発表年:1996年
ez的ジャンル:レトロな(?)ニュー・クラシック・ソウル
気分は... :WBCのツケが...
年度末が近づきバタバタです。
個人事業者の僕は本来年度末など関係ないはずなのですが...
やはり一昨日WBCモードで全く仕事にならなかったツケが回ってきています。
それにしてもWBCは大興奮でしたね。
ここ数日"あなたが選ぶWBCのMVPは?"みたいなインタビューやアンケートをよく目にしますが、僕だったら投手は杉内、野手なら内川かなぁ?脇役がきっちり仕事をするのが日本の強みだと思うので。
さぁ、野球の日本代表に続いて、次はサッカー日本代表にも頑張ってもらわないといけませんね。
今回は久々に Tony! Toni! Tone!(通称トニーズ)です。
紹介するのは4thアルバム『House Of Music』(1996年)♪
確認したら、『Sons of Soul』を紹介したのが2005年9月だったので、約3年半ぶりの登場です。トニーズ大好きの僕ですが、こんなに間隔が空いてしまうなんて...
きっとその間にトニーズの中心Raphael Saadiqの『Instant Vintage』(2002年)、『Ray Ray』(2004年)、『The Way I See It』(2008年)といったソロ作品を紹介していたので、あまり気にならなかったのかもしれません。
本作『House Of Music』(1996年)は、最高傑作の呼び声が高い3rd『Sons of Soul』(1993年)に続いてリリースされた4thアルバムであり、Raphael Saadiq、Dwayne Wiggins、Timothy Christian Rileyの3人が揃ったトニーズとしてのラスト・アルバムです。
前作でネオ・ソウル/ニュー・クラシック・ソウル路線を強く打ち出したトニーズですが、本作ではその路線をさらに推し進めた内容になっています。『Sons of Soul』のような華やかさはありませんが、安定かつ成熟した出来栄えだと思います。
この時期のR&Bシーンはネオ・ソウル/ニュー・クラシック・ソウルで盛り上がっていましたが、70年代のニューソウル的なサウンドと90年代のHip-Hopリズムをうまく融合して、オーガニック感覚の新しいグルーヴを提示したD'Angelo、Erykah Baduらと比較すると、トニーズのアプローチは徹底した70年代ソウルへのオマージュといった色彩が強いですね。このあたりのスタンスは、Raphaelの最新作『The Way I See It』(2008年)を聴いても一貫している気がします。
全然、"ニュー"ではないニュー・クラシック・ソウルは、逆にオールド・ファンから若いリスナーまで幅広い支持を得られるような気がするのですが...という僕の感覚が古いかもしれませんが(笑)
全曲紹介しときやす。
「Thinking of You」
よく言われるように、思い切りAl Greenおよびハイ・サウンドしているオープニング。Raphaelが『The Way I See It』で聴かせてくれた古き良きソウル・ミュージックへの思い入れを本曲でも感じ取ることができます。ここまで徹底していれば天晴れですな?
http://www.youtube.com/watch?v=pHJ-ZmbWcvU
「Top Notch」
このローファイ感は90年代半ばらしいですね。古いんだか、新しいんだかよくわからん不思議な雰囲気に包まれた1曲。でも、結構クセになったりして...
「Let's Get Down」
一般に本作のハイライトと言えば、この曲でしょうね。この曲は"ニュー"な仕上がりです(笑)。DJ Quikがプロデュース、ラップもQuikです。アコースティック・ギターのウワモノが印象的なトラックをバックに、QuikのラップとRaphaelのヴォーカルが交錯します。特にRaphaelのフックはNirvanaの名曲「Smells Like Teen Spirit」を引用したもので話題になりました。Raphaelとグランジってかなり距離を感じるのですが、それだけに興味深いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=X7lXPlh7qHw
「Til Last Summer」
ひたすら甘〜いスウィート・ソウル。ニュー・クラシック・ソウルの"ニュー"が全く不要なソウル・マナーな仕上がりです。
「Lovin' You」
この曲もひたすら気持ち良いミディアム・チューン。Marvin Gaye風のパーカッシヴなグルーヴ感がいいですね。ちなみにパーカッションはSheila E.です。
http://www.youtube.com/watch?v=IVekW8IyGhs
「Still a Man」
この曲ではサザン・ソウル風に迫ってきます。この手の曲を歌うにはRaphaelのヴォーカルは如何せん線が細すぎる気がしますが、それでもヴィンテージ感たっぷりでいい雰囲気です。Dwayneのギターが味わい深くてグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=rKtyDSMiNzY
「Don't Fall in Love」
ラブリー・モードなミディアム・グルーヴ。あまりスポットライトの当たらない曲ですが、僕の一番のお気に入です。ポップに弾けた感じがサイコー!パーカッションはSheila E.の弟Peter Michael Escovedo。
「Holy Smokes & Gee Whiz」
切ないピアノのイントロだけでもグッとくるビューティフルなスウィート・ソウル。この手の曲でも全く力まず自然体な感じがいいですね。素晴らしい出来栄えです。Dwele「Lay It Down」 のサンプリング・ソースとなっています。
「Annie May」
ライトなファンク・チューン。オーガニックなファンクネスがトニーズらしくていいですね。この曲は90年代らしいフレイヴァーを感じることができるのでは?
http://www.youtube.com/watch?v=6gYL86eUJ9s
「Let Me Know」
エレガントなストリングス・アレンジが印象的なソウルマナーのスロウ。
「Tossin' and Turnin'」
ローファイな打ち込みリズムに、哀愁のメロディが絡むミディアム・スロウ。意外にこういうの好きなんですよね。
「Wild Child」
Greg AdamsをはじめとするTower Of Powerホーン隊が参加しているドラマティックなバラード。ツボを心得た盛り上がり方にヤラれてしまいます。
http://www.youtube.com/watch?v=hp1iLx_JXFY
「Party Don't Cry」
ジャジーな雰囲気のミディアム・チューン。トニーズの成熟ぶりを感じさせる1曲。
「Lovin' You (Interlude) 」
アルバムの余韻に浸るためのエンディング。
長距離弾道ミサイルが発射台に設置されたらしいですな。
WBCフィーバーで浮かれている場合なのか?
大丈夫なのかニッポン???
なんて言いながら、昨日の10時から26時間起きているので、とにかく眠い!とりあえず寝ま〜す。