2009年03月16日

Willie Colon『Cosa Nuestra』

オリジナルなN.Y.サルサを聴かせてくれるEl Maloコンビ4作目☆Willie Colon『Cosa Nuestra』
Cosa Nuestra
発表年:1969年
ez的ジャンル:ギャングスタ系N.Y.サルサ
気分は... :日本はチャップマンを攻略できるか!

間もなくWBC「日本対キューバ」戦ですね。
仮に敗れても敗者復活での可能性は残るため、"後のない一戦"とまでいかないのがビミョーですが...

そんな中で2組では、米国がプエルトリコにコールド負けするという予想外の展開となりました。なんて書くと、プエルトリカンに失礼ですね。

という流れで今日はサルサ気分です。
セレクトしたのはWillie Colon『Cosa Nuestra』(1969年)!

Willie Colonの紹介は、デビュー作『El Malo』(1967年)、Ruben Bladesとのコラボ作『Siembra』(1978年)、70年代絶頂期の1枚『Lo Mato』(1973年)に続き4回目となります。

今日紹介する『Cosa Nuestra』(1969年)はColonの4thアルバムであり、El Malo(悪党)イメージで一躍ニューヨリカンのヒーローとなった初期を代表する1枚です。

タイトルはイタリア語でマフィアを意味する"Cosa Nuestra"。一般にはMarlon Brando、Al Pacino主演の映画『The Godfather(ゴッドファーザー)』(1972年)で一般に知られるようになった言葉ですが、映画に先駆けてこの言葉をタイトルに冠するあたりは、さすがEl Maloですね。ちなみに、Mario Puzoによる『The Godfather』の原作が発表されたのが本作と同じ1969年です。

ジャケもColon作品ではお馴染みのギャングスタ・ジャケの中でも印象的な1枚です。どこから見てもCosa Nuestraの一員にしか見えないColonの姿は、『The Godfather Part II』で若き日のヴィトー・コルレオーネを演じたRobert De Niroと重なってしまいます。

肝心の内容もジャケのインパクトに負けない充実ぶりです。盟友Hector Lavoeをリード・ヴォーカルに据え、個性的なColonサウンドを聴かせてくれます。サルサ前夜のブーガルー的なサウンドであったデビュー作『El Malo』(1967年)と比較すると、本作『Cosa Nuestra』では、オリジナルなN.Y.サルサを確立していることを実感できるのでは?

全8曲捨て曲ナシ!Colon & LavoeコンビがEl Maloイメージだけの悪ガキではなく、N.Y.サルサの重要アーティストであることを音楽的に実感できる1枚です。

Colonの初期作品を聴くのであれば、有名なデビュー作『El Malo』よりも、本作あたりから入った方がColon本来の魅力に触れることができると思います。

全曲紹介しときやす。

「Che Che Cole」
ヒットしたオープニングは、陽気で軽やかなリズムがポスト・ブーガルーを強く印象づけてくれる小粋なN.Y.サルサ・チューン。Lavoeのヴォーカルも絶好調!今聴いても鮮度抜群!
http://www.youtube.com/watch?v=x-hg_ncuGcc

「No More Llores Mas」
軽快なホーン・アンサンブルがいい感じのサルサ・チューン。この1、2曲目のノリの良さで、みんなご機嫌になるはず!
http://www.youtube.com/watch?v=oPGvnhN9eEs

「Ausencia」
Lavoeのヴォーカルが光る哀愁バラード。この頃のラテン・バラードって一歩間違えるとかなり古臭く聴こえるのですが、この曲は大丈夫です。
http://www.youtube.com/watch?v=HEuQnbwWatE

「Te Conozco」
この曲もヒット曲。Colonのトロンボーンのカッチョ良さを堪能するには打ってつけの1曲だと思います。エレガントかつスタイリッシュなアレンジがサイコー!

「Juana Pena」
人気という点ではこの曲が一番かもしれませんね。哀愁のサルサ・グルーヴが激ヤバです。Colonの疾走するトロンボーン、力強いピアノ・リフ、Lavoeの哀愁ヴォーカル、乱舞するパーカッション、全てが揃ったキラー・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=x8PsN40jpSM

「Sonero Mayor」
ユニークなホーンアレンジ、歌謡サルサなLavoeのヴォーカルとColon & Lavoeのコンビの個性を実感できる1曲。

「Sangrigorda」
勢いだけではなない、小粋なセンスを感じさせるミディアム・スロウ。押しまくらない、引きの美学がカッチョ良すぎです。既に余裕たっぷりのEl Maloコンビですな。

「Tu No Puedes Conmigo」
ラストはEl Maloらしいルード・ボーイな雰囲気プンプンのバラード。この味わいはEl Maloコンビにしか出せないでしょうね。

話が脱線しますが、Cosa Nuestraと言えば、桜井鉄太郎氏率いる渋谷系ポップユニットCosa Nostraもありますね。実はJ-POPの中で一番好きなアーティストでした。特にAl Kooper「Jolie」のカヴァーは絶品でしたね(正直オリジナルよりも好きです)。

当ブログでは基本的にJ-POPをセレクトすることはありませんが、ぜひ多くの方に聴いて欲しいユニットです。

Cosa Nostra『World Peace』
World Peace
World Peace
posted by ez at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする