2009年04月30日

Common『One Day It'll All Make Sense』

Commonの存在を広く知らしめた3rd☆Common『One Day It'll All Make Sense』
ワン・デイ・イトゥル・オール・メイク・センス
発表年:1997年
ez的ジャンル:リアルHip-Hop
気分は... :胸にしみるHip-Hop

シカゴ出身の知性派ラッパーCommonの5回目の登場っす。

これまで当ブログで紹介してきたCommonは以下の4枚(発売順)。

 『Like Water For Chocolate』(2000年)
 『Be』(2005年)
 『Finding Forever』(2007年)
 『Universal Mind Control』(2008年)

5枚目の紹介となるのは1997年リリースの3rdアルバム『One Day It'll All Make Sense』です。

Hip-Hopアーティストの作品で5枚目の紹介というのは初めてになります。

これまでCommonA Tribe Called QuestThe Rootsの3アーティストが4枚で並んでいましたが、Commonが一歩抜き出ましたね!(って僕自身の意思ですが...)

それだけCommonというラッパーが、僕にとって欠かせない存在なのかもしれませんね。

昨年末に出た最新作『Universal Mind Control』は、エレクトロかつハイ・エナジーな仕上がりで新境地を開いた作品でした。それはそれで嫌いではありませんが、僕はやはりソウルフルなCommonが好きですね。

その意味では、『One Day It'll All Make Sense』『Like Water For Chocolate』『Be』の3枚が一番僕の好みにフィットします。コアなHip-Hopファンの方は2nd『Resurrection』(1994年)あたりの支持が高いのかもしれませんが。

今日紹介する『One Day It'll All Make Sense』は、初めて購入したCommon作品でした。それまでもCommon Senseの存在は知っていましたが、アルバム購入までには至っていませんでした。

本作を購入した理由は、Lauryn HillErykah BaduDe La SoulQ-TipA Tribe Called Quest)、The Rootsと僕の大好きなR&B/Hip-Hopアーティストが本作に勢揃いしていたためという不純なものでした。

そんな僕でしたが、本作を聴き終わった頃には豪華ゲスト陣以上にCommonというラッパーの存在感に魅了されていました。Hip-Hop作品で"ソウルフル"という印象を持ったのはこの作品が初めてだったかもしれません。それ以来Commonは僕にとって特別なアーティストになっています。

プロデューサーはCommon作品ではお馴染みのNo I.D.が約2/3を手掛け、それ以外にSpike Rebel、Dug Infinite、Ynot、The Roots、James Poyser、Karriem Rigginsが参加しています。

胸にしみるHip-Hop!そんな言葉が似合う1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Introspective」
ポエトリーリーディングによるイントロダクション

「Invocation」
Jimmy Ponder「Jennifer」ネタのギター・ループが心地好いジャジーHip-Hop。

「Real Nigga Quotes」
Commonらしい鋭いリリックが突き刺さる1曲。

「Retrospect For Life」
オススメその1。Lauryn Hillをフィーチャーしたシングル曲。Donny Hathaway「Song For You」ネタのトラック、Commonのソウルフルなフロウ、Laurynが歌うStevie Wonder「Never Dreamed You'd Leave In Summer」ネタのサビと名曲の要素がバッチリ揃った心にしみるクラシック。90年代版ニューソウルって感じの仕上がりがサイコー!Commonの魅力全開の1曲だと思います。No I.D. と共にJames Poyserがプロデュースしています。
http://www.youtube.com/watch?v=pmDybzfNBG0

「Gettin' Down At The Amphitheater」
オススメその2。 De La SoulのPosとTrugoyをフィーチャー。DJ Grand Wizard Theodore「Gangbusters」ネタのオールドスクールなトラックと共に彼らの軽快なフロウを堪能しましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=JJ06kt_0K6o

「Food For Funk」
不穏かつへヴィーなトラックが雰囲気が印象的です。

「G.O.D. (Gaining One's Definition)」
オススメその3。Cee-Loをフィーチャーした感動的な1曲。涙腺にグッとくるピアノとCommonとCee-Loのソウルフルなフロウの相性は抜群!まさにゴッドな名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=uPEBpYSvBxk

「My City」
Alvin Rogersのサックスをフィーチャーしたジャジーなポエトリー・リーディング。

「Hungry」
短いながらも、Commonの畳み掛けるようなフロウが心に刺さる1曲。

「All Night Long」
オススメその4。Erykah Baduをフィーチャーした人気曲。The RootsプロデュースというのもHip-Hopファンは相当グッときますね。Common、Erykah BaduThe Rootsの顔合わせというだけで僕は何でもウエルカムですっ(笑)The Rootsプロデュースらしい極上ジャジー・グルーヴがたまりません。Yarbrough and Peoples「Don't Stop The Music」ネタ。その後恋仲となるCommonとErykah Baduの共演という意味でも興味深いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=MiB2yR3sI9o

「Stolen Moments Pt. I」
「Stolen Moments Pt. II」
「1 2 Many...」を挟んでPt. IIIまであります。Pt. IIではBlack Thoughtをフィーチャー。Pt. IはGwen McCrae「90% of Me Is You」ネタ、Pt. IIはFranck Pourcel「Je L'Aime」ネタ。

「1 2 Many...」
個人的には淡白な印象も受けますが人気曲みたいですね。Roy Ayers「The Black Five」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=qmelRxSeL50

「Stolen Moments Pt. III」
Pt. IIIはQ-Tipをフィーチャー。CommonとQ-Tipの組み合わせって声質的にどうなんだろう?とも思いましたが(笑)Melvin Van Peebles「Superstition」ネタ。

「Making A Name For Ourselves」
Canibusをフィーチャーした男気溢れる雰囲気の仕上がりです。
http://www.youtube.com/watch?v=OZ_3me0XUcM

「Reminding Me (Of Sef)」
オススメその5。Chantay Savageをフィーチャーしたクラシック。シングルにもなりました。Patrice Rushen「Reminding Me」のフレーズが飛び交うキャッチーな作りであり、Hip-HopファンのみならずR&Bファンにもグッとくる仕上がりです。Lowrell「Mellow Mellow Right On」ネタ。
http://www.youtube.com/watch?v=YQfq62N_Jxs

CommonがChantay Savage「I Will Survive」(Gloria Gaynorのディスコ・ヒットのカヴァー)のリミックスへ参加したことが、共演のきっかけだと思います。
Chantay Savage Feat. Common「I Will Survive(Remix) 」
 http://www.youtube.com/watch?v=F52sVCmuBis

「Pop's Rap Part 2/ Fatherhood」
最後はお馴染みのCommonパパ、Lonnie "Pops" Lynnをフィーチャー。ピアノ・トリオになるジャジーな生演奏をバックにシブく決めてくれます。

本作でコアなHip-Hopファン以外にも、その存在を知らしめたCommonは次作 『Like Water For Chocolate』(2000年)で更なる高みへ到達することになります。
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2009年04月29日

GW企画『忘れないでね!〜埋もれたエントリーたち』

今日は特別企画で少し息抜きさせてください(笑)

当ブログでは定期的に紹介した作品の中からアクセス数が多かったTop10を紹介しています。

アクセスが多かった作品がある一方で、アクセス数の少ない作品も存在します。
アクセス数の多少に関わらず、当ブログで紹介した作品については一人でも多くの方に聴いて欲しい!というのが僕の思いです。

そこで今日はアクセス数の少ない作品の中から、特に聴いて欲しい10枚をセレクトしてみました。僕にしてみれば、どの作品も名盤だと思うのですが...

オススメ曲をYouTubeで聴けるようにしましたので、未聴の方はこれを機会に聴いてみてください!

Donna McGhee『Make It Last Forever』(1978年)
Make It Last Forever
「Make It Last Forever」
 http://www.youtube.com/watch?v=FaNBuQtO1Hg
「It Ain't No Big Thing」
 http://www.youtube.com/watch?v=SVj1SCMV5Eg
「Mr. Blindman」
 http://www.youtube.com/watch?v=oy8MDztzX2g

Spyro Gyra『Morning Dance』(1978年)
モーニング・ダンス
「Morning Dance」
 http://www.youtube.com/watch?v=mPkO5YImbfk
「Jubilee」
 http://www.youtube.com/watch?v=C8ALz4tm09o
「Starburst」
 http://www.youtube.com/watch?v=ofN65svT71s

The Black Ghosts『The Black Ghosts』(2008年)
ブラック・ゴースツ
「It's Your Touch」
 http://www.youtube.com/watch?v=qoidLyF6SqM
「Anyway You Choose To Give It」
 http://www.youtube.com/watch?v=WVAdxmd0RdA
「Full Moon」
 http://www.youtube.com/watch?v=-bBVdpeeUBM

Weekend『La Variete』(1982年)
La Variete
「Summerdays」
 http://www.youtube.com/watch?v=9Nf0Ua5Nz80

LTG Exchange『LTG Exchange』(1974年)
LTGエクスチェンジ
「Waterbed」
 http://www.youtube.com/watch?v=8P5awBqg0_Y
「Corazon」
 http://www.youtube.com/watch?v=RhqptVF6kQ8

Saint Etienne『Good Humor』(1998年)
Good Humor
「Sylvie」
 http://www.youtube.com/watch?v=S5ipJWBDcr0

Ron Sexsmith『Whereabouts』(1997年)
Whereabouts
「Still Time」
 http://www.youtube.com/watch?v=7ataIkPnmTE

The Good People『Long Time Coming』(2007年)
LONG TIME COMING
「Bar Back (remix)」
 http://www.youtube.com/watch?v=9iVThcPE21A

Everything But The Girl『Love Not Money』(1985年)
Love Not Money
「When all's well」
 http://www.youtube.com/watch?v=XB-6LuNEW-M

Youngbloods『Elephant Mountain』(1969年)
Elephant Mountain
「Ride the Wind」
 http://www.youtube.com/watch?v=MhrBEyA_vc4

これからも過去エントリーの再紹介はしたいと思っています。
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2009年04月28日

Bob Dylan『Planet Waves』

70年代におけるDylan復活の第一歩となった作品☆Bob Dylan『Planet Waves』
Planet Waves
発表年:1974年
ez的ジャンル:偉大なるロック詩人
気分は... :偉大なる復活...

偉大なるロック詩人Bob Dylanの5回目の登場です。

これまで当ブログで紹介したDylan作品は以下の4枚です。

 『Bringing It All Back Home』(1964年)
 『Highway 61 Revisited』(1965年)
 『The Basement Tapes』(1975年)
 『Hard Rain』(1976年)

5枚目に紹介するのは、70年代におけるDylan復活の第一歩となった作品『Planet Waves』(1974年)です。

熱心なDylanファンではない僕ですが、今日は無性に70年代のDylan作品を聴きたい気分です。

以前にも書きましたが、個人的にはBob Dylanの全キャリアの中で『Planet Waves』(1974年)、『Before the Flood』(1974年) 、『Blood on the Tracks』(1975年)、『Desire』(1976年)、『Hard Rain』(1976年) という70年代中期の5作品が一番好きです。

70年代のDylanは、『Self Portrait』(1970年)、『New Morning』(1970年)、『Pat Garrett & Billy the Kid』(1973年)、『Dylan』(1973年)とアルバムをリリースしていましたが、どこか物足りなさの残る活動状況でした。

そんなDylanが完全復活への道を歩み始めたのが、本作『Planet Waves』(1974年)です。

『Planet Waves』は、CBSからAsylumへ移籍した直後の移籍第一弾アルバムであり、The Bandが全面バックアップしたアルバムです。1960年代からセッションを重ねてきたDylanとThe Bandですが、正式リリースされる作品でガッチリとタッグを組んだのは本作が初めてでした。

本作のリリース直後に、The Bandを従えた約8年ぶり全米ツアーを開始します。結果、アルバムはDylan初の全米アルバム・チャート第1位に輝き、ツアーも史上最大規模の動員を記録しました。こうしてDylanは"偉大なる復活"を遂げ、充実の70年代を突き進んでいくことになります。

やはり、The Bandの全面バックアップというのが魅力ですね。気心知れたメンバーをバックに、リラックスしつつも、前進することを決意したDylanの姿を感じ取れる作品だと思います。阿吽の呼吸で素晴らしい演奏を聴かせてくれるThe Bandの演奏もサイコー!

派手な作品ではありませんが、確かな手応えがある作品だと思います。

当時のDylanは占星術に凝っており、その影響が『Planet Waves』というタイトルにも反映されています。

全曲紹介しときやす。

「On a Night Like This」
邦題「こんな夜に」。シングルにもなったオープニング。軽快なカントリー調の仕上がり...と僕の嫌いなパターンなのはずですが、Dylanが歌うとホンワカした芋臭さが打ち消されるのでO.K.です(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=GEdbALYVTY8

「Going, Going, Gone」
再び歩み始めたDylanの決意表明のような1曲。噛み締めるようなDylanの歌と、それに呼応するかのようなRobbie Robertsonのギターに相当グッときます。アルバムで一番好きな曲かも?
http://www.youtube.com/watch?v=5xXdwOGNn0E

Richard Hell & the VoidoidsやSon Voltがカヴァーしています。
Richard Hell & the Voidoids
 http://www.youtube.com/watch?v=hPuFM7GDDZ8

「Tough Mama」
Dylanらしい曲作りが堪能できるロックン・ロール。Garth Hudsonのオルガンがアクセントになっています。
http://www.youtube.com/watch?v=-b-F_RtIIXA

「Hazel」
ストレートなラブソング。♪僕にとても欠けてるものが君にはある...♪ベタな感じですが好きです!
http://www.youtube.com/watch?v=RDmX5-BpGlg

「Something There Is About You」
これぞDylanとThe Bandの共演!という感じのアーシーなロック・チューン。Dylanのクセのある歌い方がたまりません。邦題「君の何かが」。
http://www.youtube.com/watch?v=lRaKB0RJ_N4

「Forever Young」
本作のハイライトとなる名曲中の名曲。この代表曲はDylanの息子のために書かれたものだそうです。スロー・ヴァージョンとファスト・ヴァージョンがありますが、こちらはスロー・ヴァージョン。♪いつまでも若く♪いつまでも若く♪かつてはこのフレーズを他人事のように聴いていた僕ですが、気付くと相当グッとくる歳になってしまいました(笑)。個人的にはThe Band『The Last Waltz』での演奏の印象が強いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=HIhutqd2WYY

Bob Dylan & The Band「Forever Young/Baby Let Me Follow You Down(Live)」
http://www.youtube.com/watch?v=1TLygQpSiyU

再結成後のThe Bandが再びレコーディングしています(アルバム『High on the Hog』収録)。また、Joan Baez、Johnny Cash、The Pretenders、Diana Ross、Patti Labelle等数多くのアーティストがカヴァーしています。Rod Stewart「Forever Young」はどのように説明したらいいのですかね(笑)
Patti Labelle「Forever Young」
 http://www.youtube.com/watch?v=Nbb5bLuYtrg

「Forever Young (Continued) 」
こちらはファスト・ヴァージョン。オリジナルLPで言えば、スロー・ヴァージョンがA面のラスト、このファスト・ヴァージョンがB面1曲目となります。
http://www.youtube.com/watch?v=kvTkspOc36Q

「Dirge」
邦題「悲しみの歌」。タイトルの通り、悲しげな仕上がりです。Robbie Robertsonの哀愁ギターが味わい深いです。
http://www.youtube.com/watch?v=eu9DNP1R-RM

「You Angel You」
邦題「天使のような君」。このカントリー調のラブソングもかなり好き。DylanとThe Bandによる息の合った演奏を堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=oO42wAH5Kp8

Manfred Mann's Earth BandやThe Alpha Band(T-Bone Burnettがいたグループ)などがカヴァーしています。
The Alpha Band「You Angel You」
 http://www.youtube.com/watch?v=Aii2uZFoqnU

「Never Say Goodbye」
邦題「さよならと云わないで」。この曲もカントリー調のラブソングに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=8OFhAWtrkCs

「Wedding Song」
タイトル通りの求愛ソングです。ギターとハーモニカのみの弾き語りでぶっきらぼうに歌われますが、かなり熱烈な求愛です(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=uH6kDgUysKA

The Bandを従えた約8年ぶり全米ツアーの模様は、ライブ・アルバム『Before the Flood』(1974年)に収録されています。
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2009年04月27日

Regina Belle『Stay With Me』

2曲の全米R&BチャートNo.1を含む2nd☆Regina Belle『Stay With Me』
Stay with Me
発表年:1989年
ez的ジャンル:クワイエット・ストーム系女性R&B
気分は... :今夜はステイ・ウィズ・ミー

今日は女性ヴォーカルによる、しっとり&感動的なバラードが聴きたい気分です。
そこでRegina Belle『Stay With Me』(1989年)をセレクト。

Regina Belleの紹介は、『Reachin' Back』(1995年)、『All By Myself』(1987年)に続いて3回目になります。

Anita BakerMiki Howardと並び、クワイエット・ストームを代表する女性シンガーであるReginaですが、彼女への評価はイマイチ低い気がします。多分、Peabo Brysonとのデュエットによる唯一の全米No.1ヒット「A Whole New World」(映画『アラジン』の主題歌)のイメージがR&Bファンへマイナスに作用しているのでしょうね。

その意味ではデビュー作『All By Myself』に続く2ndアルバムとなる本作『Stay With Me』も2曲の全米R&BチャートNo.1を含むわりにはR&Bファンの支持が高い作品とは言い難いと思われます。

僕は基本的に(スロウならば)Regina Belleは全てO.K.な人なので、今でも『Stay With Me』を愛聴しています。

80年代後半というサウンド的にビミョーな時期に制作された作品であるため、正直数曲あるアップ・チューンは音が古臭くイマイチですが、大半を占めるスロウはいい曲が揃っていると思いますよー!

プロデュースはNarada Michael Walden、Nick Martinelli、Barry J. Eastmondの3人が務めています。

Narada Michael Waldenがプロデュースしているからという訳ではありませんが、初期Whitney Houstonに通じる魅力がある仕上がりです。こんなことを書くとR&Bファンにはマイナス・イメージなのかもしれませんが(笑)。メジャー過ぎて嫌う人も多いかもしれませんが、僕はWhitneyのデビュー作はかなり好きですよ!

決して名作の類ではありませんが、感動バラードの数々に心惹かれてしまいます。

全曲紹介しときやす。

「Baby Come to Me」
アルバムからの1stシングルとして全米R&BチャートNo.1に輝いたオープニング曲。クワイエット・ストームらしい大人のミディアム・スロウに仕上がっています。

Da Brat、Jermaine Dupri、AaliyahをフィーチャーしたKris Krossのヒット曲「Live & Die For Hip Hop」の元ネタにもなっています。
Kris Kross feat.Da Brat,Jermaine Dupri,Aaliyah「Live & Die For Hip Hop」
http://www.youtube.com/watch?v=MH3rXgIEfqM

「When Will You Be Mine」
80年代後半らしいダンサブルなアップ・チューン。今聴くと音的に少し古臭いですね。

「Dream Lover」
クワイエット・ストームらしいミッド・チューンで悪くはないのですが、ドラムの音が全てを台無しにしているような(泣)

「What Goes Around」
アルバムからの3rdシングルとして全米R&Bチャート第3位になっています。しっとりと大人のバラードを歌い上げます。憂いが魅力の1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=WkUy0hA_07M

「Make It Like It Was」
一番のお気に入り曲。アルバムからの2ndシングルとして全米R&BチャートNo.1に輝いたヒット曲。Reginaらしい胸にジーンとくる感動バラードです。彼女のヴォーカルにはこういう曲がよく似合いますね。Whitney Houston「Greatest Love Of All」あたりと一緒に聴きたくなります。
http://www.youtube.com/watch?v=K3ipsMY9dGA

「Good Lovin'」
Reginaのパワフルなヴォーカルを生かしたNJS調のアップ・チューン。ReginaにはNJSよりもハウス調のアップが似合うと思います。その意味でオリジナルよりもフロア仕様になっているリミックスの方が僕の好みです。

「Good Lovin' (Remix)」
http://www.youtube.com/watch?v=Oh1p7RV-wcY

「It Doesn't Hurt Anymore」
クワイエット・ストーム好きの人は安心して聴ける感動スロウ。僕が今日本作を取り上げたのもこういう曲を聴きたかったんですよね。
http://www.youtube.com/watch?v=j-2Uxn2rsVE

「This Is Love」
アルバムからの4thシングルとして全米R&Bチャート第7位になっています。シリアス・モードの哀愁バラードを堂々と歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=SN0SqeUt8v4

「(It's Gonna Take) All Our Love」
しなやかさと力強さを併せ持ったバラード。スロウ・チューンの連続ですが、Reginaの場合はこの畳み掛けるようなスロウ攻勢がいいですよね!

「Someday We'll All Be Free/Save the Children」
ご存知Donny Hathaway、Marvin Gayeの名曲メドレー。ベタな選曲ですがReginaによく似合う2曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=wDqWyjKDRSU

「All I Want Is Forever」
Kool & The Gangを脱退し、ソロ活動を開始した"J.T." Taylorとのデュエット。Gregory Hines主演の映画『Tap』のサントラ収録曲です。キャッチーさで言えば、アルバムで一番かもしれませんね。感動のフィナーレといったところでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=p80BVMtNbak

東京の今朝は快晴で気持ちいいですね。
今週はいいことがありそうな予感?
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2009年04月26日

Tenorio Jr.『Embalo』

キラーチューン「Nebulosa」収録。ピアノ・ジャズ・サンバの名盤☆Tenorio Jr.『Embalo』
Embalo
録音年:1964年
ez的ジャンル:ピアノ・ジャズ・サンバ
気分は... :今聴いても鮮度抜群!

GWとは全く無縁の生活の僕ですが、音楽くらいはGW気分でセレクトしてみますね。

ということで今日はピアノ・ジャズ・サンバの名盤として名高いTenorio Jr.『Embalo』(1964年)です。

本作『Embalo』は、ブラジル音楽、クラブ・ジャズ、カフェ・アプレミディのお好きな方にはお馴染みの1枚ですね。

その割にはTenorio Jr.本人についての情報は非常に少ない気がします。
僕も彼について知っているのは、彼がブラジル出身のピアニストで、本作『Embalo』が23歳の時にレコーディングした唯一のリーダー作であり、70年代半ばにアルゼンチンで消息不明に(アルゼンチンの軍事政権に反体制分子の疑いをかけられ処刑されたらしいです)....というくらいですね。だからこそ伝説のピアニストなのかもしれませんが。

そんな唯一のリーダー作『Embalo』ですが、中身も"伝説"の名に相応しいものになっています。

何と言っても、クラブ・ジャズ、カフェ・アプレミディから絶大な人気を誇るキラーチューン「Nebulosa」収録に惹かれますね。ジャジーHip-Hopのサンプリング・ネタとしてもお馴染みのジャズ・サンバであり、この1曲をゲットするだけで十分おつりがくる作品だと思います。

クラブ・ジャズ好きの若いリスナーの方が聴いても、全く古さを感じさせない作りだと思います。逆にそのフレッシュ感に驚く方が多いのでは?さらに「Nebulosa」以外にもクラブ・ジャズ好き、カフェ・ミュージック好きを歓喜させる演奏が目白押しです。

メンバーは、Tenorio Jr.(p)以下、Jose Antonio Alves(b)、Sergio Barrozo(b)、Milton Banana(ds)、Roberto Ronal De Mesquita(ds)、Celso Brando(g)、Neco(g)、Maurilio Santos(tp)、Pedro Paulo Siqueira(tp)、Edson Maciel(tb)、Raul De Souza(tb)、Paulo Moura(as)、Hector Costita(ts)、J.T.Meirelles(ts)、Rubens Bassini(per)という編成です。このあたりは詳しくないので僕にはピンときませんが、リオ・オールスターズと呼べる布陣みたいです。

21世紀のクラブ・ジャズ、カフェ・ミュージックを予見したかのような、60年代ピアノ・ジャズ・ボッサ/サンバ最高峰を、ぜひご堪能ください。

ジャズ・ボッサの入門編としても最適な1枚なのでは?

全曲紹介しときやす。

「Embalo」
オススメその1。タイトル曲はTenorioのオリジナル。小気味良いジャズ・ボッサに仕上がっており、躍動するTenorio Jr.のピアノにRaul De Souzaをはじめとするご機嫌なホーンが絡みます。

「Inutil Paisagem」
Antonio Carlos Jobimの有名曲ですね。邦題「無意味な風景」。メロディが素晴らしいのは勿論のこと、ピアノ・トリオによるエレガントな演奏が何ともたまりません。

「Nebulosa」
オススメその2。前述のように本作のハイライトとなる躍動するジャズ・サンバ(Tenorioのオリジナル)。このミラクルなピアノ・フレーズは世代を越えてリスナーを魅了する何かを持っていますね。
http://www.youtube.com/watch?v=H2FNolvbuYs

Andrea Pozza、Kenichiro Nishiharaのカヴァーをはじめ、Cypress Hill「High Life (DJ CAM Remix) 」、A Forest Mighty Black「Fresh In My Mind」、A.Y.B. Force「Carioca Moon」、Libro「雨降りの月曜」等でサンプリングされています。

A.Y.B. Force「Carioca Moon」
 http://www.youtube.com/watch?v=xsebe-kT2WU

※Andrea Pozza、Kenichiro Nishiharaのカヴァー、A Forest Mighty Black「Fresh In My Mind」は下段のimeemでお聴きください。

「Samadhi」
Tenorioのオリジナル。落ち着いたピアノ・トリオにとる演奏にEdson Macielのレイジーなトロンボーンが絡みます。

「Sambinha」
オススメその3。Bud Shankによるボッサ・ナンバーをカヴァー。ブエノスアイレスのジャズ・フェスティバルでBud Shankと共演した経歴を持つTenorioらしい選曲かもしれませんね。ボッサ・ジャズ好きの人であれば気に入るでしょう。

「Fim de Semana Em Eldorado」
オススメその4。「Nebulosa」に次いで人気があるのがこの曲なのでは?パーカッシヴなTenorioのピアノが印象的な疾走するジャズ・サンバはいつ聴いてもスリリングです。緩急のつけ具合も絶妙ですね。邦題「エルドラードでの週末」(Johnny Alf作品)。

「Nectar」
哀愁のボッサ・チューン。Tenorioのオリジナル。

「Clouds」
ドラマティックなTenorioのピアノとPaulo Mouraのアルトサックスが印象的ですね。Durval Ferreira/Mauricio Einhorn作品。

「Consolacao」
オススメその5。クラブ・ジャズ好きの人は歓喜するラテンなハードバップ。豪華なホーン隊が暴れまくります。クラブジャズの新作と錯覚してしまいそうなこの演奏を今から45年前のものと聴いて驚く方も多いのでは?Baden Powell/Vinicius De Moraes作品。

「Estou Nessa Agora」
オススメその6。ラウンジ/カフェ・ミュージック好きの人にはたまらい1曲。邦題「それに夢中」、 Tenorio Jr.のオリジナルです。

「Carnaval Sem Assunt」
ラストはベースで参加しているJose Antonio Alvesの作品。「語るべきもののないカルナヴァル」という邦題が印象です。ギターも加わりアクセントになっています。

サッカー・リーガ・エスパニョーラ注目の一戦「バレンシア対バルセロナ」をTV観戦中!前半を終了して2対1でバレンシアがリード!なかなかの好試合を期待できそうです。
posted by ez at 05:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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