発表年:1975年
ez的ジャンル:爽快ハーモニー系ウエストコースト・ロック
気分は... :Poco a poco
UEFAチャンピオンズリーグはベスト8が出揃いました。
イングランド勢4チームが全てが勝ち上がったのに対して、イタリア勢3チームが全て敗れてしまったのは明暗はっきりしてしまいましたね。特に今年の決勝戦会場がローマだっただけに、イタリア国民には受け入れ難い結果でしょうね。
今年も決勝はイングランド勢対決になるのでしょうか?
個人的には「バルセロナ対マンチェスターU」が観てみたいなぁ。
今日はふと、Poco『Head Over Heals』(1975年)とAl Stewart『Time Passages』(1978年)のどちらかが聴きたいと思い、悩んだ末Poco『Head Over Heals』をセレクト。
Pocoは1970年代のカントリー・ロック/ウエストコースト・ロックを代表するグループ。1968年にスーパーグループBuffalo SpringfieldのメンバーであったRichie Furay、 Jim Messinaの2人にRusty Young、Randy Meisner、George Granthamの3人を加えた5名で結成されました(当初グループ名はPocoではなくPogo)。
1969年に1stアルバム『Pickin' Up The Pieces』をリリース。しかし、レコーディング中にRandy Meisnerが脱退してしまいます。1970年にRandyの後任としてTimothy B. Schmitが加入します(Timothyはグループ結成時のオーディションに参加しますが落選しています)。
70年代ロック・ファンはご存知の通り、Randyはその後Eaglesの結成メンバーとなりますが1977年に脱退してしまい、その後釜でTimothy B. Schmitが加入することになります。歴史は二度繰り返されたのでした...
話をPocoに戻すと、その後1970年にJim MessinaがKenny LogginsとLoggins & Messinaを結成するために脱退、さらに1973年にはRichie FurayがJ.D. Souther、Chris Hillman とのThe Souther-Hillman-Furay Band結成のために脱退と、主要メンバーの相次ぐ脱退によりグループは何度か危機を迎えます.しかし、何とか乗り切り1970年代のウエストコースト・ロック・シーンに確かな足跡を残しました。
商業的には決して大成功したグループではないPocoですが、ウエストコースト・ロックを代表するグループとしての認知度は高いグループですよね。
Eagles、Loggins & Messina等を経由してPocoに辿り着く人も多いのでは?
僕の場合、洋楽聴き始めの頃に買ったロック歴史本を通じて、Poco=ウエストコースト・ロックの代表的グループというすりこみがなされたようです。
ただし、僕が持っているPocoのアルバムは今日紹介する『Head Over Heals』とベスト盤『The Very Best of Poco』の2枚のみ。
そもそも現在の僕がカントリー・ロック系ウエストコースト・ロックを聴く頻度はあまり多くはありません。例えば、Eaglesのアルバム群はCD棚の奥の方で長い間眠ったままで、アルバムによっては10年以上聴いていないかもしれません。
それと比較すれば、『Head Over Heals』は以前に紹介したToby Beau『My Angel Baby』等と共に今でもたまに聴きたくなるカントリー・ロック系ウエストコースト・ロック作品です。
肩のこらない、明るく爽快な作りが気に入っています。
Timothy B. Schmitを中心にした爽快ハーモニーに惹かれている部分も大きいと思います。あとはアルバム構成にメリハリがあるところもポイントかもしれません。
本作におけるメンバーは、Paul Cotton(g、vo) 、Rusty Young(g、vo)、Timothy B. Schmit(b、vo)、George Grantham(ds、vo)の4名。Pocoファンの間でFab Fourと呼べれるメンバーです。名よりも実を重視したメンバー構成といったところでしょうか。
大ヒットしたわけでもなく、ヒット・シングルが収録されているわけでもなく、派手さもないアルバムですが、ウエストコースト・ロックの魅力がぎっしり詰まったアルバムだと思います。
全曲紹介しときやす。
「Keep on Tryin'」
いきなりアルバムのハイライトです。シングルにもなったこの曲でPocoならではの素晴らしいハーモニーを堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=QfQp80S3tM4
「Lovin' Arms」
Pocoらしい爽快なコーラスが絶好調のカントリー・ロックその1。
「Let Me Turn Back to You」
アメリカン・リリシズムに浸れる1曲。アルバムで一番好きな曲かも?曲、アレンジ、ヴォーカル&コーラス全てが僕好みです。ウエストコーストらしい魅力が詰まっています。
「Makin' Love」
Pocoらしい爽快なコーラスが絶好調のカントリー・ロックその2。
「Down in the Quarter」
広大な大地で一人夕陽を眺めながら聴きたい1曲。雄大な雰囲気が魅力です。ドリーミーなイントロもグッド!
「Sittin on a Fence」
トロピカル・テイストも入った楽しい1曲。こういった曲をやってくれるから僕はEaglesよりもPocoを好んで聴くのかもしれません。
「Georgia, Bind My Ties」
スワンプ・テイストも入ったカントリー・ロック。僕の苦手なイモ臭いカントリー調のメロディが部分的に聴こえてくるのですが、カッチョ良いスワンプ・サウンドで帳消しにしてくれます(笑)
「Us」
本曲がRusty YoungのPocoにおける初リード・ヴォーカルなのだとか。ピュアな雰囲気が感動的なカントリー・ロックに仕上がっています。Breadあたりと一緒に聴きたくなる曲ですね。
「Flyin' Solo」
明るく爽快な曲が並ぶ中で、シブさが光るこの曲はアルバムのいいアクセントになっています。ウエストコースト・ロック好きの人ならば気に入ると思います。
「Dallas」
Steely Danののレア・シングル「Dallas」のカヴァー(Donald Fagen/Walter Becker作品)。オリジナルに忠実なカヴァーですが、完成度はコチラの方がはるかに高いです。ストリングスも実に効果的ですな。
「I'll Be Back Again」
ラストはリラックス・ムードの仕上がり。軽くトロピカルな感じが入っているのがいいですね。
記事作成しながら、当ブログで僕がEaglesを紹介できる日は来るのだろうか?と考えてしまいました。オリジナル・アルバムは殆ど持っているし、決して毛嫌いしているわけでもないのですが、"今日はEaglesが聴きたい!"という気分の日が長い間訪れていません。
その日が再び訪れることを待ってみます(笑)
その前に先日、レコードを整理していたら久々に見つけて懐かしくなったTimothy B. Schmitのソロ『Playin' It Cool』が聴きたい気分だったりして...