2009年04月14日

Leela James『Let's Do It Again』

待望の2ndは全曲カヴァー集☆Leela James『Let's Do It Again』
Let's Do It Again
発表年:2009年
ez的ジャンル:正真正銘ディープ・ソウル
気分は... :手首が痛む?

ここ数日、手首が痛くて仕方がありません(泣)

昨晩から今朝にかけてクライアントさんに提出するレポートを1本書いていたのですが、痛くて全く作業が捗りませんでした。何とか朝一の送付に間に合いましたが、おかげで痛みが増してきました。

今も痛みに耐えながら、記事作成しています。
特別手首に負荷をかけたことはないのですが...原因不明なだけでに不安になります。

さて、今日は本ブログでも紹介した『A Change Is Gonna Come』(2005年)で鮮烈なデビューを飾った女性ソウル・シンガーLeela James待望の2ndアルバム『Let's Do It Again』です。

デビュー・アルバム『A Change Is Gonna Come』は各方面から絶賛の嵐でしたね。久々の本格派若手女性ソウル・シンガーの登場に興奮した方も多かったのでは?

ディープで土臭いLeela Jamesのヴォーカルは、根っからのソウル・シンガーって雰囲気が漂っていましたね。若いのに(1983年生まれ)少しシブすぎという気もしましたが(笑)

あれから4年...ようやく届いた新作はメジャーのWarnerから離れ、老舗インディ・レーベルShanachieからのリリースとなります。都落ちの印象も受けますが、売れ線の音楽ではなく、自分のやりたい音楽を追求したいといった志向があったのかもしれませんね。

そんな中で届けられた2ndアルバム『Let's Do It Again』は全曲カヴァー作品です。自身のバンドをバックに従え、リラックスムードの中で自身のソウル魂を再確認しているかのような仕上がりです。

デビュー・アルバム『A Change Is Gonna Come』でもSam Cookeの名曲を堂々とカヴァーしていたLeelaですから、この路線も有りかなという気がします。

Betty Wright、Rolling StonesJames Brown、Womack & Womack、Phyllis Hyman、Foreigner、Bobby Womack、Angela BofillBootsy Collins、Al Green、Staple Singersといったお馴染みのアーティストの楽曲をセレクトしており、オリジナルと聴き比べてみるのも楽しいと思います。

歌唱力、表現力に自信があるからこそ、こうしたカヴァー集を制作できるのでは?

全曲紹介しときやす。

「Clean Up Woman」
Betty Wright、1971年の大ヒット曲をカヴァー。フリーソウル・クラシックやHip-Hopネタとしてもお馴染みの曲ですね。僕も大好きな曲です。そんなオリジナルの雰囲気を残しつつも、相当パンチが効いている仕上がりです。全体にピチピチ感があるのがいいですね。益々この名曲が好きになりますっ!

「Miss You」
Rolling Stones、1978年の全米No.1ヒットをカヴァー。ダンサブルなディスコ・チューンだったオリジナルと比較すると、よりソウルフルな仕上がりです。Tina Turnerがこの曲をカヴァーすると、こんな感じになるのでは?

「It's a Man's Man's Man's World」
James Brown、1966年のヒット曲をカヴァー。アルバムに先行して昨年シングルにもなっていました。女性のLeelaがこの曲を取り上げるのが興味深いです。その意味でJBヴァージョンを聴き慣れていると新鮮かもしれません。

「Baby I'm Scared of You」
Womack & Womackが1983年に発表したガラージ・クラシックをカヴァー。Angie Stone「I Wasn't Kidding」のサンプリング・ネタにもなっていましたね。オリジナルは相当好きですが、Leelaによるディープなカヴァーもなかなか聴き応えがあります。

「You Know How to Love Me」
当ブログでも紹介したPhyllis Hymanのダンス・クラシックをカヴァー。James Mtume & Reggie Lucasコンビの手腕が光ったオリジナルは大好きですが、そんなオリジナルの軽快な雰囲気を踏襲しつつ、Leelaらしいヴォーカルを披露してくれます。25歳とは思えない熟練ヴォーカルに惚れ惚れしますな。

「I Want to Know What Love Is」
Foreigner、1984年の全米No.1ヒットをカヴァー。今回の選曲の中で一番意外です。正直、オリジナルは聴いていると胸ヤケがしてきそうで、1曲フルで聴くのが耐えられないほど嫌いでした(笑)。でも、こうやってカヴァーで聴くと案外悪くないから不思議ですね。確かに、オリジナルにも多少ゴスペルの要素がありますしね。

「Nobody Knows You When You're Down and Out」
Bobby Womack、1973年のヒット曲をカヴァー。前曲の「I Want to Know What Love Is」とは逆で、この曲はLeelaは歌うといかにもハマりそうな曲ですよね。実際、その通りのディープなソウル・ヴォーカルを聴かせてくれます。

「I Try」
Angela Bofill、1979年のリリース作品をカヴァー。オリジナルのロマンティック・テイストを残しつつ、よりソウルフルに迫ってくる感じです。

「I'd Rather Be with You」
Bootsy's Rubber Band、1976年リリース作品をカヴァー。Bootsy Collinsのクセのある楽曲をどのようにカヴァーするのか興味がありましたが、ディープな仕上がりで聴かせてくれます。

「Simply Beautiful」
Al Green、1972年リリース作品をカヴァー。Queen LatifahがAl Green本人を迎えてカヴァーしたり、Talib Kweli「Good To You」でサンプリングされていたりもしました。Leelaヴァージョンもギター一本のシンプルなバックで、じっくり聴かせてくれます。実に雰囲気のある仕上がりに相当グッときます。

Queen Latifahのヴァージョンもなかなかいいですよ。Queen Latifahにはラップして欲しいですが(笑)

Queen Latifah & Al Green
 http://www.youtube.com/watch?v=dpb1gMJhiTg

「Let's Do It Again」
ラストはStaple Singers、1975年の全米No.1ヒットをカヴァー。オリジナル以上にディープに迫ってきます。この枯れ具合がサイコーですな。

脱線しますが、バック・ヴォーカル陣の中にAndrea Martinの名前を発見できたのが嬉しかったですね。Andrea Martinの楽曲をLeela Jamesが歌うなんてことがあると大喜びなのですが...

次作はオリジナルも聴きたいですね。

全曲カヴァー集と言えば、当ブログでも大絶賛のUKジャズファンク・バンドThe Baker Brothersの新作『Avid Sounds』も楽しいカヴァー集に仕上がっています。こちらも近々紹介しますね。
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2009年04月13日

King Sunny Ade『Synchro System』

ワールド・ミュージックの先駆者!☆King Sunny Ade『Synchro System』
Synchro System
発表年:1983年
ez的ジャンル:ジュジュ・ミュージック
気分は... :衝撃のトーキング・ドラム...

今日はワールド・ミュージックの先駆者King Sunny Adeの世界デビュー第2弾アルバムKing Sunny Ade『Synchro System』(1983年)です。

King Sunny Adeは、1946年ナイジェリアのヨルバ族の王家に生まれました(彼が広く世に知らしめた"Juju Music"は、ヨルバ族によって創り上げられた音楽です)。1974年には自らのレーベルを立ち上げ、ナイジェリア国内で多くの作品をリリースするようになります。

1982年にはIslandから世界デビュー作『Juju Music』、さらに翌年には第二弾『Synchro System』をリリースし、一躍世界中の注目を浴びる存在となります。1985年には来日公演も果たし、日本でも大いに盛り上がりました。

IslandのChris Blackwellは、Bob Marleyの死(1981年)を受けて新たな第三世界のヒーローを探しており、白羽の矢を立てたのがKing Sunny Adeでした。

1980年代後半のワールド・ミュージック・ブームの頃には、Youssou N'DourSalif Keita等の後続アーティストの陰に隠れてしまいましたが、現在も活動を続ける"ジュジュの王様"です。

本作『Synchro System』は、当時高校生だった僕にとってもかなり衝撃的な1枚でしたね。

僕が聴いた最初のアフリカン・ミュージックであり、とにかくトーキング・ドラムの響きに鳥肌が立った記憶があります。同時に、ロック、ソウル、ジャズ、レゲエ以外にも素晴らしいポピュラー・ミュージックがあることを認識することができました。

音楽評論家がこぞって大絶賛していましたね。当時僕が愛読していた某音楽雑誌では、殆どの評論家が年間ベスト10に『Juju Music』又は『Synchro System』をピック・アップしていました。

ナイジェリア出身のミュージシャンと言えば、King Sunny Ade以前にもFela Kutiがいます。しかしながら、この両者はかなり異なる印象を受けます。

Fela Kutiには、政府との対決姿勢を鮮明にした"反逆の異端児"というイメージがあります。一方、King Sunny Adeは"ジュジュ・ミュージックのエンターテイナー"というイメージですね。

サウンド的にも、Fela Kutiのアフロ・ビートが煽動的なブラック・ミュージックのイメージに対して、King Sunny Adeのジュジュ・ミュージックはワールド・ミュージックという言葉が似合う気がします。

King Sunny Adeの世界デビューに際しては、ワールド・ミュージックの仕掛人Martin Messonierがプロデュースを務めています。ナイジェリアのジュジュ・ミュージックと西洋の最新テクノロジーを駆使したサウンドが合体した音楽を、"シンクロ・システム(Synchro System)"とAde自身は呼んでいました。

このMessonierの関与を"Ade本来の魅力を半減させてしまう"ということで嫌う人もいますが、僕は全然気になりません。Papa Wemba『Papa Wemba』Cheb Khaled『Kutche』Amina『Yalil』等Martin Messonierプロデュース作は基本的に嫌いじゃないので。

ワールド・ミュージック的な聴き方をしなくても、アフロ・エレクトロなダンス・ミュージックとして十分楽しむことができると思います。

全曲紹介しときやす。

「Synchro Feelings - Ilako」
アフロ・エレクトロなこのオープニングでヤラれてしまいます。トーキング・ドラムの響きは民族楽器という古臭いイメージではなく、フューチャー・サウンドという印象がありましたね。今聴いてもその印象は全く変わりません。

「Mo Ti Mo」
レゲエやカリプソにも通じる楽園モードな1曲。アフリカ音楽の温かみを感じる仕上がり。

「Penkele」
アフリカン・ミュージックの伝統を継承しつつも、コズミックな広がりがあるのがいいですね。

「Maajo」
僕が最初に聴いたジュジュ・ミュージックがFMラジオで聴いた本曲でした。Messonierによる電子サウンドとトーキング・ドラムの絡みが独特のダイナミズムを生み出すサイコーのダンス・ミュージックだと思います。♪マジョー、マジョー♪の連呼は空耳アワーにも使えそう(笑)

「Synchro System」
タイトル曲はアフロ・コズミックとして人気の1曲。まさにジュジュ・ミュージックと西洋の最新テクノロジーが見事に合体した"シンクロ・システム"になっています。

「E Saiye Re」
今聴くと、一番カッチョ良いのはこの曲かも?ギターとパーカッションが生み出す覚醒的なグルーヴは、今時リスナーが聴いてもグッとくると思います。

「Tolongo」
この曲も覚醒的なグルーヴ感に溢れていますね。エレクトロではないのに、エレクトロ的な魅力に溢れている不思議な曲。

「E Wele」
トロピカル・モードな1曲。基本的にAdeの音楽って聴いているだけで、明るく陽気になれるのがいいですね。晴れモードの音楽としてサイコー!

「Synchro (Reprise) 」
タイトル曲のリプライズ。このあたりはMessonierらしいですね。

最近はアフリカの音楽動向を殆ど把握していませんが、たまにCDショップでアフリカ音楽のコーナーを覗き、適当に試聴してみると新旧問わず(ダンス・ミュージックとして)結構面白い作品があります。

アフリカ音楽については、ワールド・ミュージック・ブームの頃に買い漁った作品の中に結構お気に入り作品があるので、ボチボチ紹介していきたいと思います。ただし、アーティストや作品に関する情報が殆どないので、記事にするのが大変そうですが...
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2009年04月12日

The Roots『Things Fall Apart』

Rootsの志の高さが窺える傑作☆The Roots『Things Fall Apart』
シングズ・フォール・アパート
発表年:1999年
ez的ジャンル:知性派&ダーク系Hip-Hop
気分は... :グループのターニング・ポイントになった1枚

唯一無二の存在である知性派Hip-HopグループThe Rootsの4回目の紹介です。

『Game Theory』(2006年)、『Do You Want More?!!!??!』(1994年)、『Rising Down』(2008年)に続いて紹介するのは、The Roots『Things Fall Apart』(1999年)です。

彼らにとって4thアルバムとなった本作は、初の全米アルバム・チャートTop10(第4位)入りを果たした作品であり、グループにとって大きな転換点になったアルバムではないかと思います。

ヒットしたと言っても売れ筋に走った訳ではなく、アーティステックなスタンスを失っていないのが、Rootsの面目躍如といったところなのでは?

本作には、D'AngeloErykah BaduJay DeeCommon、Mos Def、James Poyserといったミュージシャン/プロデューサーが参加しています。

これらのメンバーの名を見ると、当時の先鋭ミュージシャン/プロデューサーが集結したSoulquarians及びD'Angelo『Voodoo』Erykah Badu『Mama's Gun』Common『Like Water For Chocolate』といった21世紀の音楽シーンを切り拓いたSoulquarians関連作品が思い浮かびます。

その意味で、本作も『Things Fall Apart』『Voodoo』『Mama's Gun』『Like Water For Chocolate』とセットで聴くと、さらに楽しめる作品だと思います。

特に?uestloveD'Angelo『Voodoo』のレコーディングに触発されて本作『Things Fall Apart』を制作したようです。

従来からのジャジーな感覚を残しつつも、その後の彼らを支配するダークな世界観が印象に残りますね。

「Things Fall Apart」というタイトルは、ナイジェリアの作家Chinua Achebeの小説からとったものです。1950年代後半に出版されたこの小説は、ナイジェリアのとある村の生活が宣教師の到来と共に一変してしまう様子を描いた作品のようです。

ダークな世界観は、ジャケにも反映されています。
本作は「Girl」「Church」「Ace」「Riot」「Baby」という5種類のジャケでも話題になりましたね。Amazonには「Riot」のジャケしかないようですが...僕が持っているのは「Ace」です。(トランプの)スペードのエースを手にしたままの血まみれの死体は一番惨たらしいジャケかもしれません。

芸術性と社会性と商業性、この3つを同時達成したRootsに脱帽する1枚です。

ファンの中でも最高傑作に挙げる人が多い、Hip-Hop史に残る傑作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Act Won (Things Fall Apart)」
プロローグ的なオープニング。Spike Leeがジャズ・ミュージシャンについて描いた映画『Mo'Better Blues』(1990年)における、主演のDenzel WashingtonとWesley Snipesによる音楽論争のシーンが使われています。創造性追求か?商業的成功か?ミュージシャンが抱えるジレンマを問題提起しています。

「Table of Contents, Pts. 1-2」
Rootsらしいダークネスが漂います。?uestloveのドラムが煽るアーティスティックな緊張感がいいですね。The Beginning of the End「Funky Nassau」ネタ。

「The Next Movement」
オススメその1。DJ Jazzy Jeffをフィーチャーしたシングル曲。ネオ・ソウル/ジャジーHip-Hop好きの人ならば気に入るであろうメロウ・グルーヴ。その心地好いグルーヴにJazzy Jeffのスクラッチが程好く絡んできます。
http://www.youtube.com/watch?v=BnevMn60Unk

「Step into the Realm」
Black Thought、Malik B.の巧みなフロウを堪能する1曲。

「The Spark」
D'Angeloがベース&キーボードで参加しています。派手な印象はありませんが、淡々とした展開の中にリアルなHip-Hopを感じることができるのでは?。

「Dynamite!」
オススメその2。Jay Deeプロデュース曲。僕の一番のお気に入り曲。Jay DeeおよびジャジーHip-Hop好きならば間違いない1曲なのでは?この時期のJay Deeの充実した仕事ぶりが窺えます。♪Touch this ill-a-5th dynamite♪Touch this ill-a-5th dynamite♪
http://www.youtube.com/watch?v=g5oTl0qEGPY

「Without a Doubt」
オススメその3。Schooly D「Saturday Night」ネタを使ったオールドスクールな仕上がり。Rootsらしからぬテイストですが、たまにはこういうのも楽しいのでは?

Schooly D「Saturday Night」
http://www.youtube.com/watch?v=Nr59F0UObm0

「Ain't Sayin' Nothin' New」
オススメその4。Black Thought & Dice Rawの疾走するフロウと浮遊感の中のあるバックの相性が抜群です。カッチョ良すぎ!
http://www.youtube.com/watch?v=6hANRXseFcg

「Double Trouble」
オススメその4。Mos Defをフィーチャー。Rootsらしい&ジャジー&クールな雰囲気に、Mos Defが引き締まったスパイスを利かせてくれます。特に後半のオールドスクールな展開がHip-Hopファンにとって楽しい展開なのでは?

「Act Too (Love of My Life)」
オススメその5。Commonをフィーチャー。Commonの過去の楽曲「I Used to Love H.E.R.」をオーバーラップさせながら聴くと、さらに彼の熱いラップが深く入ってくるのでは?フィリーサウンドへのリスペクトも感じる楽曲であり、後半にはMFSB等でお馴染みのチェロ奏者Larry Goldを中心としたストリングスも聴けます。James Poyserもキーボードで参加。全体の完成度もかなり高い1曲。
http://www.youtube.com/watch?v=tjIcga4Afrg

「100% Dundee」
オススメその6。Black Thoughtの男気溢れた感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=3Ser5MYxOSU

「Diedre Vs. Dice」
Dice Rawをフィーチャーしたインタールード的な1曲。

「Adrenaline!」
Dice Raw & Beanie Sigelをフィーチャー。このキャッチーさはScott Storchの貢献が大きいのでは?

「3rd Acts: ? Vs. Scratch 2...Electric Boogaloo」
この曲もインタールード的な1曲です。

「You Got Me」
オススメその7。Erykah Baduも参加しているアルバムからの1stシングル。スパニッシュなギターをバックにしたBlack Thought & Eveの哀愁ラップがグッときます。そして、後半のドラムンベースな展開が"さすがは?uestlove!"と唸ってしまいます。ソングライティングに翌年ブレイクするJill Scottが加わっている点も興味深いですな。
http://www.youtube.com/watch?v=kBBBhQUl99w

Jill Scott & The Roots「You got Me」
http://www.youtube.com/watch?v=4b5lNKnqp_o

「Don't See Us」
オススメその8。ネオソウルなリズム感覚が魅力ですね。クールなオリジナルも好きですが、サックスをフィーチャーしてかなりキャッチーな仕上がりになったNutin But Sax Remixも好きです。

「Don't See Us (Nutin But Sax Remix)」
 http://www.youtube.com/watch?v=bcuS1yxJVr4

「The Return to Innocence Lost」
ラストはUrsula Ruckerをフィーチャーした12分弱にも及ぶポエトリーリーディング。このあたりが知的Hip-hopグループらしいですな。

それにしてもこの頃のSoulquariansメンバーの作品ってスゴすぎですね。
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2009年04月11日

The Latin Blues Band『Take A Trip Pussycat』

キラーチューン充実のグルーヴィー・ブーガルー☆The Latin Blues Band『Take A Trip Pussycat』
Take a Trip Pussycat
発表年:1968年
ez的ジャンル:グルーヴィー・ブーガルー
気分は... :祝!空耳アワード2009受賞

深夜たまたま『タモリ倶楽部』を観ていたら、人気コーナー「空耳アワー」の年間最優秀作品を決める"空耳アワード2009"をやっていました。そして、最優秀作品に選出されたのが、当ブログで先月紹介したThe Sound Providers「5 Minutes」だったのでサプライズ!ただし、受賞した空耳部分が♪イヤイヤ違う、分けれ、分けれ麺♪という訳のわかんない日本語で、かなり強引な気がしましたが(笑)

当ブログのようにほぼ毎日記事を書いていると、かなり空耳ネタってあるんですよね。ただし、その場で覚えていても時間が経つと忘れてしまっているものが殆どですが...今度からきちんとメモしておき、ネタが集まったら特別企画で記事にでもしてみましょうか?

さて、今日はThe Latin Blues Band『Take A Trip Pussycat』です。

春らしい陽気を通り越して、かなり暑くなった昨日から気分はラテン・モード(笑)
そんな気分にフィットする1枚としてセレクトしたのが本作です。

The Latin Blues Bandについては、N.Y.ラテンの名門レーベルSpeedからリリースされたブーガルー作品であり、Bernard Purdieもレコーディングに参加しているということくらいしか。

多くの方がLatin Blues Bandの存在を知ったのは、当ブログでも取り上げたChristina Aguileraのヒット曲「Ain't No Other Man」DJ Premierプロデュース、アルバム『Back To Basics』収録)を通じてだと思います。

僕もそうでした。同曲でサンプリングされた本作収録「(I'll Be A) Happy Man」のホーンはかなりインパクトありましたよね。それだけに元ネタに辿り着いた時は感動しました。

その「(I'll Be A) Happy Man」と、各種コンピにも収録されている「Lay an Oz on Me Baby」の2曲が目玉でしょうね。

そのハイライト2曲について、"オリジナルはThe Moon Peopleで、それをLatin Blues Bandがカヴァーした"という説明をネットで多くに目にしたのですが、それで正しいのですかね?

Latin Blues Bandがグループ名を改名してMoon Peopleとなった、という経緯に思えるのですが...

本作『Take A Trip Pussycat』のリリースが1968年、The Moon Peopleによるオリジナル収録とされるアルバム『Land Of Love』のリリースが1969年という時間軸を考えても矛盾していますよね。

『Land Of Love』をきちんと聴いているわけではないのですが、同じSpeedからリリースされているこの2枚は兄弟アルバムという位置づけで構わないのでは?

いろんな角度からラテンを楽しむことができる構成がいいですね。
その意味ではラテンへの入り口としても最適な1枚なのでは?

全曲紹介しときやす。

「Take a Trip」
オープニングはご機嫌なラテン・グルーヴ。「Twist and Shout」を陽気なラテンのりにした感じが楽しげです。

「Pussycat」
ポップ&キャッチーなラテン・ソウル。モロにラテンしているのは苦手!という方も違和感なく聴くことができると思います。

「(I'll Be A) Happy Man」
前述の通りのキラーチューン。Primoも使ったホーンが決まりすぎ!全体的にも超カッチョ良いグルーヴィー・ブーガールーに仕上がっています。ちなみにMoon Peopleのヴァージョンは「Happy Soul」のタイトルでリリースされています(インスト)。
http://www.youtube.com/watch?v=OS3znqPCcCg

やはり、この曲はChristina Aguilera「Aint No Other Man」とセットで聴きたいですね。
Christina Aguilera「Aint No Other Man」
http://www.youtube.com/watch?v=P-Flgwb1pI8

「Lay an Oz on Me Baby」
「(I'll Be A) Happy Man」と並ぶハイライト。曲のカッチョ良さで言えば、こちらの方が上かも?ラテンを意識しなくてもすんなり聴けるポップさも良いですね。こちらのホーンもバッチリ決まっています。こちらもMoon Peopleのヴァージョンは「Land Of Love」のタイトルになっています。

「Hasta Cuando」
「Oye Mi Guaguanco」
「Rumba Con Guaguanco」
N.Y.サルサ・ファンにはグッとくる3曲。同時期のWillie ColonやHector Lavoeにグッとくる人であれば気に入ると思います。

「Pura Falsedad」
ロマンティックなバラード。ラテンならではのムーディーな雰囲気が魅力です。

「The Cow」
ラストはラテン・ジャズ。クラブジャズ好きの人であれば、かなりグッとくるスリリングな演奏だと思います。

本作に関して、Faniaのサイトでアルバム全曲のダイジェストを試聴できます。
http://www.fania.com/disco_detalle.php?id=5433&artista=5432

前述のThe Moon People『Land Of Love』(1969年)や本作と同じMorty Craftがプロデュースしたガールズ・ラテン・ソウル作品Dianne & Carole『Feeling The Pain』あたりもゲットしたいですね。CD化してくれないかなぁ?
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2009年04月10日

Carole King『Wrap Around Joy』

ポップに弾けた快心作☆Carole King『Wrap Around Joy』
Wrap Around Joy
発表年:1974年
ez的ジャンル:ナチュラル・ポップ系女性SSW
気分は... :喜びにつつまれて...

ようやく春らしい陽気になってきましたね。

今日は春らしいアルバムを...ということで選んだのがCarole King『Wrap Around Joy(邦題:喜びにつつまれて)』(1975年)です。

永遠のメロディ・メイカーCarole Kingの紹介は、『Music』(1971年)、『Fantasy』(1973年)に続いて3回目になります。

昨年の来日公演の盛り上がりも記憶に新しいCarole King
僕は今年に入ってTVで来日公演を観ましたが、とても60代後半とは思えないチャーミングさが印象に残りました。よく考えると、自分の母親とほぼ同年齢なんですよねぇ...

来日公演のTV放送を観た直後に、CD棚から何枚か彼女の作品を取り出して聴いてみましたが、その中で最もグッときたのが今日紹介する『Wrap Around Joy』(1975年)です。

それまで自分の中では、『Music』『Fantasy』の2枚をお気に入り作として認識していたのですが、それに迫る勢いでお気に入り度急上昇です。

前作『Fantasy』にあったニューソウル色は後退し、明快なポップ感に溢れたアルバムに仕上がっています。どこか吹っ切れた感じが清々しいですね。

本作では元Steely DanのDavid Palmerをソングライティング・パートナーに迎え、全曲彼とのコンビで書かれています。

プロデュースはお馴染みLou Adler。バックはDean Parks(g)、Danny Kortchmar(g)、Charles Larkey(b)、Andy Newmark(ds)、Tom Scott(s)、Jim Horn(s)、Abigale Haness(back vo)、Sherry Goffin(back vo)、Louise Goffin(back vo)等のメンバーが務めています。

特にCaroleと絶妙のコンビネーションを聴かせてくれる女性コーラス陣の貢献が大きいと思います。

チャート・アクションで言うと、『Music』(1971年)以来の全米アルバム・チャートNo.1に輝き、「Jazzman」「Nightingale」という2曲の全米Top10シングルも生まれ、復活を印象付ける作品となりました。

タイトル通り、喜びにつつまれたポップスでワクワクしましょう!

全曲紹介しときやす。

「Nightingale」
前述の通り、全米チャート第10位となったヒット・シングル。(日本風に言えば)70年代ニューミュージックの香りが漂うポップ感覚がたまりません。ワクワクする躍動感がサイコー!

Carole King「Nightingale (Remix)」
http://www.youtube.com/watch?v=SXeIAWUhIn0

「Change in Mind, Change of Heart」
爽やかに心に浸透してくるバラード。春の清々しさの中でマッタリと過ごしながら聴きたい気分の1曲です。

「Jazzman」
全米チャート第2位となった大ヒット・シングル。Tom Scottのサックス・ソロも聴きものです。タイトルの通り、ジャズ・フレイヴァーの小粋なポップ・ソングに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=F7x_vWNRS5c

「You Go Your Way, I'll Go Mine」
味わい深いバラード。SSWらしいCarole Kingをお好みの方は気に入る1曲だと思います。若かりし頃の青春の思い出が浮かんでくる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=nLSjJfcnN0Q

「You're Something New」
Carole Kingらしいメロディと小粋なアレンジが心地好い1曲。地味ながらも確かな手応えがあります。かなり好き!

「We Are All in This Together」
邦題「世界はひとつに」。タイトルの通り、スケール感の大きなメッセージ・ソングになっています。僕には少し仰々しく聴こえますが...

「Wrap Around Joy」
タイトル曲は、ルーズな雰囲気が魅力のポップ・チューン。バック・コーラス陣が盛り上げてくれます。

「You Gentle Me」
アルバムで一番のお気に入り。彼女のポップ・ワールド全開の1曲ですね。♪シュビドゥワ〜♪のバック・コーラスを聴いただけで心トキメキますよね。

「My Lovin' Eyes」
ファンキー&ポップな味わいが魅力の1曲。バック陣の堅実なサポートが目立ちます。

「Sweet Adonis」
この曲もCarole Kingらしいメロディを聴くことができます。

「Night This Side of Dying」
クスリに溺れた少女ジュリーの悲劇を描いた1曲。今の僕の気分としては、こういったシリアス・ムードの曲はパスします。

「Best Is Yet to Come」
この曲もかなり好き!悲しい状況でも前向きに進んでいこうとする感じがメロディ&サウンドにも反映されています。


昨日でサッカーUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝1stレグが終了しました。
マンチェスターUがポルト相手にホームでまさかの引き分け、接戦が予想された「リヴァプール対チェルシー」、「バルセロナ対バイエルン・ミュンヘン」の2試合がチェルシー、バルサの圧勝と、かなり意外な結果になりましたね。

バルサ・ファンの僕ですが、完璧すぎる前半で勝敗が決してしまったため、後半は「リヴァプール対チェルシー」の生中継を観ていました。エトー、メッシ、アンリを最強トリオを止めるのはどのチームなのか!というのがチャンピオンズリーグの見所ですね。誰も止めることができず、圧倒的な破壊力で優勝!というのが僕の望むシナリオですが,,,

このままで行けば、準決勝は「ポルト対アーセナル」、「バルセロナ対チェルシー」となり、決勝は2005-06年の再現「アーセナル対バルセロナ」になって欲しいというのが僕の願望です。
posted by ez at 03:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする