、J. Skills(プロデューサー)、Profile(MC)の3人によって結成されたサンディエゴ出身のHip-Hopユニット。

「Dope Transmission」(1998年)、「Get Down」(1999年)、「The Difference」(2000年)、「Who Am I」(2001年)といったシングルで、ジャジーHip-Hopの担い手として注目されるようになります。

「Dope Transmission」
http://www.youtube.com/watch?v=wsGgFbvAEAk

「Get Down」
http://www.youtube.com/watch?v=aDGeUknqrh8

「Who Am I」
http://www.youtube.com/watch?v=p6oYsJzsm7I

その後、Profileの脱退を経て、制作されたのが今日紹介するデビュー・アルバム『An Evening With The Sound Providers』です。

全編ジャジー&メロウなトラックで占められた極上ジャジーHip-Hopアルバムに仕上がっています。全21曲の半分以上はインストなので、Hip-Hoファンのみならず、ジャジー・サウンド好きの方に広く聴いていただきたい1枚ですね。

AsheruThe ProcussionsLittle BrotherといったアングラHip-Hopファンにはお馴染みの名前がゲスト参加しているのも嬉しい限りです。

本作も含めて、2004年はアングラ・ジャジーHip-Hopの当たり年だったですね。
本作のゲスト陣を眺めても、The ProcussionsはThe Sound ProvidersのJ. Skillsをエンジニアに迎えたスタジオ・ライブ『Up All Night』Little BrotherPhonteはNicolayと組んだThe Foreign Exchangeの1st『Connected』をリリースしています。それ以外に生音ジャジーHip-Hopの金字塔Othello & The Hipknotics『Classic』がリリースされたのも2004年です。

週末にピッタリな大人のメロウ&ジャジーHip-Hopアルバムです。

主な曲を紹介しときやす。

「For Old Time's Sake」
イチオシその1。当ブログでも紹介したアングラHip-Hopの名盤『Soon Come...』でお馴染み、Asheruをフィーチャー。フルート&ヴァイヴの心地好いトラックがジャジーHip-Hip好きにはたまりませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=QA7t02TbjSc

「Night Steps」
イチオシその2。彼ららしい小粋なインスト。太いベース音のループは聴いているうちに中毒症状になります。
http://www.youtube.com/watch?v=TwgoB0T3A0Y

「5 Minutes」
イチオシその3。The Procussionsをフィーチャー。本曲はJoe Pass「Paint It Black」(Stonesの名曲カヴァー)ネタのメロウ・ギターを使ったトラックと、当時のProcussionsの勢いを感じるカッチョ良いフロウの組み合わせはサイコー!
http://www.youtube.com/watch?v=3m8WCC8YQMI

「Only Moments Ago」
ジャジーHip-Hopらしいユラユラした浮遊感を堪能できる仕上がり。

「Autumns Evening Breeze」
イチオシその4。美しいピアノ・ループにうっとりする1曲。Pat Dあたりがお好きな人ならば間違いなく気に入る1曲ですね。橋本徹が監修したHip-Hopコンピ『Mellow Beats, Rhymes & Visions 』にも収録されています。
http://www.youtube.com/watch?v=-9C6XaYFOz4

「It's Gonna Bee (Alright)」
イチオシその5。Wee Bee Foolishをフィーチャー。ラテン・ジャズ・テイストの仕上がりで、いいアクセントになっています。ノスタルジックな雰囲気がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=3qnFfMTvuHc

「Jazz At the Cove」
イチオシその6。Monty Alexander「Speak Low」ネタのピアノ・ループが至極の世界へと誘ってくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=uu5BiNn1QHk

「The Throwback」
イチオシその7。Maspykeをフィーチャー。単に心地好いというだけではなく、Souloの擦りも交えたジャジーHip-Hopならではのヴァイヴを感じるとることができます。トラックはお馴染みのスタンダード「Autumn Leaves」ネタです。
http://www.youtube.com/watch?v=YhOG0s-qWfs

CDにはボーナス・トラックとして本曲のリミックスも収録されています。
「The Throwback Remix」
http://www.youtube.com/watch?v=AP9U4xvEw0o

「The Prodigal Return」
日本人が聴くと、出だし部分は音頭っぽく聴こえてしまうのでは?その部分で損している曲かも(笑)

「Pacific Vibrations」
イチオシその8。Milt Jackson「Opus De Funk」ネタのトラックがたまりません。これは反則技という気もします(笑)。ただでさえ僕はヴァイヴ・ネタのトラックにハマりやすいのに...
http://www.youtube.com/watch?v=D3MRLzkVa9M

「Braggin & Boastin」
イチオシその9。Little Brotherをフィーチャー。『Mellow Beats, Rhymes & Vibes』にも収録されています。Cole Porterの名曲「Night and Day」ネタのトラックをバックに、Phonteらのソウルフルなフロウを堪能しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=GCw38LSUm3s

「Never Judge」
イチオシその10。Joe Pass「Foxy Chick And A Cool Cat」のギター・ネタを使ったスタイリッシュなトラックがたまりません。Souloのスクラッチもいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=YGwwJ3SO610

その後、The Sound Providersは初期シングル、未発表曲、リミックスなどを集めた編集盤『Looking Backwards: 2001-1998』(2005年)、フロリダ出身のMCであるSurrealとのコラボアルバム『True Indeed』とったアルバムをリリースしています。
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