2009年03月03日

Bee Gees『Odessa』

初期Bee Geesを代表する2枚組大作☆Bee Gees『Odessa』
オデッサ
発表年:1969年
ez的ジャンル:エヴァーグリーン系男性ボーカル・グループ
気分は...:やっておしまい!

最近、映画『ヤッターマン』のプロモで深田恭子チャンをTV番組でよく目にします。
深キョンのドロンジョ役はハマり過ぎですよね。

TVアニメの『ヤッターマン』自体、普遍的なエンタメ要素が隋所に散りばめられ見事な作品だと思います。基本設定や決め台詞が約20年前に放送されていたものと変わらず、それが今の時代でもウケているというのがスゴイですね。

いい歳の大人の僕が熱弁するのもヘンですが(笑)
でも深キョン・ドロンジョの"やっておしまい!"にグッとくる大人は多いのでは?

「天才ドロンボー」
 http://www.youtube.com/watch?v=qXpCOwTCEfE

映画『ヤッターマン』予告編
 http://www.youtube.com/watch?v=fln9fyuFRZM

さて、BarryRobinMauriceGibb三兄弟を中心にしたグループBee Geesの2回目の登場です。

UK、USでのデビュー・アルバム『Bee Gees 1st』(1967年)に続いて紹介するのは、1969年リリースのアルバム『Odessa』です。

オリジナルLP2枚組という大作であり、初期Bee Geesの代表作の呼び声も高い作品です。また、Gibb三兄弟にVince Melouney(g)、Colin Petersen(ds)を加えた5人体制の最後のアルバムでもあります(本作のレコーディング後にVince Melouneyはグループを離れた)。

日本人ファンにとっては、「Melody Fair」「First of May」という人気の2曲を収録した作品としてお馴染みですね。共に1971年の映画『小さな恋のメロディ』で使われたお馴染みの曲です。

若いリスナーの方は、映画『小さな恋のメロディ』と聞いてもピンと来ないかもしれませんね。マーク・レスター演じるダニーとトレーシー・ハイド演じるメロディという11歳の男女の恋の行方を描いたイギリスの映画です。特に、主人公ダニーとメロディが二人だけの世界を求めてトロッコで去っていくラストシーンは印象的です。

英米ではヒットしませんでしたが、日本では映画と共にBee Geesが歌う主題歌「Melody Fair」がオリコン・チャート第3位の大ヒットとなりました。ちなみに英米では「Melody Fair」はシングルカットされていません。

映画公開時、小学生にもなっていなかった僕でさえ、子供の頃から脳内に「Melody Fair」のエヴァーグリーンなメロディがインプットされていました。それだけ日本における人気ぶりは凄かったのでしょう。

そんな大ヒット映画の影響で、本作『Odessa』の印象も日本のリスナーと英米のリスナーとではかなり違うのかもしれませんね。

『Odessa』については、新たなチャレンジを含む全17曲のコンセプト・アルバムという紹介を多く見かけます。

個人的にはコンセプト・アルバムという説明があまりピンと来ません。
トータル・コンセプト云々で聴くよりも、1曲ごとに堪能した方が楽しめる作品であるという気がします。その意味では全17曲は少し間延びしている印象を受けます。思い切ってLP1枚分に曲数絞った方がより充実した作品になったのでは?というのが僕の勝手な意見です。

「Melody Fair」「First of May」というハイライト2曲が目立つのは事実ですが、それ以外の楽曲にも耳を傾けてみましょう!

オススメ曲を紹介しときやす。

「Odessa (City on the Black Sea) 」
タイトル曲は7分を超える大作です。クラシックの要素を取り入れた幻想的なオープニングです。冒頭にこの曲が配してあるので、コンセプト・アルバムという側面が強調されるのかもしれませんね。個人的には少し狙いすぎ!の気もしますが。

「You'll Never See My Face Again」
邦題「私を見ないで」。爽快なフォーキー・チューン。春の到来を待つ、今の時期に聴くとピッタリな雰囲気の1曲です。

「Black Diamond」
邦題「黒いダイヤ」。彼ららしい美しいメロディを堪能できる1曲。Barry独特のファルセットを堪能できます。

「Marley Purt Drive」
邦題「日曜日のドライヴ」。The Bandあたりに通じるアーシーな仕上がりです。何も知らないで聴くとBee Geesの曲だとはわからないのでは?

「Melody Fair」
前述の通り、説明不要!永遠の名曲です。このエヴァーグリーンなメロディを聴くと、誰もが映画の主人公ダニー&メロディのようにピュアな少年&少女に戻ることができるのでは?改めて聴くと"案外フォーキーな曲だったんだなぁ"という印象を受けます。
http://www.youtube.com/watch?v=YIUSW5jOJ7Y

「Suddenly」
「Whisper Whisper」
密かに好きなのがこの2曲。少しビターな味わいがアルバムの中でいいアクセントになっていると思います。

「Sound of Love」
邦題「恋のサウンド」。美しく感動的なバラードです。哀愁を帯びたBarryのヴォーカルがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=p9SdEwHoP6I

「Give Your Best」
僕の苦手なイモ臭いカントリー調の曲ですが、映画『小さな恋のメロディ』挿入歌なので取り上げておきました。

「Never Say Never Again」
キャッチーなフォーキー・チューン。ポップな魅力を求めるリスナーの方は、この曲が一番の出来栄えなのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=OdR6JHZ91P4

「First of May」
邦題「若葉のころ」。アルバムからシングルカットされ、UKシングル・チャート第6位のヒットとなりました。映画『小さな恋のメロディ』にも挿入されていました。1996年にKinKi Kidsの二人が主演していたTVドラマ『若葉のころ』のオープニングテーマとして聴いていた方も多いのでは?

「Melody Fair」と並ぶ名曲ですね。タイトルの通り、5月に聴くべき曲なのかもしれませんが、個人的には生活や仕事の転機となることが多い3月に聴くとフィットする曲という気がします。
http://www.youtube.com/watch?v=kkEG5zOLw3A

多くのアーティストがカヴァーしていますが、Sarah Brightmanのバージョンを紹介しておきます。
Sarah Brightman「First of May」
http://www.youtube.com/watch?v=vQsmP1ZGVO8

オススメから外したのは、重厚なストリングスが少し仰々しく聴こえる楽曲が多いです。それらを外すと、全体の流れがスッキリしてオリジナル2枚組にある間延び感が払拭されるのではと思います。

僕の持っているCDには「With All Nations (International Anthem) 」 が未収録です。最近のCDにはちゃんと収録されているようですが。

今年に入り、『Odessa』のCD3枚組デラックス・エディションが発売されました。熱狂的ファンの方は興味深いリリースかもしれませんが、僕などは曲リストを見るだけで胃もたれしそうです。激盛よりも普通盛がいいですな(笑)

次回Bee Gees作品を紹介する時には『Main Course』以降のディスコ路線からセレクトしたいと思います。
posted by ez at 01:50| Comment(2) | TrackBack(2) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする