2009年03月24日

Ralph MacDonald『Sound Of A Drum』

僕のパーカッション好きはこの人のせいかも?☆Ralph MacDonald『Sound Of A Drum』
サウンド・オブ・ア・ドラム
発表年:1976年
ez的ジャンル:パーカッシヴ・ジャズ/フュージョン
気分は... :僕のパーカッション好きはこの人のせい...

今日は大好きなパーカッション奏者Ralph MacDonaldの1stソロ『Sound Of A Drum』(1976年)です。

Ralph MacDonaldは1944年N.Y.ハーレム生まれ。彼の両親は共にカリプソの母国トリニダード・トバゴ出身。特に父親Patrick MacDonaldは"Macbeth the Great"と呼ばれ、N.Y.ラテン業界では名の通ったミュージシャンでした。その父親からスティール・ドラムを習い、それ以外に様々なパーカッションを演奏するようになりました。

17歳の時には「Banana Boat Song」でお馴染みのHarry Belafonteのバンドに参加します。Belafonteのグループで6年間を過ごした後、スタジオ・ミュージシャンとして活動するようになります。

Ralphが注目されるようになったのは1970年にRoberta Flackのバンドに参加してからです。特に彼がソングライティング(William Salterとの共作)を手掛けた「Where Is the Love」は、Roberta Flack & Donny Hathawayのデュエットにより、1972年に全米ポップ・チャート第5位、全米R&Bチャート第1位の大ヒットとなりました。

その後もパーカッション奏者、コンポーザー、プロデューサーとして幅広く活躍しています。

特にコンポーザーとしては、Grover Washington Jr. feat.Bill Withersで大ヒットした「Just the Two of Us」をはじめ、「Mister Magic」Grover Washington Jr.)、「Trade Winds」Rod Stewart)、 「In the Name of Love」Grover Washington Jr.Roberta FlackBill Withers)等の名曲を生み出しています。日本人にとっては渡辺貞夫作品でもお馴染みですね。

また、自身のソロ・アルバムとして『Sound of a Drum』(1976年)、『The Path』(1978年)、『Counterpoint』(1979年)、『Universal Rhythm』(1984年)等の作品をリリースしています。

基本的に僕はパーカッシヴな音楽が大好きですが、それはRalph MacDonaldというミュージシャンの影響かもしれません。

学生の頃から彼のパーカッションや楽曲に魅了され、Ralph MacDonald参加というだけで購入したレコードも何枚かありましたね。中でもGrover Washington Jr.『Winelight』(1980年)、Roberta Flack『I'm The One』(1982年)、Ralph MacDonald『Universal Rhythm』(1984年)の3枚はよく聴きました。

その意味では今日も『Universal Rhythm』(1984年)を紹介したいのですが、未CD化なので『Sound of a Drum』(1976年)をセレクトしました。客観的に考えれば、『Universal Rhythm』以上に今時リスナーの方へフィットする作品だと思います。

「Where Is the Love?」「Jam on the Groove」「Mister Magic」「Calypso Breakdown」と目玉曲が多いのが魅力ですね。

さらにGrover Washington Jr.、Chuck Rainey、Eric Gale、Richard Tee、Rick Marotta、Toots Thielemans、Bob James、Nicholas Marrero、Patti Austin、Gwen Guthrie等の参加ミュージシャンの顔ぶれも期待できます。

フュージョン/AOR好き向け作品と思われるかもしれませんが、クラブジャズ好き、Hip-Hop好きの方をはじめ、いろんな嗜好の方が楽しめる作品に仕上がっていると思います。

Ralphとその仲間たちが織り成すリズム・ワールドに酔いしれましょう!

全曲紹介しときやす。

「Sound Of A Drum」
Grover Washington Jr.『Winelight』のソプラノ&テナーに先導され、Ralphのリズム・ワールドが展開されます。エレガント&メロウな仕上がりもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=Sepbb9QgzX8

「Where Is the Love?」
Roberta Flack & Donny Hathawayへ提供した大ヒット曲のセルフカヴァー。オリジナルと比べて、パーカッシヴで躍動感のある仕上がりです。Toots Thielemansのハーモニカがフィーチャーされ、いい味出しています。Patti Austin、Gwen Guthrie、Frank Floyd等によるパワフルなヴォーカル隊もサイコー!

YouTubeにオリジナル、Ralphヴァージョン共に無かったので、本曲のカヴァー作品の中から、Dana、Jesse & Trina(Jesse Campbell & Trina Barnette)、John Legend & Corinne Bailey Raeのヴァージョンを紹介しておきますね。

Dana「Where Is The Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=Zv0EtfOonro

Jesse & Trina「Where Is The Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=OAepi4leA3o

John Legend & Corinne Bailey Rae「Where Is The Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=eb7u7ixkzLw

「The Only Time You Say You Love Me (Is When We're Making Love) 」
Chuck Rainey、Rick MarottaにRalphが絡むリズム隊がグイグイ前進するグルーヴ感がいいですね。本曲の作者であり、アレンジも担当しているArthur Jenkinsのクラビネットもいいアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=6h4yHBNGn6Q

「Jam on the Groove」
おそらく若いリスナーの方にとっての本作のハイライトは、定番ブレイクビーツとしてお馴染みの本曲かもしれませんね。Ralphのパーカッションの洪水を存分に堪能しましょう。Chuck Raineyのベースもカッチョ良い!シンセはBob Jamesです。
http://www.youtube.com/watch?v=VHFfo8DkkTE

本ブログでも紹介したStetsasonic「Go Brooklyn 3」をはじめ、DJ Spinna「Rock」、Del「Money for Sex」、Double D & Steinski「Lesson 3」等でサンプリングされています。

DJ Spinna「Rock」
 http://www.youtube.com/watch?v=FbLWm4rZAGA

Del「Money for Sex」
 http://www.youtube.com/watch?v=bGIPRTwVHvE

Double D & Steinski「Lesson 3」
 http://www.youtube.com/watch?v=xTo_fJ8itk0

「Mister Magic」
僕の一番のお気に入り!Grover Washington Jr.でお馴染みの名曲のセルフカヴァー。Hip-Hopネタとしても有名ですね。ここではティンバレスのNicholas Marreroも加わり、サルサ・フレイヴァーのラテン・チューンに仕上がっています。ラテン/クラブ・ジャズ好きの方は必聴!YouTubeにRalphヴァージョンが無いのが残念!

Grover Washington, Jr.「Mister Magic」
 http://www.youtube.com/watch?v=B0RfJB41Dds

「Calypso Breakdown」
この曲はBee Gees「Stayin' Alive」、「Night Fever」等でお馴染みの超有名サントラ『Saturday Night Fever』にも収録されていたアノ曲です(William Eaton作)。タイトルの通り、カリビアンをルーツに持つRalphらしいパーカッシヴなインスト・チューンに仕上がっています。

さぁ、いよいよWBC日韓決戦ですね。
今日は何とかTV観戦したいなぁ...
posted by ez at 02:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする